日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成16年度日本調理科学会大会
選択された号の論文の174件中1~50を表示しています
一般講演
  • 高崎 房子, 原 たつえ, 大家 千恵子
    セッションID: 1A-a1
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    〔目的〕日本人の穀類摂取量が年々減少していく一方で、健康食ブームが起きている。五穀米は精白米に比べ不足しがちな各種ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれている。このことから、雑穀米の理化学的特性を調べ、健康食としても主食としても食べやすい独自のブレンドを考えるためにこの研究に着手した。
    〔方法〕五穀米として、玄米、もち麦、小豆、もち粟、もち黍、米粒麦、押麦を用いた。まず、各々の吸水率、粒の形状試験、水分測定、炊飯特性、アミロース含量測定を行った。その結果を踏まえた上で玄米:雑穀(もち麦、もち粟、もち黍、米粒麦、押麦)の比を7:3、6:4、5:5としてブレンドした五穀米の破断強度測定、官能試験を行い、どのブレンドが一番食べやすく好まれる傾向にあるかを検討した。
    <結果〕吸水率は水温22℃の2時間後では小豆(2.8%)が最も低く、もち麦(37.3%)が最も高かった。水分含有量が最も多いのは小豆の14.1%で、低いのは押し麦の11.6%であった。炊飯特性の加熱吸水率と膨張容積ではもち麦が最も高く、小豆と玄米が最も低かった。pHはどの結果も大差なかった。ヨード呈色度と溶出固形物は押麦、米粒麦が最も多く、小豆が少なかった。アミロース含量測定ではもち麦、もち黍が非常に少なく、押麦、米粒麦、小豆が多かった。アミロース量が少ないほど粘性と軟らかさが増すのでもち麦ともち黍は粘性があり軟らかいことがわかる。破断強度測定では6:4の場合の破断エネルギーが最も高く、7:3の場合が最も低かった。官能試験では、「硬さ」において有意差が認められ、7:3が最も好まれた。他の項目において有意差は出なかったが、「総合評価」においては7:3が好まれる傾向にあることがわかった。
  • 中嶋 加代子, 岸本 律子
    セッションID: 1A-a2
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】 炊飯に必要な調理操作過程としては(1)米粒を水洗する(2)浸漬して吸水させる(3)加熱するなどがある。演者は昨年の本大会において新形質米の調理について発表した。今回は新形質米の一種である紫黒米(もち種)について調理科学的視点より吸水性、とくに浸漬する水温の影響について検討した。
    【方法】 試料には「朝紫」という品種の紫黒米(もち種)を玄米状態で用いた。本試料は、大分県宇佐市北宇佐で平成12年10月25日に収穫した後、密封して5℃で保存し、実験直前に常温とし、各実験に供した。
    【結果】 冬の水温モデルを7℃、夏の水温モデルを30℃と設定して、紫黒米玄米の吸水状態の変化を1週間観察した。具体的には、紫黒米玄米について吸水率の経時的変化を測定するため、7℃または30℃に調製しておいた蒸留水をビーカーに入れて各温度に保存した。その中に紫黒米玄米を入れ、一定の条件(攪拌の回数および方法等)で洗米した後、吸水状態を調べた。7℃の蒸留水に浸漬し、その後も水温を7℃に保持した場合、最初は吸水速度が速かったが、次第に吸水速度は低下し144時間(6日間)で一定吸水率(33.0%)に達した。一方、30℃の蒸留水に浸漬し、その後も水温を30℃に保持した場合、8時間で吸水率は28.5%となり、48時間(2日間)で一定吸水率(40.5%)に達し、その後は一定吸水率であった。以上より、紫黒米玄米の飽和吸水量は水温7℃の場合33.0%、水温30℃の場合40.5%であることが示唆された。紫黒米玄米は1週間の浸漬観察実験中、水温7℃及び30℃では腐敗臭を生じることなく、途中で発芽することが観察された。
  • 貝沼 やす子, 森島 李衣
    セッションID: 1A-a3
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】咀嚼機能の低下した高齢者の主食として使われる粥を調整するにあたり、加熱時間の短縮化が期待できる米飯を利用することとした。本実験では、加水量、保存方法の異なる米飯を使用し、粥の性状への影響を検討した。
    【方法】米飯から炊いた粥(以下「米飯粥」とする)に使用する米飯は、各加水量(米重量の1.3倍、1.5倍、1.7倍)で炊飯後各条件(室温放置、冷蔵( 1、2日)、冷凍)で保存した。電子レンジで再加熱した米飯(飯温約90℃)を試料とし、これに熱湯を加えて加熱し、粥液が沸騰状態(99℃)に達してから10、20、30分加熱を行い、米飯粥とした。米から炊いた粥(以下「米粥」とする)は、米を水に30分浸漬後45分加熱した。測定した項目は、テクスチャー測定、破断強度測定、遊離水分量の測定、粥飯粒の表面観察、官能検査である。また、粥から分離したおもゆ部分については、その粘性を測定した。
    【結果・考察】保存方法と加水量の異なる米飯から調整した粥は、加水量の多い米飯から調整した粥の方がやわらかくなった。保存方法による差には一定の傾向がみられなかった。米飯粥飯粒は加熱時間が長くなるにつれ、粥飯粒自体はやわらかく、付着性も大きくなり、おもゆを含む粥飯になると米粥よりかたく、粘りの強い粥になった。粥分離液の粘性は米粥で大きく、この影響で米粥飯塊の付着性が大きく測定された。米飯粥飯粒は、加水量が多いほど早く膨潤し、加熱30分では米飯粒の崩壊がおこっていた。官能検査の結果から、米飯の加水量に関わらず、20分加熱することで米粥に近い性状の粥が調整できると考えられた。
  • 小川 宣子, 山中 なつみ, 長屋 郁子
    セッションID: 1A-a4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    (目的)洗米・浸漬・加熱といった炊飯過程におけるマグネシウムイオンの存在が、飯の性状に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。
    (方法)米は平成14年度岐阜県産初霜(搗精度90%)を使用し、0.0006Nの塩化マグネシウム溶液(以下、Mg溶液)で炊飯した。米と同重量のMg溶液(25℃)で3回洗米し、米の重量の1.4倍量となるようにMg溶液を加えて25℃で1時間浸漬した後、間接式電気炊飯釜にて25分間加熱し10分間蒸らした飯(Mg飯)を試料とした。蒸留水を用い同様の条件で炊飯した飯(蒸留水飯)を対照とした。飯の性状について、加熱吸水率の測定、一粒法による硬さ,付着性,瞬間弾性率の物性測定、走査電子顕微鏡による表面構造の観察を行った。凍結切片をKMG-20-AM染色してマグネシウムの分布を調べ、さらに三点識別嗜好法による官能検査を行った。また、炊飯過程におけるマグネシウムイオンの存在が、飯の不溶性ペクチン量,水溶性ペクチン量に及ぼす影響を硫酸カルバゾール法により測定した。
    (結果)Mg飯の加熱吸水率は2.30倍で蒸留水飯の2.34倍に比べて有意(p<0.01)に低かった。Mg飯の硬さ1.48×105Pa、瞬間弾性率1.67×105Paは蒸留水飯に比べて有意(p<0.01)に高く、硬い飯であることが示され、官能検査の結果、Mg飯の硬さは好まれなかった。Mg飯の表面における網目構造の空洞が蒸留水飯に比べて小さかったことから、Mg飯が硬くなったのは吸水が不十分であったことが要因として推定できた。これはMg飯は蒸留水飯に比べて水溶性ペクチン量が少なかったことから、飯の表面部分に存在するマグネシウムによって、水溶性ペクチンが不溶性ペクチンとなり吸水を抑制した可能性が考えられた。
  • 谷 知子, 福本 明美, 金澤 成寿, 平田 由美子, 加古 さおり
    セッションID: 1A-a5
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】従来より炊飯が完了する蒸らし期に飯を高温環境におくと、澱粉の糊化と過剰水の蒸散が促進され、おいしいご飯が炊けると言われているが、一方でご飯表層の乾燥を伴うという難しさがある。そこで、蒸らし期の高温環境と乾燥抑制を狙いとして過熱水蒸気を利用したときのご飯の食味および成分、組織への影響について検討を行った。
    【方法】米はコシヒカリを用い、炊飯の蒸らし期に110℃から130℃の蒸気を投入して、通常の炊飯と比較した。官能評価を行い特徴のあった甘味について全糖と還元糖を測定した。また、物性測定はクリープメーターで行い、組織観察はSEM(走査型電子顕微鏡)を使用した。
    【結果】官能評価の結果から130℃の過熱水蒸気の投入によって、ご飯の甘味と粘りが増加し、140℃では焦げが生じた。過熱水蒸気の投入によって還元糖および全糖も増加した。また、糊化度も蒸気投入で増加した。また、組織観察では蒸気投入時の飯の表面に網目構造が確認された。以上の結果より、蒸らし期に過熱水蒸気を投入することによって、ご飯の甘味と粘りが増加して食味向上効果が得られることが明らかとなった。
  • 岩阪 由位子, 水野 千恵, 村田 達雄, 冨岡 和子
    セッションID: 1A-a6
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】炊き込み飯の性状に及ぼす調味料および具(添加材料)の影響を明らかにするため、本研究では、無洗米を用いたたけのこ飯、きのこ飯、五目飯について醤油の種類および添加量が、色、かたさ、食味等に及ぼす影響を検討した。さらに、炊き込み飯に関するレシピを収集し、具の種類と量、だしおよび調味料の使われ方について検討した。
    【方法】平成15年度兵庫県産コシヒカリ無洗米を試料米とし、たけのこ飯、きのこ飯、五目(鶏、こんにゃく、にんじん、油揚げ)飯を調製した。炊飯は、うすくち醤油またはこいくち醤油を米重量に対し、0から2.25%添加した。塩分はモール法、色は色彩色差計(日本電色NE-2000)により測定するとともに、見ための色、香り、塩味、かたさ、粘り、総合評価について、7段階評点法により官能検査を行った。
    【結果】(1)炊き込み飯レシピを分析した結果、醤油のみで調味されている場合が約1/3みられ、残りは醤油と塩の併用であった。たけのこ飯の場合、きのこ飯、五目飯に比べ添加塩分は低かった。また、約2/3のレシピがだしを使用していた。(2)炊き込み飯の塩分は、醤油の種類にかかわらず、飯の部分より飯と具を合わせたほうがやや高い傾向がみられた。また、飯の色は添加塩分が同じ場合、こいくち醤油に比べうすくち醤油のほうがL値は高かった。(3)たけのこ飯、きのこ飯では、塩分1.5%のうすくち醤油の場合、塩味、総合評価で高い評価が得られた。しかし、五目飯では、塩分2.0%のうすくち醤油添加のほうが評価が高かった。
  • 鶴田 裕美, 栢野 新市, 伊神 孝生, 菊崎 泰枝, 中谷 延二, 西川 禎一
    セッションID: 1A-a7
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】プルーンは、抗酸化性など優れた機能性を有する果実であり、そのエキスは、健康食品として広く用いられている。料理にも利用し易く、様々な調理法によって摂取されているが、特に、プルーンエキスを米飯と混ぜる調理法は、味や栄養性のみならず、米飯の保存性を高めると言われている。プルーンは、抗菌性を示すフェノール性化合物および有機酸を含んでおり、これらの成分は米飯の保存性を向上していると考えられる。本研究は、プルーンエキスの添加が米飯中における食中毒菌の増殖に及ぼす影響を検証することを目的とした。
