The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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バーチャルイシュー
63 巻, 6 号
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原著
  • 天野 綾子, 松崎 薫, 岸 直子, 雑賀 威, 長谷川 美幸, 池田 文昭, 松本 卓之, 山口 広貴, 神田 裕子, 塩澤 友男
    2010 年63 巻6 号 p. 411-430
    発行日: 2010/12/25
    公開日: 2024/12/12
    ジャーナル フリー

    2009年1月~12月に全国の医療機関において採取された各種感染症患者由来検体より分離した好気性菌および嫌気性菌1,620株を試験菌として,キノロン系抗菌薬(Sitafloxacin(STFX),Levofloxacin(LVFX),Moxifloxacin(MFLX),Garenoxacin(GRNX))およびセフェム系抗菌薬,マクロライド系抗菌薬,ケトライド系抗菌薬の各種経口抗菌薬のMICを,Clinical and Laboratory Standards Instituteに準拠した微量液体希釈法により測定した。

    Methicillin-susceptible Staphylococcus aureus(MSSA)に対するSTFXのMIC90は0.06𝜇g/mLとGRNXと同等であり,MFLXの1/2,LVFXの1/8であった。Streptococcus pneumoniaeに対してSTFXは,Penicillin Gに対する感受性に関わらず0.06𝜇g/mL以下ですべての株の発育を阻止し,そのMIC90 はGRNXと同等から1/2,MFLXの1/2~1/4,LVFXの1/16~1/32であった。Streptococcus pyogenesに対するSTFXのMIC90は0.06𝜇g/mLであり,GRNXの1/2,MFLXの1/4,LVFXの1/32であった。Enterococcus faecalisに対するSTFXのMIC90は0.25𝜇g/mLであり,GRNXおよびMFLXの1/2,LVFXの1/8であった。腸内細菌科の菌種に対するSTFXのMIC90は,Escherichia coliでは2𝜇g/mL,他の菌種では0.03~1𝜇g/mLであり,何れの菌種に対しても測定したキノロン系抗菌薬の中で最も低値を示した。また,Pseudomonas aeruginosaの尿路由来株に対するSTFXのMIC90は8𝜇g/mLであり,GRNX,MFLXおよびLVFXの1/16であった。一方,P. aeruginosaの呼吸器由来株に対するSTFXのMIC90は2𝜇g/mLで,GRNX,MFLXおよびLVFXの1/16~1/32であった。Haemophilus influenzaeに対してSTFXは0.004𝜇g/mL以下ですべての株の発育を阻止し,そのMIC90はGRNXの1/2~1/4,MFLXの1/8,LVFXの1/4であった。Moraxella catarrhalisに対するSTFXのMIC90は0.008𝜇g/mLで,GRNXの1/2,MFLXおよびLVFXの1/8であった。その他,各種偏性嫌気性菌に対してもSTFXのMIC90は0.015~0.12𝜇g/mLと今回測定した薬剤の中で最も低値を示した。

    2009年臨床分離株に対するSTFXの抗菌活性を他のキノロン系抗菌薬と比較した結果,グラム陽性菌には同等あるいはそれ以上,グラム陰性菌および偏性嫌気性菌には最も高い抗菌活性を有していた。

  • 山口 高広, 吉田 勇, 伊藤 喜久, 橘 峰司, 高橋 長一郎, 賀来 満夫, 金光 敬二, 岡田 正彦, 堀川 良則, 塩谷 譲司, 木 ...
    2010 年63 巻6 号 p. 431-456
    発行日: 2010/12/25
    公開日: 2024/12/12
    ジャーナル フリー

    日本国内の16医療施設において,2006年に種々の臨床材料から分離された好気性グラム陽性球菌(26菌種,1022株)および嫌気性菌(23菌種,184株)について,微量液体希釈法または寒天平板希釈法で注射用抗菌薬の抗菌活性を調べた。Staphylococcus aureusの53.0%が,methicillin耐性S. aureus(MRSA),Staphylococcus epidermidisの65.8%が,methicillin耐性S. epidermidis(MRSE)であり,いずれも高い頻度を維持していた。MRSAおよびMRSEに対して良好な抗菌活性を示したのは,vancomycin(VCM)とquinupristin/dalfopristin(QPR/DPR)で,MIC90 は2𝜇g/mL以下であった。Streptococcus pneumoniaeをpenicillin結合蛋白の変異に基づいて分類したpenicillin低感受性S. pneumoniae(gPISP)とpenicillin耐性S. pneumoniae(gPRSP)を合わせた割合は87.6%であった。gPISP,gPRSPに対してセフェム系抗菌薬のceftriaxone,cefpiromeとcefepime,全てのカルバペネム系抗菌薬,VCM,teicoplanin(TEIC),linezolid(LZD)とQPR/DPRが1𝜇g/mL以下のMIC90 を示した。Enterococcus faecalisEnterococcus faeciumの全ての株に対するVCMとTEICのMICは,いずれも2𝜇g/mL以下であり,低感受性や耐性株は見られず,優れた抗菌活性を示した。一方,LZDは,E. faecalisおよびE. faeciumにおいて低感受性を示す株が各々10.9%,3.5%存在した。また,QPR/DPRでは,E. faeciumにおいて低感受性または耐性を示す株が24.4%存在した。嫌気性菌のClostridium difficileに対し,VCMは優れた抗菌活性を維持しており,MICは全て1𝜇g/mL以下であった。Peptococcus科,Bacteroides属やPrevotella属に対して,カルバペネム系抗菌薬は良好な抗菌活性を有していたが,B. fragilisにおいて耐性株が散見されており,今後さらに注意する必要があると考えられた。

  • 吉田 勇, 山口 高広, 伊藤 喜久, 橘 峰司, 高橋 長一郎, 賀来 満夫, 金光 敬二, 岡田 正彦, 堀川 良則, 塩谷 譲司, 木 ...
    2010 年63 巻6 号 p. 457-479
    発行日: 2010/12/25
    公開日: 2024/12/12
    ジャーナル フリー

    2006年に全国16施設において種々の臨床材料から分離された好気性グラム陰性菌19菌属種,1280株に対する各種抗菌薬のMICを主に微量液体希釈法で測定し,抗菌力の比較検討を行った。Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Klebsiella oxytoca, Proteusmirabilis, Proteus vulgarisにおけるextended spectrum 𝛽-lactamase (ESBL)産生株と考えられる株の分離頻度は,それぞれ3.7%,2.4%,3.2%,18.8%,0.0%であった。特に,P. mirabilisのESBL産生株の分離頻度が18.8%と2004年の分離頻度(16.7%)を維持しており,他の菌種に比較して極端に高かった。Haemophilus influenzaeにおける𝛽-lactamase産生株は1.2%のみであり,PCR法によるペニシリン結合蛋白質3の変異から判定した𝛽-lactamase-negative ampicillin耐性株の分離頻度は62.8%と2004年の57.7%よりさらに上昇していた。Pseudomonas aeruginosaに対する各抗菌薬の抗菌力は2004年に比較してほとんど変わっていなかったが,doripenem, ciprofloxacin, tobramycinの3抗菌薬のみが,MIC90で4µg/mLと比較的良好な抗菌力を示した。抗P. aeruginosa薬9剤に対する感受性解析の結果,6剤以上に耐性の株の分離率は5.7%であり,2004年の8.7%に比較して増加は認められず,むしろ数値的には減少していた。P. aeruginosa以外のブドウ糖非醗酵グラム陰性菌においては,ほとんどの抗菌薬の抗菌力は2004年分離株の感受性測定結果に比較して大きな変化は起こっていなかった。

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