C
3植物とC
4植物の発芽温度の相違について検討した。供試種子は, C
3植物22種, C
4植物9種の合計31種。発芽処理温度は平均温度で, 10, 15, 20, 25, 30及び35℃, それぞれに恒温区と日較差区 (18℃) を設け, 計12の温度区を設定した。結果は次のように要約される。
1. 発芽に及ぼす温度日較差の顕著な影響は一部の“野生植物”にだけみられ,“栽培植物”にはみられない。また, 変温発芽性のある植物は, 恒温区と日較差区とで最高の発芽率を示す温度域が異なる。そのため, 発芽と自然の温度環境を考えるときには, より自然状態に近い日較差区の発芽率を考えるべきである。
2. 最終発芽率のパターソにより, 供試植物をI~IVのタイプに分類することができる。Iのタイプは低温域で発芽率が高く, 高温域で発芽率が低下する。このタイプに属するものはすべてC
3植物である。IVのタイプは低温域で発芽率が低く, 高温域で発芽率が高い。このタイプに属するものはすべてC
4植物である。II, IIIのタイプはI, IVの中間のタイプで, C
3, C
4両植物を含む。
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