農業気象
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30 巻, 1 号
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  • (1) キュウリ群落の幾何学的構造と受光特性
    岩切 敏, 稲山 光男
    1974 年 30 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1974/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    施設栽培作物の群落光合成を計算法によって評価することを目的として, キュウリ (品種-王金) の畦状群落に関する計量植物学的測定を行なった。このデータをもとにして本報告では, 群落構造の動態と畦状群落への直達光の透入を特徴づける減衰係数, とくに側面からの直達光透入を特徴づける係数kdの変化について数値実験的に検討を加えた。結果はつぎのように要約される:
    (1) キュウリ葉面積の圃場での推定にはつぎの関係式を用いることができる。
    A=0.937(l・w)-9.0. cm2 (1)
    (2) キュウリ葉群の傾斜角は下層ほど, すなわち葉の age が進むほど大きく, 群落平均の傾斜角 (βL) は生育ステージの進行に伴って増加する (生育初期に14°, 収穫始期に21~24°)。葉群の方位角分布には畦栽培に対する適応現象が現われ, 畦の方向に直角な方向での葉面積割合がやや大きい。
    (3) 畦状群落への直達光の透入を評価するために直達光のパスに応じて畦の横断面を2分し (Fig. 1), 斜線の上部については一様群落と同じ方法で, 下の部分については葉面傾斜角 (βL), 太陽高度 (ho) について座標変換を行ない有効投影面積関数GLを求めた。GLは太陽高度に伴って単調に増加するが, その変化の度合は太陽高度が50°以下の領域で大きい。このGLと太陽高度との関係は, ROSS (1970) のえた均一水平葉群落のGLの理論値についての関係に近い。GLはθo=90-hoの関数として表わされる。
    (4) 直達光の減衰係数kdは太陽高度のみの関数として表わされるが, kdは畦の方位とも関連しつぎのようにして求められる。
    kd(bn, i)=seciGL(bn, θo)=cosec(90-i)GL(bn, θo), (6)
    ここでnはブロックの数。kdの日変化を太陽高度について整理すると畦の方位・季節によって異なる多様な変化曲線がえられるが (Fig. 6・7), これを有効角度iの関数として整理すると両者の関係は単一の曲線にまとめられる (Fig. 8)。 Fig. 8の関係曲線をもちいて散光の減衰係数を求めることができる。
  • 1974 年 30 巻 1 号 p. 10
    発行日: 1974/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 坂上 務, 早川 誠而
    1974 年 30 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1974/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    Physical environment in stone rooms of old tombs is considered to have a great influence on the deterioration of their mural paintings, carvings and stone walls themselves. In order to obtain environmental data in this kind of room we measured temperature and humidity inside the stone room of the Ohtsuka old tomb located at the Keisen town near Fukuoka city.
    Based on this observation we investigated the environmental conditions from the view point of the conservation of treasures.
    The results obtained are:
    (1) There is hardly any change of daily temperature and humidity in this stone room.
    (2) The yearly change of temperature in the stone room is almost equal to that of soil temperature at about 3.00 meters deep.
    (3) The humidity in the stone room was kept close to 100%.
    (4) After persons entered this stone room, both temperature and humidity changed suddenly. The sudden change of these two factors is considered to be unfavorable to the preservation of treasures.
  • (2) 畦栽培キュウリ群落内の日荷葉面積率分布
    岩切 敏, 稲山 光男
    1974 年 30 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 1974/06/30
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    畦栽培されているキュウリ群落の日向葉面積率に関する知見を得るために, 生育中期の群落構造調査データを用いた数値実験的研究を行なっこ。日向葉面積率に関連する要因として, 畦の方位・畦幅・畦数あるいは畦の順序 (以上栽培要因), 季節・時刻 (換言すれば太陽高度と方位角) (光要因) をとりあげた。用いた群落の平均葉面積指数は3.6である。えられた結果はつぎのように要約できる。
    (1) 孤立畦群落の日向葉面積率は畦の方位によって大きく異なる日変化を示す。南北畦では日変化の様相に季節による違いが少なく, 太陽高度の低い朝夕に大きく南中時に最小値をもつ比較的に単純な日変化を示す。しかし, 他の3方位畦では季節によって異なる日変化がみられる。群落全体の日向葉面積率 (Fl/Ft) は, いずれの方位をもつ孤立畦においても20~60%の範囲にある。
    (2) 多畦栽培 (標準畦幅180cm) の場合, 第3列畦において日向葉面積率の群落内分布ならびにFl/Ft値は実際上定常となる。第3列におけるFl/Ft値の日変化の範囲は, 冬至15~40%, その他の季節20~40%である。太陽高度が低い場合, 畦数に伴って日向葉面積率の等値線の群落断面内分布は一様群落の分布に急速に接近する。
    (3) 午前中における日向葉面積率の大小によって畦の方位別の優劣を判定してみると,
    冬至: E45°N>E-W>N-S>E45°S畦
    春秋分: E45°N≅E-W>N-S>E45°S畦,
    夏至: N-S>E45°S≅E45°N>E-W畦,
    5月16日では夏至の場合と同じという一応の順位がえられる。しかし畦栽培の場合の散光強度分布がえられた後でなければ方位についての最終的な優劣判定はできない。
    (4) 畦幅が大きく変化した場合の日向葉面積率の減衰についても同様に, 計量植物学的測定資料を用いて推定することができる (Fig. 11)。第1列の日向葉面積率を1.0とする相対日向葉面積率dN/d1と畦の順序・畦幅・太陽光の入射角度との関係を統一的に表わすために, 遮へい率 (群落による日陰の長さ/畦幅) を導入した。第3列畦以降についてはほぼ単一の関係として表わすことができる。本報告で用いた解析法は列栽培の果樹・茶樹についても適用できる。
  • 西内 光
    1974 年 30 巻 1 号 p. 27-28
    発行日: 1974/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
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