日本調理科学会大会研究発表要旨集
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平成25年度(一社)日本調理科学会大会
選択された号の論文の217件中1~50を表示しています
口頭発表
  • 松山 洸一
    1A-a1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】近年、市販緑茶飲料の普及によって、緑茶の飲用形態は多様化してきた。それに伴い、急須で淹れる緑茶(リーフ緑茶)用茶葉の消費量は20年間で約40%も減少した。リーフ緑茶の飲用は、古くからの日本人の習慣であり、のどの乾きを潤す目的以外に、情緒の安定など精神への効用が期待される側面をもつ。本研究ではリーフ緑茶の活用による生活の質の向上を目指している。そのための基礎的情報として、今日の日本人のリーフ緑茶飲用に対する認識を調査し、飲用する際の空間設計に関わる知見を得ることを目的とした。
    【方法】関東地方の一般家庭の住民を対象に質問紙調査を行った。質問内容はリーフ緑茶を飲む際に「意識すること」26項目、及び「感じること」28項目であり、各項目について5段階評価を求めた。各質問内容においてPromax回転を伴う因子分析を実施した。
    【結果】リーフ緑茶を飲む際に「意識すること」においては、緑茶そのものの個性を表す「緑茶特性」因子、気分が心地よい状態になる「気分の肯定的変化」因子、飲用時の周囲の諸要素である「喫茶環境」因子の3因子が抽出された。また、「感じること」では感情の落ち着きを表す「精神の安定」因子、日常生活における緑茶の文化を感じることである「緑茶の文化」因子、精神面を中心とした心身の活性化を示す「意欲の向上」因子の3因子が抽出された。現代の日本人はリーフ緑茶を飲む際に、緑茶の品質が直接関与する「緑茶特性」以外に、喫茶時の環境や文化、精神面に関わる肯定的な因子を意識したり、感じたりしていることが確かめられた。緑茶飲用空間を設計する上で、考慮すべき知見が得られた。
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  • 河村 美穂, 池田 とく恵, 片平 理子
    1A-a2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】自立した食生活を送る人の育成は、家庭科教育の目標であり、高齢期を健康に過ごすための重要な課題でもあるが、実際に自立した食生活を送るためにはさまざまな要因が関連していると考えられる。本研究では、自立した食生活と「調理をすること」がどのように関わっているのかを明らかにすることを目的とする。本報告では、社会人対象の食生活に関する調査結果より「調理技能」「調理の知識」が食生活の実態とどのように関係しているのかを検討する。
    【方法】埼玉大学の産学連携プロジェクトに所属する地域企業・関係機関協力の下、社会人236(男153、女83)名を対象として食生活に関する質問紙調査を実施した。調査時期は2013年4月である。調査協力の同意を得た企業・関係機関に質問紙を郵送し従業員・職員およびその配偶者の個別回答を企業・関係機関ごとに回収した。調査内容は、食生活の実態および意識、小学校家庭科で取り上げる調理技能5種類に対する認知(できるかどうか判断して回答するもの)、難易度の異なる21種類の調理に対する認知(できるかどうか判断して回答するもの)、調理に関する知識である。データの分析にはIBM SPSS Ver.20を用いた。
    【結果・考察】小学校家庭科で取り上げる調理技能5種類はできると認知している人が女性は7割、男性は4割と差があり、難易度の異なる21種類の調理ができるかどうかについても男女差が顕著であった。調理の知識の得点が高い人は調理技能のレベルも高いという結果が得られた。さらに調理技能のレベルは、社会的な視点のある食生活問題に対する関心・家庭の食に対する関心が関係していることが示唆された。
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  • 澤田 崇子, 山田 正子, 瀬戸 美江, 藤本 健四郎
    1A-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】平成23年度の女子学生10名の食事調査結果において、学生Aの家庭では母親が有職者のため、冷蔵庫に線キャベツが常備されており、毎食の食事にその線キャベツが添えられていた。母親の目的は子供にできる限り野菜摂取をさせることと、たとえば和風料理では料理の色が茶色くなるので、線キャベツを添えることで、料理の色を明るくするという2つの目的があった。1日当たりの10名の食事調査結果と学生Aの食事調査結果を比較すると、線キャベツを添えることで、野菜量が増加しただけでなく、食物繊維総量、噛む回数が増え食事時間も長くなっていた。そこで、女子学生を対象に野菜摂取の現状と1日3食に線キャベツ70gを加えることで、野菜350g以上摂取可能かを調査検討した。
    【方法】野菜摂取に関するアンケート調査、関東圏内の21店舗を対象としたスーパーマーケットのカット野菜調査、食事調査、筋電計調査、給食経営管理実習における実施献立表からの野菜量調査、和風、洋風、中華風料理と線キャベツの組み合わせ調査、野菜摂取の考えに関するアンケート調査を行った。
    【結果】今回の調査結果から、1日3食に線キャベツ70gを加えた総野菜量は334.5±34.2gと350g以上摂取することはできなかった。また、主食、主菜、副菜を組み合わせることが、野菜摂取につながることがわかった。とんかつ以外の和風や中華風料理と線キャベツの組み合わせに違和感を持つ学生が多かったが、線キャベツを副菜として加えることは、短い食事時間の中で野菜摂取および咀嚼回数(ひいては咀嚼筋量)を増加させるための安価で手間のかからない方法であると考えられた。
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  • 福永 恭子, 大槻 美聡
    1A-a4
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】「MRSメニューセンサス」は、首都圏普通世帯のメニュー実態と調理実態を詳細に把握することで、食ビジネス全体に対する戦略的仮説設定を支援することを目的としている。今回、当該データの中でも朝食に焦点を当てた時系列分析を行い、朝食実態の把握と朝食関連商品の開発への提言を行った。
    【方法】1978年から2012年まで蓄積してきた「MRSメニューセンサス」の「朝食」データを用いて、朝食で食卓に並ぶメニュー数とメニュー傾向を集計した。
    【結果】①朝食の「1世帯1食あたりメニュー数」(飲料含む)は、80年代末~90年代半ばがピークであった。世帯内の家族人数に左右されない「1人1食あたりメニュー数」をみても、1メニュー、2メニューといった簡易な食事の割合が増加している。若年主婦世帯ほどメニュー数が少ない傾向は調査当初からみられるが、ある時期から年代差が拡大した。②調査開始当初の1978年から継続してパン食比率が上昇している。90年代にすでにパン食がごはん食を上回っていたことも確認できた。また、朝食でごはん類が出る時の「ごはん類と味噌汁の同時出現率」は、この30年間で大幅に低下している。「朝はごはんと味噌汁」という和朝食は今や少数派である。③主食がパンであれごはんであれ、主菜・副菜が減少している。とくにパン食の場合はごはん食の場合よりも主菜・副菜の同時出現率が低く、果物、ヨーグルト、乳酸菌飲料、野菜ジュース等の出現率が高いのが特徴である。これらの結果から、今後の朝食向け商品開発における方向性仮説を考察した。
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  • 小川 明子
    1A-a5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】近年、少子高齢化の進展や未婚率の上昇などに伴い、“夫婦のみ”や“一人暮らし”世帯が増加している。また、共働き世帯の増加や中食市場の拡大などによって、調理の時短や簡便化傾向も強まっている。そこで本研究では、揚げ物調理を中心とした調理スタイルに関して家族形態別の比較を行い、今後の変化を予測した。【方法】調査対象:全国の20~60代の女性。調査方法:インターネット調査。調査実施時期:2012年11月【結果】今回の調査より、“一人暮らし”世帯は、“夫婦のみ”、“夫婦と子”世帯と比較して、特に大きな違いがあることが分かった。“一人暮らし”は、調理時間が短く、「麺料理、パスタなど」が多い結果となった。また、揚げ物調理は半数が「まったくしない」と回答したものの、そのうち7割は弁当・惣菜などの中食を食べていた。一方、どの世帯も共通して、最もよく作る料理として「炒め物」がトップとなり、その理由は「調理が簡単」が圧倒的に高くなっていた。また、揚げ物を食べることが好きな人は、どの世帯も6~7割程度だったが、揚げ物調理が好きな人は、“一人暮らし”21%、“夫婦のみ”31%、“夫婦と子”37%と低く、揚げ物調理に対し、「調理器具の片付けが大変」などのネガティブイメージが高くなっていた。以上のことより、今後、一人暮らし世帯が増えていくことを考慮すると、調理の簡便化傾向がますます強くなることなどが推測された。
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  • 中平 真由巳, 石井  裕子, 小西 春江, 高橋 ひとみ, 栗本 麻衣子
    1B-a1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】近年は、食品産業の発達により食の外部化が著しく、生活様式が変化して手間をかけた伝統的な行事食が親から子へ伝承されない傾向にあるといわれている。本研究は、平成21、22年度の日本調理科学会特別研究として実施した全国行事食調査から、近畿の他府県に比べて祝うことの多かった行事食の春祭りと正月料理に着目して新たにアンケート調査を行い、滋賀県在住の短期大学生の家庭における行事食の現状を把握し、今なお地域に伝え作られている滋賀県の正月料理と春祭りの食事の存り様を明らかにすることを目的とした。
    【方法】平成21年12月~平成22年3月、日本調理科学会特別研究の全国統一様式の調査用紙を使用し、近畿2府4県の大学・短期大学に在籍する学生及びその親、その他近畿在住者を対象にアンケート調査を行った。そのうち、滋賀県の特徴が認められた行事食の正月料理と春祭りについて平成24年12月~平成25年1月、滋賀短期大学学生148名の家庭にアンケート調査を行った。
    【結果】正月料理を手作りする短期大学生の家庭は61%であり、比較的多い傾向にあった。滋賀県の正月料理や祝い事に欠かせない棒だらと里芋の煮物を入れる家庭は28%、ふなずしを食べる10%、その他ねごんぼ、柿なます、えび豆、たけのこの煮物に特徴がみられた。近畿の中で祝うことの多かった春祭りだが、学生家庭で祝うことは少なかった。祭りのごちそうは、散らしずし、さばの棒ずし、いなりずし、巻きずしなどであった。核家族化が進み行事食の伝承力が弱くなっている中、親戚縁者の集う正月や祭りごとの機会を逃さず行事食や地域の食事を親から子へ伝承していくことが重要であると考える。 
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  • 佐藤 真実, 谷 洋子
