地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
58 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 脇元 理恵, 田崎 和江, 縄谷 奈緒子, 池田 頼正, 今井 茂雄, 佐藤 一博, 奥野 正幸
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 4 号 p. 199-214
    発行日: 2004/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    大島紬は使用する泥田の状態により,染色の仕上りが異なると言われている.本研究では,現在使用中の泥田,現在は使われていない旧泥田,来期使用のために一年間休閑中の泥田の泥について鉱物学的,微生物学的特徴を検討した.3つの泥田のEh,DOは,ともに休閑中の田で最も還元状態を示した.泥の中には石英,長石類の他に鉄酸化物や鉄に富むクロライト,バーミキュライト,雲母類粘土鉱物,カオリン鉱物などの粘土鉱物が確認された.一年休閑させている泥田の泥と現在使用中の泥田の泥の総Fe量はともに多く,鉄酸化物や粘土鉱物中に含まれている.一方,有機成分は,現在使用中の泥田で最も高く,この結果は光学顕微鏡観察および偏性嫌気性細菌培養により,多種多様の微生物が観察された事と一致する.また,偏性嫌気性細菌培養結果は,特に鉄還元細菌と考えられる球菌,桿菌が多いことを示した.泥により黒く染色された絹糸部分からは,Fe,S,Ca,Al,Si,P,K,Mnが検出され,これらの元素は,泥およびテーチ木起源と考えられる.よって,大島紬を独特の深い黒色に染色する泥田の条件として,泥田の水質が還元状態である事,染色に重要な鉄は二価鉄である事,泥中には鉄還元細菌をはじめとする多種多様の微生物が存在し,鉄を二価に変えている事があげられる.
  • 後藤 仁敏, 大倉 正敏
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 4 号 p. 215-228
    発行日: 2004/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    岐阜県吉城郡上宝村福地の水洞谷および一ノ谷において,上部石炭系一ノ谷層および下部ペルム系水屋ヶ谷層から軟骨魚類の歯化石14標本を記載した.一ノ谷層のFusulinella-Fusulina帯下部(Moscovian下部)またはFusulinella-Fusulina帯上部(Moscovian上部)の灰色石灰岩からは,板鰓類のCladodus sp. indet.1,2,3,4の歯,Agassizodus sp. indet.の側歯,ペタロドゥス類のPetalodus allegheniensis Leidyの正中歯,Janassa sp. indet.1,2の歯,コクリオドゥス類Poecilodus sp. indet., Cyrtonodus fukijiensis n. sp., C. brevis n. sp., C. nishioi n. sp., Chocliodontidae gen. et sp. indet.の歯板の13標本が産出している.このうち,C. nishioiの1標本が一ノ谷において,他の12標本が水洞谷入り口で発見されている.また,同じ水洞谷入り口において,下部ペルム系水屋ヶ谷層のPseudoshwagerina帯(Asselian)の灰緑色石灰岩から,Petalodus acuminatus (Agassiz)の歯の1標本が採集されている.本論文は,わが国の石炭紀後期とペルム紀前期の地層からの軟骨魚類化石の最初の報告であり,今後さらに,多数の古生代魚類化石が日本の各地から発見されることが期待される.
  • 遅沢 壮一
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 4 号 p. 229-244
    発行日: 2004/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    仙台の青葉東断層は双葉破砕帯の再活動によって生じた南北走向の左横ずれ断層である.青葉東断層を南方に追跡し,青葉東断層は阿武隈川南岸の双葉断層の延長であることを確認した.この結果,双葉破砕帯は北方に20km追加された.青葉東断層,坪沼断層,長町-利府断層,久の浜-岩沼撓曲は段丘や愛島火山灰を切断・変形させており,いずれも第四紀の東西あるいは北西-南東の圧縮応力場で形成された活断層・活撓曲である.坪沼断層と長町-利府断層は互いに延長されず,青葉東断層で分断されている.
  • 山本 玄珠, 北垣 俊明, 輿水 達司, 篠ヶ瀬 卓二
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 4 号 p. 245-253
    発行日: 2004/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    富士火山は,古富士火山の上位に新富士火山が累重する.古富士火山と新富士火山旧期の火山岩は,記載岩石学的および岩石化学的にそれぞれ特徴を持っている.富士山西麓の新富士火山の基底溶岩とされてきた白糸溶岩Iと猪之頭溶岩Iは,層序並びに記載岩石学および岩石化学的性質が吉富士火山の火山岩の特徴を有することから,古富士火山の溶岩とすることを提案する.
  • 鈴木 明彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 4 号 p. 254-255
    発行日: 2004/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
  • 大森 昌衛
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 4 号 p. 256-259
    発行日: 2004/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
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