The Japanese Journal of Antibiotics
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22 巻, 6 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
  • 中沢 昭三, 小野 尚子, 西野 武志, 川辺 晴英, 西田 車次, 藤田 吉彦, 山田 勝人, 和島 剛
    1969 年 22 巻 6 号 p. 411-416
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocyclineは, MARTELLおよびBOOTHEら (1967) によつて合成されたテトラサイクリン誘導体で, その化学名は7-Dimethylamino-6-demethyl-6-deoxytetracyclineであり, 右に示す化学構造式をもつている。In vitro に関する抗菌作用の研究としては, MARTELL およびBOOTHEらの報告がみられ, in vivo における抗菌作用の報告としては, REDINらによる報告がみられる。今回私どもは, このMinocycline についてTetracycline (TC) を比較薬剤として同一条件で試験管内抗菌作用, マウス実験的感染症に対する治療効果, ラットを用いた臓器内濃度などの細菌学的な基礎研究をおこない, 2, 3の知見が得られたので, ここに報告する。
  • 金沢 裕, 倉又 利夫
    1969 年 22 巻 6 号 p. 417-421
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Tetracyclineの新誘導体Minocyclineの臨床検査としての体液中濃度測定法, ディスクによる感受性測定法について検討したので報告する。
  • 五味 二郎, 青柳 昭雄, 小穴 正治, 満野 嘉造, 河合 健, 山田 海儿, 山田 幸弘
    1969 年 22 巻 6 号 p. 422-425
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocydineは, レダリー研究所で開発された新らしいTetracycline (TC) 系の合成抗生物質で, その構造式は図1のとおりである。本剤の特長としては, TC耐性ブドウ球菌に対してもすぐれた抗菌力を示すことであるといわれている。したがつて, この点を評価する目的で, 黄色ブドウ球菌に対する試験管内抗菌力, ブドウ球菌感染マウスに対ずる本剤の治療効果について検討するとともに, 血中濃度, 尿中排泄, 血清蛋白との結合状況, ならびに主として呼吸器感染症息者に対する治療効果につい七も検討したので, その成績について述ベることにする。
  • 河盛 勇造, 西沢 夏生
    1969 年 22 巻 6 号 p. 426-429
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1. Minocyclineは, 試験管内において, TCあるいはDMCTとほぼ同様な抗菌力を示すが, TC耐性ブドウ球菌に対しても, 発育阻止効果をもっていた。
    2. Minocycline 200mg内服後の血清中濃度推移は, TC250mg内服後のそれにほぼ一致していた。
    3. Minocycline内服2時間後の血清抗ブドウ球菌作用は, TC耐性株に対してはTC感性株に対するよりも弱く, したがってTC耐性株感染症にMinocyclineを投与するばあいには, 感性株感染症治療のさいよりも, より大量を要すると考えられた。
    4. Minocyclineによって治療した化膿巣から分離したブドウ球菌菌株について, TCおよびMinocycline感受性の推移を追及した結果, 興味のある1例を経験した。
  • 大久保 滉, 藤本 安男, 岡本 緩子, 束田 二郎
    1969 年 22 巻 6 号 p. 430-434
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Tetracyclineeの新らしい誘導体は, 試験管内抗菌力がすぐれ, 体内に長く停滞するため血中濃度および組織内濃度が高く, したがつて少量の長時間間隔の投与で充分有効であるとされる。今回とりあげたMinocyclineも, このような目的に合致する新らしいTetracycline系の抗生物質である。
  • 7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyl-tetracycline (Minocycline) について
    北本 治, 深谷 一太, 友利 玄一
    1969 年 22 巻 6 号 p. 435-444
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyl-tetracyclineは, 米国で開発され, Tetracycline (TC) にくらべてすぐれた抗菌力をもち, とくに黄色ブドウ球菌はTC耐性菌もすぐれた感受性を示し1), 吸収・臓器移行も良好で, 実験的感染症にもすぐれた効果を示すとされ, Minocyclineとして臨床に用いられている3)。その構造式は, Fig. 1のとおりである。TCと僅かの相違をもつのみで, きわ立つた特色をもつことは, 注目すべきところといえよう。著者は, このものについて2, 3の検討をおこなつたので, その成績を報告する。