    1B-a2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】「食生活指針」や「食育基本法」においては、栄養面だけでなく地域特有の風土で培われた食嗜好(食文化)の重要性が指摘されている。日本調理科学会では、現在の調理文化の地域性を明らかにするために平成21年~23年度の特別研究の一環として行事食の認知状況や摂食状況などを調査した。その中で福井県は全国的に経験率が低い秋祭りについて比較的高い経験率を示した。本報では、福井県における秋祭りの現状と地域性を明らかにし、なぜ福井県は秋祭りの実施率が比較的高いのか検討することを目的とした。【方法】日本調理科学会特別研究の調査結果「調理文化の地域性と調理科学」データベースを使用した。福井県、全国(47都道府県全体)における秋祭りの現状(行事の認知や経験、各行事食の喫食状況)について集計を行った。また、谷らが実施した昭和57年、平成8年、平成18年の福井県の秋祭りに関するアンケート調査結果を使用した。【結果】秋祭りの全国的な経験率は25.7%とかなり低く、毎年食べるものとしては、ちらしずし(13.9%)、赤飯(12.0%)、巻きずし(9.4%)の順であった。北陸3県は経験率が49.4%、福井県は41.0%と高かった。福井県ではちらしずし(44.8%)、赤飯(23.2%)、もち(10.3%)が食べられており、地域性があるが押しずし(ますずし)を食べる割合も高い。秋祭りは「恒例行事として実施」(78.0%)、「毎年の献立は大きく変化しない」(82.0%)、行事食をやめてしまう理由は「人が集まらない(子供が大きくなった)」(61.0%)であった。秋祭りの実施率は昭和57年(51.0%)、平成8年(50.8%)、平成18年(40.3%)と減少が緩やかである。福井県は同居、近居の割合が高く、秋祭りが実施されやすい環境にあると考えられた。
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  • 大村 省吾, 木村 久江
    1B-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】和食文化の継承・展開が課題である。特に行事食の基点である正月料理について食専攻学生の摂取状況から調理指導・食育・食文化教育等の問題点・課題を考察する。
    【方法】大学4短大2専門学校3計9校850名(前年4校251名)を対象に①年末年始の行動と行事食,②お節料理の献立・嗜好,さらに③家族との調理参加・共食の状況,④調理技能などの修得方法などを設問した。
    【結果】①越年・迎春は3/4が帰省・自宅で,1/3は神社・寺院訪問など食風土・民俗習慣に接する②蕎麦は75%。雑煮も同様で丸餅は奈良・北九州が7割と特化し,角餅は仙台・長野・埼玉・東京が65%と東西食文化圏がみられ、自家搗き餅は長野・奈良・北九州各10%は特記される。③正月お節料理65%はなお優位にあり、和洋折衷9%洋風3%中華風2%など新お節風は計14%を占め,普段の食事18%(年末は60%)の今後増加が懸念される。
    ④食専攻学生の調理参加率-本人主体3.4%,分担11.6%,部分的補助24%計39%、無回答61%は深刻な事態である。⑤誰からお節づくりを学ぶか・母から22%、祖父母12%,父3%、姉妹兄弟2%・・・39%が家族系に対し授業31%,独学11%が対比される。
    【課題】食文化の家庭内劣化は世代交代と共に進み,食専門教育の方向付け必要である。
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  • 荒田 玲子, 渡辺 敦子
    1B-a4
    公開日: 2013/08/23
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    【はじめに】節分に巻きずしを食べる習慣の起源・発祥には諸説がある。江戸時代から明治の初めに大阪の商人達が、商売繁盛、無病息災を願って行われたものが、その後大阪鮓組合や大阪海苔問屋協同組合の販売促進の宣伝により大阪を中心に広がり、1989年広島のセブンイレブンが最初に「恵方巻き」として販売し全国に広がったとされる。【目的】本学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学:行事食・儀礼食」において調査した行事のうち、認知度、喫食経験ともに高値であった節分の行事食の中から、巻きずし(のり巻き)に注目し、47都道府県におけるその喫食変化を調べることにより、県や地域の違いを掘り起こすことを本研究の目的とした。【方法】特別研究のデータを各都道府県単位で、その調査単位に10年以上居住する対象者のみを抽出し、「節分認知」「節分経験」「喫食経験」「巻きずしの喫食状況」「巻きずしの調理状況や食べ方(以前)」「巻きずしの調理状況や食べ方(現在)」「変化した時期」の項目について集計し、その喫食変化について検討した。【結果】節分に丸かぶり寿司あるいは、恵方巻きと呼ばれる太巻きずしを食べる習慣は、他の地域に比べ、大阪府を中心に近畿圏に多くみられた。「福巻寿司発祥の地の碑」がある栃木県においても、大阪より少ないが、他の関東圏より「毎年食べる」が多く、「途中から」と答えたものは少なかった。「外で食べる」が以前も現在も少なく、「買う」か「家庭で作る」が多かった。これは、巻きずしの食習慣の発祥に由来すると思われる。
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  • 中嶋 名菜, 福山 豊, 松添 直隆, 北野 直子
    1B-a5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】近年、農業人口の減少、核家族化、食生活の洋風化などの社会的変化により行事食を家庭で作る機会が減り、伝統的な行事食が次の世代へ伝承されない傾向にある。そこで阿蘇神社を中心に現在でも数々の農耕祭事が行われている阿蘇地域において、行事食ならびに郷土料理の喫食状況を明らかにすることを目的とした。
    【方法】2012年4-8月、阿蘇7市町村在住の女性780名を対象に、日本調理科学会特別研究の質問票を基に、行事食、郷土料理に関する調査を行った。基本属性(性、年齢、居住地区、家族構成)に不備のある者を除いた430名を解析対象とし、喫食状況について年代(40歳代以下、50・60歳代、70歳代以上)、世帯別(単身世帯、同世帯、2世帯、3世帯以上)に比較した。
    【結果】阿蘇地域においては、正月、節分、上巳、土用の丑の日、大晦日の行事の経験はどの年代においても90%以上が経験していた。七草・春分の日・盂蘭盆・お月見・秋分の日・春祭り・秋祭りが40歳代以下の者が50歳代以上より経験率が有意に低かった(p<0.05)。また、お節料理では、年代が高いほど家庭で作る割合が高かったが、世帯別では有意な差は見られなかった。郷土料理では、高菜飯やだご汁、いなりずしなどは全体の喫食経験がほぼ100%であるのに対し、すぼ豆腐に関しては70歳代以上でも経験率が60%未満であり、赤ど漬け、とうきび飯、ひこずり、すぼ豆腐、のっぺ汁、栗飯において年代間で喫食経験に有意差が見られ、年代が高いほど高かった(p<0.05)。以上より、阿蘇地域の行事食や郷土料理は年代が低いほど伝承度合が低く、行事、調理法や食品の種類によって伝承の容易さに相違がある可能性が示唆された。
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  • 高橋 智子, 河村 彩乃, 大越 ひろ
    1C-a1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】ホームベーカリーで焼成したパンに①蒸留水、②15%粉末ミルク溶液、③ミルク溶液重量の10%をサラダ油に置換したものを液状食品として各々添加したペースト状パン粥の測定条件を考慮した物理的特性について検討した。【方法】パン重量と溶液重量の混合比率を1:5とし真空充填を行った。温浴中95℃20分間加熱後、高速ミキサー(回転数1,200rpm、撹拌時間10秒間)で攪拌・粉砕し、ペースト状パン粥とした。 テクスチャー特性測定時、試料品温を20±2℃と45±2℃、圧縮速度を1mm/secと10mm/sec、第2圧縮を開始するプランジャーの試料表面よりの距離(戻り距離)を5mmに加え15mmについて検討した。流動特性はバネ緩和法を用いて測定した。加えて光学顕微鏡を用いて、ペースト状パン粥の状態を観察した。【結果】サラダ油置換パン粥試料の硬さ、付着性はいずれの試料品温、測定条件においても大となり、ミルク溶液添加パン粥試料、蒸留水添加パン粥試料の順に軟らかくなった。いずれのパン粥試料もプランジャーの圧縮速度が速くなるに従い、硬さ、付着性も大きくなった。ことに、油脂を含むサラダ油置換パン粥試料、ミルク溶液添加パン粥試料の圧縮速度依存性は大となった。凝集性の圧縮速度が速くなると凝集性は小さくなる傾向を示した。戻り距離5mmミルク溶液添加パン粥試料の圧縮速度10mm/secの凝集性は標準偏差が顕著に大となった。流動特性は蒸留水添加パン粥試料の流動性指数が、油脂分を含む他の2試料よりも小さい傾向を示した。顕微鏡観察の結果、サラダ油置換パン粥試料には、水部分にサラダ油が直径30~120μmの球状の油滴となって分散していることがわかった。
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  • 井村 智郁, 佐藤 之紀
    1C-a2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】消費者は食パンを食べる際に,指先がパンに触れる感覚などの情報を基に,最終的には歯で噛んで食パンの力学物性を認識している。先に,指先感覚をシミュレーションするために,食パンの力学物性測定の標準化の方法といえるAACC法を改良してCFVに準拠したパラメータ(以後,CFV-2とする)を考案した。ここでは,パンの指先感覚とパンの口内感覚との関係を調べ,AACC変法との関連性を検討した。
    【方法】AACC法に準拠したAACC変法にしたがって,直径20mm (AACC法では21mm) の円筒プランジャーを用いて,等速直線運動で一回,家庭用製パン器 (Panasonic SD-BM103)で焼いた厚さ25mmパンのクラム部位(クラストによるend effectを無視できる部位)をpenetrateさせて,deformation curve (FTL曲線) を描き,25 % deformation (L=6.25 mm)での力(CFV-2)を求めた。さらに,指先感覚と口内感覚は,食パンを密閉して,5℃へ保存して老化を誘起したパンを用いて,経過日数とかたさ(7点評価法)の関係を調べた。
    【結果】食パンを5℃に保存すると,老化が誘起され,経過日数とともにCFV-2が高くなり,かたくなる。しかし,CFV-2の経過日数に対する増加率は一定ではなく,5℃での保存開始から初期(1~2日目まで)のCFV-2増加率が高く,その後は緩やかになった。この力学物性の変化は,指先で圧して得られた指先感覚の官能評価値とパンを噛んで得られる口内感覚の評価値も同じ傾向を示した。したがって,食パンの力学物性値を求める場合,パネルが噛んで得られる口内感覚をパネルの指先感覚で代用することが可能であり,AACC変法での機器測定で得られたCFV-2を用いて,まずはパネルの口内感覚を予想することが可能と思われた。
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  • 瀬見井 純, 幅 靖志, 髙村 玲子, 小野 奈津子, 安田 庄子, 中莖 秀夫, 間瀬 雅子
    1C-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】酒やパンなどの発酵食品に新しい特徴を付加するため、自然界からSaccharomyces cerevisiaeの分離が試みられている。我々はこれまでに選択増殖培地及び分子生物学的手法を用いて愛知県内の花から約20株のS. cerevisiaeを取得することに成功し、これらの株の生理学的性質と遺伝的多様性を明らかにした。本研究では、S. cerevisiae分離株を用いたパン類の製造を目指して、これらの株のパン製造への適性を評価した。
    【方法】花からのS.cerevisiae分離株の炭酸ガス発生量測定、低糖・無糖・高糖濃度での生地膨張力試験、冷凍生地膨張力試験、製パン試験及び官能評価をUSイースト(オリエンタル酵母工業(株))を対照株として行った。これらの試験はパン用酵母試験法(日本イースト工業会編)に準じて行った。
