The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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バーチャルイシュー
68 巻, 1 号
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原著
  • 後藤 元, 岩﨑 充博
    2015 年68 巻1 号 p. 1-18
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2024/08/16
    ジャーナル フリー

    2007年10月~2008年9月の間に全国14医療機関において,呼吸器感染症患者(上気道感染症患者を除く)362例から採取された検体を対象とし,分離菌の各種抗菌薬に対する感受性及び患者背景等を検討した。これらの検体(主として喀痰)から分離され,起炎菌と推定された細菌413株のうち,412株について薬剤感受性を測定した。主な分離菌の内訳はStaphylococcus aureus 65株,Streptococcus pneumoniae 90株,Haemophilus influenzae 88株,非ムコイド型Pseudomonas aeruginosa 53株,ムコイド型P. aeruginosa 13株,Klebsiella pneumoniae 19株及びMoraxella catarrhalis 41株であった。

    S. aureus 65株のうち,Oxacillin(MPIPC)のMICが2μg/mL以下の株(Methicillin感受性S. aureus: MSSA)及びMPIPCのMICが4μg/mL以上の株(Methicillin耐性S. aureus: MRSA)は,それぞれ38株(58.5%)及び27株(41.5%)であった。MSSAに対しては,Imipenem(IPM)の抗菌力が最も強く,0.063μg/mL以下で全菌株の発育を阻止した。MRSAに対しては,Vancomycin(VCM)及びArbekacin(ABK)の抗菌力が最も強く,2μg/mLで全菌株の発育を阻止した。また,Linezolid(LZD)も同等の抗菌力を示した。S. pneumoniae に対する抗菌力は,カルバペネム系及びペネム系抗菌薬が最も強く,特にPanipenem(PAPM)は0.063μg/mL以下,IPMは0.25μg/mL, Faropenem(FRPM)は1μg/mLで全菌株の発育を阻止した。一方で,Erythromycin(EM)及びClindamycin(CLDM)では,高度耐性株(MIC: >128μg/mL)が,それぞれ34株(38.2%)及び16株(18.0%)検出された。H. influenzaeに対する抗菌力はLevofloxacin(LVFX)が最も強く,そのMIC90 は0.063μg/mL以下であった。ムコイド型P. aeruginosaに対しては,Meropenem(MEPM)が最も強い抗菌力を示し,そのMIC90 は0.5μg/mLであった。非ムコイド型P. aeruginosa に対してはTobramycin(TOB)が最も良好な抗菌力を示し,そのMIC90は2μg/mLであった。K. pneumoniae に対する抗菌力は,Cefozopran(CZOP)が最も強く,0.063μg/mL以下で全菌株の発育を阻止した。M. catarrhalis に対しては,Ampicillin(ABPC)を除くいずれの薬剤も比較的強い抗菌力を示し,MIC90は2μg/mL以下であった。

    呼吸器感染症患者の年齢別分布は,70歳以上が全体の45.9%と半数近くを占めた。疾患別では,細菌性肺炎及び慢性気管支炎の頻度が高く,それぞれ44.8%及び31.5%であった。細菌性肺炎患者から多く分離された菌は,S. aureus(21.9%),S. pneumoniae(20.8%)及びH. influenzae(18.6%)であり,慢性気管支炎患者においては,S. pneumoniae(27.1%),H. influenzae(24.0%)及びP. aeruginosa(17.8%)の分離頻度が高かった。抗菌薬投与前の呼吸器感染症患者から多く分離された菌は,S. pneumoniae 及びH. influenzae で,その分離頻度はそれぞれ23.9%及び23.6%であった。前投与抗菌薬別に分離菌種を比較したところ,マクロライド系抗菌薬が投与されていた患者からS. pneumoniaeが多く分離され,その分離頻度は34.8%であった。

  • 後藤 元, 岩﨑 充博
    2015 年68 巻1 号 p. 19-36
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2024/08/16
    ジャーナル フリー

    2008年10月~2009年9月の間に全国15医療機関において,呼吸器感染症患者(上気道感染症患者を除く)374例から採取された検体を対象とし,分離菌の各種抗菌薬に対する感受性及び患者背景等を検討した。これらの検体(主として喀痰)から分離され,起炎菌と推定された細菌423株のうち421株について薬剤感受性を測定した。主な分離菌の内訳はStaphylococcus aureus 78株,Streptococcus pneumoniae 78株,Haemophilus influenzae 89株,非ムコイド型Pseudomonas aeruginosa 61株,ムコイド型P. aeruginosa 19株,Klebsiella pneumoniae 28株及びMoraxella catarrhalis 32株であった。

    S. aureus 78株のうち,Oxacillin( MPIPC)のMICが2 μg/mL以下の株(Methicillin感受性S. aureus: MSSA)及びMPIPCのMICが4μg/mL以上の株(Methicillin耐性S. aureus: MRSA)は,それぞれ34株(43.6%)及び44株(56.4%)であった。MSSAに対して,Imipenem (IPM)の抗菌力が強く,0.063μg/mL以下で全菌株の発育を阻止した。MRSAに対しては,Vancomycin(VCM)及びArbekacin(ABK)の抗菌力が強く,それぞれ1μg/mL及び2μg/mLで全菌株の発育を阻止した。また,Linezolid(LZD)の抗菌力も強く,1μg/mLで全菌株の発育を阻止した。S. pneumoniaeに対する抗菌力はカルバペネム系及びペネム系抗菌薬が最も強く,Panipenem (PAPM)は0.125μg/mL, IPMは0.25μg/mL, Faropenem (FRPM)は1μg/mLで全菌株の発育を阻止した。これに対して,Erythromycin(EM)及びClindamycin(CLDM)では,高度耐性株( MIC: >128μg/mL)が,それぞれ34株(43.6%)及び15株(19.2%)検出された。H. influenzaeに対する抗菌力はLevofloxacin(LVFX)が最も強く,そのMIC90は0.063μg/mL以下であった。ムコイド型P. aeruginosaに対しては,Tobramycin(TOB)が最も強い抗菌力を示し,そのMIC90 は2μg/mLであった。非ムコイド型P. aeruginosaに対してはTOB及びCiprofloxacin(CPFX)が最も良好な抗菌力を示し,そのMIC90 は2μg/mLであった。K. pneumoniaeに対する抗菌力は,Cefozopran(CZOP)が最も強く,0.063μg/mL以下で全菌株の発育を阻止した。M. catarrhalisに対しては,Ampicillin(ABPC)を除くいずれの薬剤も比較的強い抗菌力を示し,MIC90は2μg/mL以下であった。

