混合研究法
Online ISSN : 2436-8407
4 巻, 1 号
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寄稿
  • ―「守破離アプローチ」による体系的学習―
    抱井 尚子, 亀井 智子, 野崎 真奈美, 福田 美和子, 須田 智美, 松井 正義
    2025 年4 巻1 号 p. 350-365
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/07
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿では、混合研究法の学習および実践に伴う課題の克服を目的として開発された教育ツール「看護研究者のための混合研究法」を取り上げる。これは、国内外の看護研究者の経験に基づいて開発されたものであり、その背景、目的、構成、および意義を検討する。本eラーニングは、日本混合研究法学会(JSMMR)の理事メンバーが中心となって開発し、混合研究法を体系的に学ぶための教育ツールとして設計された。日本の伝統的学習モデル「守破離」を適用し、学習者の習熟度に応じた段階的な学習を可能にしている。2024年度の第10回JSMMR年次大会オープンフォーラムでは、本教材の制作者とモニターのそれぞれの代表者が登壇し、各自の混合研究法との出会いや研究経験を交えながら、本教材のユーザビリティを検討した。本稿は、そのフォーラムの内容を報告するとともに、本教材が混合研究法の学習に与えうる影響について考察する。本教材を通じて、学習者が研究目的に最適なデザインを主体的に構築し、混合研究法を実践できるようになることを期待する。

  • 大塚 芳嵩
    2025 年4 巻1 号 p. 366-381
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/07
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿では、ベイズ統計学の認識論と方法論を統合した新たな混合研究法を提案する。量的研究、質的研究、ベイズ統計学における研究パラダイムを再整理すると、量的研究は演繹による仮説検定(セオリー・ドリブン)、質的研究はアブダクションによる仮説生成および質的帰納による自己点検(データ・インタラクティブ)、ベイズ統計学は量的帰納による仮説選抜(データ・ドリブン)とみなすことができる。本研究では、1)質的研究による研究プロジェクトのグランド・デザインとデータベースの構想、2)ベイズ統計学によるデータベースからの最も尤もらしいモデル(一般論)の生成および検討するべき仮説の絞り込み、3)量的研究による仮説検定を行い、結論をまとめる、4)得られた知見を研究プロジェクトの全体構想にフィードバックして再始動する、という新しい混合研究法を提案する。

  • 河村 洋子
    2025 年4 巻1 号 p. 382-395
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/07
    ジャーナル オープンアクセス

    日本混合研究法学会(Japan Society for Mixed Methods Research, JSMMR)の理事メンバーで構成された科学研究費助成金による研究によって、2020年から看護研究者を主要な対象とした混合研究法(Mixed Methods Research, MMR)の包括的なeラーニングプログラムの開発を推進してきた。この成果として、2025年春よりプログラムの提供を開始した。JSMMRの刊行する学術雑誌である本誌において、eラーニングプログラムのコンテンツをサポートするMMRを学ぶ素材の提供のために、「メソッド・カフェ:混合研究法リレー論考」シリーズを立ち上げ、研究論文を紹介し、研究デザインを解説する機会を設けることとした。シリーズの初回として、本稿は(Positive Deviance, PD)アプローチ活用による混合型研究を2本取り上げ、PDアプローチ活用とMMRの観点から解説することで、読者の理解を深めることを狙った。

原著
  • 一瀬 直日, 松下 健太郎
    2025 年4 巻1 号 p. 396-415
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/18
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    目的:めまい患者は何科を受診し、どういった最終診断名がつくのか調べる。

    方法:都市部2次救急病院で2022年2月~7月に内科・総合診療科(内総)、耳鼻科、救急科の診療録に「めまい」「眩暈」の記述がある患者を抽出。量的データをコレスポンデンス分析と頻度分析で解析した。外来トリアージ師長への半構造化面接から質的データを得てテーマ分析を行った。収斂デザインによる混合研究法でメタ推論を生成した。

    結果:内総は落ち着いた症状や緊急性を伴わない疾患や耳鼻科疾患を含む様々な全身性疾患の診断が半年間に217名に行われていた。耳鼻科は耳の症状を伴う耳鼻科疾患が4割を占めた。救急科は良性発作性頭位めまいが2割を占め、入院が必要な症状、バイタルサイン異常などで受診し緊急性を求める疾患の診断がつけられた。除外診断は各科で行われた。

    結論:めまい症状の患者の受診科偏在の理由と最終診断の種類と人数が判明した。

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