本稿の目的は、ネットワークの中に身を置く消費者が、購買行動をする際にネットワークからどのような影響を受けるのかを社会ネットワーク分析の手法を使って明らかにすることである。分析の結果、消費者同士が直接結合している場合にはスノッブ効果が、構造同値の関係にある場合にはバンドワゴン効果が働くという事実発見を得た。
品質工学による設計プロセスは、製品のロバスト性を追求するという点で従来の設計プロセスと大きく異なる。アルプス電気における事例研究およびアンケート調査から、品質工学が製品開発パフォーマンスに与える影響を分析した結果、フロントローディング効果が見受けられた。その一方、設計者への負荷は増大するため、品質工学導入にはいくつかの課題が残されている。
技術を組織に展開するときに有効なマネジメントとは果たしてどんなものだろうか? また事業・製品の特性はどのように影響を与えているのだろうか? 本稿では品質工学を対象に「取り組み」と「成果」という二つの成功指標で組織的展開に影響を与えるといわれる組織・事業特性を分析し、効果的なマネジメントを探る。