The Japanese Journal of Antibiotics
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23 巻, 3 号
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  • 第2報Penicillin類の血清タン白結合と赤血球内への移行の相関について
    西田 実, 松原 忠雄, 上村 利明, 村川 武雄, 横田 好子
    1970 年 23 巻 3 号 p. 217-222
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生物質と血清タン白との結合については, 非常に多くの報告があるが1, 2). その薬理学的または臨床的意義, 結合の様式など, その本質的な問題については, 充分な解明がなされていない。
    われわれは前報において8), Penicillin類, とくにIsoxazolyl系Penicillinの血清タン白結合と. その周辺に存在する問題点を検討した。本報では, タン白結合性の異なるPenicillin類の赤血球膜透過性という面から, その結合性の意義を追求した。
  • 第3報Penicillin類および他の抗生物質のタン白結合とゲル親和性との関連性について
    村川 武雄, 西田 実
    1970 年 23 巻 3 号 p. 223-227
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Penicillin (PC) 類および他の抗生物質の血清タン自との結合性については, 今日まで広範な研究がなされてきた1, 2, 3)。しかし, 結合についての本質的な問題, たどえば結合の様式, 薬理学的意義などについては, 検討すべき多くの問題が残されている。われわれは, 抗生物質の血清タン自結合についての研究の対象を, この領域に限定して検討を加えてきた。
    一方, 近年ゲル濾過法が各種のタン白成分と低分子物質の分離法として応用されてきた4~8)。また, GELLOTTE9~11) らは, 多くのAromatic compoundがSephadex gelによつて可逆的に吸着されることを報告しでいる。また, この種の吸着現象は, 単にSephadex gelによつて観察されるのみでなく, Polyacrylamide系のgelにおいても同様な結果が得られることが報告されている。
    一方, PC類のタン白結合は可逆的で, その側鎖構造によつて大きく影響をうける1, 2)。われわれは, 血清タン白, とくにアルブミンとPC類との結合の様式を解明する1つの方法として, Sephadex gelとPC類との親和性を検討し, 興味ある事実をみとめたので, その結果を報告する。
  • 金沢 裕, 倉又 利夫
    1970 年 23 巻 3 号 p. 228-232
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Kanamycinの新誘導体であるAminodeoxykanamycin (Kanendomycin ‘Meiji’) の臨床検査としての感受性ディスク法に検討を加えたので報告する。
    Aminodeoxykanamycinのように新らしく出現した薬剤の臨床的感性, 耐性に相当する最小発育阻止濃度 (MIC) の基準は全く不明で, 多くの起因菌についてのMICと薬剤投与による臨床効果の集計の上に, 将来定められるべきものであり, 必ずしも根拠の明らかでない薬剤量を含有するディスクにより+, -などの成績のみが検査室から天下り式に臨床家におしつけられるべきものではなく, 適当に規定された実験条件でのMICを推定することが臨床的感受性検査の目的と考えられる。私ども1~3) は, 単一ディスク (single disc) を用いる定量測定をふくめて, 化学療法剤の感受性測定法についてたびたび報告してきた。今回はAminodeoxykanamycinについても本法が適用されるかについて検討した。
  • 鍵和田 滋, 星野 重二
    1970 年 23 巻 3 号 p. 233-236
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今回, 細菌性赤痢にアミノデオキシカナマイシン (カネンドマイシン‘明治’)(KDM) を使用する機会を得たので, その治療効果について概要を報告する。
  • 内藤 伝兵衛, 小林 祥男, 今井 千尋, 山田 重樹, 伊藤 英子
    1970 年 23 巻 3 号 p. 237-239