    【方法】米飯における食中毒の代表的な菌である黄色ブドウ球菌およびセレウス菌を供試菌として用いた。試験米飯には、プルーンエキス5% (w/w)、10%添加群、食酢添加(酢飯)群および無添加群を設け、供試菌およびセレウス菌芽胞液を103から104CFU/gとなるように接種した。25℃および37℃で保存後、経時的(8から48時間)に米飯中の菌数を測定した。
    【結果】試験米飯のpHは、無添加群で約6.5、5%プルーンエキス添加群で約4.8、10%添加群で約4.5、食酢添加群で約4.2であった。黄色ブドウ球菌、セレウス菌およびセレウス菌芽胞接種米飯のいずれにおいても、プルーンエキス5%添加によって、供試菌の増殖が無添加群に比べて著しく低下した。10%添加群では菌の増殖が抑制され、芽胞の発芽抑制も48時間まで持続した。また、プルーンエキス10%添加群と酢飯の増殖抑制効果を比較したところ、両者ともに強い増殖抑制および芽胞の発芽抑制を示した。したがって、米飯にプルーンエキスを添加する調理法は、酢飯と同等の抗菌性を有し、食中毒の予防に有効であることが示唆された。
  • 中里 トシ子, 長谷川 千佳子, 岡崎 有希子
    セッションID: 1A-a8
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    目的:発芽玄米は白米に比べギャバ、食物繊維、抗酸化物質、ミネラルなど多くの栄養成分を含み、生活習慣病の予防に有効とされ、健康食品として注目されている。今回は発芽玄米の粉を小麦粉の一部と置換した蒸しパンとさらにバイタルグルテン(以下V.Gとする)を添加した発芽玄米粉添加蒸しパンを試作し、性状および食味について検討した。
     方法:試料は発芽玄米を粉末にした発芽米粉を用いた。材料の配合は、粉{強力粉60g+(薄力粉+発芽米粉)140g}200gに対し、砂糖20g、塩1g、植物油20g、ドライイースト4g、ぬるま湯100ml、ベーキングパウダー3gとし、粉に対する発芽米粉の置換率は0%、10%、20%とし薄力粉と置換した。生地の調製はレディースニーダーで行った。型入れ後二次発酵し、蒸し器で加熱した。蒸し上がり後、常法により、比容積、水分量、色調を測定し、クリープメーターにより、かたさ応力、凝集性を測定した。また、官能検査及び写真撮影を行い、併せてパン生地の膨化率を測定した。
     結果:発芽米粉の置換率20%の生地の膨化率が低かった。発芽米粉置換率20%の蒸しパンは、比容積と凝集性の値が最も低く、かたさ応力の値が高かった。V.G添加の影響は、発芽米粉置換率20%に見られ比容積と凝集性の値が高くなり、かたさ応力の値が低くなった。色調のL値は発芽米粉の置換率増加に伴い低い値を示した。a値、b値はいずれも発芽米粉の置換率増加に伴い値が高くなった。官能検査の結果は総合評価において発芽米粉の置換率10%および置換率10%にV.Gを添加した蒸しパンが高い値を示し、順位法では発芽玄米粉置換率10%にV.Gを添加した蒸しパンが最も好まれた。
  • 金親 あつ美, 清野 志ほり, 高木 稚佳子, 藤井 恵子
    セッションID: 1A-a9
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】米の使用用途を拡大することを目指して、絹フィブロインと米粉を複合化させた含泡食品を調製する方法を開発し1)、グルテンを用いない含泡食品について検討してきた。本研究では豆乳の起泡性を利用することで卵を用いない含泡米粉食品を創製することを目的とした。
    【方法】豆乳を撹拌し泡沫を調製した。これにショ糖またはキシリトールを加え、米粉を混合し生地を調製した。得られた生地を180℃30分+220℃8分間焼成してスポンジケーキ状の含泡食品を作製した。比較対照として卵白泡沫を用いたものも調製した。得られた含泡食品の比容積・水分含量・抵抗応力・色度を測定すると共にDSC測定・X線回折測定より老化速度を調べた。更に官能評価を行った。
    【結果】ケーキバッターの粘度が低いほどそのケーキの比容積は大きくなったが、卵白泡沫を用いたものは逆の傾向を示した。また、キシリトールを用いたケーキよりもショ糖を用いたケーキの方が比容積は小さくなった。卵黄の添加効果を調べたところ、無添加のケーキに比べ比容積は大きくなった。初期弾性率・抵抗応力は低くなり、経時的変化も小さくなった。またX線回折測定により老化が遅くなることが明らかになった。官能評価の結果より、標準的な小麦粉・卵・ショ糖のケーキに比べ、米粉・豆乳・糖を用いたケーキは硬いがきめが細かく、しっとりとしてもっちりとした食感であると評価された。総合的には小麦粉を用いた場合と同程度に好まれる結果となった。以上の結果から、小麦粉のみならず卵も用いずに、米粉と豆乳・糖のみで嗜好性の高い含泡食品を作製しうることが示された。1) 藤井他:日本食品科学工学会誌 47(5),363-368(2000)
  • 山崎 貴子, 岩森 大, 伊藤 直子, 堀田 康雄, 村山 篤子, 平山 一政
    セッションID: 1B-a1
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】近年低温でのスチーミング調理が注目されており、大規模な厨房施設などで導入され始めている。低温で食材をスチーミングすると、口触りや外観を損なわないなど従来に見られなかった効果があり、食味やテクスチャーが向上した。また通常の調理では硬くて食用として不適な肉の部位(みの、中肉など)も柔らかく、食べやすくなる。昨年度の本大会では中肉を用いて組織学的観察と官能検査を中心に低温スチーミングおよび真空-低温スチーミング処理を他の加熱処理と比較し、高い評価が得られたことを発表した。今年度は引き続き生化学的・食品栄養学的観点から比較検討を行なった。
    【方法】スチーミング時間は昨年度と同様70℃15時間とし、『生』、『焼き』、『茹で』と比較した。脂質量、核酸関連物質の測定を行ない、SDS-PAGEによるタンパク分子量の変化についても検討した。
    【結果】 脂質量は加熱による減少が少なかったが、試料間には個体差が見られた。SDS-PAGEにおいて加熱により構成するタンパク分子の大きさが変化した。また、焼きや茹で加熱処理済みのものはバンドが見られないが、低温スチーミング、真空-低温スチーミング処理したものではバンドが見られるなど加熱方法によりバンドパターンが異なっていた。これらは内在酵素活性によるものと考えられる。
  • 岩森 大, 山崎 貴子, 伊藤 直子, 堀田 康雄, 村山 篤子, 平山 一政
    セッションID: 1B-a2
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】 根菜類や食肉の不可食部位を用いて低温スチーミング調理を行い、これらの公用化を検討してきた。魚類の骨はカルシウムの給源として重要である。また、最近は魚類の骨に含まれるコラーゲンが機能性成分として着目されている。しかし、一部の小魚を除いて食用としてあまり利用されておらず、廃棄されているのが現状である。そこで、本研究では前回と同様に低温スチーミングを用いて骨の公用化を検討した。
    【方法および結果】 一般には廃棄されている魚の「骨」や「かま」の部位について、調理温度(60℃から95℃)と調理時間を変えて低温スチーミング調理を行った。それぞれの試料について調理面、栄養物性面からの測定および官能検査を行い、各部位別の適切な調理温度・調理時間を推察した。さらに同様の試料について、「蒸し」「茹で」といった調理操作を行い、比較した。低温スチーミング調理は、調理時間こそ長いが操作が簡便であり、夜間の調理が可能であるため、廃棄物の利用という点からも優れた調理法として今後の利用が期待される。
  • 伊藤 正江, 早川 昌克, 江藤 義春
    セッションID: 1B-a3
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    電磁調理器とガス調理器の調理時の環境および調理性の比較○伊藤 正江、早川昌克※、江藤義春(中京女大、※株式会社三輝商事)
    【目的】近年、急速に高齢化社会が進み、クリーンで安全性の高い電磁調理器は市場に普及しつつある。しかし、その特徴や調理特性についてはあまりあきらかにされていない。電磁調理器とガス調理器についての意識調査と両調理器を使用した時の調理環境や調理性について比較検討した。【結果・考察】意識調査の結果、掃除のしやすさ、快適さ(夏季)では、ガス調理器よりも電磁調理器の方が良いという結果が得られた。調理環境は、電磁調理器の方が所定個所の温度全てにおいて電磁調理器の方が温度上昇が小さく、また油の飛散も少なかった。調理性では、乾麺のゆであがり重量に差がみられた。電磁調理器とガス調理器と同一の熱量で茹でた場合、電磁調理器での茹で時間の縮小は、環境にやさしい、省エネルギー調理であることも示唆された。
  • 冷蔵庫、電子レンジを中心に
    大久保 洋子, 佐藤 秀美, 古田 真塩
    セッションID: 1B-a4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    目的:現在、日本の食事は内容が大変豊かであり、食卓に並ぶ料理もバラエティーに富み、料理の準備は複雑化している。そのような現象を反映して各家庭の冷凍冷蔵庫、炊飯器などを代表とする調理機器類は多種類のものが開発、市販されている。多くの家庭にはそれらの機器類がおかれ調理に役立てられている。そこでどのような機器類が利用されているのか現状把握を目的にアンケートを行った。
    方法:留め置法によるアンケート調査。対象者は大学生(18_から_22歳)171名とその大学生の家庭における調理担当者(40_から_50歳代)134名。大学生は自宅通学者75%、調理担当者は99%が女性。保有率の高い冷蔵庫と電子レンジについてその利用内容の検討を行った。
    結果:使用する調理機器のうち良く使うものは冷蔵庫・炊飯器・電子レンジ・ガスコンロとなり、学生も同様であった。持っていない機器類ではIHクッキングヒーター・電気コンロ・電気グリル・IH調理器が80%の不持率であった。年に数回しか使わないものとしてはジューサーミキサー・卓上コンロ・ホットプレート・が50%以上を示す結果となった。冷蔵庫と電子レンジについてその使用状況を検討した結果は冷蔵庫について見ると、入れたほうがよい食品は学生・保護者間に差は見られなかった。冷蔵庫内の占有率の意識については保護者が8割から6割という回答に対し、学生は4割、2割であった。電子レンジは保護者では78%がオーブンレンジであり、単機能型は20%であった。温めなおし(ご飯・惣菜)が80%利用率であり、料理の下ごしらえには45%、料理そのものに使用するのはわずかに14%であった。
  • 藤本 さつき, 島村 知歩, 池内 ますみ, 小西 冨美子, 花崎 憲子, 志垣 瞳
    セッションID: 1B-a5
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    〈目的〉近年食生活の多様化に伴い、市場ではかつてない程、多種類の香辛料が見られるようになった。そこで、家庭料理における香辛料の使用状況および地域による特徴について明らかにするため、アンケート調査を行った。