    【結果】19株のS.cerevisiae分離株のうち14株が対照株の90%以上の炭酸ガス発生量を示し、これら14株を一次選抜株とした。一次選抜株について低糖・無糖・高糖生地における膨張力を測定したところ、低糖生地では一次選抜株のすべてが対照株の90~100%の生地膨張力を示し、無糖生地では対照株の約50%の生地膨張力を示した。高糖生地では12株が対照株の約80%、2株が約50%の生地膨張力を示した。冷凍生地膨張力試験による冷凍耐性は、試験を行った9株のうち4株が高い冷凍耐性を示し、うち2株は対照株より高い冷凍耐性を示した。一次選抜株を用いて低糖生地配合によって試作した食パンは対照株の85~110%の比容積を示し、外観・味・香りは対照株と同等であった。 本研究は公益財団法人エリザベス・アーノルド富士財団平成24年度学術研究助成により行った。
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  • 杉浦 文香, 伊藤 聖子, 新井 映子
    1C-a4
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】水分量が少なく多孔質であるパンは、摂食機能の低下した高齢者にとって食べにくい食品の一つである。しかし、在宅の一般高齢者が比較的高頻度にパンを摂取しているという調査報告もあり、高齢者が安全に食べられるパンに対する需要は高いと考えられる。本研究はグルテン構成タンパク質に着目し、その組成がパンの咀嚼・嚥下に関わる物性に与える影響を明らかにすることを目的とした。
    【方法】小麦タンパク質には、市販の活性グルテンと高グリアジン画分タンパク質 (以下、H-glia) を用いた。小麦澱粉 (85%) と活性グルテン (15%) の混合物をコントロールとし、活性グルテンをH-gliaで置換 (25、50、75、100%) したグルテン組成の異なる試料を調製した。各試料を用いてパンを調製し、生地発酵体積、比容積、テクスチャーの測定および官能評価を行った。また、調製したパンと模擬唾液から成る模擬食塊を調製し、テクスチャーと粘度を測定した。
    【結果】H-glia置換率の増加に伴いパン生地の発酵体積は上昇し、比容積に増加傾向が見られた。テクスチャー測定では硬さが低下し、凝集性は保持された。官能評価ではH-glia 100%置換パンがコントロールパンと比較して、有意にやわらかく、口どけが良いと評価された。模擬食塊は、H-glia置換率の増加により硬さ、付着性、見かけの粘性率および降伏応力が低下し、凝集性は増加した。
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  • 野澤 聖明, 伊藤 聖子, 新井 映子
    1C-a5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】現在,グルテンフリー米粉パンの膨化には,バッター粘度の上昇による気泡の保持を目的として増粘剤を添加する場合が多い。これまでに我々は,増粘剤添加に代わる方法として,豆乳を用いたバッター中の気泡保持効果を検討し,豆乳中の大豆グロブリンがバッターの発酵体積増加に有効であることを見出したが,内相の空洞化が課題となった。そこで本研究では,豆乳を使用したグルテンフリー米粉パンの製パン性を向上させるため,焼成過程で気泡の安定化に寄与するタンパク質の探索を行った。
    【方法】製パンの基本材料を米粉,豆乳,砂糖,食塩,ドライイーストとし,タンパク質素材として卵アルブミン(OVA),牛血清アルブミン(BSA),乳アルブミン(LA),カゼインおよびゼラチンを,それぞれ対粉0,2.5,5,10%添加した。全材料をボールに入れて5分間ミキサー撹拌し,38℃で2時間発酵させてから170℃で40分間焼成した。製パン性の評価は,空洞の有無,比容積およびテクスチャー測定によった。さらに,OVAの代わりに乾燥卵白を添加して調製したパンで,市販の増粘剤添加グルテンフリー米粉パンおよび小麦粉パンを対照として官能評価を行った。
    【結果】5種類のタンパク質素材の中で,OVAを2.5%以上添加した場合にパンの空洞化が抑制され,比容積には添加量の増加と正の相関がみられた。OVA添加パンのクラムのかたさは,2.5%添加が最もやわらかい結果となった。官能評価の結果,豆乳と乾燥卵白を使用したパンは,市販の増粘剤使用グルテンフリー米粉パンよりも香り,味,食感,総合評価において有意に好まれ,小麦粉パンとも概ね同等の嗜好性が得られた。
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  • 入山 明日香, 遠藤 瑶子, 香西 みどり
    1D-a1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】野菜の硬さはおいしさに大きく関わる要因であり、これまでゆで加熱において軟化の速度定数の観点から野菜を適度な硬さに仕上げるための最適加熱時間の予測は行われているが、蒸し加熱についての報告はみられない。そこで本研究では、ジャガイモを試料とし、蒸し加熱時の軟化の速度定数を求め、その値から試料の硬さの変化を予測した。さらに官能評価による適度な硬さと組み合わせて最適蒸し時間を予測することを目的とした。
    【方法】3cm角ジャガイモを強火、中火、弱火で蒸し、蒸し器庫内及び試料中心温度を測定した。庫内温度を基に熱伝導解析により中心温度を予測した。1cm角ジャガイモを用いて、85~100℃で蒸し及びゆで加熱し、テクスチャーアナライザーで硬さの経時変化を測定して軟化の速度定数を求めた。得られた速度定数を用いて100℃におけるジャガイモの最適な蒸し時間を算出し、実際に試料を加熱して5段階評点法により官能評価を行った。
    【結果】蒸し器庫内温度の実測値から求めた試料中心温度の予測値は火力によらず実測値とほぼ一致し、蒸し加熱において試料中心温度の予測が可能であることを確認した。一定温度での蒸し及びゆで加熱試料の硬さの経時変化より各温度における軟化の速度定数を求めた結果、両者に有意な差は見られなかった。さらに同じ時間蒸し及びゆで加熱した試料の硬さも、機器測定及び官能評価において有意差はなかった。ジャガイモの適度な硬さを6.9Nとした時、得られた軟化の速度定数により予測される100℃でのジャガイモの最適蒸し時間は、1cm角4.8分、2cm角10.8分、3cm角18.1分であり、予測した時間で蒸した試料について官能評価を行った結果、いずれもほぼ適度な硬さと評価された。
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  • 鈴木 麻希, 上野 真理, 浅井 智子, 富田 美鈴, 杉山 寿美
    1D-a2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】フライ調理の外部化は著しく,家庭内で揚げ加熱を行って直ちに食することは少なくなっている。そこで,揚げ加熱前の冷凍過程,揚げ加熱後の保存過程が,フライの嗜好性に及ぼす影響を把握することを目的とし,本研究では,コロッケを試料として衣への水分移行を測定した。
    【方法】コロッケの調製:バッターは,小麦粉:水=1:2とした(コントロール)。また,粉重量の30%をリン酸架橋澱粉(タピオカ,とうもろこし,小麦),ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉(タピオカ)に置換したものも調製した。バッターにマッシュポテト30gを浸し,パン粉をまぶす作業を2度繰り返し,中心温度が75℃となるよう180℃で加熱した。体積・水分量:コロッケの体積は菜種法で,水分は天秤式水分計(ザルトリウス)を用いてマッシュポテトと衣を分けて測定した(135℃)。モデルバッターへの水分移行:スチームオーブンで加熱調製したバッターシートを,25℃・恒湿下(28-78%)に置き,4時間に水分量を測定した。また,バッターをマッシュポテト(水分量70%)上に置き,パン粉をのせたものも行った。
    【結果・考察】重量:揚げ加熱によりわずかに減少した。保存により,全体重量およびマッシュポテト重量は減少したが,衣重量は増加した。水分量:保存により,衣の水分量は著しく増加した。冷凍したコロッケは冷凍していないコロッケよりも揚げ加熱後の衣の水分量は低かったが,保存により水分量は増加した。モデルバッター:いずれも湿度下でもバッターの水分量は減少し,マッシュポテト上に置いた場合も減少した。まとめ:コロッケの衣に,揚げ加熱前の冷凍過程,揚げ加熱後の保存過程でマッシュポテトから水分移行が生じていること,バッターの水分量が外湿度の影響を受けないことが示された。
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  • 遠藤 瑶子, 香西 みどり
    1D-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】根菜類の主要な調理法である煮物は,食塩,醤油,砂糖といった調味料の入った液中で野菜を加熱するため,各種調味料成分は野菜の物性に影響すると考えられる。本研究では各種調味料成分が野菜の物性に及ぼす影響について検討し,調味液中での加熱における最適加熱時間を予測することとした。【方法】ダイコン1 cm角を85~95℃の各種調味液中で加熱し,テクスチュロメーターにより硬さの経時変化を測定し,軟化の速度定数を求めた。調味液は1及び2 %食塩水溶液,7及び14%醤油水溶液(1 %または2 %食塩水溶液相当,いずれもpHは約4.9),5及び10 %砂糖水溶液,酢酸緩衝液(pH 4.90)を用い,脱イオン蒸留水でも同様に加熱した。さらに,熱伝導解析及び硬化・軟化解析を組み合わせて各水溶液中で加熱した種々の形状のダイコンの温度及び硬さの変化をシミュレーションした。【結果】軟化の速度定数は2 %食塩水溶液>1 %食塩水溶液>14 %醤油水溶液>脱イオン蒸留水>7 %醤油水溶液≒酢酸緩衝液の順に大きく,食塩は軟化を促進し,酢酸緩衝液はpHの低下により軟化を抑制した。醤油水溶液は濃度により硬さへの影響が異なり,7 %水溶液はpHの影響が大きく軟化を抑制し,14%水溶液はpHは7%水溶液と同程度であるが,食塩濃度が2 %であり,食塩の影響が大きくなるため軟化を促進した。砂糖水溶液中での加熱は硬さに影響を及ぼさなかった。2 cm角の最適加熱時間で各水溶液中で加熱したダイコン3cm角の中心部の硬さの予測より,食塩水溶液は硬さの変化が急激なため2cm角と3cm角は同時に適度とならず,その他の水溶液は同時に適度な範囲となることを確認した。
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  • 藤本 祐子, 千葉 浩子, 大川 諒, 都甲 潔
    1D-a4
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】業務用厨房では大量調理したものを商品として提供するので、味などの均一性・再現性が必要となる。そこで、大量調理時における加熱方式の違いが、おいしさにどのような影響を与えるかについて検討を行った。【方法】加熱方式の違いとして、鍋肌加熱方式(以下、「鍋肌」)と局部加熱方式(以下、「局部」)を選定し、業務用厨房機器から、「鍋肌」はガスコンロ、「局部」はIHコンロ(共に卓上1口コンロ)を用い、熱源以外の条件を揃えて大根の煮物調理を行った。そのサンプルの官能評価(N=44)・物理化学分析を行い、おいしさを構成する主な要素についての相関を分析した。【結果】①官能評価により、おいしさについて評価パネルの平均値を求めたところ、「鍋肌」が「局部」に比べ有意においしいという結果が得られた。②官能評価では、おいしさに影響を与える要素は「味覚のよさ」が最も大きく、次いで「外観のよさ」、「食感のよさ」の順であった。さらに、「味覚のよさ」に注目し、これを構成する要素から、官能評価で有意差のあった塩味・コクについて味覚センサによる物理化学分析を行った結果、塩味・コク共に「鍋肌」が「局部」より数値が高いことが判明した。③均一性に着目し、鍋内の周辺部(以下「外」)と中央部(以下「中」)に分けて分析した。官能評価による「外」と「中」の比較で、「鍋肌」が「局部」に比べおいしさ・味・テクスチャー・色に関して差が小さいという結果が得られ、物理化学分析でも同じ結果を得た。つまり、「鍋肌」は「局部」に比べ、おいしさの評価が高く、味・テクスチャー・色にバラツキが少ないと考えられる。
