書誌記述作成規則としての目録規則を, ある特定の目的や機能を目指して向かう特性, すなわち意図の方向性といいうる「指向性」の観点から分析することを試みた。まず, 明示された記述の目的や機能, さらにはその他の事項から指向性となりうるものを抽出し, それらの間の関係を整理した。次に, 目録規則において記述の原則に据えられている個々の事項, および記録すべきとされた書誌的事項の各々について, 先に抽出・整理された指向性に基づき解釈を試みた。最後に,『日本目録規則 1987年版改訂版』に含まれる個々の具体的な規定について, これら指向性の観点からその規定内容をどの程度説明可能であるかを事例的に示し, 指向性分析の有効性を検証した。
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