The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
バーチャルイシュー
62 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
総説
原著
  • 品川 長夫, 長谷川 正光, 平田 公一, 桂巻 正, 水口 徹, 牛島 康栄, 牛田 知宏, 相川 直樹, 葉 季久雄, 由良 二郎, 竹 ...
    2009 年62 巻4 号 p. 277-340
    発行日: 2009/08/25
    公開日: 2024/12/20
    ジャーナル フリー

    1982年7月から外科感染症分離菌に関する多施設共同研究を行ってきたが,ここでは2007年度(2007年4月~2008年3月)の成績を中心にまとめた。1年間で調査対象となった症例は229例であり,このうちの181例(79.0%)から683株の細菌と24株の真菌が分離された。一次感染症から395株,術後感染症から288株の細菌が分離された。一次感染症では,嫌気性グラム陰性菌の分離頻度が高く,次いで好気性グラム陰性菌であり,術後感染症では,好気性グラム陽性菌の分離頻度が高く,次いで嫌気性グラム陰性菌であった。好気性グラム陽性菌については,一次感染症においてEnterococcus faecalisEnterococcus aviumなどのEnterococcus spp.の分離頻度が最も高く,次いでStreptococcus anginosusなどのStreptococcus spp.,Staphylococcus aureusなどのStaphylococcus spp.であった。術後感染症からは,Enterococcus spp.の分離頻度が最も高く,次いでStaphylococcus spp.であった。好気性グラム陰性菌では,一次感染症からEscherichia coliの分離頻度が最も高く,次いでKlebsiella pneumoniaePseudomonas aeruginosaEnterobacter cloacaeなどであり,術後感染症からはP. aeruginosaE. cloacaeE. coliK. pneumoniaeの分離頻度が高かった。嫌気性グラム陽性菌では,一次感染症からParvimonas micraStreptococcus constellatusGemella morbillorum,術後感染症からはAnaerococcus prevotiiの分離頻度が高かった。嫌気性グラム陰性菌では,一次感染症からは,Bacteroides fragilisBilophila wadsworthiaの分離頻度が最も高く,次いでBacteroides thetaiotaomicronCampylobacter gracilisであり,術後感染症からはB. thetaiotaomicronの分離頻度が最も高く,次いでB. fragilisBacteroides caccaeB. wadsworthiaであった。バンコマイシン耐性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やEnterococcus spp.および多剤耐性緑膿菌は認められなかった。TeicoplaninにMICが4μg/mL以上のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)が9株認められた。しかし,これらは他の抗MRSA薬には良好な感受性を示した。Bacteroides spp.の多くは,ペニシリン系薬やセフェム系薬に耐性であった。また,近年分離頻度の高いB. wadsworthiaは,Clindamycin (CLDM),Levofloxacin(LVFX),Ciprofloxacin(CPFX)およびMinocycline(MINO)以外の薬剤には高度耐性であった。

  • 坂田 宏
    2009 年62 巻4 号 p. 341-345
    発行日: 2009/08/25
    公開日: 2024/12/20
    ジャーナル フリー

    1999年7月から2008年12月までの9年6か月間に当院小児科で治療した生後1か月から12歳までの小児から分離された3784株のHaemophilus influenzaeのampicillin (ABPC)耐性の頻度を検討した。薬剤感受性はEtestで測定し,耐性はClinical and Laboratory Standards Instituteの基準で判定した。1999年には87.1%がMIC 2𝜇g/ml未満の感受性菌であったが,年々減少し2008年には28.7%まで有意に低下した(p<0.001)。MIC 4𝜇g/ml以上の𝛽-lactamase negative ABPC resistant (BLNAR)株は1999年には2.9%であったが,2008年には43.3%に有意に増加した(p<0.001)。MIC90は,1999年が2𝜇g/mlであったが,2008年には16𝜇g/mlに上昇した。

  • 山口 惠三, 大野 章, 石井 良和, 舘田 一博, 岩田 守弘, 神田 誠, 秋沢 宏次, 清水 力, 今 信一郎, 中村 克司, 松田 ...
    2009 年62 巻4 号 p. 346-370
    発行日: 2009/08/25
    公開日: 2024/12/20
    ジャーナル フリー

    我々は,1992年以降経年的に抗菌薬感受性サーベイランスを実施し本誌に報告してきた。今回は2007年に日本国内72施設から分離された臨床分離株19菌種12,919株の抗菌薬感受性サーベイランスの結果を従来の結果と比較し解析した。

    呼吸器感染症の主要原因菌種であるStreptococcus pyogenesStreptococcus pneumoniaeMoraxella catarrhalisHaemophilus influenzaeはフルオロキノロン系抗菌薬(FQs)に対し高い感受性を維持していた。一方,S. pyogenesのマクロライド系抗菌薬に対する経年的な耐性化の進行がより明確になった。Escherichia coli以外の腸内細菌科の各菌種はFQsに対し高い感性率を示した。E. coliにおいてはおおよそ30%近くの菌株がFQs耐性を示し,耐性化がより進行している状況が示された。メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)株のFQs耐性率はSitafloxacin(STFX)に対する45%を除き,おおよそ95%と高率であった。それに対しメチシリン感性S. aureus(MSSA)株のFQs耐性率は約10%と低値であった。メチシリン耐性コアグラーゼ陰性Staphylococci(MRCNS)におけるFQs耐性率は,メチシリン感性コアグラーゼ陰性Staphylococci(MSCNS)よりも高かったが,MRSAに比べ低値であった。ただしMSCNSのFQs耐性率はMSSAの耐性率よりも高値であった。Enterococcus faecalisのFQs耐性率は22.5%~29.6%であったが,Enterococcus faeciumのFQs耐性率は,STFX(58.3%)を除いて85%以上であった。尿路感染症由来Pseudomonas aeruginosa 株におけるFQs耐性率は21~27%であり,呼吸器由来株の13~21%に比べ高く過去のサーベイランスと同様の傾向を持続していた。一方多剤耐性緑膿菌株は,尿路由来で5.6%,呼吸器由来で1.8%であった。Acinetobacter spp.はFQsに対し高い感性率を示した。現在問題になっているカルバペネム耐性株が2.7%認められた。Neisseria gonorrhoeaeのFQsに対する耐性率は86~88%と高い値が示された。

    以上,今回の感受性調査の成績から,臨床での使用が15年以上経過したFQsに対し,メチシリン耐性Staphylococci,Enterococci,E. coliP. aeruginosaN. gonorrhoeaeは耐性化傾向が示されたが,それ以外の菌種では,90%以上の高い感性率が保持されていた。

feedback
Top