    〈方法〉2002年11月、東京、愛知、奈良、大阪、京都、岡山、広島、福岡の大学および短期大学14校の家政科、生活科学科に所属する学生1092名に対し、各家庭における調理担当者に、アンケート調査を実施した。調査項目は、調理担当者の属性、28種類の香辛料の使用度、料理に使用する香辛料の種類、夕食の調理時間、食への興味の有無、香辛料の機能性に関する認知度などであった。
    〈結果〉頻繁に使用される香辛料は、ショウガ、コショウ、ゴマなどであり、地域により使用状況に差がみられたのは、シソ、セロリ、バジル、ローリエであった(p<0.001)。香辛料がよく使用される料理は、日本料理ではさしみ、冷奴、肉野菜炒め、西洋料理ではカレーライス、ハンバーグ、シチュー、その他の料理ではラーメン、ギョーザであった。香辛料と料理の組み合わせで回答数が多かったのは、ワサビとさしみ、カラシとおでん、ショウガと煮魚などであった。料理に使用する香辛料の数は、就業形態・夕食の調理時間・食への興味の有無・香辛料の機能性の認知度によって異なり(p<0.001)、年齢・居住地域でも差がみられた(p<0.01)。香辛料の機能性についてよく知っている人は、平均13.2種類の香辛料を料理に使うのに対して、知らない人では8.8種類であった。
  • 吉田 恵子, 熊田 薫, 吉羽 美稔子, 伊部 さちえ
    セッションID: 1B-a6
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】現在わが国の食生活は内食、中食、外食の三形態からなり、その中でも近年は中食の占める割合が増加している。30年前までは家庭で作られていたおにぎりについても、コンビニエンスストア(コンビニ)やスーパーなどで売られ、その売り上げ量も高い。市販のおにぎりと、自家製のおにぎりの相違について、味、含まれる成分、保存性の3つの観点から解析し検討した。
    【方法】代表的な6店舗のコンビニで売られている、梅干のおにぎりをサンプルとした。含有する成分については、表示にもとづいて解析した。嗜好については、予備実験において最も好まれたもの、最も好まれなかったもの、自家製のものの3種について順位法による官能検査を行った。官能検査は学生(18_から_20歳)をパネルとした。同時に五味識別検査も行い相関を検討した。飯に含まれる成分であるアミノ酸については、遊離アミノ酸分析を行い比較した。遊離アミノ酸は70_から_80%アルコールで抽出し、島津アミノ酸分析計で定性、定量を行った。コンビニのおにぎりの消費期限は、味と保存性の点から27時間前後ということである。味については経時的に老化などの変化を調べ、保存性については、20℃で保存した場合の一般生菌数と大腸菌群数を測定することにより調べた。
    【結果】コンビニのおにぎりの含有成分については、メーカーにより異なっていた。添加物数が少ないものは、官能検査でもおいしいという評価であるが、添加物数が多いものは味も劣る傾向であった。学生の好む順位は、自家製が1位であったが、他のものを好むものもいて結果はばらついていた。五味識別検査において識別正解数の多い集団のほうが、自家製おにぎりを好む傾向にあった。アミノ酸分析の結果は、飯においても米粒同様、グルタミン酸、アスパラギン酸が多く含まれていた。
  • 小田 きく子
    セッションID: 1B-a7
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    [目的] 日本では米飯を握ったものを通称「おにぎり」と呼び、最近ではコンビニエン スストアーで大人気で、種類も多種類販売されている。そこで、全国各地ではこの米 飯を握ったものを何と呼び、中身に何を入れて、どんな形に握るか等を調査し、新し い「おにぎり」の開発を目的とした。
    [方法] 農山漁村文化協会発行の「日本の食生活全集」全47巻を資料として、この中に出てくる「おにぎり」に関する項目を_丸1_呼び方 _丸2_形 _丸3_米の種類 _丸4_中身(具)_丸5_外側_丸6_調理法 _丸7_利用法の7項目に分類し、その傾向を調べた。
    [結果] 資料の集計結果339個の「おにぎり」に関する事項があった。全国的にみると、_丸1_呼び方ではおにぎり・おむすび・握り飯の順に多く、_丸2_形では三角・丸・球の順に多く、_丸3_米の種類ではうるち米が最も多く、次いで麦飯・炊き込み飯の順であった。_丸4_中身では具なしが最も多く、次いで梅干・漬物の順で、_丸5_外側には何もつけないが最も多く、次いで味噌・黄な粉の順で、定番の「のり」はわずか18個で5%にすぎなかった。_丸6_調理法ではただ握るだけが最も多く、次いで握って焼くであった。_丸7_利用法では「農作業時の昼食」が最も多く、次いで「山仕事の昼食」・「おやつ」・「運動会」時であった。地域別に比較すると、その地域独特のものがあり、また全国各地にかならず「おにぎり」があることがわかった。そして共通していえることは、「保存できるもの」であり、その土地の「知恵と文化」を食べるといえる。
  • 家庭で食べる丼物
    脇田 美佳, 前田 文子, 濱田 陽子, 高橋 恭子, 瀬尾 弘子, 福留 奈美, 香西 みどり, 畑江 敬子
    セッションID: 1B-a8
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 天丼、うな丼など丼物は古くから日本人になじみがある。また、近年多忙なサラリーマンや、手軽でおいしいものを求める若者のライフスタイルにマッチするためか、丼物のファーストフード店がブームである。本研究では丼物の種類や食材の種類、食べ方についての実態を知り、丼物が食生活の中で果たしている役割と新たな可能性を探るとともに、丼物と若者の食との関わりについて考察することを目的とした。
    [方法] 全国の大学、短大等の学生及び職員に、1年間に家庭で食べた丼物・味付け飯についてアンケートを行った。調査期間は2003年10月から11月、1371名から回答を得た。
    [結果] 家庭でよく食べられる丼物は親子丼、牛丼、カツ丼、天丼であり、これらについての地域差はほとんどなかった。また、親子丼、他人丼、そぼろ丼は手作りが多いのに対し、うな丼、牛丼、天丼、ビビンバなどは、調理済み食品あるいは半調理品の利用が多かった。ひとつの丼に材料として用いられる野菜は0から2種類、肉・魚・卵については1から2種類が多かった。丼物を家庭で食べるとき、22%の人は丼のみを食べ、丼に1品を添えて食べる人は44%で、添えられる品は汁物が多く、2品を添える人は26%で、汁物に加えて漬物・野菜・海草料理を食べる例が多かった。丼物を好きな人は82%、家庭で食べる頻度は月1から2回以上が66%であった。食べる理由は、好きだから、調理や後片づけが簡単という理由が多く、栄養的なバランスをとりやすいからという理由は少なかった。丼物は汁物や野菜料理等と組み合わせて食べることで栄養のバランスもとれ、また、手軽に楽しめることから、食事が偏りがちな若者の食生活改善にも有効である。
  • 家庭で食べる味付け飯
    瀬尾 弘子, 高橋 恭子, 濱田 陽子, 前田 文子, 脇田 美佳, 小西 雅子, 香西 みどり, 畑江 敬子
    セッションID: 1B-a9
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 味付け飯は、旬の食材を使って、もてなし料理や行事食として、また芋、雑穀、海草などを用いて日常の「かて飯」などとして古くから食されている。本研究では、味付け飯がどのように食べられているのか、若者を中心に実態を知ることを目的とした。
    [方法] 前報で行った調査から味付け飯について検討した。
    [結果] 1年間に家庭で食べた味付け飯は、赤飯が最も多く、次いでピラフ、栗飯、かやく飯、筍飯、わかめ飯、松茸飯、青豆飯などで、魚介類を使用した飯は少なく、鯛飯、かき飯、蛤飯などであった。筍飯は50%が春に、松茸飯・栗飯・サツマイモ飯は70%が秋に、かやく飯・わかめ飯・ピラフは80%以上が季節に関係なく食べられていた。かやく飯、青豆飯、サツマイモ飯は手作りが多かった。釜飯、ピラフ、山菜おこわ、中華おこわはレトルトや冷凍品の利用が多かった。具材は人参が最も多く、豆類の飯・サツマイモ飯以外のほとんどの飯に入り、鶏肉も多くの飯に使われていた。味付け飯を好きな人は89%、家庭で食べる頻度は週1回以上が19%、月1から2回程度が52%であった。味付け飯を食べる時の献立は飯のみが13%、1品添えるが36%、2品が23%、3品が15% であった。食べる理由は“好きだから(75%)”の他に、“季節感がある(33%)”があげられた。丼物に比べ“簡便さ(18%)”は低く、“栄養バランスをとりやすい(10%)”は高い値であった。以上より、味付け飯は行事食や季節のご馳走という伝統をある程度受け継いでおり、また「かて飯」が転じて、不足しやすい野菜やきのこ海草等を容易に摂れる献立として食べられていると推測される。
  • 嶋田 淑子, 飯島 久美子, 小西 史子, 熊谷 美智世, 福永 淑子, 香西 みどり, 畑江 敬子
    セッションID: 1C-a1
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】フィリピン産のバナナの新品種、高地栽培バナナ(スウィーティオ)は一般的に高品質でおいしいバナナとして注目されている。この高地栽培バナナと従来品種について官能検査により嗜好を比較し、成分や物性の測定結果との関連を知ることを目的とした。
    【方法】試料は(株)ドールから直接入手したバナナを20℃、湿度60%で5日保存したものを用いた。官能検査はまず分析パネルで3点識別試験を行い、有意に識別できた組み合わせについて2点強度尺度試験(項目:香り、甘さ、渋み、味の濃厚さ、身のしまり方、総合的な好ましさ)を行った。次に100人の嗜好パネルによる2点嗜好識別試験を行った。2種のバナナの糖度、酸度、糖酸比、ならびに水分、ビタミンC、カリウムを定量した。さらに色を色差計で、物性をクリープメーター(山電RE3305)で測定した。
    【結果】官能検査の結果、分析パネルにより2種のバナナは有意に識別され、高地栽培バナナは従来品種より身がしまって硬いと評価された。嗜好パネルにより高地栽培バナナは従来品種より有意に好ましいとされ、その理由として甘さと香りの強いこと、ねっとりして味が濃厚であることがあげられた。破断応力と破断エネルギー値、水分量から、高地栽培バナナの方が身がしまって硬いことが確認された。嗜好パネルの官能検査では高地栽培バナナの方が甘いという回答が多かったが試料間の糖度に有意の差はなかった。高地栽培バナナの場合、実際の糖度より身がしまってねっとりしたテクスチャーや水分量の低さが甘さの感じ方に影響し甘く感じられたと考えられる。また色差の測定により果肉の黄色みが強いことも確認され、おいしく感じる要因になっていると考えられる。また、高地栽培バナナのビタミンC量は従来品種より有意に多かった。
  • 飯島 久美子, 嶋田 淑子, 小西 史子, 熊谷 美智世, 戸田 貞子, 香西 みどり, 畑江 敬子
    セッションID: 1C-a2
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、輸入果物は種類、量ともに非常に増えてきている。馴染みのある従来品種に加え新しく開発された品種も輸入されるようになった。そこで、本研究ではパイナップルに注目し、従来品種と新品種について嗜好と成分および物性の関連を検討し、おいしさの要因を明らかにすることを目的とした。
