目的:CO
2レーザー照射とフッ化物塗布の併用による象牙質の耐酸性向上への影響について検討を加えた.
方法:ヒト抜去歯より切り出した象牙質に対してフッ化物塗布有無の2グループに分け,CO
2レーザー照射を行った.処理後試料を2 mlのpH 標準液(pH 4)に浸漬後,溶出したCaイオン濃度を原子吸光分光光度計にて測定を行い,耐酸性能を評価した.また,CO
2レーザー照射後の象牙質表面をSEM にて観察し,同時に表面粗さの変化を測定した.
結果:浸漬試験後CO
2レーザー照射群でCa溶出量は有意に低下した.しかし,pH標準液への浸漬回数が増えるに従いコントロールとの差はなくなった.また,フッ化物塗布後のCO
2 レーザー照射でCa 溶出量は最も低下し,pH標準液への浸漬回数3回でも耐酸性向上効果がみられた.
結論:本研究ではCO
2レーザー照射は象牙質の耐酸性向上効果があること,また,フッ化物との併用により耐酸性能が向上することが示唆された.
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