農業情報研究
Online ISSN : 1881-5219
Print ISSN : 0916-9482
ISSN-L : 0916-9482
25 巻 , 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集:低コストオープンCPU基板を用いた温室環境の自律分散型制御システム
原著論文
  • 戸板 裕康, 小林 一晴
    2016 年 25 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    ユビキタス環境制御システム(UECS)の通信実用規約1.00-E10(実用規約)に対応し,シングルボードコンピュータRaspberry Piで動作するオープンプラットホーム「UECS-Pi(ウエックスパイ)」を開発した.栽培施設等で利用される汎用的な計測・制御機能があらかじめ実装された基本パッケージを利用すれば,短期間でノードを製作可能である.さらに,オープンソースのソフトウェア開発キット(SDK)を用意し,ユーザ独自の機能を追加可能にした.UECS-Piを用いて外気象計測ノードと複合制御ノードを製作し,トマト温室にて3ヶ月間の実証試験を行った.本試験ではノードの製作期間,コスト,可用性,ソフトウェアの有用性を評価した.評価の結果,低コストで実用可能なUECSノードを製作可能であることが示された.本プラットホームによって,特定メーカに依存しない低コストUECS対応トータルシステムを構築可能となった.
  • 安場 健一郎, 多根 知周, 田中 義行, 後藤 丹十郎, 吉田 裕一, 黒崎 秀仁, 岡安 崇史, 星 岳彦
    2016 年 25 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    情報通信によって環境制御を実施するユビキタス環境制御システム(UECS)用のJavaクラスライブラリの開発を行った.ライブラリはUECSの通信規約を実装しており,開発者は複雑なUECSの通信規約を意識することがない.本ライブラリを用いて気温のデータを自動的に受信して換気扇を操作するプログラムを作成したところ,45行で記述できた.ライブラリを使用しない場合の3.6%のプログラム行数で制御可能であったことから,本ライブラリはUECSのプログラム作成に係る労力を大幅に削減可能であった.また,Javaは様々なプラットフォームでサポートされているため本ライブラリの利用範囲は広く,UECSを利用した機器の開発や制御システムの構築を容易にすると考えられた.
  • 黒崎 秀仁, 安場 健一郎, 岡安 崇史, 星 岳彦
    2016 年 25 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    本研究ではArduinoを利用して構築したUECS(ユビキタス環境制御システム)ノードにおけるUDPパケットの受信処理能力について調査を行った.調査の結果,実験で使用したATmega系16 MHzのCPUで動作する機種間に性能差はなく,搭載するEthernetコントローラーICがパケット処理能力を決定していた.約200 byteのUDPパケットを与え,全てのCPUリソースをパケット受信に費やす場合,W5100,W5500搭載機でそれぞれ最大327,576 packets/secの受信が可能だった.HTTPサーバーの応答,SHT75温湿度センサとの通信などを同時に行うと,パケット処理能力は低下したが,即応性の要求されるノードにCPUの拘束時間が長い処理を実装しなければ,中小規模温室で使用するには十分な処理能力があり,パケットの到達範囲を限定すれば大規模温室でも利用できると考えられた.また,未利用ポートにパケットを送信してもパケット処理能力は影響を受けず,利用ポートの棲み分けにより,さらに多くのノードが1つのLANを共有できる可能性が示された.
原著論文
  • 大塚 俊彦, 安久 絵里子, 野口 良造
    2016 年 25 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    高濃度な油分含有排水を取り扱う食品加工場((株)直江津油脂)の排水処理システムを対象に,油水分離装置導入後の排水の水質分析,食品加工場全体の物質・エネルギーフロー解析を行った.排水処理施設からの最終放流水の水質は,n-Hex抽出物質,BOD,SSは規制基準値以下であり,全窒素が19.5~24.7 mg/L,全リンが18.7~20.0 mg/Lであった.資源再利用工程におけるCO2排出量の削減は,浮上油脂では1.21 × 103 kg-CO2/day,回収油では5.94 × 102 kg-CO2/day,全体のCO2排出量は–6.59 × 102 kg-CO2/dayとなり,CO2排出量が負の値となった.排水処理工程の上流側で,排水中の油分を除去することにより,排水処理施設が十分な性能を発揮できるとともに,浮上油脂や回収油の利用は,CO2排出量の削減に大きな効果があることが示された.
  • Dongpo Li, Teruaki Nanseki, Yuji Matsue, Yosuke Chomei, Shuichi Yokota
    2016 年 25 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    Paddy production in Japan is currently undergoing a transition, moving away from the former acreage reduction policies of the 1970s to improve the sector’s efficiency and competitiveness. Meanwhile, agricultural production corporations and the adoption of information and communications technology (ICT) and good agricultural practices (GAP) have been steadily increasing over last decades. This study aims to identify the determinants of paddy yield measured by IT combine within large-scale farms. The sample includes 351 paddy fields from a farm corporation scaled over 113 hectares, located in the Kanto Region of Japan. The candidate determinants include the continuous variables of field area and condition evaluation scores, transplanting or sowing time, and amount of nitrogen, as well as stage-specific growth indicators for chlorophyll contain, number of panicles, plant height, and leaf plate value. Meanwhile, three discrete variables including variety, cultivation method, and soil type are also adopted. Empirical analysis is conducted using a multivariate linear regression, with logarithmic transformations of the continuous variables. Of the continuous variables, transplanting or sowing time is identified as possessing the largest absolute standardized regression coefficient, and thus be the most important determinant. The negative coefficient indicates that earlier transplanting or sowing benefits vegetative growth, thus panicle number and plant height in heading stage, which are identified as positively significant together with field area, and amount of nitrogen. Of the discrete determinants, Akidawara is measured as a productive variety; while the well-drained and submerged direct sowing methods are identified as negatively affecting the yield.
事例研究
  • 竹崎 あかね, 大浦 裕二, 河野 恵伸, 木浦 卓治, 林 武司
    2016 年 25 巻 1 号 p. 47-58
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    農産物関連の代表的なテキストデータであり,今後テキストマイニングの必要性が高まるであろうインターネット通販の野菜商品レビューを対象に,付属辞書を参照した形態素解析結果からレビュー内容を把握する際の問題点を明らかにした.付属辞書を参照した形態素解析では語の分割精度が低いこと,出現頻度が高い同義語が別語と扱われること,否定概念が欠落すること,形容詞の対象が不明確であることでテキストからの概念抽出精度が低くなると判断した.これらの問題解決のために,自然言語処理済みテキストから抽出すべき構文解析情報等を提案し,以下の概念抽出工程を提示した.1)解析対象に合致した参照辞書を構築して形態素解析を行う.2)構文解析後,動詞“する”は,その直前に出現する名詞と一語に集約し,具体的動作を示す動詞に変換する.3)否定概念を付与するために,助動詞“ぬ”,接頭辞“無”・“不”・“低”・“未”・“非”,接尾辞“ない”について語の変換,集約処理をする.4)同義語を正規化する.5)解析対象に合わせて係り受け関係の語を抽出する.
feedback
Top