地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
73 巻, 4 号
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原著論文
  • 石田 志朗, 小滝 篤夫, 糸本 夏実
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 4 号 p. 195-204
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2020/06/04
    ジャーナル フリー

    京都府北部の日本海沿岸には海岸段丘が分布している.その中で,中位段丘は広い範囲に分布し,面の発達が良い.それらの旧汀線高度によって,地形学的に丹後半島の地殻変動が議論されてきた.また,中位段丘堆積物は大山倉吉パミスにおおわれることから,最終間氷期のものであるとされている.しかし,今まで海岸段丘の堆積物が記載され,議論された研究は少ない.本論では,中位段丘を構成する堆積物の観察と粒度分析の結果から,その堆積環境が,前浜-外浜-前浜-後浜-砂丘へ移り変わることを示し,最終間氷期の海水準変動によって海成段丘堆積物が形成される過程を明らかにした.

  • 能登半島中部西海岸活断層研究グループ
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 73 巻 4 号 p. 205-221
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2020/06/04
    ジャーナル フリー

    能登半島中部の志賀町西海岸地域における後期更新世から完新世の地殻変動を富来川南岸断層の関連で検討した. この海岸地域には中位段丘が分布することが知られてきた. この段丘を構成する堆積物の層相を観察・記載するとともに,その分布高度を検討した.その結果,志賀町の福浦港北のさらに北にも海成堆積物が連続的に分布することが明らかになった.また,その分布高度は南の志賀町赤住から北の富来川に向かって徐々に高くなり,富来川右岸で高度を下げる.このことから,志賀町富来川に沿っておよそ10 万年,少なくとも12 万年前以降の後期更新世にも活動した活断層の存在が示唆される.さらに,能登半島中部の志賀町西海岸の海食崖に刻まれる波食ノッチとヤッコカンザシ棲管化石の分布を調査した.海食微地形や化石群集の不連続な高度分布は完新世における間欠的な隆起運動を示すが,この運動と断層活動との関連はさらなる調査が必要である.

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