デメチルクロルテトラサイクリン (レダマイシン) ドライシロップを小児の急性感染性疾患20例に投与し, その臨床効果と副作用について観察した。
対象は, 生後10カ月から8年5カ月に至る小児で, 疾患はおもにグラム陽性菌によると思われる感染症である。
投与量は, 1日体重kgあたり約10mgで, これを2~4分して食後に内服させた。1日量は90~240mgとなり, 投与期間は3~10日にわたつたので, 総投与量は360~1,800mgである。
効果の判定基準は, 主要症状および検査所見が開始翌日に消槌したものを著効, 症状の改善が第3日目までにみられたものを有効, 著るしくはないが, 臨床的に効果があつたと判定されたものをやや有効とした。
これらの表現にしたがつた臨床効果判定の結果と, 各症例の検査所見の推移などは, 表1に概要を示すとおりである。各症例の記載のうち, 記載が2段にわたるものは, 上段が治療開始前, 下段は薬剤投与終了後である。
臨床効果は, 著効3例, 有効12例, やや有効4例, 無効1例で, 著効と有効は15例, 75%であつた。
投与前後におこなつた血液生化学所見, 血液像, 尿所見などには, いずれも異常をみとめなかつた。症例9には, 投与2日目に本剤の副作用と思われる胃腸症状 (アセトン尿を伴なつた腹痛, 嘔吐) を発現し, 投与を中止した。他の19例については, 副作用と思われる症状はみとめられなかつた。
抄録全体を表示