  • 三木 文雄, 東 朋嗣, 岩崎 峭, 赤尾 満, 尾崎 達郎, 杉山 浩士, 羽田 回
    1969 年 22 巻 6 号 p. 445-450
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Tetracyclineの新らしい誘導体Minocycline (7-Dimethylamino-6-demethy1-6-deoxytetracycline)は, Tetracycline (TC) 耐性ブドウ球菌に対しても抗菌力を示し, 比較的少量投与によつても長時間高い血清中濃度を示すことが報告され1, 2), 感染症に対して効果を期待し得る広域有効抗生剤と考えられる。
    今回私共も, 本抗生剤について, 基礎的検討を加えるとともに, 内科系感染症に投与して治療効果を検討したので, その成績を報告する。
  • 藤井 良知, 紺野 昌俊, 岡田 一穂, 八森 啓, 生方 公子
    1969 年 22 巻 6 号 p. 451-457
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocyclineの小児科領域における基礎的および臨床的検討をおこなつたので報告する。
  • 柴田 清人, 花井 卓雅, 加藤 剛美, 伊藤 忠夫, 藤井 修照
    1969 年 22 巻 6 号 p. 458-462
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocycline (化学名: 7-Dimethylamino, 6-deoxy-6-demethyl-tetracycline) は米国レダリー研究所で開発された新らしいTetracycline (TC) 系の抗生物質で, 従来のTCにくらべ, すぐれた抗菌力をもち, とくにTC耐性の病原性ブドウ球菌に対しても, すぐれた抗菌力を示すといわれている。
    今回わたくしどもは, 本剤の外科病巣分離ブドウ球菌, および大腸菌に対する抗菌力, 血中濃度, 尿中排泄量, 髄液および胆汁中移行濃度を測定し, さらに臨床的に種々の外科的感染症に対し本剤を使用し, 検討を加えたので報告する。
  • 石山 俊次, 坂部 孝, 高橋 右一, 川上 郁, 中山 一誠, 岩本 英男, 大島 聡彦, 鷹取 睦美, 鈴木 邦夫, 村上 不二哉
    1969 年 22 巻 6 号 p. 463-469
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocycline (化学名:7-Dimethylamin0-6-deoxy-6-demethylーtetracycline) は, Lederle研究所で開発されたTetracycline (TC) familyの1つである。すでに多くの基礎試験がなされているが, 抗菌力が強い, 殺菌作用傾向が増翰された, 有効血中濃度の持続が長い, 髄液胆汁への移行がよいなどの利点をもつ。他方, 蛋白結合が高度で,骨・腸昏など組織沈着傾向が強いなどの特性から, 亜急性または慢性副作用について懸念される。これらのことは. いずれも臨床使用量とも関係が深いので, 抗菌力, 体液内濃度および臨床効果から, どのくらい減量できるか, そしてその量で副作用み発現があるかどうかを知る目的で, これを研究することにした。
  • 高瀬 善次郎
    1969 年 22 巻 6 号 p. 470-472
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいTetracycline系の合成抗生物質であるMinocyclineを, 産婦人科領域の感染症に用い, いささかの知見を得たので, 報告する。その臨床成績は別表に示すとおりである。
  • 水野 重光, 高田 道夫, 佐野 慎一, 上山 卓也
    1969 年 22 巻 6 号 p. 473-479
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    化学療法剤による医原性疾患, 副作用の問題が近年提起されるようになつて以来, より少ない投与量でより長い有効濃度持続時間の期待できる抗生物質の研究開発がおこなわれてきた。
    その傾向は, 特にDUGGER (1948) によるChlortetracyclineの発見以来, 約20年の歴史をもつTetracycline系抗生物質において著るしく, Methacycline (MOTC). Doxycycline (DOTC), Demethylchlortetracycline (DMCT) などが, 次々に紹介され, われわれもそのつど, 実験してきた。これら薬剤のうちDOTCは, 単に上記の特性を備えているだけでなく, TC耐性ブドウ球菌にもかなりの抗菌作用を示すことが確認されている。
