症例の概要:35歳女性.外傷後の右側顎関節機能時疼痛,咀嚼障害を主訴に来院した.上顎骨骨折に伴う右側臼歯部の開咬により,咬合接触の不良および顎位の不安定が認められた.
スプリントを用いて,顎位の安定および顎関節疼痛の緩解を図り,上顎臼歯部歯槽骨切り術を行った.その後,下顎臼歯部を中心に補綴処置を行い,設定顎位における咬合接触状態の改善を図った.
考察:経過とともに若干の下顎の偏位と歯の挺出が認められたことから,術後における,外科的侵襲および機能的負荷に対する生体反応の重要性が示唆された.
結論:外傷性臼歯部Open bite症例に対し,外科的・補綴的アプローチを適応した結果,良好な結果が得られた.
抄録全体を表示