    【方法】(株)ドールから入手したフィリピン産の従来品種と新品種の黄金パイン(スウィーティオ)を使用し、20℃,湿度60%にて、1日と8日間保存し、皮と芯を除きさらに上下を切り落とした中央部4cmを試料とした。官能検査(3点識別試験,2点強度尺度試験),糖度(ATAGOデジタル糖度計PR-201)、酸度(滴定酸度)、水分(減圧乾燥法)、カリウム(島津原子吸光光度計AA-660),ビタミンC(HPLC Shimadzu LC-10A),色(ミノルタ色彩色差計CR-100)と物性(レオナ:山電RE3305)を測定した。
    【結果】官能検査では従来品種は酸味、ピリピリ感が強く、すじっぽいとされた。黄金パインは色が濃く、香りが強く、甘く、ジューシー感が強いと評価され、黄金パインの方が有意に好ましいとされた。糖度には有意の差がなかったが、黄金パインで酸度が有意に低く、その結果糖酸比が高くなり、官能検査の「甘い」の評価につながったものと思われる。破断エネルギーは従来品種が有意に大きく、黄金パインより破断しにくいことを示し、官能検査の「すじっぽい」の評価と関連することが示唆された。黄金パインは黄色みが強く、b値は従来品種の6.5倍(1日目)であり、官能検査で好ましいとされる大きな要因であった。また、黄金パインのビタミンC量は、非常に多く従来品種の6.1倍であった。
  • 神田 知子, 高橋 須眞子, 重藤 祐司, 内藤 雅浩, 刀祢 茂弘, 安藤 真美, 足立 蓉子, 島田 和子
    セッションID: 1C-a3
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】山口県では平成11年度から、地域の農家で古くから作られ現在に伝えられている「伝統野菜」の掘り起こしをする事業が始められている。その伝統野菜の一つである‘田屋’ナスは収穫本数が少ないことなどにより、一時栽培が廃れていたが、最近では形の大きさ(大果)や果肉の柔らかさなどから、特徴のある野菜として注目が集められている。本研究では‘田屋’ナスの嗜好特性を一般品種と比較し、検討を行った。
    【方法】‘田屋’ナスは山口県農業試験場で栽培されたものを使用した。一般品種として市販品の‘筑陽’ナス(山口、福岡、宮崎産)を対照に用いた。煮なすと焼きなすの嗜好特性はパネルによる官能評価で調べた。果皮色素量および色調は吸光度法と測色色差計にて、可溶性ペクチン量はCarbazole法、クロロゲン酸量はFolin-Denis法、遊離糖(スクロース、グルコース、フルクトース)量はHPLC法にて測定した。
    【結果】一般品種の‘筑陽’ナスと比べて、‘田屋’ナスは果皮総色素量が少ないため煮汁への色素溶出量が少なく、汁の視覚的嗜好に優れた調理が可能であった。さらに、可溶性ペクチン量が多いために加熱調理後の好ましいとろり感を与えている可能性があること、また、遊離糖が多いために甘味をより強く感じるナスであることが認められた。渋味の主要成分であるクロロゲン酸量は両ナス間で差はなかった。
  • 佐藤 恵美子, 中野 恵利子, 渡辺 正秀
    セッションID: 1C-a4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    「目的」ゴマ豆腐の物性に及ぼす調製条件、配合割合、ゴマの種類や焙煎条件の影響について報告した。今回はゴマ豆腐の力学特性に及ぼす澱粉の種類の影響について報告する。
    「方法」供試材料は皮むき白ゴマ((株)かどや製油製、中国産、2003)。澱粉は(株)井上天極堂製で、本葛澱粉(古希、純度99.9%、高価)、サツマイモ澱粉(並葛、鹿児島産、精製度は低い)、甘藷澱粉(葛城葛、さつまいも澱粉を風乾)、タピオカ澱粉(タイ産の加工澱粉、2003)である。皮むき白ゴマ40gを450gの水と共に粉砕、濾過して得られたゴマ乳435gに各種澱粉40gを加えた懸濁液を電熱器により、250rpm、25分撹拌加熱した。熱い懸濁液をガラス製円筒器(20×20mm)に入れ凝固させた試料をクリープメーター(REー3305,山電)により、40mm直径のプランジャーを用いて、テクスチャー測定、破断測定を行った。組織構造観察はチルドSEM(日立)を用いた。さらに、官能検査も行った。
    「結果」硬さ、凝集性共に各種澱粉ゴマ豆腐よりも澱粉ゲルの方が高い値を示し、硬さはタピオカ、本葛、サツマイモ(並葛)、甘藷(葛城葛)の順に、また凝集性はタピオカ、さつまいも、甘藷、本葛の順に高い値を示した。付着性は各種ゴマ豆腐の方が、澱粉ゲルよりも高い値を示し、いずれも本葛が最も高くタピオカが最も低い値を示した。破断応力は、葛、サツマイモ、甘藷は澱粉ゲルの方が高い値を示した。澱粉ゲル、ゴマ豆腐共に、応力の高いのはタピオカであり、本葛は最も低い値を示した。破断歪率の順位は、凝集性と類似していた。官能検査の結果から、粘りが強く、糯様の食感のあるタピオカゴマ豆腐の評価が低く、軟らかさ、弾力があって歯切れの良さから本葛ゴマ豆腐が最も高く評価された.
  • 矢内 絵里, 高橋 節子
    セッションID: 1C-a5
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】どんぐりは日常食としての利用が少なくなった。しかし、韓国では現在でもゲル状食品に用いられているが、どんぐり澱粉に関する研究は少ない。そこで本研究では、どんぐり澱粉の性状を糊化・老化特性から検討した。さらに調理への利用として餅を取り上げ、どんぐり澱粉を白玉粉に置換した場合の物性ならびに食味特性について研究を行った。
    【方法】試料は韓国産どんぐり澱粉を蒸留水で精製後用いた。比較として馬鈴薯、とうもろこしの澱粉ならびに白玉粉を用い、加熱過程の粘度変化、テンシプレッサーによる糊の物性を測定した。餅の調製は白玉粉に水を加え、混捏・成形後蒸し加熱を行い、放冷後、冷蔵保存ならびに凍結・解凍を繰り返した際の物性変化について調製直後と比較した。餅の調製において、どんぐり澱粉の白玉粉への置換は10、20、および30%とし、無添加と比較した。さらに糖の添加による物性変化についても同様に行い、糖無添加と比較した。餅の官能評価は評点法により「特性評価」および「嗜好」について本学学生ならびに調理学研究室員の計20名をパネルとして行い、食味特性と物性との関連について検討した。
    【結果】1、どんぐり澱粉の粘度はとうもろこし澱粉と近似の曲線を描き、糊の物性は硬く付着性の少ない性質を示した。2、餅の硬さ、付着性はどんぐり澱粉の添加により増加し、置換率を増すに従い大きい値を示した。3、餅を冷蔵保存した場合、硬さが大となり凝集性は低下した。しかし、凍結・解凍時の硬さは3サイクルまでは増加が抑制された。さらに糖の添加により7サイクルまでの物性変化が僅かとなった。4、官能評価の結果から、凍結・解凍3サイクル後ではどんぐり澱粉20%置換の餅が有意に好まれた。
  • 平尾 和子, 米山 陽子, 濱西 知子, 高橋 節子
    セッションID: 1C-a6
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】みたらし団子用たれは、一般的に馬鈴薯澱粉などの天然澱粉が用いられており、その保存期間は短い。そこで本研究においては、耐老化性や低温保存安定性に優れた化工小麦澱粉を用いて団子用たれを調製し、馬鈴薯澱粉、天然小麦澱粉を用いたものと、物性ならびに官能評価による食味特性を比較し、保存方法および利用性についても検討した。
    【方法】試料とした化工小麦澱粉はMidsol 4, Midsol 46の2種を用い、天然小麦澱粉Midsol 50 (ともに米国MGP社製) および馬鈴薯澱粉(ホクレン社製)と比較した。たれの調製は澱粉濃度9%とし、ショ糖は全液量の40%、醤油は10%とした。各澱粉の粘度はラピッドビスコアナライザー(RVA)により求め、糊の物性はテンシプレッサーを用いて測定した。凍結・解凍安定性は、RVAで調製した試料を室温に20分間放冷後、-20℃で22時間凍結、室温で2時間解凍を1サイクルとし、1から7サイクル繰り返した試料について物性測定を行い、調製直後と比較した。官能評価は評点法により検討した。
    【結果】1)化工小麦澱粉2種は天然小麦澱粉に比べて、粘度上昇開始温度は低く、最高粘度、冷却50℃時の粘度がともに高く、糊の付着性は大きい値を示した。2)化工小麦澱粉は凍結・解凍後の糊の物性変化および離水は認められなかった。3)醤油の添加により、いずれの澱粉も最高粘度は低下した。4)ショ糖と醤油を加えたたれは凍結・解凍に伴い、馬鈴薯澱粉では硬さ、凝集性、付着性、ねばさの値の変化が大きいのに対し、化工小麦澱粉はこれらの変化が少なく凍結・解凍安定性が認められた。5)官能評価の結果から、化工小麦澱粉を用いたたれは、馬鈴薯澱粉および天然小麦澱粉に比べて高い嗜好を示した。
  • 濱西 知子, 反町 秀子, 平尾 和子, 高橋 節子
    セッションID: 1C-a7
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、食品の低カロリー化を図るために、油脂代替素材として澱粉などの食品素材を用いる試みがなされている。澱粉系の油脂代替素材としては、とうもろこし澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉やそれらの化工澱粉、加水分解物であるデキストリンなどがある。そこで本研究ではパイ生地を取り上げ、バターの代替素材として、小麦澱粉および化工小麦澱粉を用い、パイ生地の物性ならびに食味特性に及ぼす影響について検討した。また、ベーキングパウダー添加の効果、凍結・解凍安定性についても検討した。
    【方法】パイ生地は、薄力粉200g、無塩バター100g、水60mlを混合撹拌し、厚さ3mmに圧延後、直径4cmの菊型にて成形し200℃で13分間焼成した。小麦澱粉および化工小麦澱粉はバターの20%を代替とし、この試料については、ベーキングパウダーを添加して、無添加のものと比較した。物性測定は、クリープメーターを用いて破断強度試験を行った。凍結・解凍安定性は、成形後の生地を-20℃で23時間凍結、5℃にて1時間解凍を1サイクルとし、1、3および7サイクル後の生地を焼成し、物性測定を行った。官能評価は評点法により、本学学生ならびに教員の計13名をパネルとして行った。
    【結果】焼成直後の破断応力、破断歪率、破断エネルギーはともに化工小麦澱粉添加のパイ生地が最も大きい値を示し、バター100%の生地は小さい値を示した。化工小麦澱粉添加のパイ生地はベーキングパウダーの添加により、破断歪率、破断エネルギーが低下した。官能評価において、化工小麦澱粉添加のパイ生地は最ももろさがないと評価されたが、ベーキングパウダーの添加によりバター100%と同様にもろさがあると評価された。
  • 喜多 記子, 長尾 慶子
    セッションID: 1C-a8
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】加熱中の食材内部の熱移動を遅延現象を考慮した指数式で表せることを既報1)で明らかにしているが、食材中の成分は加熱により固体脂の融解、たん白質の熱凝固、でん粉の糊化、ゲル・ゾル転移などの相変化が生じるため、熱移動を単純に定式化し得ない場合が考えられる。そこで、加熱下で相変化がみられる上記成分を含むモデル系を対象に、一次元方向の加熱中の内部温度を追跡し、相変化近傍点での遅延時間定数(τ)を算出し、熱移動に及ぼす種々の要因を検討した。