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amninodeoxykanamycin (Kanendomycin ‘Meiji’)(KDM) は, 明治製菓薬品部門でStreptomyces kanamyceticusの細菌学的変異および培養変換研究の結果, 開発された新抗生物質製剤である。その化学構造は, 2'-Amino-2'-deoxy kanamycinであることが確認されている。抗菌スペクトルは, Kanamycin (KM) とほぼ同一である。MICを測定すると, KMよりも低濃度で殺菌的に作用するが, KMと交叉耐性を示すといわれる。
    最近の細菌性赤痢は, 大部分が耐性Shigella sonneiによるものであり, その臨床症状は, きわめて軽い。したがつて, 薬剤の臨床症状に対する効果の判定は困難となり, 赤痢治療の主眼は臨床症状に対するよりも, 排菌の治療に重点をおかねばならなくなつた。昭和42年以降, 赤痢発生が急激に減少したために, KDMを多数例に試用してその効果を検討することができなかつたが, 現在までに使用した赤痢患者14例, 保菌者16例, 計30例についての治療成績を報告する。
  • 第2報Desacetyl-Rifampicinの抗菌力について
    中沢 昭三, 石山 正光, 大島 康夫, 長田 恭明
    1970 年 23 巻 3 号 p. 240-241
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生物質Rifampicin (RFP) の生体内代謝は, 動物の種類によつて異なるが, ヒトやモルモットではDesacetylrifampicin (DA-RFP) に転換することがMAGGIら (1969) 1), TENCONIら (1969) 2), 清水ら (1969) 3) によつて報告されている。今回, 私どもは, このDA-RFについてin vitro, in vivoの抗菌活性を検討したので, その成績を報告する (図1)。
  • 1970 年 23 巻 3 号 p. 241-241,316
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 荒谷 春恵, 大西 黎子, 河野 静子, 建石 英樹, 君島 健次郎, 山崎 迪代
    1970 年 23 巻 3 号 p. 242-249
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 秋元 健, 小野 健司, 南保 俊雄
    1970 年 23 巻 3 号 p. 250-256
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Rifampicin (以下RFPと略) は, 1965年イタリアLepetit社1) によつて開発された半合成の抗生物質である (図1)。幅広い抗菌スペクトルを示し, 特にグラム陽性菌および結核菌に対して強力な抗菌性をもち, 経口的眼与しても優れた抗菌作用を示す。
    今回われわれは, その生体内運命をしらべる目的で, RFPをラットに経口投与し, 血中濃度, 尿および糞便中排泄, 組織内分布について検討したので報告する。
  • 宮地 徹, 印藤 克彦, 菊井 正紀
    1970 年 23 巻 3 号 p. 257-272
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Rifampicin [3-(4-Methyl-piperazinyl-iminomethyl)-rifamycin SV] は, Rifamycin SVから誘導された半合成抗生物質であり, 右に示した化学構造をもつ。
    Rifampicinは内服によつて使用し得る広域抗菌スペクトラム抗生物質であり, グラム陽性球菌, 結核菌に対する抗菌作用が知られている。われわれは, 本剤の毒性について, マウスおよびラットを使用して, 急性毒性試験, 亜急性毒性試験および慢性毒性試験をおこない, 各臓器における毒性を検討した。
  • 北本 治, 深谷 一太, 友利 玄一, 鈴木 敏弘
    1970 年 23 巻 3 号 p. 273-275
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Rifampicin (Rifamycin AMP, 以下RFPと略す) について, 既に私共は, 各種細菌に対する抗菌力, 家兎血中濃度, ヒトに連続投与したときの血中濃度, 尿中濃度, モルモットにおける臓器内濃度を測定した成績を述べ, 臨床使用成績を併おせ報告した1)。
