図書館学会年報
Online ISSN : 2432-6763
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44 巻 , 1 号
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論文
  • 若松 昭子
    原稿種別: 本文
    1998 年 44 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2017/08/03
    ジャーナル フリー
    バトラーの図書館学の基礎を築いたといわれるニューベリー図書館時代に焦点を当て, ウイング財団の印刷史コレクションの形成過程を考察した。その結果, 彼が, 人文学的かつ学術的な印刷史コレクションの形成をめざし, 積極的な収集活動によって質の高いインクナブラを収集したことが明らかになった。彼が収集対象をインクナブラに絞った理由は, それらが歴史的, 学術的, 芸術的に優れているという判断によるものである。また成功の誘因として, 彼の学識, 充実発展期における同図書館の支援体制, 第一次大戦後のインクナブラ収集の好機という特殊な時代状況があったことも分かった。バトラーの収集方針と収集過程には, 印刷史の出発期を文化史の重要な時期と位置づけていた彼の書物観がうかがえる。
  • 村上 泰子, 大城 善盛, 生嶋 圭子
    原稿種別: 論文
    1998 年 44 巻 1 号 p. 17-31
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2017/08/03
    ジャーナル フリー
    本稿は, 小規模大学の図書館で実施されているグループ(学生)を対象とした, 利用者教育の実態調査報告である。過去2年にわたって規模別に実施してきた一連の調査のしめくくりにあたる。これまで同様アンケート調査法を採用し, オリエンテーションとそれ以外の利用指導に二分し, それらの指導内容, 方法, 規模, PRの方法等ついて調査した。結果は268館中105館が図書館独自のオリエンテーションを実施し, 132館がオリエンテーション以外の利用指導を実施していた。大規模大学, 中規模大学の調査結果との比較により, 小規模大学の特徴として次の2点が明らかになった。ひとつは図書館ツアーの実施率が高いことであり, もうひとつはオリエンテーション以外の利用指導で, 中規模大学に見られたオリエンテーションのレベルと専門的指導のレベルとの両極化傾向が見られなかったことである。この他, 国公立と私立, 関東と関西, 首都圏および京阪神地区とその他, 医歯薬系とその他の比較も試みた。
  • 大庭 一郎
    原稿種別: 本文
    1998 年 44 巻 1 号 p. 32-48
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2017/08/03
    ジャーナル フリー
    『大学図書館の業務分析』(以下, 『業務分析』と略す)は, 英国及び米国の図書館における職務分離の動向を踏まえて, 日本の大学図書館向けに作成された職務区分表である。『業務分析』は, 全国国立大学図書館長会議(国立大学図書館協議会の前身)の司書職制度に関する特別委員会が作成し, 1968年に, 日本図書館協会から出版された。本稿の目的は, 『業務分析』の作成過程と日本の図書館界へのその影響を明らかにすることである。そのため, 『業務分析』と関連文献の計44件を収集・分析し, 更に, 『業務分析』の原案立案者である岩猿敏生氏から立案経緯を伺った。研究の結果, 以下のことが明らかになった。1)『業務分析』の意義は, (1)大学図書館の業務内容の明確化, (2)大学図書館業務の高度な専門的特質の明確化である。2)『業務分析』の限界は, (1)具体的な利用方法が整備されなかったこと, (2)非専門的職務の担当者とその経過措置が明らかにされなかったこと, (3)改訂作業が行われなかったことである。3)当時の図書館界は, 図書館学研究と図書館学教育が未成熟であり, 『業務分析』の受入基盤が欠如していた。4)『業務分析』は, 日本の大学図書館業務の全体像を提示した唯一の職務区分表であり, 図書館業務の在り方を考える基礎資料となり得るものである。
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