地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
58 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 山田 伊久子, 備前 信之, 小坂 共栄, 磯村 智香子
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    前期中新世末〜中期中新世初頭に堆積した内村層は北部フォッサマグナの高井-美ヶ原帯南部に位置する内村地域に広く分布する.内村地域西部の堆積物は主に海成の礫岩,砂岩,泥岩の堆積岩類からなり,一部は変質した溶岩,火砕岩からなる.それらは岩相に基づいて8つの部層に分けられ,下位からあやし沢火砕岩部層,藤井砂岩泥岩部層,山田砂岩礫岩部層,浅間峠砂岩泥岩部層,一の瀬砂岩礫岩部層,三才山峠玄武岩部層,細尾の滝火山岩部層,刈谷原砂岩泥岩部層と区分される.これらは,内村地域の中部に分布する厚い溶岩および火砕岩と対比され,両岩相は指交関係にある.内村層から産出する底生有孔虫は,内村層が中部漸深海帯(700m以深)で形成されたことを示す.また,礫組成と古流向のデータは礫岩,砂岩,泥岩などの堆積岩類が内村地域の南〜西からもたらされたことを示し,その後背地は美濃帯,領家帯,濃飛流紋岩類が考えられる.調査地域内の地質構造はその特徴から3つの地帯に区分され,それぞれ水内帯東縁部,高井-美ヶ原帯,糸魚川-静岡構造線の示す構造に調和的である.
  • 小滝 篤夫
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    田倉山火山は,スコリア丘と溶岩台地からなる.溶岩は下位から小倉・衣摺・田倉山溶岩の3種に区分され,スコリア丘は田倉山溶岩流出後に形成されたことがわかっている(田倉山団研1984).スコリアの風化が進んでいるため,スコリア丘の層序をスコリア中の重鉱物組成によって確立することは困難であったが,新たにスコリア中に残る鉄-チタン鉱物の化学組成の分析を行ない,田倉山溶岩とスコリア丘を構成するスコリア層を対比した.また,JR夜久野トンネル工事のボーリングコアや工事中の露頭から得た試料により,溶岩の基盤岩の形態を検討した結果,田倉山団研(1984)が述べた基盤岩の高まりは見られないことがわかった.
  • 竜ヶ崎団体研究グループ
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 1 号 p. 25-36
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,稲敷台地南部において新しい露頭が観察可能となり,従来記載されていない堆積相を持つ地層が分布することが判明した.これらは下位から斜交層理粗粒〜中粒砂層,黄灰色砂賀シルト層,灰色粘土層,砂泥細互層,生物擾乱中粒砂層の5つの堆積相に区分される.また,黄灰色砂質シルト層には,"コウジミソ"軽石が挟まれることから,これらは上岩橋層に属する.斜交層理粗粒〜中粒砂層,黄灰色砂質シルト層および灰色シルト層はそれぞれチャネル・ポイントバー,氾濫原の堆積物と解釈され,低海水準期における蛇行河川システムを構成するものと考えられる.また,砂泥細互層は干潟の堆積物と考えられる.生物擾乱中粒砂層には,貝化石や有孔虫化石が豊富に含まれ,貝化石はMactra chinensis, Nitidotellina hokkaidoensisを,また,有孔虫化石はPseudononion japonicum, Elphidium kusiroenseを主構成種とする.したがって,生物擾乱中粒砂層は内湾,上浅海帯(内部浅海帯)の堆積物と解釈され,砂泥細互層および生物擾乱中粒砂層は,海進期における溺れ谷システムを構成するものと考えられる.前報と合わせて検討すると,稲敷台地南部の上岩橋層の堆積相は,低海水準期における蛇行河川システムから海進期における溺れ谷システム,高海水準期における海浜平野システムへと変遷したことが明らかになった.
  • 楠 利夫, 小原 正顕, 武蔵野 実
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 1 号 p. 37-54
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    丹波帯東南部の宇治川沿いの喜撰山付近に,チャートとドロマイト砂岩が下部で互層するチャートの連続露頭を見いだし,微化石の抽出を行った.その概査の結果,本露頭から作製した志津川セクションB,Cは,産出化石により連続する一露頭で,ペルム紀古世最前期(Asselian中〜上部)〜新世(Changhsingian)にわたる年代を示し,さらにその下位の志津川セクションAには石炭紀新世を含む貴重な露頭であることが明らかとなった.この志津川セクションは丹波帯南西部の亀岡市春日部のチャート-ドロストーン互層の春日部セクションに対比できる.
  • 小室 裕明
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
  • 鈴木 尉元
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
feedback
Top