    【方法】試料はトリステアリン(固体脂)、寒天ゲル、ゼラチンゲル、でん粉懸濁液とした。それらを加熱用金属容器で、試料底部を105℃に加熱し、一次元方向の内部温度の経時変化を測定した。さらにトリステアリン、寒天、ゼラチン試料に小麦でん粉を5_から_60%添加したモデル系を調製し、加熱中の相変化点の観察と遅延時間定数(τ)を算出、比較した。
    【結果】トリステアリンは油脂の融解による相転移が見られ、急激な温度低下が観察された。この試料に小麦でん粉を添加していくと徐々に温度曲線は滑らかになり、60%添加でほぼ相転移点はみられなくなった。寒天・ゼラチン系でも同様の現象が見られ、ゲル・ゾル転移による温度降下が、小麦でんぷん量が増すにつれ消失した。これらの食材の相変化点近傍での遅延時間定数(τ)にはモデル系により違いが見られ、いずれも相変化による吸熱現象が影響すると推測された。しかし、上記でん粉のみの系においては糊化現象の影響が温度上昇曲線には観察されなかった。でん粉を添加することで相転移が消失していく機構については今後の検討課題である。1) K.Nagao et al., J.Home Econ. Jpn, 52, 241(2001)
  • 柴田 満, 長渡 麻未, 李 温九, 河合 哉, 饗庭 照美, 冨田 圭子, 南出 隆久, 大谷 貴美子
    セッションID: 1C-a9
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、黄大豆エダマメに代わり、黒大豆、茶大豆などの有色大豆のエダマメが独特の風味で人気を博しており、産地間の競争が激化している。エダマメのおいしさには味や香りなどによる化学的なおいしさと同様に、テクスチャーなどによる物理的なおいしさが関与するところが大きい。ところで植物性食品のテクスチャーは細胞壁構成多糖の構成によって大きく影響を受ける。そこで本研究では、それぞれのエダマメを食する際のテクスチャーと細胞壁構成多糖との関連について検討を行った。<BR>【方法】黒大豆エダマメは京都産「紫ずきん」、黄大豆エダマメ、茶大豆エダマメは宮城産のものを試料とした。細胞壁構成多糖は、各種溶媒にてペクチン画分、ヘミセルロース画分およびセルロース画分に分画し、構成糖はGLCを用いて分析を行った。エダマメのテクスチャーはクリープメーター(山電、RE-3305)を用い、破断荷重と破断歪率を測定した。<BR>【結果】生のエダマメの破断荷重は紫ずきんが最も大きく(2593gf)、次いで茶大豆エダマメ(2074gf)、黄大豆エダマメ(1670gf)であり、生の硬さは細胞壁構成多糖の総量と正の相関を示した。ゆで操作(各エダマメのおいしいとされる時間)後は、茶大豆エダマメ、黄大豆エダマメでは破断荷重はあまり減少しなかったが(1659gf、1566gf)、ペクチン画分を多く含む紫ずきんでは有意に減少し最も軟らかくなった(544gf)。また、紫ずきんの初期弾性率は、黄大豆エダマメ、茶大豆エダマメに比べ小さかった。つまり、紫ずきんは軟らかく粘りがあるテクスチャーを、茶大豆エダマメ、黄大豆エダマメは硬く割れやすいテクスチャーを賞味していることが示された。
  • 堀江 秀樹, 伊藤 秀和, 木矢 博之
    セッションID: 1D-a1
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    [目的]野菜にとって嗜好性は重要であり,甘味を示す糖類について多くの分析例が報告されている。糖組成の分析にはHPLCが用いられる場合が多いが,カラムが高価であり,前処理が煩雑である。そこで,キャピラリー電気泳動法による野菜中の簡易な糖組成分析法を開発したので報告する。
    [方法]野菜に対して一定量の水を加えた後に電子レンジで加温し,ミキサーで破砕・抽出後の濾液を,メンブレンフィルターを通したものを分析用試料とした。キャピラリー電気泳動装置(CE-3D、アジレント)を用い,内径0.075mm,長さ645mmのキャピラリー管の両側に-30kVの電圧を印加し,電気泳動を行った。電気泳動液として,pH12.0に調製した10mM安息香酸ナトリウム,0.5mM臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム水溶液を用いた。350nmと225nmの吸光度の差を用いて,間接吸光度検出した。
    [結果]この方法でホウレンソウ,ニンジン,トマト等野菜中のフルクトース,グルコース,スクロースの分離が可能で,1試料の分析に要する時間は10分程度であり,変動係数は泳動時間が0.2%以下,ピーク面積が2%以下であった。生のタマネギと油炒めしたタマネギで比較したところ,ともにフルクトース,グルコースが2.5%程度,スクロースが2%程度含まれ,炒める操作による大きな変化は認められなかった。HPLCで問題となるカラムの汚染を気にせずに測定できる本法は,野菜成分の調理による変化の解析にも適するものと考えられる。
  • 石井 克枝
    セッションID: 1D-a2
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】たまねぎの加熱による甘味の変化については先行研究により、たまねぎの糖質の濃縮、刺激臭成分の減少、甘い香気成分の生成、組織の破壊や軟化による糖の溶出などが原因として明らかにされている。本研究では、これ以外の要因として、ためねぎに多く含まれる多糖類のフルクタンに注目してた。すなわち、たまねぎの加熱する際に他の調理材料の成分の酸の影響によって甘味が増加するすことを明らかにすることを目的とした。
    【方法】試料:たまねぎは市販の札幌黄を一括購入し、使用した。たまねぎの一番外側と中心部を除き、約3mmのミジン切りにした。加熱条件たまねぎのミジン切り10gを200mlのビーカーに入れ、各溶液50mlを加えアルミホイルでふたをし、ホットプレート上で加熱した。各種溶液は、脱イオン水、0.06%酢酸、0.12%酢酸、0.01%アスコルビン酸0.06%アスコルビン酸、0.06%クエン酸、0.06%乳酸とし、加熱時間は5,15,30,60分とした。糖測定試料液の調製加熱終了後、溶液とともにたまねぎをホモジナイズし、終濃度80%になるようにエタノールを加えた。それを遠心分離3000rpm、10分間行い、その上清を減圧濃縮し、蒸留水で10mlに定容し糖抽出液とした。測定方法糖の測定はHPLC(shimadzu LC-10AT、検出器RID-10A)カラムshim-pack CLC-NH2、溶媒アセトニトリル:水75:25流速1.0ml/minである。
    【結果】 酢酸の存在下で還元糖量は若干増加した。フルクトースは酢酸存在下で増加し、加熱60分で最大となった。酢酸濃度が大きくなるとフルクトースは増加した。酸の種類ではいずれの酸でもフルクトースは増加した。以上から、たまねぎを加熱する際に酸の存在下においてフルクタンの分解によるフルクトースの増加が甘味増加の一因となることが明らかになった。
  • 佐藤 幸子, 数野 千恵子, 田代 典子
    セッションID: 1D-a3
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】でんぷんが主成分である豆類は主に、煮豆や製餡原料豆として利用されている。煮豆のうち、利用頻度の高い豆類について、おいしさに関係すると考えられる成分が煮熟時間により、どのように変化するかについて、糖質を中心に検討したので、その結果を報告する。
    【方法】大正金時豆を水に一晩浸漬後、煮熟し、経時的に煮豆50g、茹で汁20mlを採取した。それぞれについて透析を行い、透析外液を得た。透析外液は、フェノール硫酸法およびカルバゾール硫酸法により、中性糖および酸性糖の定量を行った。また、減圧化で濃縮後、乾固し、アセチル化後、ガスクロマトグラフィーにより中性糖の構成比を検討した。さらに、透析外液をトリフルオロ酢酸(TFA)を加えて加水分解し、アセチル化後、ガスクロマトグラフィーにより中性糖の構成比を検討した。
    【結果】大正金時豆は、中性糖および酸性糖が検出された。1時間煮た煮豆中の中性糖は、100gあたりMannoseは検出されず、Glucose 5.1mg および Galactose 4.8mg であった。煮熟時間3時間のものは1時間のものに比較して Mannose 29.2mg 、Glucose 104.5mg 、Galactose 89.6mg と中性糖の含有比が高くなることがわかった。加水分解後では、1時間でMannose 76.2mg 、Glucose 133.4mg 、Galactose 99.4mg 、3時間でMannose 122.1mg 、Glucose 2449.6mg 、Galactose 1216.1mg であった。
  • 三森 一司, 細田 智子
    セッションID: 1D-a4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    目的 秋田県由利地方に伝わる松皮餅は、秋から春にかけて採取された赤松の内皮を利用した餅で、三月の節句に三色菱餅の一つとして食べられている。本研究では松皮餅に含まれるポリフェノールについて分析を行った。
    方法 秋田県由利郡内で採取した赤松の内皮を、重曹を加えて7時間加熱処理し、木槌で叩いた物を用いた。加熱に伴う松皮抽出液の色調変化を見るために新鮮な松皮に重曹を加え1_から_9時間加熱し、得られた抽出液を検液とした。測色色差計は日本電色工業製ND-101DPを用い、LSUP*/SUP値、aSUP*/SUP値、bSUP*/SUP値を測定した。新鮮な松皮、加熱処理した松皮、松皮餅に含まれるポリフェノールの定量はFolin Denis法で行い、ポリフェノールの分離・同定は、二次元のペーパークロマトグラム法で行った。
    結果 加熱に伴う松皮抽出液の色調変化は、1時間加熱で透明な黄色であったものが、加熱時間が長くなるにつれ、茶色から黒褐色と変化した。 1時間加熱の松皮抽出液のLSUP*/SUP値は83.20であったのに対し、9時間加熱では22.82 と1/4の値となった。aSUP*/SUP値は1時間加熱で4.47と低かったが、3時間後には5倍の20.82と急激に上昇し、6時間加熱で最大となった。加熱処理しない新鮮な松皮には14.8g/100gと多量のポリフェノールが含まれ、マルメロの未熟果の約15倍に相当する値であった。二次元のペーパークロマトグラム法を用いてポリフェノールの分離・同定を行い、原点付近に不動性会合型タンニンらしき物質の存在が確認できたが、その他明瞭なスポットが得られなかった。
  • 成田 美代, 立木 有香, 磯部 由香
    セッションID: 1D-a5
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】アテモヤは、チェリモヤとバンレイシの交配成果物としてオーストラリアで発見された新しい果物である。亀甲状の模様で小指の先ほどの大きさの黒い種子が散在している。生食するほか、果肉を凍らせてアイスクリームとして使えるほど甘味や芳香に富んでいる。日本では1990年に静岡で導入され、三重県でもみかんの一部代替作物としてアテモヤの試作が行われている。本研究では、アテモヤの特性を知るために、一般栄養成分の分析およびポリフェノール成分量と抗酸化性の検討を行った。
