The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
75 巻, 2 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
原著
  • 生方 公子, 岡田 隆文, 齊藤 憲祐, 岩田 敏
    2023 年 75 巻 2 号 p. 23-34
    発行日: 2023/06/25
    公開日: 2024/06/13
    ジャーナル フリー

    【目的】外来診療において迅速な血液検査ができる機器が普及して来ている。本研究では,得られた血液検査の結果から原因微生物を推定して抗菌薬を処方する際の判断に貢献し,かつ保護者に説明する際に役立つ「起炎微生物推定判別式」を構築することを目的とした。

    【方法】判別式は,著者らが行った多施設研究で得られた6歳未満の小児肺炎例(n=682)の血液検査値,CRP値,年齢,および起炎微生物の結果を元に構築された。各検査項目は,それぞれのROC曲線からAUC,感度,特異度,閾値を求めた。それらの結果に基づいて,多重ロジスティクス回帰によるWBC,CRPおよび年齢の3項目を用いる「起炎微生物推定判別式」を構築した。判別式の妥当性の検証も行った。

    【結果】構築された判別式はY1=3.45-4×WBC(cell/μL)+0.847×CRP(mg/dL)+ 0.610×年齢-6.849となった。判別式の結果は%として表現され,50%以上の場合は細菌感染と推定した。判別式の感度は88.5%,特異度は88.6%であった。偽陽性率は14.2%,偽陰性率は11.5%であった。偽陽性例ではWBCとCRPのどちらかが高値の例が多かった。マイコプラズマによる肺炎は,判別式ではその半数がウイルス性と判定されていた。妥当性の検証における誤差は10%前後におさまっていた。

    【結論】判別式は,細菌感染であるのかあるいはウイルス感染であるのかの確率が%で表示されるため,理解しやすいものと結論された。また,感度と特異度がいずれも88%以上と高いことから,抗菌薬処方の際の判断,ならびに患児の保護者への説明に寄与することが期待される。

研究報告
feedback
Top