本研究は, 18世紀初頭以後幕末までの家別人別帳を, 年代的に1700年以後25年毎に7区分, 地域的に北部の坂井地域・中部の福井地域・丹生山地の丹生地域・南部の武生地域の4区分, 階層的に〜100石層, 〜60石層, 〜40石層, 〜20石層, 〜10石層, 〜5石層, 〜0石層, 雑家層の8区分に分け, 文書記載の家屋資料を統計的に整理し, 各区分間の数値を比較・検討することにより越前民家の集団的特質の考察を行ってきた。研究は, これまでに5編の論文として発表し, 考察項目ごとに, まとめを付してきた。本章では, これらまとめを, 村落, 家族, 家屋呼称, 家屋形式, 家屋構法, 家屋規模, 居住状況に分け, その大筋を整理・要約した。
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