The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
バーチャルイシュー
73 巻, 3 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
原著
  • 河村 真人, 藤村 茂, 賀来 満夫, 渡辺 彰
    2020 年73 巻3 号 p. 65-78
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2024/06/20
    ジャーナル フリー

    東北地方にある総合病院20施設において,1997年から2018年に検出されたグラム陽性菌のStaphylococcus aureus およびStreptococcus pneumoniae,グラム陰性菌であるPseudomonas aeruginosa およびHaemophilus influenzae の4菌種に対する抗菌薬感受性サーベイランスを実施した。

    S. aureusは,調査期間内に4194株が検出され,うち2104株(50.2%)がmethicillin resistant S. aureus(MRSA)であった。これらのMRSA分離頻度において,1998年は62.4%(433株中270株)を占めたが,2018年では34.9%(295株中103株)に減少した(p < 0.01)。また,vancomycin(VCM)のMIC = 2 μg/mLを示すMRSA株は,各調査年における平均で4.6%の検出であった。

    1997年から2017年におけるpenicillin-resistant S. pneumoniae(PRSP)の検出率は,2003年が最も高い34.2%(46株)であった一方,2000年と2015年は各々6.1%(10株),2.8%(4株)を示した。

    P. aeruginosaに対するpiperacillin(PIPC)およびtazobactam/PIPC(TAZ/PIPC)に耐性を示す割合は,2010年で各々16.6%, 14.5%を示したが2018年では両抗菌薬ともに5.2%に低下した(p < 0.01)。また,multi-drug resistant P. aeruginosa(MDRP)の検出率は,各調査年において0–5.7%で推移した。

    H. influenzaeのうちβ-lactamase non-producing ampicillin-resistant H. influenzae(BLNAR)の占める割合は,年次的に上昇傾向を示し,2017年には75.9%(110株)に増加した。

    本調査は,東北地方の基幹病院から臨床分離された菌株の感受性動向を調査した。近年,薬剤耐性(antimicrobial resistance, AMR)菌への関心が高まっており,今後も抗菌薬適正使用のために,こうした地域別のサーベイランス活動が重要である。

資料
  • 堀田 国元, 高橋 佐喜子, 水野 左敏
    2020 年73 巻3 号 p. 79-89
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2024/06/20
    ジャーナル フリー

    国立予防衛生研究所(予研;現国立感染症研究所)の創立(1947年5月)とともに誕生した抗生物質部(当初は抗菌性物質部)は,組織再編(1992年)により生物活性物質部と改称されるまで45年にわたって抗生物質に関する様々な社会的および科学的な役割を果たした。特に,梅澤濱夫初代部長の31年(1947~78)に亘る強力なリーダーシップの下,初期は国策としてのPenicillin(PC)とStreptomycin(SM)の高品質製品の大量生産と安定供給を担い,続いて独自に発見したKanamycin(KM)など重要な医薬抗生物質に関する基盤研究や開発研究を展開した。一連の活動は,各種感染症に対する医薬抗生物質を供給し,わが国の抗生物質業界を育成・発展させ,抗生物質研究を世界レベルへ押し上げることに大きく貢献した。例として,KMなどアミノグリコシド系抗生物質に関連して,耐性菌の耐性機構,生産菌(放線菌)の遺伝生化学的研究など世界をリードする研究が展開されたことを上げることができる。一方,日本抗生物質医薬品基準の策定に貢献し,医薬抗生物質の国家検定業務を担った。抗生物質以外の生物活性物質についても重要な研究が展開されたが,本稿では抗生物質を中心に予研抗生物質部の足跡を概観する。

feedback
Top