    【方法】 試料は鹿児島の与論島より入手したジェフナー種、アフリカン・プライド種(以下アフリカンと略)を用いた。一般成分として水分(常圧加熱乾燥法)、タンパク質(マクロ改良ケルダール法)、脂質(ソックスレー法)、灰分(常圧加熱灰化法)、無機質(原子吸光法)、遊離アミノ酸(HPLC分析)について定量した。また、総ポリフェノール量はFolin-Ciocalteu法にて分析し、DPPHラジカル捕捉能は比色法により測定を行った。
    【結果および考察】水分は、ジェフナーが76.8% 、アフリカンが74.1%であった。タンパク質はそれぞれ1.52%、1.61%であった。脂質は、それぞれ0.66%、0.68%であり、両種に差はなかった。灰分は、それぞれ0.49%、0.63 %であった。無機栄養素含有量は、Kが突出して多く、Ca、Na、Mgも比較的多かった。アテモヤの果肉部から得られた粗ポリフェノール量は、ジェフナーが210mg/100g、アフリカンが 260mg/100gであった。これを用いてポリフェノールの定量を行い、没食子酸に換算すると、ジェフナーが33mg/100g、アフリカンが43mg/100gに相当した。アテモヤから粗精製したポリフェノール10μgのDPPHラジカル捕捉能は、Troloxに換算すると、ジェフナーが15.3μg、アフリカンが16.9μgに相当した。
  • 青山 佐喜子, 高田 修代, 山本 由喜子
    セッションID: 1D-a6
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    [目的]抗酸化性は人間の身体を有害な酸化障害から保護すると考えられ、野菜や果物の抗酸化ビタミンやポリフェノールなどの抗酸化成分が注目されている。また近年、食品の抗酸化性を比較する適切な測定方法についても関心が高まっている。本研究では、野菜類の中でも特に日常的に摂取頻度の高いネギ属を取り上げ、12種類のネギ属野菜類の抗酸化性を測定し、さらに測定方法の比較検討を行った。<BR>[方法]葉ネギ(2)、白ネギ、リーキ、赤ネギ、タマネギ、紫タマネギ、ニラ、ニンニク(2)、ニンニクの芽、ラッキョ、ノビル、行者ニンニクを試料とした。新鮮なものをフードプロセッサーで破砕し、さらにホモジナイズ後、1500rpm×15minのミキシング、3000rpm×10min遠心分離を2回ずつし、水抽出画分、アセトン抽出画分、クロロホルム抽出画分を得て、それぞれをABTSラジカルカチオンのラジカル消去能を測定するTEAC法(Trolox equivalent antioxidant capacity)とFe(3価)を還元する能力を測定するFRAP法(Ferric reducing antioxidant power)を用いて抗酸化性を測定した。<BR>[結果]TEAC法ではニラ、赤ネギ、行者ニンニク、ニンニク(青森産)、紫タマネギの活性が高く、リーキが最も低かった。一方FRAP法ではニラ、赤ネギ、行者ニンニク、紫タマネギ、ニンニクの芽が高く、ラッキョが最も低かった。総抗酸化性では2方法ともニラが最も高く、またネギ間の比較では赤ネギ>葉ネギ>白ネギ、タマネギ間の比較では紫タマネギ>タマネギの順に高かった。また、水抽出画分、アセトン画分、クロロホルム画分の順に抗酸化性が高い傾向であったが、試料により各画分の活性の割合は異なっていた。 
  • 鵜飼 光子, 安部 あいか, 小寺 直子
    セッションID: 1D-a7
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    目的:セルロースを多く含む食品中のラジカルを電子スピン共鳴(ESR)法によって検出し報告した1)。この方法を応用して本研究では緑茶中の有機ラジカルのスピン含有量を定量し、緑茶の種類毎に比較した。
    方法:試料は市販の茶(新茶、煎茶、番茶、抹茶等)を用いた。購入後直ちに冷蔵保存し実験に供した。試料は300 mgを秤取後、ESR試料管(99.9 %石英ガラス、英光社製)に封入した。全てのESR測定は、ESR分光器(JES-FE1XG及びJES-FA200, 日本電子社製)を用いた。測定条件は既報1)に準じた。スピンの絶対量はESRスペクトルの2回積分値から求めた。即ち、既知濃度の標準試料(TEMPOL,2.2.6.6-Tetramethylpineridine-N-oxyl)で得られたスペクトルの積分値に対する各種緑茶試料のスペクトルの積分値からスピン量を算出した。
    結果:試料とした緑茶のラジカルには3種あり、それぞれMnによる超微細構造線、有機ラジカル由来の信号、Feによる遷移金属イオンと同定した。ESR信号は緑茶の種類が違っても本質的に同一であった。スピン含有量は4.4×1016_から_9.9×1016個/グラムであった。緑茶の種類によってスピン含有量に差異があった。
    1)J. Food Science, 68, 2225-2229 (2003)
  • 菊崎 泰枝, 梶原 えり子, 橘 ゆかり, 中谷 延二
    セッションID: 1D-a8
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】カレーリーフはナンヨウザンショウ(Murraya koenigii)の葉で、香辛料としてインド料理や東南アジア料理の香り付けに利用されている。演者らはこれまでにカレーリーフの塩化メチレン抽出物から強い抗酸化活性を有するカルバゾール類を単離・構造決定してきた。本研究では、カルバゾール類よりも高極性の抗酸化成分の解明を目的とした。
    【方法および結果】カレーリーフの乾燥葉を溶媒抽出し、塩化メチレン抽出物、酢酸エチル可溶部および水溶部を得た。各画分のDPPHラジカルに対する捕捉活性およびリノール酸メチルの加熱通気酸化に対する抑制活性(Oil Stability Index(OSI)法)を測定したところ、酢酸エチル可溶部に塩化メチレン抽出物に匹敵するDPPHラジカル捕捉活性および塩化メチレン抽出物の約50%の抗酸化活性を認めた。酢酸エチル可溶部を繰り返しカラムクロマトグラフィに供して精製した結果、2種の安息香酸類、4種のケイ皮酸類、kaempferol、quercetinの他5種のフラボノイド配糖体を単離した。このうち3種はkaempferol、 quercetinおよびmyricetinの3-O-β-D-glucosideであった。また、2種はグルコースの6位がアシル化されたkaempferol 3-O-(6-O-acetyl)-β-D-glucosideおよびquercetin 3-O-(6-O-p-coumaroyl)-β-D-glucosideと決定した。得られた化合物のDPPHラジカル捕捉活性はオルトジフェノール構造をもつ化合物の活性が強く、OSI法ではcaffeic acid、 protocatechuic acid、quercetinが強い活性を示した。また、OSI法により塩化メチレン抽出物と酢酸エチル可溶部の抗酸化活性の相互作用を測定したところ、相加作用を示した。
  • 藤江 歩巳, 大島 民恵, 大羽 和子
    セッションID: 1D-a9
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目 的】にがうりはビタミンC(VC)含量が高く、抗酸化性食品として注目されている。本研究では、にがうりの生および加熱調理によるVC含量の変化を測定し、にがうりの抗酸化機能を有効に発揮できる調理法を提案することを目的とした。また、VCの酸化に関与するアスコルビン酸オキシダーゼ(AAO)活性との関連も追跡した。
    【方 法】VC量はHPLC-ポストカラム誘導体法で測定した。AAO活性はアスコルビン酸(AsA)存在下で265nmの吸光度の減少割合から算出した。ラジカル捕捉活性は1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl(DPPH)-比色法で測定した。
    【結 果】にがうりの果肉部分の総VC含量は、85.5-53.3mg/100gで個体差がみられ、AsAが約90%を占めた。綿部分の総VC量は、重量当たり果肉の2-3倍であった。VC酸化酵素であるAAO活性は一般の野菜に比べて高く、0.358-0.049μmol AsA/min/gであった。茹で加熱後の総VC残存率は52%、炒め加熱後では72%であった。磨砕してジュースにした場合、AAO活性の高い個体では、生の総VC量を100%とすると、調製直後でAsAは23%に減少し、酸化型VCは59%に増加した。30分放置後にはAsAは0となった。AAO活性の低い個体でも、調製直後でAsA が79%、30分放置後では46%に減少した。磨砕時にクエン酸を添加することによりジュースのVCの酸化は濃度依存的に抑制された。果肉のDPPHラジカル捕捉活性はほうれん草の1.2倍、レタスの4.5倍と高かった。以上の結果、にがうりのVC含量は高いが、調理中には減少すること、また、生食調理する場合は、AAO活性を抑制する必要があることが明らかになった。
  • 畑井 朝子, 中沢 留美
    セッションID: 1E-a1
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    目的 マルシルトレハロースはデンプンに酵素を作用させて作られた非還元性糖類であり、それを主成分としたシラップは一般の水飴を使用した場合より低甘味で色焼けしにくい等の特徴があり、餡や菓子類に広く利用されている。今回は甘味料として砂糖のみを使用した餡と上記シラップを添加した餡の性状について比較検討した結果を報告する。 
    方法 供試餡は餡製造業者が調製した赤生餡と白生餡であり、甘味料の砂糖は市販グラニュー糖、マルシルトレハロースシラップは株式会社・林原の「ハローデックス」を用いた。ねり餡の原料は生餡100g、グラニュー糖65g、蒸留水50g(シラップ無添加)と生餡100g、グラニュー糖52g、シラップ18g、蒸留水50g(シラップ添加)であり、鍋に原料を入れ竹べらで攪拌し180_から_185g(糖度約50)になるまで加熱を行った。加熱には熱電気(600w-300w切替式)を用い、沸騰まで600w、その後は300wで行った。比較項目は色調、つや、香、粘り、甘味、総合的好ましさ、あん粒子形状態であり、官能試験、顕微鏡観察などにより行った。なお、パネルは本学短大生24名、餡製造業者4名である。 
    結果 ねり餡の色調はシラップ添加により影響され、シラップ添加により赤餡、白餡とも濃くなっており、赤餡では色焼けしにくくなっている。練り餡のつや、香ともシラップを添加したものが強く、総合的な好ましさは学生パネルでは有意差がなかったが、餡製造業者全員が赤餡のシラップ添加を、白餡では無添加を好ましいとし、粘りは白餡のシラップ添加のものが強いと判断した。あん粒子の形状はシラップ添加のものがやや不均一であった。
  • 杉村 留美子, 酒向 史代, 早野 清治, 村松 宰
    セッションID: 1E-a2
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】以前に本学会で,共同研究者の酒向らは,市販中国野菜のタアサイ,チンゲンサイ,クキニンニクに含まれる硝酸量の保存および加熱調理による変化について報告した。本研究では,これらの中国野菜と同様に硝酸が多く含まれるコマツナについて,保存および加熱調理による硝酸量の変化を測定し,調理による減少方法を検討した。
                    【方法】 硝酸量の測定は前報と同様に行った。試料に蒸留水を加えてホモジナイズした後,80℃で加熱抽出した。ろ液からカチオンを除去し,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて定量を行った。保存条件は,8℃,湿度33-35%および25℃,湿度31-34%,調理法は水ゆで,塩ゆで,炒め,電子レンジ加熱とした。