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  • 石渡 奈緒美, 佐々木 瑞香, 福岡 美香, 酒井 昇
    1D-a5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】煮魚調理は日本の伝統的な調理法のひとつである。しかし,煮魚調理における呈味成分の増減を示した研究はこれまでない。本研究は煮魚の呈味成分のうち,塩化ナトリウムおよびグルタミン酸に着目し,調理過程ならびに調理終了後,煮汁中に放置した際の呈味成分の濃度分布変化の検証を行なった。
    【実験方法】食材にはマダイ(愛媛県産,養殖)の切り身を用いた。まず,料理人に普段実施している調理のデモンストレーションを行って頂いた。次に,料理人の調理方法に基づき呈味成分を定量するための試料を作成した。また調理終了後,ただちに煮汁から取り出した試料と,室温で煮汁中に1時間,3時間および冷蔵庫で21時間(調理終了から計24時間)浸漬させた試料の4種類を用意した。調理終了後,皮を取った後,煮汁に接していた試料表面から10mm削った部分を表面部,残った背肉部を中心部と定義した。そして,未加熱試料ならびに煮魚試料の表面部,中心部から抽出液を調製し,塩分計(PAL-ES1,三商)を用いて塩化ナトリウム濃度を,L-グルタミン酸キットII(ヤマサ醤油)を用いてグルタミン酸濃度を定量した。
    【結果および考察】未加熱試料では塩化ナトリウム,グルタミン酸ともに不均一な濃度分布はなかった。調理終了直後の試料は,塩化ナトリウムは表面部と中心部ともに濃度が増加したが,位置に伴う濃度差はなかった。これに対してグルタミン酸は,調理終了直後の中心部は未加熱試料より有意に減少したため,位置に伴う濃度差が確認された。また浸漬過程についても両呈味成分の濃度分布の挙動は異なり,また,煮魚の味のしみ込みは,浸漬時間の経過に伴う拡散現象による影響が大きいことが示唆された。
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  • 山口 智子, 山本 明日香, 坂井 淳一
    1E-a1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】ヤブツバキ(Camellia japonica L.)は、春先に赤色の花を咲かせ、秋に果実ができる。その果実種子から得られるツバキ油は、古来より整髪用やスキンケア、灯明、食用として利用されてきた。新潟大学のキャンパス内にはヤブツバキが多数植栽されており、その種子を採取し搾油して大学ブランド「キャンパス椿油」を開発している。ツバキ油にはオリーブ油と同様に、オレイン酸が多く含まれること、また、ツバキ花弁はアントシアニン系色素を含むことが知られている。本研究ではツバキ花弁の抗酸化性を評価するとともに、ツバキ油を使ったフレンチドレッシングへの花弁色素の利用を検討した。
    【方法】本学五十嵐キャンパス内(新潟市)において2011年4月下旬、8種類のツバキの花弁を採取し、凍結乾燥試料を作成した。90%メタノール溶液、5%酢酸溶液、2%アスコルビン酸溶液、0.2%クエン酸溶液をそれぞれ加えて抽出液を調製し、DPPHラジカル捕捉活性、総ポリフェノール量、総アントシアニン量および色調を測定した。また、米酢でツバキ花弁色素を抽出したツバキ酢を用いて3種類のドレッシングを作成し、外観や香り、味などの7項目について官能評価を行った。
    【結果】ツバキ花弁の90%メタノール溶液におけるラジカル捕捉活性は133.0~223.8μmol Trolox eq./g、総ポリフェノール量は362.0~3140.4μmol GA eq./gであった。酸性溶液においては、どのツバキ花弁も5%酢酸溶液を用いた場合のラジカル捕捉活性と総アントシアニン量が高く、抗酸化成分の抽出に適していた。ドレッシングの官能評価では、米酢50:ツバキ酢50で作成したものが総合的に好まれた。
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  • 西井 彩, 北尾 悟, 安藤 真美
    1E-a2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】カテキン類は熱水抽出により調製されるため比較的安定ではあるが、中性からアルカリpH領域では不安定である。外部加熱法の1つである湿式加熱におけるグルコース、フルクトース、スクロースによるカテキン類減少抑制効果はすでに見出している。今回、内部加熱法である電子レンジ加熱によるこれら糖質化合物の効果を検討した。【方法】茶カテキン類で最も含有量が高く生理活性も強いとされているエピガロカテキンガレート(EGCg)を90%以上含むサンフェノンEGCg(太陽化学製)を用いて検討を行った。含有量を90%とし最終濃度が1 mM EGCg、1 Mグルコース、フルクトース、スクロースとなるよう水溶液(pH 7.0)をそれぞれ調製し、500 W、0, 30, 60, 90秒加熱処理(シャープ製 AX-HC4)を行った。処理後の水溶液を逆相系HPLC分析によるEGCg残存量、ならびに化学発光系によるペルオキシルラジカル捕捉活性(IC50値)を指標とした抗酸化能の測定を行い、糖質化合物による減少抑制効果を検討した。【結果】HPLCによるEGCg定量の結果、糖質化合物が共存したほうが残存量が多い傾向を示したが、共存しない場合との有意な差は見られなかった。しかし、ペルオキシルラジカル捕捉活性において、60、90秒加熱時に糖質化合物が共存した場合、優位にIC50値が低い値を示した。調べた3種類の糖質化合物間での差は見られなかった。残存EGCg量と抗酸化能との間で相関が見られたため、電子レンジ加熱において糖質化合物が共存した調理・加工手段は、カテキン類の機能性保持をもたらすことが示された。
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  • 大﨑 宏樹, 村上 崇幸, 井上 淳詞, 和田 律子, 福田 翼, 平岡 亮人, 横山 駿, 原田 和樹, 粟津原 理恵, 長尾 慶子
    1E-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】ゴボウは和食の中でも抗酸化物質を効率的に摂取できる食材である。しかし皮むきや水さらし、その後の調理方法によっては、ポリフェノールが減少し抗酸化活性が低下する。そこで我々は、ゴボウをきんぴらごぼうに調理する下ごしらえで加熱調理した後も、抗酸化能を低下させず、かつ調理操作を簡単にできるかどうか検討した。
    【方法】ゴボウ試料は青森県産の柳川理想ゴボウを用いた。試料の実験区は、対照としての「皮なし・加熱なし・水晒し有り」に対し、4つの実験区「皮付き・加熱なし・水晒し有り」「皮付き・加熱なし・水晒しなし」「皮付き・加熱有り・水晒しなし」「皮付き・電子レンジ加熱有り・水晒しなし」を設定した。加熱は蒸し加熱も電子レンジ加熱も、長さ20cmにカットしたゴボウの中心温度が50℃になるまで実施した。試料抽出は70%エタノールで行い、抗酸化能はH-ORAC法を用いて測定し、抗酸化能の評価はORAC値(単位:µmolトロロックス当量(TE)/100g)で行った。
    【結果】他の条件は同じで、加熱の有無で比較する「皮付き・加熱なし・水晒しなし」と「皮付き・加熱有り・水晒しなし」は、それぞれのORAC値が6,217.1と12,410.9であったが、有意差はなかった。一方、「皮付き・電子レンジ加熱有り・水晒しなし」は、13,252.4であり、「皮付き・加熱なし・水晒しなし」と比較すると有意に(p < 0.05)に抗酸化能が増大した。この結果は、ポリフェノール酸化酵素を加熱により失活させるブランチング操作が、蒸し加熱と電子レンジ加熱の両方で、未加熱と比べ抗酸化能を増大させ、なおかつ、調理の簡便性から、電子レンジ使用のほうが有効であると示唆された。
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  • 村上 崇幸, 大﨑 宏樹, 井上 淳詞, 安斎 和之, 石原 浩二, 益岡 輿芳
    1E-a4
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】レスベラトロール類は、ぶどうの皮や赤ワイン、ピーナッツの赤皮、メリンジョ(グネツム)、イタドリの根等に多く含まれているポリフェノールの一種である。我々は新たにゴボウの皮にもレスベラトロール類が含まれることを見出した。そこでゴボウのレスベラトロール類の含有量や構造変化と、調理方法との関係を明らかにし、レスベラトロール類を効率的に摂取できる加熱方法を検討した。
    【方法】ゴボウ試料は青森県産の柳川理想ゴボウを用いた。調理方法は「炒め」、「焙煎」、「乾燥」、「電子レンジ加熱」、「茹で」、「油調」とし、比較対照は生のゴボウをそのまま用いた。各方法により調理したゴボウは、直ちに液体窒素で急速凍結し凍結乾燥した。試料を乳鉢にて粉砕し、50%エタノールで抽出を行い、HPLC及びLC/MSを用いて測定した。
    【結果】生ゴボウの凍結乾燥品にはトランス-レスベラトロールが含まれること、特に、中心部(維管束部)よりも皮(皮層部)に多く含まれることを確認した。また、調理条件別のトランス-レスベラトロール含有量について検討した結果、180℃、5分間の炒め処理をしたもの、フライパンで180℃、20分間の焙煎処理をしたもの、105℃の乾熱機内で5時間の乾燥処理をしたもの、95℃の熱湯で20分間茹でたもの、180℃の油で6分間揚げたものについて含有を確認した。特に焙煎処理したごぼうについては含有量が多い傾向にあることを確認した。
    以上の結果から、加熱条件を選ぶことでレスベラトロール類を多く含むゴボウが得られる可能性があることを確認できた。
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  • 和田 律子, 福田 翼, 原田 和樹, 酒井 真友子, 石谷 久美, 遠藤 伸之, 粟津原 理恵, 久松 裕子, 長尾 慶子
    1E-a5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】我々は、調理素材や調理法を変えることで、抗酸化能が高い献立を提案している1) 。今回、和食の中でも味噌汁に注目し、だしの素材を変えることで、味噌汁の抗酸化能がどの様に変化するか調べた結果を報告する。
    【方法】だしは、鰹一番だし、混合だし、鰹二番だし、昆布だし、煮干しだし、だしの素4種類の合計9種類の試料を用いた。原則、だしの濃度は2%とし、味噌汁は、白みそ(淡色米味噌)を用い、塩分濃度が0.8%になる様に調製した。抗酸化能の一つであるヒドロキシルラジカル捕捉活性能は、電子スピン共鳴(ESR)装置(日本電子(株)社製JES-FR30)を用い、DMPO-OH・スピンアダクトを測定した。抗酸化能の評価はIC50値で行った。
    【結果】ORAC法の結果では、鰹一番だしや鰹一番だしで作った味噌汁が、最も抗酸化能が高かった。その時のORAC値は、それぞれ、38.9μmol TE/100ml、262.2μmol TE/100 mlであった。アルカリ条件下でのルミノールによるケミルミネッセンス(化学発光)法でも同様の結果が得られた1)。すなわち、だしを味噌汁にすることで、ペルオキシラジカル捕捉活性能は増大した。一方、同じ素材や味噌汁の抗酸化能をESR法で調べると、昆布だしと昆布だしで作った味噌汁が最も抗酸化能が高かった。その時のIC50値は、それぞれ0.35%と0.37%であった。この結果は、味噌による抗酸化能の増大を示してなく、昆布だしには、非常に強いヒドロキシルラジカル捕捉活性能がある事を示した。
    1)佐藤久美, 粟津原理恵, 原田和樹, 長尾慶子: 抗酸化能を高める和食献立の食事設計法の提案. 日本調理科学会誌, 44, 323-330, 2011.
