地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
69 巻, 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 永広 昌之
    原稿種別: 本文
    2015 年 69 巻 6 号 p. 303-310
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2017/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    南部北上帯上八瀬-飯森地域の中部ペルム系から並はずれて大きいオウムガイ類化石Tainoceras 2種,Tainoceras kitakamiense HayasakaおよびTainoceras sp.,を記載した.これらは破片であるが,殻径が20cmを超えていたと推論され,ペルム紀のものとしては巨大なものである.殻径が20cmを超えるペルム紀の巨大なオウムガイ類は,このほか赤坂金生山,南中国,イタリー,北米ニューメキシコなどから知られているが,これらの地域はペルム紀に当時の赤道地域に位置していた.
  • グエン コン ザン, 中山 俊雄, 杉本 隆男, 小島 義孝, 片桐 雅明, 大石 幹太, 木幡 行宏
    原稿種別: 本文
    2015 年 69 巻 6 号 p. 311-324
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2017/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    ベトナムの首都ハノイ市中心地域は紅河右岸に位置し,完新世の地層が堆積した地盤上に発展した都市である.都市基盤整備需要の増加とともに高層建築物や地下鉄等の建設が計画されている.これらの建設を安全かつ円滑に進めるには,深さ方向の支持層の確認と,水平方向の地層の変化を知ることが大切であり,地層を三次元的に把握ことが重要となる.本研究は,紅河デルタの形成史や紅河流路の変遷などに関する既往研究成果を基に,1990年代に低層建築物基礎設計のために実施された135箇所の地盤調査の報告書を収集分析し,今回,土の種類,色,硬さなどの地層の層相確認のため2本のボーリング試掘調査を行って,地表面から深さ約30mまでの完新統地層について三次元化を図った.その結果,TB層とHH層と呼ばれる完新統が更新統のVP層と呼ばれる地層の上に堆積していること,完新統の三次元化によって中心地域の下に埋没谷が形成されていることを明らかにした.そして収集した土質試験結果から,均等係数が小さい砂が挟在して堆積していること,粘性土層は低〜中位塑性のシルトであり東京の完新統の地盤と比較すると圧縮性は小さいことなどを明らかにした.こうした土の特徴から,掘削や盛土工事の注意点として,1)砂は粒径が単一なため掘削工事中にボイリング破壊の可能性があり,2)粘性土は乱すと沈下やヒービング崩壊の可能性が高いことなどを指摘した.
  • 寺崎 紘一
    原稿種別: 本文
    2015 年 69 巻 6 号 p. 325-336
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2017/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    新潟市南西の角田岬から南西の海岸沿いには,新生代中新世寺泊期の水中火山岩類が分布している.角田岬付近には玄武岩質安山岩のハイアロクラスタイトが分布しており,その中には多起源の礫から成る火山角礫岩が直径30m程度の2つの垂直な円柱を造って含まれている.周辺の火砕岩層の傾斜が20°〜30゜であることから,このような火山角礫岩の分布形態は火道を連想させる.火山角礫岩は径30cm以上の多くの巨礫から構成されており,礫支持である.その中には長径20〜50cmの円礫や亜円礫,大きさ5×2mにも達する赤色スコリアを含む火山礫凝灰岩のブロック,不定形のアメーバ状岩塊などが含まれている.アメーバ状岩塊は安山岩質玄武岩で,大きさはほとんどが30cm以上あり,1mに近いものもある.周囲はガラス質の急冷周縁相で囲まれているが,個々の岩塊は数cm〜5cm程度の角礫状に破砕されている.アメーバ状岩塊が外形を保ちながらも角礫状に破砕されていることは水冷破砕を示唆しており,火道内部が水で満たされていたと推測される.火山角礫岩中にはアメーバ状岩塊と同じ岩質の岩脈が多数貫入しており,アメーバ状岩塊は明らかにこの岩脈に由来している.このように岩脈を形成したマグマの破片と母岩が混合した岩石はペペライトである.円礫の存在は火口が波打ち際に近い浅海にあったことを示唆している.また,火山礫凝灰岩のブロックに含まれる赤色スコリアの存在はこのブロックが陸上に堆積したことを意味しており,火口の一部は陸上にあったことを示している.このような環境にある火口での噴火様式を推測すると,Kokelaar(1983)によって示されたスルツエイ式噴火に類似した水中火山活動であったと結論づけることができる.
  • 河野 俊夫, 鹿山 雅裕, 中野 總志
    原稿種別: 本文
    2015 年 69 巻 6 号 p. 337-342
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2017/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    Photoluminescence (PL) and cathodoluminescence (CL) of cristobalite in cavities from the Taisho II Lava at Sakurajima Volcano, Japan were measured, together with the analyses by X-ray diffraction and an electron probe micro analyzer. Most of the cristobalite occur as single crystal and commonly show bright bluish-white PL under short-wave ultraviolet light. The PL emission spectrum of the cristobalite consists of emission band with a peak at approximately 462 nm. The PL excitation spectrum of the cristobalite reveals energy state with maximum luminescent efficiency under excitation at wavelength below 219 nm. A similar emission band was detected in CL spectrum of the cristobalite, which has been assigned to the [AlO4/M+]0 defect center by the previous studies. The PL emission band of the cristobalite is estimated to be caused by the structural defects due to the replacement of Si4+ by Al3+ from its similarity to the CL blue emission band.
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