地球科学
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58 巻, 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 田崎 和江, 脇元 理恵, 盛一 慎吾, 桜井 健太, 今西 弘樹
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 261-262
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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  • 鈴木 尉元
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 263-278
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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    本州西部は,1995年の兵庫県南部地震,2000年の鳥取県西部地震,2001年の芸予地震が次々と発生したが,これまでのこの地域の地震の発生様式から,南海地震の発生が危惧される.なお,兵庫県南部地震に際しての水準点の改測によって,同地震が,六甲山地の隆起,その前縁地域の地塊運動にともなって発生したもので,被害が集中した地域は,この地塊運動が行われた地域であったことが明らかにされた.本州中央部は,1800年代の中頃から1900年代初期,1920年代から1940年代にかけては地震の活動期で,中部山地の周辺地域で次ぎつぎに地震が発生した.この地域には,浅発地震に加えて中深発地震の活動が活発に行われているが,それらの活動は,幅約100kmの地震活動の不活発な地帯をはさんだ南北ないし北西-南東方向の帯状地域に行われ,規模の大きな浅発地震の活動は,この中深発地震の活動地帯に行われる傾向がある.中深発地震にともなう断層は,一般に山地では正断層,平野や湾では逆断層である.このことば,山地では数100kmの深部から垂直に突き上げるような力が働いていることを示唆している.平野や湾の逆断層は,山地の隆起に伴う側圧によるものと考えられる.信濃川地震帯は,地質学的には鮮新世後期から更新世の魚沼層群の堆積盆地沿いに形成されているもので,現在は新潟平野,十日町盆地,長野盆地などに引き継がれている.この地震帯に沿っては,浅発地震と中発地震の活動が行われている.これらの地震にともなう断層は,浅発地震では,走向は魚沼層群の盆地の縁辺に平行し,丘陵側から平野ないし盆地側へのしあげるようなセンスの逆断層にともなったものである.中発地震も,走向は盆地の縁辺に平行し,やはり丘陵側が隆起し,平野ないし盆地が沈降するようなセンスの正断層にともなったものである.日本列島の一等水準点の改測結果は,日本列島が現在さかんに隆起運動を行っていることを示している.一等三角点の改測結果は,山地の周辺地域に剪断歪みが集中し,そこに破壊的地震が発生することを示している.地震活動は,中国・四国地方,中部・関東地方といった構造単元の隆起運動にともなって行われるので,地震予知計画は,このような単元の測地学的変動と地震活動の観測結果に基づいて行われる必要があると考える.
  • 秩父盆地団体研究グループ
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 279-294
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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    関東山地北東部に位置する秩父盆地には新第三系が分布している.秩父堆積盆地の発生過程を明らかにする目的で,新第三系最下部層の分布する盆地西縁部の調査をおこなってきた.その結果,盆地西縁部の新第三系最下部層に発達する泥岩層中に凝灰岩層が何枚かはさまれており,このうちの一枚が北縁地域の子ノ神層(秩父盆地団体研究グループ1999)に連続することが確認された.このことにより,本調査地域の新第三系は鍵層をもって盆地北〜北西縁部の層序区分と対比し,下位より牛首層,富田層,子ノ神層,宮戸層,吉田層に区分した.基盤と新第三系の接触関係を25ヶ所で観察することができ,このうち18ヶ所は不整合関係であり,そのうちの9ヶ所は高角不整合と考えられる.堆積盆地の発生過程は,断裂が発生することから始まり,その後に4期にわたる陥没が発生し,それぞれの時期に対応して火山活動が生じている.断裂が生じる前に,マグマの上昇にともなう地表部で隆起が生じたことが推定される.このことは秩父堆積盆地も火山性陥没盆地と同じような過程をへて発達したことを示す.本調査地域では新第三系堆積時に沈降域の中心が北側から南側(南東方)へ移動しており,いわゆる将棋倒し構造をなしている.
  • 中川 登美雄, 杉本 裕美
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 295-304
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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    石川県加賀市の大聖寺層から産出したEchinarachnius microthyroidesに見られる捕食痕について研究した.捕食痕は産出した241個体中120個体から見つかった.捕食痕率はカシパンウニの大きさにより大きく異なり,長さ28mm以下の個体では22.0%であるのに対して長さ28mm以上の個体では69.5%であった.円筒型で2〜3mmの修繕跡のない小さな径を持ち,酸によるエッチングが見られ,複数の穴が開けられている個体は6.7%とまれであることからLiracassis japonicaのように殻高数cmのトウカムリ科巻貝による捕食痕と考えられる.ほとんどの捕食痕は完全で,反口側に開けられていることから,捕食者はカシパンウニの上部(反口側)から襲いかかったものと推定される.Echinarachnius microthyroidesはトウカムリ科巻貝により捕食され,波の影響により浅い海に集積したと考えられる.