    そのさい1例ではあるが, ヒトに12時間毎に450mg宛連続酌に経口投与したときの血中濃度曲線が, 図1のように, 2日半の観察期間中, ピーク値が次第に上昇を示し, 一見蓄積を示唆するような成績をえたことから, さらに多数例について, 長期間にわたつて, 連続投与時の血中濃度の推移を観察することが必要と思われた。
    一方, 食事摂取による血中濃度パターンの変動の有無については, Cross over2例の成績で, 1例において, 食後投与時, そのピークが5時間後にあるとの報告2) があり, この点もさらに検索する必要がみとめられた。これらの点に関して今度私共は, Volunteerを用いて検討したので, その成績について報告する。
    また, RFPの溶液作製のさい溶媒として通常Dimethylformamideが用いられているが3), このものはかなり強い抗菌活性をもつため, 代りにDimethylsulfoxideを試用したところ, 抗菌力は比較的低く, 溶媒として有用であり, その溶液は8ヵ月間安定であると報ぜられた。
    私共はかつて2, 3の細菌のDimethylsulfoxideに対する感受性を測定したところ, 原液の8倍希釈までは菌の発育阻止をみとめたが, 16倍希釈ではすべての被検菌の生育をみ, Dimethylsulfoxideの影響はおよんでいなかつた5)。これを日本化学療法学会標準法による細菌の抗生物質感受性検査のさいの, 薬液の希釈度に直すと, 100, 50, 25…0.8mcg/mlの寒天平板をつくつたとき, 50mcg/ml平板で, その影響はすでにないものとみなしえよう。今度, この2者をRFP溶媒として比較したので, その成績についても合わせて報告する。
  • 中沢 昭三, 金森 政人
    1970 年 23 巻 3 号 p. 276-278
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    微生物の抗生物質に対する耐性獲得の機序の1つとして, 不活化酵素の面から多くの研究報告がなされている。Penicillinase産生ブドウ球菌に対して合成Cephalosporin C系抗生物質であるCephaloridine (CER), Cephalothin (CET) が有効であるが, 特にCETに対して,E. coli NIH株は,in vitroにおいて急激に耐性化する。この耐性菌の産生するCephaiosporin C系抗生物質分解酵素であるCephaiosporinaseについて, 現在臨床上問題となつているブドウ球菌のPenicillinase (β-lactamase) と比較しながら, 物理化学的性状, 基質特異性の面から種々検討を加えた。今日までに得られた成績について報告する。
    Cephalothinの構造式および酵素分解を受けると考えられる部位は右に示すとおりである。
  • Kujimycins A, Bのマウス実験感染症に対する治療効果
    並木 信重部, 大村 貞文, 柴田 通教, 室 俊夫, 沢田 次郎
    1970 年 23 巻 3 号 p. 279-286
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Kujimycin AおよびBは,Streptomyces spinichromogenes var. kujimyceticusの培養炉液から著者等1, 2) によつて分離されたグラム陽性菌, 結核菌に有効な中性マクロライド群に分類される抗生物質である。Kujimycin Bは, その後の検討の結果, Lankamycin3) と同定され, Kujimycin AはDeacethyl-lankamycinの新抗生物質であることがみとめられた4)。これまで塩基性マクロライドの実験感染症における治療効果, および臓器内, 体液内分布については, Erythromycth (EM) 5~8), Leucomycin (LM) 7, 9~14), Oleandomycin (OLM) 7, 15~20), Spiramycin (SPM) 21~24), Josamycin (JM) 25, 26) 等について詳細に報告されているが, 中性マクロライドに関しては, ほとんど見当らない。これは, 中性マクロライドに属する抗生物質が, 塩基性マクロライドにくらべ,in vitro活性がいくぶん低いために, 治療薬として検討されていないためと考えられるが, 中性マクロライドと塩基性マクロライドの物理化学的性状の相違 (たとえば構成糖の違い, 各種pHにおける活性の変化, 溶解性等) によつて,in vivoにおける効果が,in vitroの活性に並行しないことも考えられる。また, 高平等27) の報告によれば, SPMのdi-およびmonoacyl体では, 感染治療実験での効果, 血中濃度とその持続性, 臓器内濃度において, SPMと異なる点もみとめられているので, Acetyl基1個だけが異なるKujimycin AとBの間においても,in vivoでの両物質の受ける活性化, または不活性化を含めた動態が異なり, そのために体内における治療効果が著るしく変ることも考えられる。また, 同じ菌による感染症においても, 感染部位によつて薬物のLocalizationが異なるために, 治療の難易がありうることは当然である。