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  • 佐藤 由希子, 小菅 麻衣良, 細山田 洋子, 豊満 美峰子
    2A-a1
    公開日: 2013/08/23
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、学生の調理用語や器具名の認知度低下が著しく、教員との認識のずれが生じている。授業・実習時に必要な用語の認知度を調査し、教育効果を挙げスムーズに学習が進むようにするための基礎資料とすることを目的とした。【方法】調理器具96種について、認知度のアンケート調査を行った。器具の選択については、大学・高校の調理学教科書、調理実習テキスト、料理用語辞典等から教育上必要と思われるものを選択した。調査対象は、平成24年度新入生で社会人入学者を除いた498名。アンケートは、使ったことがある・ないの「使用経験」及び認知度を「1名前を知っていて使い方がわかる」「2名前は知っているが使い方はわからない」「3名前は知らないが使い方はわかる」「4名前も使い方もわからない」の4段階で聞いた。調査票には全ての器具の写真を添付した。得られた結果は、器具ごとに選択肢の人数を集計して%を算出し、認知度が高いものと低いものに分けて検討した。【結果】ほとんど全員が「1名前を知っていて使い方がわかる」と回答した認知度の高い器具は、電子レンジ・フライパン(498名全員・100%)、茶わん・フォーク・フライ返し・ボウル・お玉・小さじ(497名・100%)、スプーン・包丁(496名・99%)などであった。それに反して「4名前も使い方もわからない」とされた認知度の低い器具は、スパテラ・ソトワール(299名・60%)、柳場包丁(271名・54%)、ソースパン(228名・46%)、サラダスピナー(208名・42%)などであった。
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  • 木村 留美, 白砂 千登勢, 杉山 寿美
    2A-a2
    公開日: 2013/08/23
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】栄養士・管理栄養士養成課程の学生が調理実習をどのように捉え,栄養士・管理栄養士業務とどのように関連させて理解しているのかを明らかにすることを目的とした。
    【方法】広島県の栄養士・管理栄養士養成課程3校の学生264名を対象とし,2013年2月に調査を行った。項目は,1)調理実習の教育目標の理解,2)習得内容の給食実習への展開,3)厨房業務の目的,4)厨房業務への意欲とした。
    【結果】1)いずれの大学の学生も調理実習の教育目標を「様々な食材や料理を知る」「調理工程を知る」「美味しく作る」と理解していたが,「調味割合を知る」「食中毒をおこさない」は大学間で差が認められた。また,「料理を組み合わせる」を理解していた学生は51.1%だった。2)調理実習での「調理技術指導」「調味割合の確認・算出」「様々な食材,料理の調理」が給食実習に役立ったと多くの学生が回答した。3)学生は,栄養士・管理栄養士の厨房業務の目的を「栄養管理業務のため」「献立作成業務のため」「衛生管理」と捉えていた。教育目的として十分に理解されていなかった「料理を組み合わせる」ことは,栄養管理・献立作成には必須の知識であり,学生は厨房業務を曖昧に捉えていると考えられた。4)栄養士・管理栄養士に厨房業務が必要であると98.1%の学生が回答し,「栄養管理業務のみ」を希望する学生は少なかった。厨房業務を行いたい理由は,A大「美味しいものを提供したい」「調理が楽しい」,B大「美味しいものを提供したい」「献立作成のため」「食材量の発注・管理のため」,C大「栄養管理業務のため」「献立作成業務のため」であり,大学で異なっていた。これらの結果から,学生の卒後を考えた調理実習のあり方を検討する必要があると考えられた。
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  • 香川 実恵子
    2A-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】少子化・小家族化が進んでいる近年,保育施設や学校教育機関は,子育て支援の拠点として,家庭や地域への食情報の初受信の場としても期待されている。そこで,本研究では,保護者のニーズを捉えた子育て支援食育活動として English Kitchenの企画・運営を行い,その成果と課題を検証することにした。
    【方法】子どもに習わせたい習い事ランキングで常に上位にあげられている英語を取り入れ,英語と調理の両方を楽しみながら体験するという多目的な食育活動を企画した。対象は5~6歳児とその保護者とし,本学教員の2名のネイティブ講師と一緒に3回シリーズの講座を企画実践した。1回目の英語遊びでは「果物」や「色」,「はいどうぞ」の学習を絵本を取り入れながら学習した後,それらの英語を用いてカラフルフルーツ白玉をつくるというクッキングを行った。最後に保護者アンケートおよび子どもへの聞き取りを行った。
    【結果】英語遊びでネイティブ講師とやり取りを行った子どもたちは,「ドキドキした」,「楽しかった」と感想で答えるなど,適度な緊張と興奮とともに達成感を味わっていた。英語遊びで学んだA(Apple),B(Banana),C(Cherry)が,実際にその後のフルーツ白玉の調理に出てくるように工夫したり,絵本「はいどうぞ(Here you are)」の後に,デモンストレーションしながら食材のやり取りを子どもたちにも行ったりするなど,英語遊びとクッキングを関連づけながら流れのある展開が実現できた。また,家庭でも親子で簡単に実践できるヘルシーな調理を提案し,実践することができた。保護者の満足度も高く,質の高い英語を取り入れた子育て支援食育講座を提供できたことが示された。
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  • 福永 淑子, 前田 文子, 宇都宮 由佳, 田渕 弘子, 瀬尾 弘子
    2A-a4
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】家庭の調理にはガスあるいは電気(IH)を熱源とする方法があり、両者の主な違いは一方は炎が見えること、炎を見ながら火力調節し、加熱することである。本研究は、炎を見ながら調理する経験が、小学生の炎を扱う感覚、ならびに調理に対する意識や意欲に与える影響を知るために行った。さらに、実習を繰り返すことによって、それらがどのように変化するかを知ることを目的とした。
    【方法】普段、炎を使う調理経験の少ない児童(市川市内の小学5、6年生、計22名)に、約1時間以内の炎を使うガスコンロ調理(以下、ガス調理)を平成25年3月から1か月おきに4回、料理数を1品ずつ増やしながら体験してもらった。小学生とその親を対象にアンケートを実施し、ガス調理に対する意識や行動に関して1~5点で評価させた。アンケートは事前、第3回、第4回、実習終了2か月後の計4回である。実習中の様子を動画記録し、時系列でその変化について分析した。また、実習終了後に「今日、気がついたことや注意した点」などについて聞き取り調査した。
    【結果】アンケートについて、事前と第3回目の結果を比較したところ、実習を経てガス調理に対する「怖さ」の値は減り、「調理に集中できる」「簡単に調理できる」が増加した。一方、「料理が上手くできる」は、うまく焼けない苦い体験をした結果、低い値となった。「時短になる」「楽しいと思う」等には変化がなかった。また、「自分で作りたい」「誰かに作って食べさせたい」「誰かに自慢したい」という意欲が上がり、7割の児童が実習で習った料理を家庭で作っていた。さらにガス調理を経験したことで、普段の生活でも「集中力、自信が増すと思う」との結果が出た。
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  • 駒田 聡子, 浅田 美知子
    2A-a5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】幼児期は咀嚼力を付ける、味覚を広げる臨界期で、味覚体験が重要である。そのためには、幼児の食生活を担う保護者自身がこの時期の食の大切さを理解し、さまざまな食材に出会う機会を作ることが重要だが、実際は幼稚園の弁当の中身が加工食品に依存しがちであったり、保育園児が「おかずはスーパーで買ってくる物」と話す姿がある。このような状況の中、三重大学附属幼稚園では「添加物を少なくし、素材から作る大切さ」を知ってもらう目的で、保護者クッキングと親子クッキングに取り組んだ。今回は参加者保護者の様子や感想から、今後の保護者に対する食支援のあり方について考察を加えた。【方法】(1)保護者クッキング:平成24年5月と11月2回開催。「素材から作る、野菜をとる、手早くできる、身近にある素材を使う」などをテーマに、献立を考案(1回目は、「15分でできるミートソース」2回目は、「ポトフ風スープ他」)。希望者が参加した。(2)親子クッキング:平成25年1月開催。年長親子全員が参加。先の目的に加え「子どもでも作れて達成感が得られる、親子でふれあう」をテーマにした(雪だるま寿司・スィートポテト)。【結果】これら実践を通し、保護者からは「少しの工夫により“身近な素材で簡単にできる”“添加物を減らせる”“子どもでも調理ができる”ことが理解できた」との感想が寄せられた。このことより、現在はさまざまなレシピに関する情報が流れてはいるが、言葉だけではなく「具体的に調理をする」という実践を通じて、「家でも、簡単に素材からおいしく、しかも栄養的にも配慮した料理を作ることができる」ことを保護者に理解してもらい、各家庭で学びを応用してもらう機会をもうけていく必要があることが分かった。 
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  • 上田 由香理, 塩谷 千尋, 村元 由佳利, 松井 元子, 大谷 貴美子
    2A-a6
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】手指の微細運動機能は3~5歳に発達が認められることから、この時期に箸の操作も上達すると考えられる。幼児期に箸が正しく使えるようにすることは、その後の正しい鉛筆の持ち方へとつながる。そこで、幼稚園の年中児・年長児を対象に、正しい箸の使い方の習得をめざす食育活動を実施し、評価した。 【方法】1)対象:大阪府下のA幼稚園の年中児36名、年長児52名 2)実施時期:2012年10月~2013年1月 3)実施内容:園児の食事中の手元を写真撮影し、箸の持ち方を「1.正しい持ち方(伝統的な標準型)」「2.中指が使えていない持ち方」「3.その他の持ち方」に分類した。結果を保護者に伝え、家庭における指導を促した。園児には、遊びを通して正しい箸の使い方が習得できるようにオリジナル教材「箸のゲーム」を提供した。4)評価方法:介入前後の園児の箸の持ち方調査および年長児の保護者に対し自記式質問紙調査を行った。 【結果】1)「正しい持ち方」の者の割合は、介入前後で年中児9.6%から16.7%、年長児20.0%から28.8%といずれも増加した。2)保護者アンケートの「(子どもは)お箸を正しく持てている」の項目に、「あてはまる」「少しあてはまる」と答えた割合は、介入前後で62.5%から56.2%、「(子どもは)箸で細かいものをつまむことができる」の項目に「あてはまる」「少しあてはまる」と答えた割合は87.5%から75.1%といずれも減少した。
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  • 近藤(比江森) 美樹, 四宮  彩, 我如古  菜月
    2A-p2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】管理栄養士養成課程における調理学実習は、調理の知識・技術を修得し、給食経営管理をはじめとする応用科目の基盤となる科目である。近年、調理技能の低下が懸念されているため、調理学実習の内容を精査して教育効果の高い授業となることが望まれる。本研究では、実習受講前後にアンケート調査を行い、対象者の現状把握と基礎的な調理である汁物に関する教育効果について検討した。