  • 狩野 彰宏, 劉 再華, 高島 千鶴, 川合 達也, 堀 真子
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 305-316
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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    北部中国山西省娘子関のトゥファの産状と安定同位体組成には古気候情報が記録されている.従来の研究によると,酸素同位体ステージ3にあたる5.5-3.5万年前にトゥファの堆積が最も盛んであった.この時期に堆積したトゥファの中には方解石結晶の粒度の違いを反映した縞状組織があり,酸素安定同位体比の高解像度分析結果により,これが年縞であることが示された.また,この古トゥファの酸素・炭素安定同位体比はいずれも現世トゥファの値よりも低い.水の酸素同位体比の値が同一であったと仮定すれば,この古トゥファが堆積した時期は現在よりも2-3℃気温が高かったと見積もられる.一方,低い炭素同位体比は土壌層での二酸化炭素生産が活発であるか,地下水系がより閉鎖的であった事を示唆する.トゥファの堆積作用が現在より活発であった酸素同位体ステージ3の期間には,大量の湧水が倒木を水没させる程度に深い流れを形成していた.活発なトゥファの堆積はより湿潤な気候を示す.この見積りは北部中国でのレス・古土壌シークエンスの研究結果と符合している.
  • 寺島 滋, 太田 充恒, 岡井 貴司, 今井 登, 御子柴(氏家) 真澄
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 317-336
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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    東海・沖縄地域で採取した非沖積土壌の母材の起源と土壌化に伴う元素の地球化学的挙動を研究した.柱状試料における元素等の鉛直分布の特徴として,TOC, TS, Sb, Bi, Pb, Cd, Sn, Hg等は土壌の表層で高濃度を示すが,母材の風化や人為的な汚染では説明できず,生物濃縮の影響が考えられた.植物試料の分析を実施した結果,いくつかの重金属等元素が生物濃縮の影響を受けることが判明した.もし,アジア大陸起源の広域風成塵の影響が大きい場合,土壌の化学組成はどの地点でも類似の組成を示すと考えられる.しかし,土壌の化学組成は試料の採取地点毎に異なっており,むしろ,火成岩類,堆積岩類,堆積物等の地殻物質が風化して形成された土壌母材の化学組成に類似する.したがって,広域風成塵の影響はさほど大きくない.地殻表層に供給される土壌母材としての再移動地殻起源物質,海塩,植物関連物質,広域風成塵等の量と,土層の堆積速度を比較した結果,両者は一致せず,土壌化に伴って地表物質が流出すると考えられた.そこで,岩石や堆積物の粉末試料から水に抽出される元素を測定した結果,Si, Al, Ti, Fe等を含めてすべての元素が溶存態,懸濁態等として移動・流失することが判明した.
  • 長橋 良隆, 高橋 友啓, 柳沢 幸夫, 黒川 勝己, 吉田 武義
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 337-344
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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    福島県の太平洋岸に分布する鮮新統大年寺層から2層の広域分布テフラ層を見出した.本層は,おもに泥質砂岩から構成されており,多くのテフラ層を挟む.これらのうちのSF4.5とSF8.3テフラ層は,黒雲母を含むことと火山ガラスのカリウム量が高濃度(高カリウム領域)であることから,大年寺層中のその他のテフラとは区別される.SF4.5テフラ層は,おもにシルトサイズのガラス質火山灰からなり,バブルジャンクション型の火山ガラス片を含むことが特徴である.こうした特徴と,微化石層序との関係,テフラ層の層序関係・岩相・記載岩石学的特徴および火山ガラスの化学組成から,SF4.5テフラ層は本州中央部を広く覆う鮮新世広域テフラ層の1つであるZnp-Ohtaテフラ層に対比される.また,SF8.3テフラ層は新潟堆積盆で広く分布するYmpテフラ層に対比される可能性がある.
  • 黒川 勝己, 矢萩 春菜, 丹 真紀子, 長橋 良隆
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 345-350
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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    The early Pleistocene Km2 Tephra Bed in the Kitaura Formation in the Oga Peninsula, Akita region of northeast Japan was correlated to the SK100 Tephra Bed in the Uonuma and Taira Formations in the Niigata region, central Japan. The Km2 and SK100 Tephras are mainly composed of micropumice type glass shards, accompaning 10-38% plagioclase crystals. Biotite crystals are dominant in mafic minerals, accompaning small amount of allanite in common. Chemical composition of the glass shards are also coincident. Basal units of both Tephra Bed are similar in lithlogy. The SK100 Tephra had been revealed as a subaqueous gravity flow deposit of about 1.6Ma in the Niigata region. The continuity of this gravity flow to the Akita region, which is about 450km apart from the possible on-land volcanic source, was suggestively discussed.
  • 大森 昌衛
    原稿種別: 本文
    2004 年 58 巻 5 号 p. 351-355
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2017/07/14
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