    今回レダリー社により提供されたMinocycline (7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyltetracycline) も, 従来のTetracycline系抗生物質に対する概念を破り, Staphylococcusに対して強い抗菌力を示し, 耐性ブドウ球菌感染症に特に有効であるとして注目されている。
    今回, われわれは本剤について基礎的実験および産婦人科領域における臨床応用を試みたので, その成績を報告する。
  • 荒田 次郎, 藤田 慎一, 徳丸 伸之, 小玉 肇
    1969 年 22 巻 6 号 p. 480-482
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近Lederle社によつて開発されたTetracycline (TC) 系抗生物質Minocyclineについて, 皮膚科領域において使用する機会をもつたので, 以下に報告する。
  • 三浦 祐晶, 水元 俊裕, 芝木 秀臣
    1969 年 22 巻 6 号 p. 483-487
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, Tetracycline (TC) 耐性菌の増加とともに, 多数の新らしいTC誘導体が合成され, それぞれかなり効果をあげている。Minocyclineは, TCの新らしい誘導体の1つで, TCより抗菌力が強く, TC耐性ブドー球菌にも抗菌力をもち, 人, マウスで, TCよりもかなり高い血中濃度を示し, 尿中排泄が遅いことを特徴としている。
    われわれも, Minocyclineについて基礎的ならびに臨床的研究をおこなったので報告する。
  • 五島 応安
    1969 年 22 巻 6 号 p. 488-492
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Tetracycline (TC) 系薬剤は, 広領域抗生物質として一般に広く使用されて来た。その高い使用頻度からすれば, 腎障害患者や妊婦において使用上に留意すれば, 胃腸障害等を除いて, 副作用が最も少ない薬剤の1つかと考える。とくに皮膚科領域では, 感染症の成立に脂腺の関与するものが多く, TCの脂溶性と相まつて, 皮膚への薬剤の分布を考慮するとき, 第1選択にあげられるべきものとされて来た。
    ブドウ球菌のTC感受性分布は, 2相性を呈し, TC感受性菌群とTCのMIC100mcg/ml以上の高度耐性菌群に分けられるが, 皮膚化膿症では, 近年後者の増加が顕著で, ここにTCによる治療の限界があるかと思われた。この傾向は, 種々のTC系誘導体においても同様である。しかし, ここに報告するMinocyclineは, TC高度耐性菌にたいしても優れた抗菌力をしめすものとして注目される。
    化学構造式は右にしめす。
    われわれは, 本剤について試験管内抗菌力, 血中濃度, ブドウ球菌マウス皮下感染治療実験および臨床的検討をおこなつたので, ここに報告する。
  • 皆見 紀久男, 田代 正昭
    1969 年 22 巻 6 号 p. 493-500
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近, 米国Lederle研究所で開発されたTetracycline (TC) 系抗生物質Minocycline (7-Dimethylamino-6-deox-y-6-demethyl-tetracycline) は, 従来のTC系抗生物質にくらべ, 試験管内抗菌力がすぐれ, 耐性ブドウ球菌に対しても強力な抗菌力をしめし, 経口投与での血中濃度および組織内濃度が高いことがみとめられている。したがつて,少量の投与で治療効果を期待できると考えられる。
    今回, われわれは, やはりLederle研究所で開発され, すでに市販されているDemethylchlortetracycline (DM-CT)(Ledermycin‘Lederle’) を対照とし, 表在性化膿性疾患に対するMinocyclineの治療効果な, Double blind法によつて比較検討する機会を得たので, ここに報告する。
    特に, 効果判定基準は, できるだけ客観的な判定が下せるように, 点数化を試み, 主観的な判定もあわせて検討した。また, 個々の息者に対する治療効果は, 疾息の重篤度による影響が予測されるので, この点も検討した。
  • 石神 襄次, 原 信二, 三田 俊彦
    1969 年 22 巻 6 号 p. 501-506
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocyclineは, 米国レダリー研究所で開発された新らしいTetracycline (TC) 系抗生物質で, 従来のTCと比較し, 優れた抗菌力をとくにTC耐性の病原性ブドウ球菌に対しもつている。私達はこのMinocyclineをTC感性, TC耐性菌のある各種尿路感染症に使用し, その臨床効果を観察するとともに, 経口投与時の血中濃度, 尿中排泄率を測定し, また塚路から分離したStaph. aureus, E. coliに対する抗菌力をも検索したので報告する。