    【方法】研究に対して同意が得られたO大学の栄養学科1年生37名(うち男性1名)を対象に、調理学実習I受講前、受講後、実習II受講後の計3回、アンケート調査を行った。調査紙は、調理経験等に関する質問と調理に関する基本事項からなり、基本事項は「よく理解している」、「少し理解している」、「知らない」で回答を求めた。さらに、複数選択や具体的な値を記入する項目も設定した。解析は、SPSS Statisticsを用いてχ2もしくはウイルコクソンの順位和検定を行った。
    【結果および考察】調理経験では、包丁を利用した調理の平均時間数は3.6±2.9時間/週で個人差が大きかった。基本事項では、和風だしの取り方に関して、受講前に「よく理解している」との回答率は、かつお、昆布および煮干しで約40~60%であり、混合だしは最も低く8%であったが、いずれも実習I受講後に有意に増加し、混合だしでは90%となった(P < 0.001)。一方、代表的な洋風だしおよび中華だしでは、実習前で13%および5%と低く、いずれも実習I後に有意に増加したが(P < 0.01)、実習IIでは変化は認められなかった。汁物の塩分濃度の正答率は、8%から実習I後に48%、実習II後に62%となり有意に上昇したが(P < 0.01)、管理栄養士として不可欠な知識であるため、さらに高い正答率を目指した教育方法の検討が必要であると考えられた。
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  • 我如古 菜月, 四宮 彩, 近藤(比江森) 美樹
    2A-p3
    公開日: 2013/08/23
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    [目的]管理栄養士養成施設において調理学実習は基盤となる科目であるが、近年、学生の調理機会の減少等による調理技術や調理に関する基礎知識の低下が懸念されている。そこで本研究では、学生の現状把握と基礎的調理の教育効果について検討することを目的としてアンケート調査を行った。本報告では米および煮物に関する結果について報告する。[方法] 対象はO大学の栄養学科1年生40名である。事前に本研究に同意を得られた者に対してアンケート調査を行い、調理学実習I、IIを全て受講した37名を解析対象とした(有効回答率92.5%)。調査紙は、米の調理に関する理解や認知を問う項目及び煮物に関する項目とし、理解度を尋ねる項目は「よく理解している」「少し理解している」、「知らない」で回答を求めた。解析は、SPSS Statistics 19を用いてχ2検定もしくはウィルコクソンの順位和検定を行った。[結果および考察]うるち米の水加減の理解度については、実習前に「よく理解している」と答えた者は5.3%であったが、実習Ⅱ終了後には73.0%と増加した。もち米の水加減に関する理解度についても実習前では理解していない者が多かったが、実習Ⅱ終了後では「よく理解している」と答えた者が有意に多かった(p<0.001)。煮物の項目において、野菜の煮物の注意点について理解しているか尋ねたところ、受講前では「知らない」が48.6%だったのが、実習Ⅱ終了後では2.8%と有意に低下した(p<0.001)。しかし、「少し理解している」と答えた割合が実習Ⅱ終了後で72.2%と「よく理解している」よりも多かった。 
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  • 堀 光代, 平島 円, 磯部 由香, 長野 宏子
    2A-p4
    公開日: 2013/08/23
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    大学および専門学校生の料理の習得に及ぼす調理実習の影響

    ○堀光代1),平島円2),磯部由香2),長野宏子3)
    1)岐阜市立女子短大, 2)三重大学, 3)岐阜大学

     【目的】現在の学生は高校までに料理をする機会が少なく,調理経験が非常に少ない。そこで,大学または専門学校在学中での料理の習得状況について調査し,学校での調理実習による料理の習得に対する効果について検討した。
    【方法】2007~2009年4月に大学・短大・専門学校に入学し,2009~2012年3月に卒業した学生677名に対し,75種類の料理の習得状況をアンケートにて調査した。各料理について「できる」「できない」「知らない」から選択回答させた。「できる」と回答した場合はできる理由についても質問した。結果は在学中に調理実習の授業を履修した学生と,していない学生分けて分析した。また,入学時との比較も行った。
    【結果】対象者全体では卒業時に75種類の料理が「できる」または「できない」と回答した割合の平均は入学時と同様だった。一方,「知らない」料理の割合は減少した(p < 0.01)。料理を「できる」理由については「入学前からできる」と回答した学生が最も多く,在学中に料理はほとんど習得されなかったと考えられる。しかし,調理実習を履修した学生は履修しなかった学生と比べて卒業時に「できる」料理の数が増え,「できない」料理と「知らない」料理の数は減少した(p < 0.01)。「できる」ようになった理由として「授業でやったから」と回答した割合が卒業時には多く挙げられた(p < 0.01)。一方,調理実習を行わなかった学生は入学時と卒業時の料理の習得状況に変化がなかった。以上の結果より,大学または専門学校に在学するだけでは料理をできるようにならないが,料理を習得するためには調理実習など料理を行う機会を持つことが重要だとわかった。
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  • 明神 千穂, 安藤 真美, 伊藤 知子, 今義  潤, 江口 智美, 久保 加織, 露口 小百合, 中平 真由巳, 原 知子, ...
    2A-p5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】中学校、高等学校の調理実習の実態調査では、揚げ調理は減少傾向にあることが分かった1)。そこで、揚げ調理の一連の操作を学ぶことができる教育媒体として天ぷらのリーフレットを作成し、高校家庭科担当教員に評価してもらったところ、高い評価が得られた2)。本研究では、実際の授業で用いた後、教員ならびに生徒を対象に質問紙調査を行い、教育媒体としての有効性について検討を行った。
    【方法】2010年12月から2013年3月に近畿の高等学校全日制、定時制の教員と生徒を対象とした。有効回答数は、教員7名、生徒319名であった。その内訳は、天ぷらの調理実習実施校(実習あり)は教員3名、生徒162名、講義のみ実施校(講義のみ)は教員4名、生徒157名であった。
    【結果】「リーフレットは分かりやすかったか」、「リーフレットを見て自分で天ぷらを作ることができそうと思ったか」の問いに対して、全体で80%以上が「はい」と回答し、高い評価が得られた。また知って良かった内容として、「衣の作り方」、「材料の下ごしらえ」、「盛り付け方」の順で多くみられた。さらに学習前後での天ぷらに対するイメージの変化として、「簡単に作ることができる」が大きく増え、「作り方がわからない」、「やけどしそうで怖い」、「難しい」などのイメージが減少した。「自分でも家で天ぷらを作ることができると思うか」の問いに対して、実習ありの生徒の80%以上が「はい」と回答していた。以上の結果から、本リーフレットは高校生への教育媒体として有効であることが示唆された。
    1)日調科誌, 41, 196 (2008) 2)日調科平成23年度大会要旨集, p41(2011)
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  • 長尾 綾子, 池内 ますみ, 奥田 展子, 澤田 崇子, 志垣 瞳, 須谷 和子, 花﨑 憲子, 升井 洋至, 三浦 さつき, 水野 千恵, ...
    2A-p6
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】食生活が多様化する中で、煮物の調理や購入について関西地区における実態を把握するために、アンケート調査を実施し、2000年、2006年実施の結果と比較を行った。
    【方法】2012年10~11月、関西地区のの大学・短期大学生および保育園・幼稚園児の家庭における調理担当者を対象に実施した。配布数3299、回収数2242、有効回答数2076(62.9%)であり、煮物を食べる頻度・作る頻度・買う頻度、作る煮物の種類や使用するだし・調味料、買う煮物の種類、食事作りに要する時間などについて調査した。
    【結果】平日の食事作りに要する時間は、特に夕食の食事作りの時間が2006年よりも短い傾向がみられた。好きな料理、よく作る料理として煮物と答えた割合は、それぞれ24.5%、22.9%であり、いずれも2006年より減少していた。煮物を食べる頻度や作る頻度、買う頻度は、2006年に比べて少ない傾向がみられた。よく作る煮物は、肉じゃが、かぼちゃの煮物、魚の煮つけの順で多く、2006年と同じ結果となった。煮物で使用する調味料として、基本調味料のみの使用が2000年に比べて大きく減少したが、2006年とは大差がなかった。煮物を買う頻度は、前回同様、買わない人が最も多く(65.8%)、買う人の中では週1~2回が多かった(9.5%)。よく買う煮物として、今回の調査では、たけのこ煮物が上位に入った(5位、8.1%)。
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  • 江口 智美, 池浦 友美, 深江 亮平, 吉村 美紀
    2B-a1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】米粉の利用が様々な食品分野に拡大している。一般に,米粉加工品は,小麦粉加工品に比べて膨化や食感が問題となる。コラーゲンペプチドは,保水特性などの様々な特性が注目され,食品への利用が増加しているが,効果の検討は十分でない。そこで,本研究では,米粉ケーキに,異なる3種の豚皮由来コラーゲンペプチド(以下CP)を,濃度を変えて混合し,CPが米粉ケーキの食味と物性に及ぼす影響を検討した。
    【方法】米粉は,国産うるち米を水挽粉砕した「米の粉」(前原製粉㈱製)を用いた。CP(旭陽化学工業㈱製)は,重量平均分子量が1.1×103(以下CP1000),5.4×103(以下CP5000),1.0×104(以下CP10000)の3種を用い,混合濃度は,0wt%,2wt%,5wt%とした。副材料に,鶏全卵,グラニュー糖,無塩バター,牛乳,ベーキングパウダーを用い,ケーキを調製した。ケーキバッターの密度,動的粘弾性の周波数依存性,ケーキの水分含量,テクスチャー特性を測定し,五段階評点法による官能評価(色,硬さ,しっとり感,甘さ,飲み込みやすさ,総合的な好ましさ)を行った。
    【結果】0wt%と比較し,いずれのCP混合でも,バッターの貯蔵弾性率,損失弾性率が低く,ケーキの水分含量が高かった。また,2wt%,5wt%ともに,CP5000混合では,バッターの密度が低い傾向にあり,ケーキは最もやわらかく,好まれた。CPの平均分子量や混合濃度により,米粉ケーキの食味や物性に及ぼす影響は異なった。CPの平均分子量により,アミノ酸組成や保水特性が異なることや,混合濃度により,CPの分散状態が異なることが影響したと考えられる。
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  • 廣瀬 めぐみ, 一瀬 祐実, 市川 朝子
    2B-a2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】我が国では米の消費量の減少が進み、食料自給率への影響が問題視されて久しい。我々は、これまでに小麦の代替製品として種々の米粉を使用した製品について研究を行ってきた。そこで本研究では米粉シュー皮の最適な配合割合を比較検討した。