    呼吸器感染症患者の年齢別分布は,70歳以上が全体の57.7%と過半数を占めた。疾患別では,細菌性肺炎及び慢性気管支炎の頻度が高く,それぞれ40.9%及び32.9%であった。細菌性肺炎患者から多く分離された菌は,S. aureus(20.5%),S. pneumoniae(21.1%)及びH. influenzae(22.8%)であり,慢性気管支炎患者においてはS. aureus(21.7%)及びP. aeruginosa(24.6%)の分離頻度が高かった。抗菌薬投与前の呼吸器感染症患者から多く分離された菌は,S. pneumoniae及びH. influenzaeで,その分離頻度はそれぞれ23.4%及び25.1%であった。前投与抗菌薬別に分離菌種を比較したところ,セフェム系抗菌薬及びマクロライド系抗菌薬が投与されていた患者からは,いずれもP. aeruginosaが多く分離され,その分離頻度はそれぞれ41.4%及び40.0%であった。

  • 後藤 元, 熊谷 滋
    2015 年68 巻1 号 p. 37-54
    発行日: 2015/02/25
    公開日: 2024/08/16
    ジャーナル フリー

    2009年10月~2010年9月の間に全国16医療機関において,呼吸器感染症患者(上気道感染症患者を除く)432例から採取された検体を対象とし,分離菌の各種抗菌薬に対する感受性及び患者背景等を検討した。これらの検体(主として喀痰)から分離され,起炎菌と推定された細菌479株すべてについて薬剤感受性を測定した。主な分離菌の内訳はStaphylococcus aureus 90株,Streptococcus pneumoniae 74株,Haemophilus influenzae 82株,非ムコイド型Pseudomonas aeruginosa 60株,ムコイド型P. aeruginosa 31株,Klebsiella pneumoniae 41株及びMoraxella catarrhalis 34株であった。

    S. aureus 90株のうち,Oxacillin(MPIPC)のMICが2μg/mL以下の株(Methicillin感受性S. aureus: MSSA)及びMPIPCのMICが4μg/mL以上の株(Methicillin耐性S. aureus: MRSA)は,それぞれ43株(47.8%)及び47株(52.2%)であった。MSSAに対しては,Imipenem(IPM)の抗菌力が強く,0.063μg/mL以下で全菌株の発育を阻止した。MRSAに対しては,Vancomycin(VCM)及びArbekacin(ABK)の抗菌力が強く,それぞれ2μg/mL及び4μg/mLで全菌株の発育を阻止した。また,Linezolid(LZD)の抗菌力も強く,2μg/mLで全菌株の発育を阻止した。S. pneumoniaeに対する抗菌力はカルバペネム系及びペネム系抗菌薬が最も強く,Panipenem(PAPM)は0.125μg/mL, IPMは0.25μg/mL, Faropenem(FRPM)は0.5μg/mLで全菌株の発育を阻止した。これに対して,Erythromycin(EM)及びClindamycin(CLDM)では,高度耐性株(MIC: >128μg/mL)が,それぞれ38株(51.4%)及び26株(35.1%)検出された。H. influenzaeに対する抗菌力はLevofloxacin(LVFX)が最も強く,そのMIC90 は0.063μg/mL以下であった。ムコイド型P. aeruginosaに対しては,Meropenem(MEPM)が最も強い抗菌力を示し,そのMIC90は1μg/mLであった。非ムコイド型P. aeruginosaに対してはTobramycin(TOB)が最も良好な抗菌力を示し,そのMIC90 は2μg/mLであった。K. pneumoniaeに対する抗菌力は,Cefozopran(CZOP)が最も強く,0.125μg/mLで全菌株の発育を阻止した。M. catarrhalisに対しては,Ampicillin(ABPC)を除くいずれの薬剤も比較的強い抗菌力を示し,MIC90は2μg/mL以下であった。

    呼吸器感染症患者の年齢別分布は,70歳以上が全体の60.0%と過半数を占めた。疾患別では,細菌性肺炎及び慢性気管支炎の頻度が高く,それぞれ48.8%及び31.7%であった。細菌性肺炎患者から多く分離された菌は,S. aureus(21.5%),S. pneumoniae(20.2%)及びH. influenzae(16.7%)であり,慢性気管支炎患者においてはS. aureus(21.9%)及びP. aeruginosa(20.0%)の分離頻度が高かった。抗菌薬投与前の呼吸器感染症患者から多く分離された菌は,S. pneumoniae及びH. influenzaeで,その分離頻度はそれぞれ21.5%及び20.5%であった。前投与抗菌薬別に分離菌種を比較したところ,セフェム系抗菌薬及びマクロライド系抗菌薬が投与されていた患者からは,いずれもP. aeruginosaが多く分離され,その分離頻度はそれぞれ28.6%及び47.2%であった。

学術講演記録
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