                                     【結果】生の試料では,硝酸量は時期による変動があったが,いずれの時期も葉柄に多く含まれ,葉身の3.2-8.6倍であった。亜硝酸は検出されなかった。保存による変化は,8℃保存では増加の傾向を示し,25℃保存では葉柄のみ有意に低下した。各種調理後の残存率では,電子レンジ加熱および炒め(葉柄)を除いて硝酸量が減少し(残存率24.7-78.8%),特に水ゆでおよび塩ゆでの葉身は残存率の低下が大きかった。変化が大きかった水ゆでにおいて経時的に測定した結果,120秒後には残存率が15.8%(葉身)に低下し,反応定数は12.36×10-3/sec(葉身),2.74×10-3/sec(葉柄)であった。また,水ゆでにおいて,ゆで水量を変えて測定した結果,葉身は2および3倍量において硝酸量が有意に減少したが,葉柄は5倍量においても減少しなかった。しかし,葉柄は切る操作によって77.0%の減少率となった。   
  • 田村 朝子, 木下 伊規子, 佐々木 舞, 鈴木 一憲
    セッションID: 1E-a3
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    (目的)「煮る」という加熱調理は、大量調理においても、少量調理においても非常に献立のなかで出現率の高い調理方法である。大量調理で煮物を作成する場合、その食材量の多さから「煮くずれ」がおこりやすく、材料による放水によって「水っぽい」仕上がりとなりやすい。また変色による外観の悪さ、など難しい調理方法の1つであるともされている。本研究では、大量調理における煮物の標準調理操作を構築することを目的としており、平成13年度、平成15年度大会で下処理、余熱利用に主眼をおき、煮物の煮くずれ防止方法を検討し報告した。今回は、食品のかたさに影響を及ぼすと考えられる「調味料」について種類や添加量を変化させ、ジャガイモのかたさを物理的、組織科学的に検討した。
    (方法)ジャガイモを3.5cm角に切りそろえ、内径20cmの鍋に並べ入れ、水800mlを加えやわらかくなるまで煮て、調味料(食塩、こいくちしょうゆ、砂糖、酒)をそれぞれ1種類ずつ濃度を変化させて添加し、10分間加熱した。加熱時間、ジャガイモ重量、煮汁量をそれぞれ測定した。取り出したジャガイモについては、色差測定、破断強度測定、組織観察を行い、煮汁については、煮汁中に溶出したデンプン量を測定した。
    (結果)1.食塩を添加して煮た場合、食塩添加濃度が高くなる程イモの色に明るさがなくなり、かたくなる傾向があった。組織的にも、デンプン粒が大きく膨化し、細胞壁との間隔が認められなかった。したがって塩添加濃度が高くなると煮くずれ防止効果高いといえる。2.しょうゆの場合は、添加濃度が高くなる程、内部構造がもろくなり、煮くずれが多くなった。3.砂糖添加の場合は、濃度が高くなる程イモ表面及び内部がもろくなり、煮くずれが多くなった。
  • 菊池 節子, 角野 猛
    セッションID: 1E-a4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    目的 野菜の調理加工にあたって、十分な洗浄をすることは調理衛生的な観点から極めて重要である。近年様々な洗浄方法が開発応用されているが、洗浄方法がビタミンCの変動および微生物の除去に及ぼす影響を検討した報告は少ない。そこで今回、野菜の洗浄方法の違いが、ビタミンCと微生物数の変動にどのような影響があるかを検討した。 
    方法 実験に用いた野菜は、市販のレタス、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、キュウリおよび生食用カット野菜である。洗浄方法は、1.水道水洗浄、2.電解水洗浄(強酸性)、3.塩素剤洗浄(市販塩素剤0.3%液)とした。また、これらの各方法で洗浄した野菜を、55℃、湿度90%、処理時間5分等の各条件下での低温蒸気加熱処理を行った。総ビタミンCの定量をヒドラジン法にて、微生物検査は食品衛生検査指針に準じて、一般生菌数および大腸菌群数などの測定を行った。 
    結果 1.いずれの野菜においても、総ビタミンCおよび還元型ビタミンC量は、保存につれて減少したが、洗浄方法の違いによる大きな差異は認められなかった。2.酸化型ビタミンC量は保存につれても変動は少なかった。3.一般生菌数はいずれの野菜とも水道水洗浄に比較して、塩素剤、電解水および低温蒸気加熱したものは減少した。特に、大腸菌群数の減少は水道水洗浄、電解水洗浄および塩素剤洗浄に、低温蒸気加熱処理を行った場合に著しかった。
  • 会田 久仁子, 角野 猛
    セッションID: 1E-a5
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] かぶら寿司および大根寿司は石川県や富山県を中心に製造される伝統的な発酵食品である。一般的には、2_から_3cmの輪切りにして塩漬けしたかぶらや大根の間に、1_から_2週間塩漬けにした寒ブリや鮭をはさみ込み、にんじんや昆布、タカのツメなどと一緒に米麹に約1ヶ月漬け込んで発酵させて製造される。このような、野菜と魚を漬け込んで発酵させた食品としては、北海道の“鮭寿司”、秋田県の“ハタハタ寿司”、岐阜県の“ね寿司”、愛媛県の“伊予寿司”などが知られている。本研究は野菜と魚を材料とした発酵食品の遊離アミノ酸組成および微生物叢などを明らかにすることを目的とした。
    [方法] 実験に用いたかぶら寿司および大根寿司は、平成13_から_15年に石川県金沢市内で購入したそれぞれ8検体および9検体、計17検体である。遊離アミノ酸組成および水分活性などについて調査した。また、微生物検査は、一般生菌数、乳酸菌数、腸内細菌数、嫌気性菌数、酵母菌数、低温菌数について検討した。分離菌については、形態観察をしたのちBiolog装置などにより菌種の同定を行った。
    [結果] 1.かぶら寿司および大根寿司の遊離アミノ酸総量は308_から_3314mg/100gで、平均それぞれ、1705.7mg/100gおよび1177.9mg/100gであった。検出された主な遊離アミノ酸はアラニン、グルタミン酸、GABA、ヒスチジン、アルギニンであった。2.相対的にみると、グルタミン酸の少ない検体ではGABAが多く、グルタミン酸の多い検体においてはその逆の傾向が認められた。3.一般生菌数、乳酸菌数は対数平均値でそれぞれ5.775(log./g)および5.683(log./g)であって、大腸菌群およびサルモネラはいずれの検体からも検出されなかった。
  • 稲津 康弘, 川本 伸一
    セッションID: 1E-a6
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    浅漬は東南アジア全域で日常的に喫食されているが、キムチ等、一部のものを除くと、研究報告は多くない。我々はベトナム食品工業研究所の協力の下、ベトナム北部地域で生産される漬物について調査を行った。2003年3月6-13日に、ハノイ市内7ヶ所にて市販される野菜発酵食品38検体を収集した。調査地域ではコールラビの葉・小玉ナス・刻みキャベツ・ラッキョ・乾燥小タマネギを原料とする5種類の漬物が販売されていた。塩濃度はナス製品が1.5%前後、他は0.5%程度であった。発酵が進んだ製品ではpHが4付近まで低下していたが、中性付近のpHのものもあった。大半の製品の一般生菌数は4-7Log-cfu/gであり、その大部分が乳酸菌(Lactobacillus,Lactococcus, Pediococcus,Leuconostostoc)であった。大腸菌群数は 2Log-cfu/g台のものが多いが、4-5Log-cfu/gのものもあった。分離された大腸菌群はKlebsiella, Proteusなど、通常の野菜(発酵食品)から分離されるものと同様であった。ナス・タマネギ漬物からそれぞれ1株ずつバクテリオシン生産性Lactococcus lactisが分離された。いずれもナイシン構造遺伝子nisAを保有しており、食中毒原因菌であるListeria monocytogenesに対して殺菌作用を示した。調査地域では納豆様の大豆発酵食品は市販されていなかったが、ナス漬物から粘物質生産性を有する納豆菌類似の枯草菌が分離された。この株の培養上澄は日本の納豆菌と異なり、Lactobacillus plantrum, L.monocytogenes等のグラム陽性菌に対して強い抗菌性を示した。抗菌活性は70℃2時間の加熱でも失われないが、30分のプロテアーゼ処理によって完全に失活した。
  • 太田 美穂, 新宅 賀洋, 野崎 信行
    セッションID: 1E-a7
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】健康志向の高まりと共に、インドネシアの発酵食品であるテンペが注目されている。テンペは菌糸で大豆がしっかりと固められており、薄く切ることができるため、加熱調理が容易である。軟らかく生食することも可能で消化吸収が良いとされ、栄養価も高いテンペの調理上の利点について検討した。
    【方法】テンペを作成し、発酵時間による固さの違いをレオメーターで測定し、同時にその食品の組織を観察した。さらにテンペの調理食材としての利用状況を調べると共に、調理過程で付加される物性や味の変化について、官能検査とアンケート調査によって分析した。
    【結果】テンペは、菌種や発酵時間によってその固さなど物性の違いが生じ、官能検査との関連が見られた。テンペと同時に調味液に浸けた牛肉と、調味液のみに浸けた牛肉を調理して固さを比較したところ、テンペ付加牛肉の方が軟らかくなっていた。また、テンペを市販のしょうゆに添加したものと、しょうゆそのものとで味についての官能検査を実施したところ、テンペ入りしょうゆの方が好ましいとした者が多かった。肉や調味液にテンペを付加した場合、味が悪くはならないあるいは良くなる、肉質の軟化から肉が食べやすくなるという利点が生じていた。食材としてのテンペの利用と同時に、今後高齢者の食生活に広がりをもたらすテンペの調理上の有用性をさらに検討している。
  • 牧 亜紗子, 関口 めぐみ, 西島 基弘
    セッションID: 1E-a8
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】近年、消費者の合成添加物に対する不安感から天然添加物の使用例が増加している。これらの中で既存添加物名簿収載品目リストに保存料として収載されている品目のうち代表的な5品目(以下天然添加物)について実際に使用されている製剤を用いてカビ発生の抑制効果を調査した。
    【方法】パン、米飯、煮小豆、煮大豆、漬物の加工食品を作成後、室内放置し、カビを発生させAspergillus niger等、5種類を食品由来の供試菌株とした。天然添加物は_丸1_唐辛子抽出物、_丸2_ペクチン分解物・pH調整剤(28:72)製剤[以下ペクチン分解物]、_丸3_ε-ポリリジン・L-グリシン(1:1)粉末[以下ポリリジン_丸1_]、_丸4_ε-ポリリジン・デキストリン・L-グリシン(8.35:8.35:83.3)粉末[以下ポリリジン_丸2_]、_丸5_しらこたん白の5種類を対象とし、合成添加物との比較対照の為ソルビン酸カリウムを用いた。ポテトデキストロース寒天培地に、斜面培地に増殖させた各供試菌株に0,05(v/v)Tween80添加生理食塩水を加え(100_から_200)×10 /mlになるように胞子懸濁液を調製し0,1mlずつ塗抹後、27℃で培養し一週間観察した。