    【方法】薄力粉を用いたシュー皮の材料配合を基本とし、その配合割合から米粉10~36%、バター0~20%、卵16~44%の間で変化させ水の割合で全量を調整した。調製条件は、第一加熱として一定量の水を沸騰後バターを加えて加熱し、米粉投入後、撹拌加熱した。消火後水分補正し、卵液を一定条件下で3回に分けて加えた。このシュー生地を20gずつ天板に絞り出し、200℃に予熱したオーブンで200℃-15分、170℃-7分焼成後、消火5分間オーブン内で放置し、これを第二加熱とした。測定項目は比体積、均整比、水分蒸発率、測色及び外観・断面の写真撮影を行った。
    【結果】米粉10~16%は生地に流動性があり、比体積は高いが外観は横広がりの形状を呈した。30%以上では均整比は高くなるが硬く、水分蒸発率が低く比体積の低いシューとなった。バター2~12%は材料が均質に混ざりきらず、生焼けやダマが生じた。16%以上では油分が多すぎ流動性のある生地となり、製品は空洞はあるが横広がりの形状を呈した。なお、0%の場合は筒状に特異的な膨化形状となった。卵16~28%では比体積が低く、シュー皮が透けるようになった。また、40%以上では皮が厚くなり、大きな空洞が発生するが駒のような外観になった。以上より米粉シュー皮の最適な配合は米粉20%、水38%、バター14%、卵32%前後の値となった。
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  • 奥西 智哉, 宮下 香苗
    2B-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】新規糖質米「北陸糖237号」は親品種「あゆのひかり」と同等の水溶性多糖フィトグリコーゲンを含有しておりその特徴を生かした加工品開発が望まれている。米粉にした時の加工特性について検討した事例について報告する。

    【方法】平成24年秋田県産北陸糖237号の精米を乾式気流粉砕法により米粉製造した。損傷澱粉率およびアミロース含量はいずれもMegazame社製キットを用いた。Beckman Coulter社LS13320粒度分布計を用いて平均粒径等を得た。各糊化特性値は3.5gの粉砕試料と25mLの水を用いてラピッドビスコアナライザにより得た。ブラベンダー社製ファリノグラフにより生地特性を検討した。製パンは20%グルテン含有ミックス米粉を調製し定法により行った。他に、蒸しパン、団子、スノーボール、スポンジケーキ、バターケーキ、ダックワーズ、サブレを作成した。うどんはパナソニック社製ホームベーカリーの指示に従い作成した生地をうすくのばしてパスタマシンで切断し麺線を作成し、茹でた。ルウは10%スキムミルクに米粉を加え加熱した。

    【結果】「北陸糖237号」米粉は市販米粉と比較して、アミロース含量は低く、損傷澱粉は高かった。平均粒径は同等であった。特徴のあるRVAプロファイルが得られた。ファリノグラムは一般に乾式気流粉砕米粉で得られるものと同様であった。パン、蒸しパン、スポンジケーキのようなフワフワしているものには向いていないと思われる。団子もまとまりは良いが、付着が多く歯切れが悪い。一方、スノーボール、サブレのようなホロホロしているものは崩壊しやすく向いていると思われる。麺は増粘多糖の補助が必要であった。
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  • 楠瀬 千春, 河野 志穂, 松中 仁, 八田 浩一, 藤田 雅也
    2B-a4
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】我々は小麦粉に含まれるデンプンと比較してアミロース含量が少ない各種デンプンを用いてスポンジケーキを調製し、ケーキの膨化過程及び固定化にはデンプンの糊化特性が深く関与していることを報告してきた。本研究ではWx遺伝子の変異によりアミロース含量が異なった国産小麦粉2種を用いて、焼成中の膨化挙動や焼成後のケーキの回復性及びテクスチャーに与える影響について比較検討した。【方法】試料は、九州沖縄農研産の羽系1337号(アミロース30.4%)、チクゴイズミ(アミロース26.5%)を試験用製粉機(ビューラー MLU-202)で製粉したものを用いた。ブラベンダー社製ファリノグラムおよびアミノグラムを用いて生地性状を測定した。スポンジケーキは、鶏卵・砂糖・小麦粉を同量の配合とした。フォームは比重0.30g/ml、バッターは比重0.55g/mlに調製し、焼成中のケーキ高さを経時的に測定した。放冷2時間後のケーキは、変形‐応力測定および官能検査(パネル13名)を実施し、同時に実体顕微鏡による観察を行った。【結果】ファリノグラフでは、両生地とも安定度が低く弱化度が高かった。アミログラフではチクゴイズミが羽系1337号と比較して最高粘度が高く、ブレークダウンが大きかった。チクゴイズミは焼成中の最大膨化が遅延した。ケーキの変形-応力測定では、チクゴイズミの回復率が低値を示した。官能検査では、チクゴイズミのケーキが有意に粘質であると評価された。顕微鏡観察ではチクゴイズミのケーキのみ、組織中でデンプン粒の崩壊が認められた。以上の結果より、アミロース含量の差異がもたらす糊化特性の相違が、焼成中及び焼成後のケーキの性状に関与することが示唆された。
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  • 島田 玲子, 大関 さわ子, 木津 香奈子
    2B-a5
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】シフォンケーキはメレンゲの膨化力を利用したケーキで,バターのような固形脂ではなくサラダ油を用いるところが特徴である。一般的にスポンジケーキに比べてやわらかくしなやかな食感を持つが,範囲は広くレシピも様々である。そこで,本研究では,シフォンケーキの材料であるサラダ油,メレンゲ,薄力粉の配合割合がシフォンケーキの物性および嗜好性に与える影響について検討を行った。
    【方法】平均的な材料配合割合を基本とし,サラダ油を減らしたもの2種(うちひとつはサラダ油無添加)と増やしたもの1種,メレンゲを減らしたもの1種と増やしたもの2種,および薄力粉を減らしたもの1種と増やしたもの1種の合計9種の試料を調製した。テクスチュロメータを用いて,これらの試料のかたさと凝集性を,測色色差計で色を測定し,官能評価を行った。
    【結果】サラダ油の添加割合が増えるに従い,焙焼後のケーキの高さは高くなり,かたさは小さくなった。メレンゲでも,添加割合が増えるに従って高さは高くなり,かたさは小さくなった。一方,薄力粉では添加割合が増えるに従って高さは低くなり,かたさは大きくなった。官能評価で基本試料とサラダ油無添加試料を比較したところ(n=99),基本試料は有意にきめが細かく,口どけが良く,かたくなく,ふんわりしていると評価された。見た目の良さや甘さには有意差がなく,総合評価でも差はなかった。距離尺度法によるメレンゲの影響の評価では(n=24),メレンゲが多い程かたくなく,口どけが良く,しっとりしていると評価された。
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  • 米山 陽子, 三星 沙織, 江木 伸子, 田中 直義, 平尾 和子
    2B-a6
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】前報において、分離大豆たん白質(以下、SPI)を用いたクッキーの大豆由来の特有な不快臭(以下、大豆臭)を軽減する調製方法を検討した結果、ショ糖配合比の高いクッキーが好まれた。本研究では糖の種類に注目し、各種糖類を用いて調製したSPI添加クッキーの物性測定および官能評価を行った。また、糖の置換量についても検討を行った。
     【方法】材料はSPI(㈱フジプロテインテクノロジー)、小麦粉(薄力粉:日清製粉㈱)、ショートニング(日本製粉㈱)、卵水(卵:蒸留水=1:1)を使用し、糖はグラニュー糖(㈱パールエース)をコントロールとし、トレハロース、マルトース(㈱林原)、ピュアトース(群栄化学工業㈱)を使用した。ドウはスピードカッターのプッシング機能を使用し調製した。焼成温度は160℃15分間とした。材料配合比は、前報の結果から最も好まれた配合とした。糖の置換量は、ショ糖の10%~100%とした。物性測定は、クリープメーターを用いて破断特性を測定した。官能評価は特性評価および嗜好について7段階評点法を用いて行った。
    【結果】トレハロース100%のクッキーは硬くザクザクした食感となり、破断応力、もろさは大となり、官能評価ではショ糖の次に好まれた。マルトース100%は最も好まれなかったが、置換量が10%では食味が改善された。ピュアトース100%ではサクサクとした食感で破断測定でも細かく割れる傾向があり、特性評価では大豆のにおい・味が小さくなると評価され、10~20%置換では酸味や苦味等が低下し好まれた。大豆臭をマスキングする材料配合比においてショ糖100%では甘味が強すぎるため、3種の糖を10~20%程度置換することで甘味が抑えられた。しかし、糖質の種類により大豆臭の軽減には差がみられた。 
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  • 中山 優子
    2B-p1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】日本人の平均寿命は男性79.59歳、女性86.35歳と世界一位を維持し、出生率の低下も続いており急速に人口高齢化が進んでいる。人口高齢化に伴い摂食・嚥下障害の人も増える事が予測される。摂食機能が低下した高齢者が口から安全に美味しく食べることは栄養管理として重要な要因である。そこで、本実験では、摂食機能におうじて展開された献立と具材料のテクスチャ特性の硬さ、凝集性、付着性の3つの要素から調査したので報告する。【方法】1.食べる人の摂食機能に対応した食事の形態区分、調理形態の分類を4段階に示した 2.テクスチャー測定は、クリープメーター自動解析装置(山電CA-3305)を用いた。測定方法は、厚生労働省が示した高齢者用食品の試験方法に従った。 3.分析方法は、硬さ、凝集性、付着性それぞれの区分ごとに行った。【結果】段階的に展開した献立例は、主食1例、主菜3例、副菜2例、間食2例の合計8献立。食形態区分は、Ⅰの普通軟らか食、Ⅱの軟らか一口大食、Ⅲの軟らか刻み食、Ⅳのペースト・とろみ食からなる。硬さは、Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ.Ⅳへと展開することで軟らかくなった。また、献立の具材料の単品食材では硬さの差が大きく、複合することで軟らかい値となった。付着性および凝集性が大きい値の献立は単品食材を複合することで、口の中でまとめ易い食形態になる。付着性が小さく、凝集性が大きい値の献立は単品食材を複合することで、滑らかで喉ごしが良い食形態になる。【考察】摂食・嚥下が困難な食材であっても、食材の組み合わせ、形態、調理方法を工夫することで、摂食機能に応じた献立として活用可能になると考える。
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  • 岩崎 裕子, 立石 佳彰, 大越 ひろ
    2B-p2
    公開日: 2013/08/23
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    目的 病院や高齢者施設などで咀嚼機能が衰えた人を対象に提供されているきざみ食の食べやすさの改善を目的に、先行研究では微細大根にとろみあんをかけた試料を調製し、あんをかけることで食べやすくなることを明らかとした。本研究では、それら試料の混合割合および大根の硬さが食べやすさに及ぼす影響を、高齢者と若年者を被験者として官能評価を行い、力学的特性とあわせて検討した。
    方法 試料は、低温スチーム加工をした4mm角の微細大根に、市販トロミ調整食品を白だしに添加しヨーグルト程度の硬さとしたとろみあんを混合した。1.混合割合の相違による比較のため、大根ととろみあんを重量比3:7、5:5、7:3(試料A、B、C)で混合した3種の試料、2.大根の硬さの相違による比較のため、大根の硬さを3段階に変化させた3種の混合系試料について、テクスチャー測定および官能評価を行った。
