The Japanese Journal of Antibiotics
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24 巻, 6 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 河原條 勝己, 小野田 昌子, 野宮 文三, 安部 政弘
    1971 年 24 巻 6 号 p. 249-255
    発行日: 1971/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    プロリノメチルテトラサイクリンは, 当社において研究開発された注射用テトラサイクリンの新らしい誘導体で, C28H33O10N3の分子式をもつ。水に溶けやすく, 淡黄色または黄色の結晶性粉末である。本物質は, グラム陽性菌, グラム陰性菌に対して, テトラサイクリンと同様に, 広範囲に抗菌活性をもつ物質である。
    本物質について細菌学的方面の検討をする機会を得,in vitroおよびin vivoの抗菌活性について, 2, 3の知見が得られたので報告する。
  • 小枝 武美, 柴田 右一, 中沢 正, 浅岡 宏康
    1971 年 24 巻 6 号 p. 256-264
    発行日: 1971/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    DUGGAR1) 14981によつてStreptomyces aureofaciensからAureomycin (Chlortetracycline) が, またFINLAY2)(1950) によつてS.rimzosmからTerramycin (Oxytetracycline) が分離された。これに続いて, CONOVERら3)(1953) によつて, Chlortetracyclineを脱塩素してTetracycline (TC) が得られ, 広範囲抗生物質として化学療法に大きな飛躍をもたらした。
    Prolinomethyltetracycllne (PMTC) は, 真山ら4)(1971) によつて新たに合成されたTCの水溶性誘導体である。
    TCの水溶性誘導体は, 従来TCにFormaldehydeおよびDialkylamine, Piperidine, Morpholincのような特定のアミノ化合物5) か, またはFormaldehydeおよびLysineを反応させることによつて得られることか知られているが6), PM-TCはTCにProlineを導入することによつて得られたもので, TCにくらべその特長は, 水に対する溶解度が高く, かつ広いpH域で溶解し高い血中濃度の持続が期待される点にあるが, 著者等はPM-TCの薬理作用について2, 3検討したので, その成績を報告する。
  • 斎藤 公司, 重城 利国, 橋爪 一光, 上原 昭夫, 柁原 昭夫, 竹村 喜弘, 女屋 敏正, 山田 隆司
    1971 年 24 巻 6 号 p. 265-271
    発行日: 1971/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ASTWOODとその研究グループ1, 2) は, 106種の抗甲状腺剤について, MCGINTY and BYWATERI3) は56種の抗甲状腺剤について報告をおこなつたが, その後約1,000種以上の薬剤が抗甲状腺作用をもつかどうかについて検討され, そのうち約300種が抗甲状腺作用をもつことが明らかにされた。こうした抗甲状腺剤の化学構造は様々であるが, 大部分の薬剤はThionamide群かAniline群かに属している4)。最近の研究によると5, 6),in vivoにおける甲状腺ホルモン合成は, 各種抗甲状腺剤によつて, 次に述べるような順序で抑制されると考えられている。(a) まずヨードタイロシンが縮合してThyroxine (T4) やTriiodothyronine (T3) が合成される過程が抑制され,(b) 次いで, Diiodotyrosine (DIT) の産生が抑制され,(c) 最後にMonoiodotyrosine (MIT) の産生が抑制されるのである。
    各種の抗生物質を動物に投与すると, 甲状腺機能を抑制するという報告8, 9) はあるが, しかし詳細に検討すると, いずれの報告も不確実な点をもつており, 抗生物質がホルモン産生を抑制すると断言するに足る証拠はない10~12)。
    最近BENITZ et al.13) は, 新らしいテトラサイクリンの誘導体であるMinocyclineをラッテに投与すると, 甲状腺が腫大することを報告し, NOBLE14) も, ラッテにMinocyclineを投与すると, 甲状腺上皮細胞の肥大することを報告した。こうした2つの研究は, 甲状腺重量や組織的変化にもとついたものであり, Minocyclineの甲状腺腫発生作用機序については全く触れていない。さらに, Minocyclineと化学構造上似た物質にやはり甲状腺を腫大させる作用があるかどうかについてもしらべていない。テトラサイクリン系の薬剤は, 日常広く使用される薬剤であることから, 本研究では, Minocyclineおよび誘導物質がどのようにして甲状腺腫を発生させるかを知るため, 各種条件下における薬剤の作用を追求した。
  • 1971 年 24 巻 6 号 p. 271-271,276
    発行日: 1971/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 特にエンラマイシンの吸収と排泄について
    近藤 茂
    1971 年 24 巻 6 号 p. 272-276
    発行日: 1971/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    エンラマイシン (Enramycin, Enduracidin) は, 北本2), 木下1), 真下34) 等の報告にみられるように, One shot administrationによつても, はなはだ長期間のBlood levelが維持される特異な抗生物質であると発表されており, その抗菌スペクトラムも, 中沢等35) によつて表1のように報告されている。
    本抗生物質は, 西宮市の土壌から分離された放線菌Streptomyces fungicidicus No.B 5477の菌体から抽出された塩基性ポリペプタイド抗生物質であり, 1970年いたつて, その分子は, 図1のように, ユニークな構造をもつていることが判明した。他の抗生物質にくらべて分子量も大きく, 17個のAmino acidとFatty acidをもつており, このFatty acidは炭素数12と13の2種類の不飽和酸が見出されている。
    今回, 著者は, 24時間間隔でエンラマイシンを筋肉内注射によつて投与した1まあいのBlood levelおよび尿中排出について, 健康人において検討し, 2, 3の新知見を得たので以下に発表する。
  • 横井山 繁行, 藤原 公策
    1971 年 24 巻 6 号 p. 277-281
    発行日: 1971/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    血清反応用マイクロタイター・システムを用いて, 希釈法によつて患者分離菌やマイコプラズマの抗生物質感受性をしらべる方法は, すでにBRAUN1), CHITWOOD2), HARWICK3), MCLOWRY5, 6), MARYMONT7) 等が種々の方法を報告しているが, 我々は主にマウス等の実験用小動物の体液内抗生物質濃度を同一個体で継続的に測定する目的で, マイクロタイター・システムの抗生物質生物検定法への応用を検討し, 再現性があると判断したので報告する。
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