    【結果】ポリリジン_丸2_以外は各天然添加物2%以下で抑制効果がみられた。Aspergillus nigerに対しては、効果は見られなかった。また通常、食品添加物として使用する範囲内ではいずれのカビに対しても防カビ効果がほとんどみられなかった。これを効果のみられる量まで添加量を多くすると食品の風味を損ねかねないことから、カビの増殖抑制を目的に実際に使用することは実用上難しいと考えられる。
  • 久保 加織, 尾川 由香里, 團 愛, 堀越 昌子
    セッションID: 1E-a9
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】福井県や滋賀県のさば街道筋に古くから伝わるへしこ(魚のぬか漬け)は、塩漬けした魚を米ぬかとともに数ヶ月から1年程度漬けることによって製造される。本研究では、数種類の市販へしこの成分を分析するとともに、官能評価を行い、各成分と官能評価との関連性について明らかにすることを目的とした。
    【方法】福井県および滋賀県で製造、販売されたさばへしこを試料とし、塩分、遊離アミノ酸、核酸関連物質などの分析を行った。さらに、SPMEファイバーに吸着させた揮発性成分をGCMSにより分析した。官能評価は、大学生30人をパネルとして行った。
    【結果】へしこの呈味に関わる成分として、塩分と遊離アミノ酸、有機酸が検出されたが、呈味性核酸関連物質はほとんど含まれていなかった。塩分は7.5%から15.5%と試料間の差が大きく、官能評価では塩分濃度の違いを多くのパネルが塩辛さとして感じていた。ヒスチジンを除くすべての遊離アミノ酸は生さばより多く含まれていた。アスパラギン酸やグルタミン酸含量の高いへしこで酸味を強く感じるパネルが多く、甘味や旨味と遊離アミノ酸量との間に関係はみられなかった。揮発性物質としてエタノールや酪酸、酢酸エチル、アセトアルデヒド、2‐エチルフランなど微量でも特徴的なにおいをもつ物質が検出され、これらがへしこのにおいの特徴を示すと考えられた。なれずしから検出される揮発性成分と比較した結果、へしこはなれずしより発酵臭が少なく生魚の臭いに近いと考えられた。試料間では、発酵臭や生ぐさ臭、エステル臭をもつ揮発性成分の検出のされ方に差が見られ、官能検査でも検出された揮発性成分から予想される臭いの特徴を認めることができた。
  • 大福 月江, 遠藤 千鶴
    セッションID: 2A-a1
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】近年、米を微粉砕処理した米粉が開発され、地産地消、米の消費拡大の観点から農林水産省をはじめ多くの機関で米粉を活用した製品の開発が行われている。その1つとして米粉パンが開発されているが、そのほとんどは米粉にグルテンを添加したミックス粉を使用している。そこで我々はグルテンを添加しない米粉パンの調製を試み、小麦粉パンと比較しながら米粉パンの性状を検討した。
    【方法】試料は山形・新潟・富山県産の混合うるち米を粉砕し80メッシュに調製した米粉、ドライイースト、食塩、上白糖、植物油を使用した。配合割合については小麦粉パン配合を基準にして水分量を調製するようにした。米粉パンの性状を検討するためにパンの膨化率、水分は水分計(ザルトリウス:MA-100)、硬さはレオメータ(山電:RE3305)、色は色彩色差計(ミノルタ:CR-200)を用いて測定した。
    【結果】小麦粉パンの配合割合で米粉パンを調製した結果、全く膨化は見られなかったが同条件で水の添加量を変えることにより生地に膨化が見られた。膨化のよかった水分量を用いて、同条件で焼成した小麦粉パンとの性状を比較すると、パンの破断測定では小麦粉パンに破断が認められたのに対し、米粉パンは破断が認められなかった。また、凝集性は小麦粉パンより米粉パンの方が低い値であった。これらのことは官能評価の食感「もちもち感がある」ということ裏付けていると思われた。パン内側の色をLab値で比較すると米粉パンはb値が低く、小麦粉パンはb値が高く肉眼でみても黄みがかっていた。官能評価の総合評価においても米粉パンはパンとして好ましい評価が得られた。
  • 福本 明美, 内山 智美, 明石 英子, 金澤 成寿
    セッションID: 2A-a2
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】蒸気は、様々な効果を有しており、凝縮熱を利用した蒸し調理や水蒸気蒸留を利用して食品の脱臭などにも広く利用される。また、揚げ物を再加熱すると油臭さが強まることがある。そこで、スチームオーブンレンジのグリル機能を用いた揚げ物再加熱において、再加熱後に発生する悪臭成分を測定し、揚げ物に対する蒸気の投入効果を明らかにすることを目的とする。
    【方法】コロッケ(約60g/個)のグリル再加熱において、0、11、23g/分の蒸気をそれぞれ投入して加熱し、再加熱後にコロッケから発生する悪臭成分(アルデヒド類)を測定した。蒸気の投入タイミングが再加熱後の悪臭成分発生に与える影響についても検討した。また、イカ天ぷら(約50_から_60g/個)について、マイクロ波、グリル加熱(蒸気あり・なし)でそれぞれ再加熱し、硬さを指標として蒸気の効果を検討した。
    【結果】蒸気を投入することで再加熱後のコロッケから発生する悪臭成分量の上昇が抑えられた。また、蒸気の投入タイミングが、脱臭効果および再加熱後のコロッケの出来ばえに影響を与えることが認められた。 イカ天ぷらのグリル再加熱は、マイクロ波再加熱に比べ、硬さ・水分減少率が低くなる傾向が認められた。
  • 溶媒和層算出の試み
    緑川 真理, 島田 淳子
    セッションID: 2A-a3
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】ジアシルグリセロール(DAG)は、W/O乳化しやすく、乳化剤なしでも乳化状態を保持することが報告されている。1)このことより、DAGは水相との界面で溶媒和層を形成することが推定される。そこで、油中における水滴の沈降速度より、溶媒和層の厚さを算出することを試みた。
    【方法】油相として脂肪酸組成及びトコフェロール含量をそろえた調製DAG及びTAGを、水相として脱イオン水(H2O)及び塩類溶液(0.5M NaCl、0.5M MgCl2)を用いた。試料は相互溶解度を平衡状態にするため、ビーカーに油相と水相の試料を入れ、時々振り混ぜ70℃で6時間放置したものを用いた。0.05ml容シリンジに水相を入れ、シリンジの先端から押し出した水滴を油相中で0、3、5、10分間保持し溶媒和させ、沈降速度を測定した。各水相につき50滴以上を対象とし、この操作を5回行った。沈降速度の平均値を用い、水滴の半径(a)を算出した。一方、シリンジ中の使用した水相の容量より水滴の半径(a')を算出し、aとa'の差を溶媒和層の厚さとみなした。
    【結果】TAGにおいては、溶媒和形成がみられなかった。一方、DAGにおいては、水相がH2Oの場合、水滴を油相中で溶媒和させるため保持した時間が長くなるほどaがa’より増加していた。また、0.5M NaCl及び0.5M MgCl2もそれぞれH2Oと同様の傾向がみられたが、溶媒和層の厚さを比較すると、H2Oが塩類溶液より大きかった。これらの結果より、DAGは水相との界面において溶媒和層を形成し、塩類溶液が溶媒和層の厚さを縮めると推察した。
    1)Atsuko Shimada Kyoko Ohashi:Food Sci Technol.Res.9(2),142-147,2003
  • 卵黄およびpHの影響について
    河上 智子, 大橋 きょう子, 島田 淳子
    セッションID: 2A-a4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】ジアシルグリセロール(DAG)は、グリセリンに脂肪酸が2つ結合した構造で分子内にOH基を有する事から、調理過程における挙動がトリアシルグリセロール(TAG)とは若干異なると考えられる。本研究は、DAGの乳化性に関する基礎的な知見を得る事を目的にし、卵黄の存在およびpHの影響について検討した。
    【方法】脂肪酸組成およびトコフェロール含量をほぼ同一にそろえた調整TAGおよびDAGを試料油とした。1%卵黄水溶液を、酢酸もしくは炭酸ナトリウムを用いてそれぞれpH3、6および9に調製し、25℃におけるTAG、DAGとの界面張力を自動表面張力計(協和界面科学株式会社)で測定した。また、同様の卵黄水溶液とTAGもしくはDAGをそれぞれ5mlづつ、ハイフレックスディスパーサーを用いて10,000rpmで5分間攪拌し、得られたエマルションについて流動特性をコーンプレートタイプ回転粘度計(東機産業株式会社)で測定した。連続相による希釈法により乳化型を判定し、また粒子径について顕微鏡写真を撮り、解析ソフトで解析した。また、乳化容量についても検討した。
    【結果】DAGと水との界面張力はTAGの約1/2であり、両者ともにpHによりほとんど変化しなかった。水相を1%卵黄水溶液にすると、両者ともに界面張力は大きく減少したが、その低下能はTAGの方が大きく、TAGとDAGの界面張力の差は小さくなった。TAG、DAGともに界面張力はpH6で最も低かった。調製したエマルションはpH6で粘性が高く、特にDAGエマルションで顕著であった。
  • 松永 篤史, 石原 克之, 三好 隆行, 中山 孝志, 伊藤 秀二, 古賀 秀徳
    セッションID: 2A-a5
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
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    【目的】加工食品中のアクリルアミド(AAm)生成に関してアスパラギンと還元糖が主な前駆体であると報告されている。また生成に関する基礎研究では水溶液でのモデル系での報告は多いが、フライ調理を想定した系での報告は少ない。そこでガラス繊維濾紙に水溶液を浸透させたものを揚げ種とするフライ調理モデルを使用し、AAmの生成抑制条件について検討した。
    【方法】ガラス繊維濾紙にリン酸緩衝液で溶解した0.2Mアスパラギン溶液とグルコース溶液を浸透させ、フライ調理における揚げ種とし、フライ温度条件、pH条件、そして共存成分を変えてフライ調理した。 また、長極細シース熱電対を濾紙内部に差し込み揚げ種品温を測定しながら経時的にサンプリングし、直ちに液体窒素を用いて急冷させ、水分とAAm生成量を測定した。AAm分析は、臭素誘導体化後GC/MSにて行なった。
    【結果】pHの影響では、pHが酸性域になるほどAAmの生成率が低くなる傾向が認められた。 次に温度の影響では、180℃で最も高い生成率を示し、190℃以上の高温域では生成率が次第に減少し、180℃を頂点として生成率が増減することがわかった。またフライ調理中の変化では、揚げ種水分残存率が5%以下の段階から品温が上昇し、着色とAAm生成が増加した。このことよりフライ調理工程で水分が減少した段階でのフライ油温度と加熱時間がAAmの生成に大きく影響することが示唆された。さらにアスパラギンと共存するアミノ酸組成も、AAmの生成に影響することが示唆された。
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