The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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バーチャルイシュー
64 巻, 2 号
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原著
  • 山口 惠三, 石井 良和, 岩田 守弘, 渡邉 直樹, 品川 雅明, 保嶋 実, 諏訪部 章, 黒田 牧子, 賀来 満夫, 北川 美穂, 金 ...
    2011 年64 巻2 号 p. 53-95
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2024/11/01
    ジャーナル フリー

    Meropenem (MEPM)をはじめとするカルバペネム系薬を中心に,全国の医療機関30施設より収集した2009年の臨床分離株2655株(グラム陽性菌810株,グラム陰性菌1635株,嫌気性菌210株)に対する最小発育阻止濃度(MIC)を測定し,以下の結果を得た。

    1. MEPMのMIC90は,腸内細菌科,インフルエンザ菌において他のカルバペネム系薬に比較して殆どが低値であり,特にグラム陰性菌全般に対し良好な抗菌力を示した。また,グラム陽性菌・嫌気性菌に対しても,MEPMは,methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)等の一部の多剤耐性株を除く殆ど全ての臨床分離株に良好な抗菌力を示した。

    2.緑膿菌におけるMEPMの抗菌力に有意な耐性化を認めなかった。MEPM耐性株に対してimipenem (IPM)は93.0%が耐性を示したのに対し,IPM耐性株に対してMEPMは58.0%が耐性を示したのみであった。また,ciprofloxacin (CPFX)耐性株のうちMEPM耐性を示した株は53.1%であった。

    3.腸内細菌科に属する菌種の3.1%(26/831株)が,基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)を産生していた。一方,メタロ-β-ラクタマーゼ産生緑膿菌は,2.0%(6/294株)であった。

    4.過去の成績に比較して,Bacteroides fragilis groupを除きMEPMのMIC90が2管以上上昇した菌種は認められず,MEPMに対する感受性に顕著な耐性化を認めなかった。

    以上,MEPMは上市後14年以上を経過した現時点においても,広域かつ強力な抗菌力を保持していることが確認できたことから,依然として重症感染症の治療に有用なカルバペネム系薬であるとの結論を得た。

  • 桑原 正雄, 草野 展周, 清水 英治, 清水 亘, 小林 加直, 甲田 俊太郎, 土井 正男, 菅井 基行, 公文 裕巳
    2011 年64 巻2 号 p. 97-108
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2024/11/01
    ジャーナル フリー

    近年,臨床の現場において,多剤耐性緑膿菌(multi-drug resistant Pseudomonas aeruginosa: MDRP)の分離頻度の増加およびこれに伴う院内感染が報告され,その対応と治療法の確立が大きな問題となっている。中国地区インフェクションフォーラムでは,多施設協同研究として,中国地区の緑膿菌の動向を調査する目的で,2006年10月~2008年9月の期間に分離された喀痰および尿由来の緑膿菌を収集し,抗菌薬感受性およびパルスフィールドゲル電気泳動(pulsed field gel electrophoresis: PFGE)による解析を実施し,疫学的検討を行った。

    今回の調査において738株が収集され,抗菌薬感受性の結果ciprofloxacin, imipenem,およびamikacinに耐性を示す株はそれぞれ152株(20.6%),179株(24.3%)および47株(6.4%)であり,MDRPは39株(5.3%)であった。抗菌薬3剤の耐性株やMDRPに対してarbekacinが最も低いMIC値を示しており,今後併用治療薬の一つとして検討すべきと考えられた。

    また,今回の調査でMDRPの検出率は施設間で大きな差があった。PFGEによるクラスター解析の結果,同一施設内で類似パターンを示す株が認められ,薬剤感受性の傾向も一致していた。これらの菌株は病院固有の株の可能性が高く,院内感染原因菌としての重要性が示唆された。

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