    結果 1.混合割合の相違による比較において、官能評価の結果、高齢者群、若年者群いずれも、口中で感じるかたさは試料間に有意差が認められなかった。べたつき感は、あんの割合が最も多い試料Aが最もべたつくと評価された。一方、飲み込みやすさは、若年者は試料Aが最も飲み込みやすい傾向、高齢者は試料Bとなった。2.大根の硬さが異なる試料間において、高齢者、若年者いずれも、口中で感じるかたさは大根が硬い試料程かたいと評価した。一方、まとまり感と残留感は、若年者と高齢者で結果が異なり、高齢者はかたいと感じる試料ほど、まとまりにくく残留感が多いと評価した。とろみあんと混合しても、高齢者にとって、硬さの影響が大きいことが示唆された。 
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  • 大野 智子, 鎌田 好美, 佐々木 玲
    2B-p3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】これまでに、ゼラチン、寒天、米粉をゲル化剤に用いて、秋田県の郷土料理のひとつである「豆腐カステラ」の高齢者用ソフト食の開発を試みてきた。本研究では、高齢者施設等で利用されている3種のゲル化剤を使用し、物性および食味を比較検討することを目的とした。
    【方法】材料は、絹ごし豆腐、上白糖、鶏卵とし、ゲル化剤には介護食用寒天、ゼラチン寒天、ソフティア2を用いて3試料を調製した。物性の測定は、消費者庁が定める特別用途食品「えん下困難者用食品許可基準」の試験方法に準拠した。試料を直径40mm、高さ20mmの容器に15mm充填し、直線運動により物質の圧縮応力を測定することが可能な万能試験機(5544 社製:INSTRON)を用いて、直径20mm、高さ40mmの樹脂製のプランジャーにより、圧縮応力10mm/sec、クリアランス5mmで2回圧縮測定した。得られた記録曲線から硬さ、付着性、凝集性を算出した。さらに、20代女子学生をパネルとし、評点法を用いて食味に関する官能評価を行った。評価項目は、外観、色、硬さ、べたつき、飲み込みやすさ、口中でのばらつき、口中での残留感、おいしさ、総合的評価の9項目とした。
    【結果】物性測定の結果、硬さ、付着性、凝集性のいずれも介護食用寒天とソフティア2を使用した試料がえん下困難者用食品許可基準Ⅱに該当した。ゼラチン寒天を使用した試料は他の試料に比べて有意に硬く、基準に該当しない結果となった。官能評価では、外観、硬さ、べたつき、飲み込みやすさ、口中での残留感、おいしさの6項目に関して有意差が認められ、ソフティア2、介護食用寒天、ゼラチン寒天の順によいと評価された。
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  • 荒井 恵美子, 久松 裕子, 佐藤 吉朗, 長尾 慶子
    2B-p4
    公開日: 2013/08/23
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    目的:とろみ調整剤の香気フレーバーリリースについて、前報1では、におい識別装置と官能評価により、集合体として捉えたにおいを評価した。その結果、口に入れる前のにおいはとろみ調整剤を添加すると弱まり、口に入れた後のにおいは有意に強いと評価された。そこで本研究では、咀嚼動作時の圧縮応力を想定したにおいを測定し、前報との相関性を検討した。またGC/MSで試料の特徴的な香気成分を捉え分析した。これらの結果を基に、具体的な調理上の工夫を提案する目的で香辛料わさびの量を変えてにおいを比較した。方法:煮干しは粒径を揃えた粉末を、わさびは粉わさびを、とろみ調整剤は原材料の異なる2種類を用いた。蒸留水各20mLに[わさび]、[煮干し]、[わさび+煮干し]を加えた試料と、それぞれに寒天系およびキサンタンガム系のとろみ調整剤を加えた試料を調整した。これらに圧縮試験で一定の力を加えた際のにおいを、におい識別装置およびGC/MSで測定評価した。また、わさびの量を1/2、1/10に変化させた場合のにおいを測定した。結果:とろみ調整剤添加試料は圧縮応力が加わるとにおいが強まることが認められた。このことより、とろみ調整剤に一旦包括された香気成分が力を加えることで放散されたのではないかと推測された。GC/MSの結果より、わさびの主要香気成分Allyl isothiocyanateの量に変化が認められた。わさび量1/10試料のにおいの質に大きな変化が認められた。以上の結果より、とろみ調整剤を添加した食品中でわさびのマスキング効果を保持するためには、においの抑制ばかりでなく口中での放散も考慮して添加量を調整する必要があると示唆された。1荒井他:日本調理科学会平成24年度大会研究発表要旨集,1D-a3,p.7(2012)
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  • 平島 円, 安藤 唯, 加藤 裕美子, 高橋 亮, 磯部 由香, 西成 勝好
    2C-a1
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】ショ糖や食塩は調味料として澱粉製品に頻繁に添加されている。しかし,澱粉にショ糖を添加すると,澱粉の糊化が阻害されることはよく知られている。食塩も濃度によっては同様の影響を与えることがわかっている。そこで今回は糊化温度が低く,糊化の起こりやすいタピオカ澱粉にショ糖や食塩を添加し,その糊化過程について検討した。
    【方法】タピオカ澱粉には松谷ゆり8(松谷化学工業(株))を用いた。ショ糖と食塩は市販のものを用いた。澱粉の糊化挙動についてはDSC測定にて調べた。種々の濃度のショ糖または食塩を添加したタピオカ澱粉を25℃から130℃まで加熱して糊化に伴う吸熱曲線を得た。また,3.0wt%のタピオカ澱粉を95℃で加熱して調製した澱粉糊液の定常ずり粘度測定および透過度測定により澱粉糊液の特性について検討した。
    【結果】20wt%のタピオカ澱粉にショ糖を添加すると添加濃度が高くなるに伴い糊化温度は高温側へ移行し,糊化エンタルピーは大きくなり,ショ糖によりタピオカ澱粉の糊化が阻害されるとわかった。一方,ショ糖添加3.0wt%タピオカ澱粉糊液の粘度はショ糖濃度の増加に伴い高くなった。また,糊液の透過度の値はショ糖濃度が高くなるに伴い高くなり,糊液は透明になった。すなわち,ショ糖の添加により,澱粉の糊化が阻害されたにもかかわらず,糊液の粘度や透明性には影響を与えなかった。これはタピオカ澱粉の糊化温度がショ糖を添加しても低いため,試料調製に用いた95℃の加熱で澱粉の糊化が充分に起こるためだとわかった。また,食塩を添加した澱粉糊液に関しても同様の傾向がみられ,ほかの澱粉と比べてタピオカ澱粉は共存物質の影響を受けにくいことがわかった。
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  • 西成 勝好
    2C-a2
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】タピオカ澱粉は広く食品の加工調理に用いられているが、老化、シネレしスの問題が起こるので、食品のレオロジーコントロールに広く用いられているキサンタンガムを添加して制御できるかどうかを調べる。 【方法】キサンタンガムおよびタピオカデンプンの水分散液(全濃度25%)の示差走査熱量測定(DSC)により糊化に伴う吸熱ピークを調べ、低温保存により老化したものの再昇温DSCにより、老化の度合いを調べた。また、円柱形に成型したゲルの縦振動による複素ヤング率の温度依存性および一軸圧縮による力学特性の経時変化を調べた。 【結果】タピオカ澱粉/キサンタンガム=9.5/0.5のゲルはタピオカ澱粉のみのゲルと比較して、冷蔵庫で保存した場合1週間くらいまでは、より大きな弾性率を示したが、2週間後には逆に弾性率増加が抑制された。一軸圧縮も同様な結果を示した。DSC測定による二回目と一回目の昇温に伴う吸熱ピークからのエンタルピーの比は老化率を表わすが、この値の経時変化も力学特性と同様の傾向を示した。つまり、キサンタンガムはタピオカ澱粉の糊化後の構造形成を1週間程度までは促進するが、それ以後はむしろ抑制すると考えられる。このことは澱粉の種類とハイドロコロイドの種類が異なる場合にもみられた現象と類似している。
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  • 渡辺 裕子, 久松 裕子, 赤石 記子, 永塚 規衣, 長尾 慶子
    2C-a3
    公開日: 2013/08/23
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    【目的】ハトムギはイネ科ジュズダマ属であり、東南アジアが原産地である。日本国内でも生産され、穀類の中では唯一漢方薬として利用されている。しかし、ハトムギを食品材料として利用することは少なく、その調理特性や性質についてはあまり知られていない。本報ではハトムギ粉の小麦粉代替食品としての適応性を検討することを目的とし、小麦粉を対照に糊化温度、糊化エネルギー、および吸水量等の基礎特性を比較し、クッキー作成時の物性と嗜好性について検討した。【方法】1)示差走査熱量計により、糊化温度および糊化エネルギーを算出した。2)小麦粉ドウとハトムギ粉ドウの圧縮応力がほぼ同程度になるよう圧縮試験を実施し、ハトムギ粉の加水量を決定した。3) ハトムギ粉代替0、50、および100%ドウで一般的な配合割合のクッキーを焼成し、スプレッド値[直径(mm)/厚さ(mm)]と、生ドウとの重量変化率を測定した。4)上記粉の割合の異なるクッキーについて破断強度試験、色度測定および官能評価(評点法、9段階嗜好意欲尺度法)を実施し、製品の品質を総合的に評価した。【結果】1)ハトムギ粉は小麦粉に比べ糊化温度が約10℃程度高温側にあった。しかし糊化エネルギーは平均-4.3mJと少なく、糊化進行速度が大で、容易に糊化が進行していた。2)小麦粉ドウと同程度の硬さにするには、水分量として1.5倍加水する必要があった。3)重量変化率は小麦粉より大、スプレッド値は小で、水分蒸発量が大で硬いことを示していた。4)ハトムギ粉の配合が増すほど、破断応力[Pa]が大で明度が低下した。官能評価からも、舌触りや硬さが大で評価が低かったが、ハトムギ独特の香りは小麦粉と同程度に好まれた。
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  • 佐藤 恵美子, 筒井 和美
    2C-a4
    公開日: 2013/08/23
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    団子モデル米澱粉ゲルのレオロジー特性に及ぼすヨモギ添加の影響
    ○佐藤恵美子1),筒井和美2) 1)新潟県立大,2)愛知教育大  
     「目的」ウルチ米澱粉とモチ米澱粉を用いた米澱粉ゲルを調製し、団子モデル系米澱粉ゲルのレオロジー特性に及ぼすヨモギ添加量の影響について検討した。「方法」静的粘弾性測定を行い、弾性率の逆数であるコンプライアンス値の5日間の経時変化、およびテクスチャー測定を行い、さらにSD法と順位法による官能検査を行なった。「結果」クリープ測定では、全ての試料が6要素モデルとして解析可能であった。①ウルチ70g(以下「米澱粉」を略)、②ウルチ60g+モチ10g、③ウルチ50g+モチ20gの配合割合のいずれの米澱粉ゲルにおいてもヨモギ添加量が多い程E0は高い値を示し、ηNは低い値を示した。また、もち米澱粉の配合割合が多くなるほどE0及びηNの値は小さくなった。コンプライアンス値は全ての試料において貯蔵日数の増加に伴って低下して硬くなり、老化傾向が示唆された。テクスチャー測定の結果から、①ウルチ70g、②ウルチ60g+モチ10g、③ウルチ50g+モチ20gの全ての試料において、貯蔵日数の増加に伴って硬さは増大し、付着性は低下した。モチ米澱粉の量が増加するほど軟らかい傾向がみられたが、3種試料間において有意差は認められず、ヨモギ添加量が増加する程充填剤効果により硬くなった。付着性はモチ米澱粉が多くなる程増加し、貯蔵日数の増加に伴って試料間の差は小さくなり、ヨモギ添加量の増加と共に低下した。官能検査の結果から、モチ米澱粉混合試料は軟らかく粘りがあり、歯切れがよくないと評価されたが、全ての試料はヨモギ添加により硬さや歯切れ、弾力性は高くなるが、ヨモギ添加量が多くなる程なめらかさや舌触りの評価は低く、ざらつき感があると評価された。
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