  • 三辺 武右衛門, 村上 温子, 竹内 美奈子, 西崎 恵子, 徐 慶一郎
    1969 年 22 巻 6 号 p. 507-510
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocycline (化学名:7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyl-tetracycline) は, レダリー研究所で開発された新らしいTetracycline (TC) 系の合成抗生物質で, 図1のような化学構造式をもつ。本剤は従来のTCにくらべ優れた抗菌力をもち, とくにTC耐性の病原性ブドウ球菌に対しても優れた抗菌力を示すといわれる。
    われわれは, 本剤について, 抗菌試験をおこない, 耳鼻咽喉科感染症の臨床に応用し, みるべき成讃をおさめたので, それらの成績について報告する。
  • 岩沢 武彦, 木戸 勉
    1969 年 22 巻 6 号 p. 511-521
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近, 耳鼻咽喉科領域における感染症からの分離菌は, 各種の化学療法剤の進歩発展にともない, その種類にもかなりの変動がみられ, 感染病像も複雑化の様相を呈してきた。とりわけ, 耳鼻咽喉科領域の耳漏, 副鼻洞内分泌物, 膿瘍などからの耐性ブドウ球菌の検出率は, 他菌に比較して圧倒的に多く。また緑膿菌, 変形菌などの一連のグラム陰性桿菌の増多もめだち, さらにカソジダなどの真菌類の出現が難治感染症の原因となり, これら病原菌に対する治療対策が化学療法上きわめて重要視されるにいたつた。
    Tetracycline系抗生物質は, 初めて1948年 DUGGERらが放線菌の1種であるStreptomyces aurofaciensの培養濾液中から Chlortetracycline (Aureomycin) を発見した。その後, 1957年MCCORMICKらによつて, Stiptomyces aureofaciensの1変異種から6-Demethylmhlortetracycline (Ledermycin) が誘導合成され, 新らしいTetracycline系の抗生物質として, 抗菌力がすぐれ, いわゆるlong actingな抗生物質として登場したことは周知のとおりである。
    その他, 1950年FINLAYらによつてStreptomyces rimosusからOxytetramyclineがみいだされ, また1953年SOOTHEらは, Tetracyclineを発見している。1961年BLACKWOODらは, Oxytetracyclineから6-Methyleme oxytetracyclineを合成し, さらに1963年OxytetracyclineのHydrogenationによつてDoxycyclineが発表され, 従来のTetracycline系抗生物質と比較して, そのすぐれた抗菌力, 有効血中濃度の維持によりたかい臨床効果が期待されている。
    新Tetracycline系抗生物質Minocyclineは, 1967年米国Lederle社の研究陣がDemethylchlortetracyclineから誘導合成したもので, グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して殺菌的に働く広範囲抗菌スペクトラムを示し, しかも有効血中濃度を長時間維持し得る新らしいTetracycline系の抗生物質として, 感染症治療上注目を浴びるにいたつた。
    Minocyclineは, 化学名を7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyltetracyclineとよび, その化学構造式は図1に示すとおりである。
    Minocyclineの物理化学的性状は, 黄色結晶性の粉末で, やや吸湿性, 空気酸化をうけやすく, カプセル中では室温で安定であるという。Minocyclineの急性毒性は, マウスでLD50が経口投与3,100mg/kg, 腹腔内投与310mg/kg, 静脈内投与で140mg/kgとされ, また甲状腺の色素沈着についてはヒトおよびマウスでは甲状腺の形態学的変化がみとめられるといわれる。
    Minocyclineの製剤は, 1Capsule中に50mg (力価) と100mg (力価) を含有する内服剤として発表されている。
    署者らは, 今回この新Tetracycline系抗生物質Minocyclineについて. その試験管内抗菌力, 血中濃度, 尿中排泄および組織内移行分布などの基礎的検討をおこなうとともに。本剤を耳鼻咽喉科領域における代表的な感染症に対して投与した結果, きわめて良好な臨床成績をおさめえたので, その概要を報告する。
  • 葉田野 博, 斎藤 武久, 高橋 信夫
    1969 年 22 巻 6 号 p. 522-525