    以上の観点から, 中性マクロライドと塩基性マクロライドを比較検討することは, 興味あることと考えて, 著者等はKujimycin AとBについて, 黄色ブドウ球菌の腹腔内感染, および皮下感染マウスに対する治療効果を塩基性マクロライド抗生物質と比較検討した。また, 溶血性レンサ球菌による皮下感染については, その強いHyaluronidase活性のためか, これまでに報告された例をみないが, 著者等はこの実験系の作成に成功したので, この系における治療効果についても検討した。さらにKujimycins A, Bの臓器内分布, 肝臓による不活性化についても検討した。
  • 梅沢 巌
    1970 年 23 巻 3 号 p. 287-297
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍の治療には, 外科的療法と放射線療法が広くおこなわれているが, これらの方法には, それぞれ治療限界がある。近年, これらと併用するか, または単独に化学療法が登場して来た。化学療法剤の研究は, 過去20年余の間に著るしく進歩した結果, Actinomycin D, Mitomycin C, Chromomycin A3, Bleomycin等の抗生物質, Amethopterin, 6-Mercaptopurine, 5-Flurouracil, Nitromin, Cytoxan等の化学合成剤, Vincristine, Vinblastine等の植物アルカロイドなどが治療に応用されるようになつた。ところが, 古くから研究されている細菌または細菌体から抽出した多糖体は, 治療効果が不安定であることと, 発熱性等の副作用がしばしばみられるので, 未だ実用化の域に達していない。
    ところで, 胃癌患者が2次的に化膿菌の感染を受けると腫瘍が消失するとか, または腫瘤の増殖が一時的に, あるいは長期間に亘つて抑制されるとか, 菌体成分を用いて腫瘤を縮小させた報告1), または生菌, 特に芽胞菌を注射すると菌が主として腫瘍組織に集り, Oncolysisをおこすことなどが報告されている2)。
    著者らは, 1965年慶応大学医学部外科の島田教授から, 胃癌患者の患部化膿創から得た膿試料の分与を得て,Escheriohia coli, Pseudomonas aeruginosa, Staphylococcus aureus, Streptocoms hemolyticusの4種の細菌を分離し, それら4菌種の培養液のマウス移植腫瘍に対する作用を試験したところ, 培養液および菌体がSarcoma 180皮下腫瘍に対して抗腫瘍性を示したので, 菌体からLipopolysaccharideを抽出して, 抗腫瘍性および毒性等をしらべて比較検討したところ, いずれの菌の抽出物にも, ある程度の抗腫瘍性をみとめたが, その中でStaphylococcusの抽出物は毒性および副作用が最も低かつた。
    そこで, 主として,Staph. aureusの培養菌体からWESTPHAL法3) およびBOIVIN法3) でLlipopolysaccharideを抽出して, 抗腫瘍性およびその他の生物学的性状をしらべたので, その成績を報告する。
  • 伊藤 達也
    1970 年 23 巻 3 号 p. 298-311
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児に対する化学療法は, 新生児代謝機能の未熟性から, 特殊な考慮が必要とされている。
    M. J. WEINSTEINらによつて1963年に報告されたGentamicin (以下GM) は,Micromonospora purpurea NRRL 2953およびMicromonospora echinospora NRRL 2985の生産する抗菌性物質10, 11) で, その抗菌力はグラム陽性, 陰性の広範囲の病原菌, 特に緑膿菌に著効を示し8, 9), 筋肉内注射によつて, 血液, 組織, 尿中で殺菌的濃度に達するという。
    しかし, 本剤は, 肝機能, 腎機能に影響があるとされているので, 私はこれを新生児に使用したばあいの吸収, 排泄, 特に諸種機能に及ぼす影響について検討し, あわせてその適正使用量を求めたので, ここに報告する。
