わが国では肺炎が死因の第3位であり,肺炎死亡例の約97%は高齢者で,高齢者肺炎の多くは誤嚥が関与すると考えられている。高齢者は,基礎疾患がなくても一度肺炎に罹患すると入院を契機に身体機能が低下し,日常生活動作の低下する患者が多い。臥床が長期化すると足腰が弱り,それまでの日常診療に戻れなくなり,肺炎治癒後も自宅に帰れず,施設に転所するケースが多い。このような状況に陥った場合,肺炎を繰り返す患者が多く,抗菌薬治療を繰り返すことで耐性菌が出現するリスクも高まる。すなわち,高齢者では肺炎予防が重要であることは論を待たない。
インフルエンザA・B型ウイルスや一部のパラミクソウイルスは,ウイルス受容体であるシアル酸を糖鎖末端から切断する酵素「シアリダーゼ」を持つ。ウイルスの感染細胞上には,ウイルス由来のシアリダーゼが豊富に発現する。筆者らが開発したシアリダーゼ蛍光イメージング剤「BTP3-Neu5Ac」は,シアリダーゼ活性を組織化学的に蛍光イメージングする。BTP3-Neu5Acは,特異的抗体や細胞の固定化操作を必要とせずに,ウイルスや感染細胞を簡便迅速に蛍光イメージングできる。インフルエンザ治療薬であるNeuraminidase(NA)阻害薬をBTP3-Neu5Acと併用することで,薬剤耐性インフルエンザウイルスの感染細胞を選択的に蛍光イメージングして,薬剤耐性ウイルス株を高効率に単離することができる。本稿では,BTP3-Neu5Acを利用した,ウイルスの蛍光イメージングと薬剤耐性ウイルスの検出分離法への応用について概説する。
2011年から2015年までに旭川厚生病院小児科で診療した患者から分離されたStreptococcus pneumoniae 1578株の感受性をpenicillin G(PCG),cefotaxime(CTX),ceftriaxone(CTRX),cefditoren(CDTR),meropenem(MEPM),erythromycin(EM),levofloxacin(LVFX)について測定した。有意差は得られなかったが,PCGのMICが0.1μg/mL未満(penicillin susceptible S. pneumoniae)の株が2011年の55.5%から2015年には64.0%に増加し,2μg/mL以上(penicillin resistant S. pneumoniae)の株は14.8%から9.5%に減少した。2011年から2015年にかけて0.12μg/mL以下の株がCTXは18.9%から28.9%, CTRXは20.5%から30.2%, CDTRは29.2%から40.9%, MEPMは69.6%から80.6%に増加した。EMは毎年2μg/mL以上の耐性株が約90%と高率であった。LVFXは8μg/mL以上の耐性株が2013年以降に毎年1株ずつ検出された。