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocycline (7-Dimetllylamino-6-deoxy-6-demethyl-tetracycline) は, 米国Lederle社によつて開発されたTetracycline (TC) 系新抗生物質で, 従来のTCひ系抗生物質にくらべ抗菌力もすぐれ, 特にTC高度耐性ブドウ球菌に有効とされ, 同量投与では, その血中濃度はもつとも高く, 有効血中濃度は長期間持続し, 尿中排泄が少なく, 髄液胆汁中によく移行するといわれている。今回われわれは, 本剤の眼科領域における基礎的および臨床的検討をおこなつたので, その成績を報告する。
  • 三国 政吉, 大石 正夫, 周田 茂雄, 今井 正雄, 高橋 篁子
    1969 年 22 巻 6 号 p. 526-531
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocycline (7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyl-tetracycline) は, 米国Lederle研究所で開発されたTetracycline (以下TC) の新らしい誘導体である。
    本剤はTC耐性ブドウ球菌に対してもすぐれた抗菌力をもち, 従来のTC系抗生剤にくらべ殺菌作用がつよく, 有効血中濃度を長時間持続し, 組織内移行が良好である, 等が特徴である。
    私どもは, 日本レダリー社から本剤の提供をうけ, 眼科領域における応用のため, 基礎的ならびに臨床的に実験を試みる機会を得たので, 成績の概要を報告する。
  • 道 健一, 橘樹 俊英, 野田 和生, 愛甲 勝彦, 鷹森 健志部
    1969 年 22 巻 6 号 p. 532-536
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新抗生物質Minocycline (7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyltetracycline) の試験管内抗菌力については, STEIGBIGELら1), FEDORKOら2) の報告があり, 各種の菌に対してTetracycline同族体のうちで, 最も強い抗菌力をもつことがみとめられている。特にグラム陽性球菌に対する抗菌力の強いこと, TC耐性菌に対しても抗菌力をもつことが注目されている。
    一方, 口腔領域感染症から細菌を分離すると緑色レソサ球菌が最も多くみとめられ, この緑色レソサ球菌は, 黄色ブドウ球菌, 溶血レンサ球菌とともに, 口腔領域感染症の発症, 経過に重要な役割を演じているのではないかと考えられている。
    そこで, われわれは, 4種のTC系抗生物質Mimocycline, Doxycycline (DOTC), Demethylchlortetracycline (DMCT), Tetracycline (TC) の試験管内抗菌力を, まず各種細菌について抗菌範囲を, 次に86株の緑色レンサ球菌について感受性分布を比較, 検討した。
    その結果, グラム陽性球菌に対する強い抗菌力, TC耐性菌に対する抗菌力を確認し, 緑色レソサ球菌の感受性分布についての知見を得た。
  • 道 健一, 橘樹 俊英, 愛甲 勝彦, 野田 和生, 早野 睦人, 茂木 克俊, 清水 正嗣, 上野 正
    1969 年 22 巻 6 号 p. 537-540
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今回, Lederle研究所で開発された新抗生物質Minocycline (7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyltetracycline) は, 広範囲抗生物質テトラサイクリン (以下TC) の同族体である。本剤は, 従来のTC系抗生物質と比較して, グラム陽性菌に対する抗菌力が強く1), TC耐性ブドウ球菌に対しても抗菌力をもつ2) とされており, さらに経口投与での血中濃度が高く3), 長時間血中に維持されることがみとめられている3)。したがつて, 1日1~2回, 少量の投与で治療効果を発揮すると考えている。これらの特長は, 歯科・口腔外科領域感染症においては, その起炎菌が主としてグラム陽性菌であり4~6), その治療対象が外来通院患者であるという特殊性と一致し, 本剤の歯科・口腔領域感染症に対する治療効果が期待された。
    今回, われわれはMinocyclineを臨床使用する機会を得, その効果について検討し, 良好な治療効果をみとめたので報告する。
  • 伊藤 秀夫, 小幡 幸男, 曽田 忠雄, 名倉 英明, 中島 民雄, 南雲 正男
    1969 年 22 巻 6 号 p. 541-545
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    われわれは, 新らしいTetracycline (TC) 系抗生物質7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyltetracycline (Minocycline) について, その抗菌力, 吸収, 排泄, 体内分布および臨床効果を検討した。
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