2010年1月~10月の慶應義塾大学医学部中央臨床検査部において,血液培養検体から分離・同定された164株を対象とし,meropenem(MEPM)および対照抗菌薬の抗菌力を検討した。その結果,MEPMはグラム陽性菌からグラム陰性菌に至る幅広いスペクトルの菌種に対して強い抗菌力を示し,カルバペネム系抗菌薬の中でも,特にグラム陰性桿菌に対して優れた抗菌力を示した。また,今回の検討結果を過去13年間,計6回の結果と比較したが,MEPMの抗菌力においては明らかな低下傾向は認められず,現時点においても良好な抗菌力を保持していることを確認した。MEPMの1日最大用量の上限が3gまで引き上げられたことから,難治性・重症性感染症に対する有効かつ重要な抗菌薬として今後さらに期待し得るものと考えられた。
2008年4月~7月に近畿地区17施設で各種臨床材料から分離された緑膿菌500株(重複症例を除く)を対象とし,18薬剤の抗菌力を測定した。抗菌力はtobramycin(TOB),arbekacin(ABK),doripenem(DRPM),gentamicin(GM),amikacin(AMK)の順に優れており,Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)による感性率はAMK,TOB,tazobactam/piperacillin(TAZ/PIPC),DRPM,ABKの順に優れていた。また,診療科別,材料別および施設別で各抗菌薬に対する感性率に差が認められた。多剤耐性緑膿菌は12株(2.4%)のみであったが,2剤耐性が48株(9.6%)見られ,今後も多剤耐性の動向を注視したサーベイランスの実施が必要である。
2010年11月から2011年4月までに,発症後48時間以内に当院に入院したインフルエンザの生後23日目から8歳までの小児30例にペラミビルを投与し,臨床効果を後方視的に検討した。ペラミビルは10mg/kg/回を15~30分かけて1回のみ点滴静注した。臨床効果は投与してから37.5°C未満に解熱するまでの時間で検討した。臨床効果を比較するために,外来でオセルタミビル4mg/kg/日を投与して治療したインフルエンザの生後7か月から8歳までの小児30例について同様に解熱時間を調査した。インフルエンザ型別はペラミビル群ではA型が25例,B型が5例,オセルタミビル群ではA型26例,B型4例であった。
ペラミビル群は6時間以内に5例(16.7%),12時間以内に16例(53.3%),24時間以内に24例(80.0%)が解熱した。オセルタミビル群では6時間以内に解熱例はなく,12時間以内に3例(10.0%),24時間以内に6例(20.0%)が解熱し,ペラミビル群と6時間以内(p<0.001)と18時間以内(p<0.001)の解熱患者の比率で有意差を認めた。有害事象は1例でAST,ALTの上昇を認めた。これらの成績からペラミビルは小児のインフルエンザに有効な薬剤と思われた。
Infective endocarditis caused by methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) is a serious disease and sometimes leads to poor prognosis. We should have several therapeutic options. Arbekacin is one of the aminoglycoside antibiotics, which is more active against MRSA and less nephrotoxic than gentamicin. Here we presented a successfully treated case of severe MRSA endocarditis without any adverse effect by monitoring therapeutic level of vancomycin and arbekacin.