東アジアへの視点
Online ISSN : 1348-091X
32 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 髙木 信二
    2022 年 32 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は,「アジア通貨危機」(1997~98 年)から学習された教訓を,資本流出の側面から 再考察する。アジア通貨危機の教訓というとき,IMF の失策(それも不適切な緊縮的財政コ ンディショナリティー)という文脈で語られることが多い。しかし,本稿では,IMF の過ち が,「資本逆流」という通貨危機の本質を十分に理解していなかったことにあったと議論する。 資本逆流の規模を過小予測したため,必要とされる経常収支調整も過小予測し,経済成長を 過大予測することになった。さらに,外貨建て対外純債務がある状況下で,為替レート減価 が民間部門のバランスシートを通して実体経済に与える負の影響も,十分把握していなかっ た。緊縮財政は,結果的な失策だったのである。資本勘定に起因する危機の管理には,資本 流出を抑えることが大切である。これは自明のように思えるが,当時は,資本自由化をイデ オロギーとして標榜する時代であった。資本流出を抑えるために,行政措置に訴えることな ど論外だったのだ。本稿では,アジア通貨危機を契機として,資本移動を費用便益の観点か ら見る現実主義が国際社会の規範となったことを示す。今や,資本流出規制は,危機管理の 常套手段として受け入れられており,TPP 協定を含む多くの自由貿易協定では,危機時,締 結国がマクロ安定を目的とした資本移動規制を導入できることが明記されている。このよう に,アジア通貨危機の教訓は学習され,アジア太平洋地域を含む国際経済の骨組みの一部と なったのである。
  • 戴 二彪
    2022 年 32 巻 1 号 p. 16-41
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
     本研究は,米中摩擦による日中間の貿易・物流への影響に焦点を当て,日本と中国の関連 統計に基づいて影響の実態を明らかにしようとするものである。主な検証結果は次のように 要約できる。 ① 米中摩擦が激化した2019 年に,中国の輸出も輸入も大きく失速したが,新型コロナの早 期抑制と経済活動の迅速な回復を果たした2020 年には,輸出が拡大に転じ,輸入も微減 にとどまった。一方,2019 年以降,日本は,輸出も輸入も顕著に縮小した。 ② 2019 年に,米国による「華為(ファーウェイ)禁輸」など通信機器関連製品に関する対 中輸出入規制の影響で,日中両国間の輸出も輸入も縮小したが,2020 年に,中国経済の V 型回復に伴い,日本から中国への輸出がプラス成長に転じた。 ③ 通信機器関連製品の輸出入額の減少によって,ICT 産業が集積している東京圏・関西圏の 主要港の輸送額の減少は他の地域の港よりも深刻である。また,日中間輸出入貿易の約3 割は航空輸送が支えているが,付加価値の高いICT 関連貨物の減少は,航空輸送の成長 に大きなマイナス影響を与えている。 ④ 九州のICT 産業も成長しつつあるが,禁輸対象企業との直接取引が比較的少ないので, 2019 年に九州の主要港(空港を含む)が受けた米中摩擦の影響は,東京圏・関西圏の主 要港ほど深刻ではない。また,2020 年に,経済活動がいち早く正常化した中国に近いと いう地理的優位性を生かし,九州の一部の港は逆境の中で国際輸送が伸びている。
  • 田村 一軌
    2022 年 32 巻 1 号 p. 42-50
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿では,財務省関税局が公表している貿易統計のうち「積卸港別税関別貿易額表」を用 いて,輸出入貨物の国内流動の一端を可視化するとともに,それを用いて港湾の集荷力・魅 力度を評価する方法について検討した。さらに得られた結果から,港湾ごとの機能やその特 徴について議論した。地元貨物比率および地元港利用率という指標をもちいることで,神戸 港や東京港などの大規模港だけでなく敦賀港などの地方港の魅力も高く評価された。さらに, 貨物分担率の分析からは,東京港と横浜港および神戸港と大阪港で補完的な役割分担が行わ れていることが明らかとなった。
  • 戴 二彪
    2022 年 32 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 永田 伸吾
    2022 年 32 巻 1 号 p. 55-57
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
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