植物体内成分に対する雨濡れの影響を明らかにするため, 降雨日を想定した弱い日射条件 (61W/m
2) で, 5日間の降雨処理によるインゲンマメ植物の生体重, 乾物重および可溶性糖, デンプン, 窒素含量の変化について検討した。
1) 降雨処理により植物体の乾物重, 可溶性糖, デンプン, 窒素含量は減少した。降雨処理を受けた植物の乾物重は無処理植物の78%, 可溶性糖含量は72%, デンプン含量は57%, 窒素含量は83%の値に減少した。乾物重, 可溶性糖, デンプン含量の低下は地上部 (葉, 茎) において根よりも顕著であった。窒素含量の低下の程度は少ないが, 根が葉, 茎よりも減少した。
2) 5日間の降雨処理期間中の可溶性糖, デンプン, 窒素含量の増加率は無処理植物よりも少なくなったが, 特に茎のデンプン含量は減少が著しく, 降雨処理開始時の約1/2の値になった。
3) 本実験の結果から, 植物体の雨濡れは糖類の含量に著しく影響を与え, 特に葉, 茎のデンプン含量の低下をもたらすことが明らかになった。
本研究の経費の一部は文部省科学研究費補助金 (一般研究C 課題番号63560249) によった。
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