  • 水野 重光, 松田 静治, 佐野 慎一, 丹野 幹彦
    1970 年 23 巻 3 号 p. 312-316
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 感染症治療にさいして化学療法剤相互の併用療法が日常盛んにおこなわれるに至つた。併用療法の目的として, 抗菌域の拡大, 混合感染の治療, 耐性獲得の軽減, 防止, 併用効果などが指摘されており, 既に配合量の定まつた市販の合剤も出現している。通常感染症の治療は, 起因菌の分離とこれに適合した薬剤の投与が理想ではあるが, 現実には, 菌検出の困難なことも少なくない。たとえば, 産婦人科領域でも骨盤内感染症, 新生児, 未熟児感染症などでは, 起因菌の検出不能または病期の関係で菌検査の困難なことが多く, このようなばあいは, 緊急の化学療法の必要性から, これらの併用療法が適応となることが多い。併用療法を目的とした抗生物質の合剤のうちBroadcillin ‘Banyu’は, Ampicillin (AB-PC) とOxacillin (MPI-PC) の合剤で, 両者の混合比は1:1である。このうちAB-PCは広領域という点では始めての合成PCで, グラム陰性桿菌などに対する治療効果は既に広く評価されているが, 球菌, ことにブドウ球菌に対する抗菌力は他のIsoxazolyl PCに較べて弱く, この点, 耐性ブドウ球菌に有効なMPI-PCをAB-PCに配合することは, 少なくともグラム陽性球菌を含めて広い抗菌作用が期待されることになり, したがつて, ブドウ球菌, レンサ球菌, 大腸菌, 嫌気性菌およびこれらの混合感染による骨盤内感染症, 新生児, 未熟児感染症の治療に本剤の有用性が期待されるのである (表1)。
    本稿では, 万有製薬から提供をうけたBroadcillinについて2, 3の基礎的実験成績とともに, 産婦人科領域の感染症および感染予防例に対する臨床応用成績について報告する。
  • 北村 公一
    1970 年 23 巻 3 号 p. 317-321,323
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Streptomyces natalensisから分離されたTetraene系抗生物質Pimaricinを主剤としたPimafucin軟膏を鳥居薬品 (株) から提供をうけ, 皮膚カンジダ症に使用する機会をえたので, その成績を報告する。
    われわのえた臨床成績の一部およびPimaricinの各種病原真菌に対する試験管内発育阻止濃度の成績は, Pimaricin軟膏臨床検討会参加した他施設における成績とともにすでに報告されている1, 2)。今回は, その後の臨床治験成績を追加し, 九州大学皮膚科における成績をまとめた。
  • 長田 伍, 吉沢 一太
    1970 年 23 巻 3 号 p. 325-329
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今まで糞便中の大腸菌と連鎖球菌の間に相関または, その逆の関係があるという報告があるので, 著者は糞便菌叢検索の一環として, 理論的には大腸菌を抑制し, 連鎖球菌にはあまり関係ないと思われるNalidixic acidを投与したときの糞便内連鎖球菌の変動を観察しようとした, また逆に, グラム陽性球菌を抑制するLincomycinを投与したときの大腸菌の変動をしらべようとしたが, いずれもこれらの薬剤で特定の菌を抑制するという目的は達せられなかつた。しかし, 臨床家としては興味ある結果がえられたので, 他の抗生剤についても少数例であるが検討した結果を報告する。
  • 三品 輝男
    1970 年 23 巻 3 号 p. 330-334
    発行日: 1970/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 抗生物質の目覚ましい進歩によつて, 術後の創感染に対する憂慮はほとんど皆無といつてよい。殊に, 泌尿器科領域においては, 感染尿路に加えられる手術創の治癒状況が一番問題であるが, これも術前の感受性試験をもとにした適切な抗生物質の選択によつて, このような創感染にほとんど注意を払う必要はなくなつた。一方, 最近の抗生物質の腎毒性についての報告もあいつぎ, 日常臨床上において抗生物質使用にあたつて, さらに十分な抗生物質に対する知識が必要とされるようになつた。今回, Cephalothin (Keflin ‘Shionogi’) の腎機能におよぼす影響について臨床データをまとめたので, ここに報告する。
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