東アジアへの視点
Online ISSN : 1348-091X
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 小松 正之
    2019 年 30 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日露戦争後の1905年に韓国統監府が設置され,1908年11月には旧明治漁業法に基づく「朝鮮漁業法」が制定された。1910年の韓国併合を経て,1911年に日本と韓国は明治漁業法の同一の漁業法体系を保有することとなった。その後,韓国は朝鮮戦争の混乱で諸制度の整備が遅れ,日本はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の下で戦後の民主化政策がすすめられ,それぞれの法体系に変化が見られた。 韓国の漁業は,1960年代からの国を挙げての工業化政策にのっとり,生産量の増加がみられた。韓国の沿近海漁業(日本の「沿岸・沖合漁業」に相当)は,1980年代半ばから,沿岸漁業と近海漁業の対立,主要資源の減少と漁場の遠隔地化が進んで,漁船の大型化と機械化に向かい,さらに沿岸と沖合の区別がなかったことから,沿岸域での漁場の資源状況とそれをめぐる紛争は一段と悪化した。 日本の漁業生産量は,1974~88年までは1,000万t以上(1984年には1,282万t)を記録し,世界一の漁業生産量を誇ったが,それ以降凋落した。その原因の大部分は,自国200カイリ排他的経済水域内での漁獲の減少である。 世界では1982年に国連海洋法条約が署名され,1994年にはこれが60ヵ国の批准を経て,発効するに至った。日本は1996年6月に,韓国は日本に先立ち1996年1月にそれぞれ批准した。 日本はTAC(総漁獲可能量)制度を1997年に導入した。韓国は1999年から導入したが,同時にIQ(個別漁獲割当量)制度を導入した。tAC魚種数でも韓国が上回る。韓国の漁業生産量は,1980年の日本の約20%から80%の水準まで追いついた。これは日本の漁獲量の減少と韓国の養殖業生産量の増大が主たる要因である。水産政策にも差がみられる。内向きで過去にこだわる日本と外向きで未来志向の韓国である。本稿では,何が日韓の漁業と養殖業の差をもたらしたかを見ていきたい。
  • 田村 一軌
    2019 年 30 巻 1 号 p. 18-28
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは,これまでにも主に北部九州の港湾を対象として,顧客視点に立った港湾の競争力指標に関する研究を行ってきたが,定性的な評価指標の定量化,および定量的指標と定性的指標とからなる総合指標の構築に課題を残していた。そこで本研究では,門司港と博多港のコンテナターミナルを対象として,荷主企業・物流企業といった港湾の「顧客」の立場から,港湾の定量的な評価を試みた。具体的には,物流や港湾の実務担当者など港湾の知識をもつ専門家へのアンケート調査を実施し,階層分析法を用いることで,定性的な評価指標についても定量的に評価すること,定量的および定性的なものを両方含む複数の指標からなる総合指標の構築とそれによる港湾評価を試みた。その結果,コンテナターミナルの評価ウェイトは個人によってばらつくものの,いくつかのグループに分類できる可能性があることが明らかとなった。また,回答者の評価ウェイトを平均した結果から港湾評価項目ごとの評価ウェイトを比較すると,「アクセス距離・接続性」「港湾での所要時間」が重要視されていることがわかった。
  • 田代 智治
    2019 年 30 巻 1 号 p. 29-46
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では,地方都市における「地域創生・再生」,地域活性化のための地域産業クラスター再生にむけた主体,担い手として,これまで産業集積を形成してきた地域密着型である地域中小企業の重要性と内発的取り組みに焦点をあて,その「仕組みづくり」を考察する。日本の地方都市には地域産業クラスターともいうべき産業集積が数多く存在しているが,特に田舎や中山間地域に立地する産地型集積の多くは,さまざまな要因から危機的状況に直面しているといえ,その衰退は地方経済の疲弊と崩壊へと直結する深刻な問題である。そこで本稿では,地域産業クラスター再生にむけた新たなアプローチとして「戦略的ネットワーク」を提示した上で,この戦略によって実際に地域活性化に向けた新事業創出を行う地域中小企業の取り組みを取り上げる。最後に,地域中小企業が地域産業クラスター再生の重要な主体かつ担い手となること,その内発性を起点とした「個」の力による取り組みが地域活性化のきっかけとなることを示す。
  • 永田 伸吾
    2019 年 30 巻 1 号 p. 47-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
feedback
Top