Butirosin sulfateは, 1968年米国Parke-Davis社において開発された新らしいアミノ配糖体抗生物質である。通常の醸酵産物は, Butirosin A sulfateとButirosin B sulfateというPentose部分の異なる2種の異性体の混合物で, AとBの割合は, 85:15である。構造式は, 右のとおりで, 分子式はC
21H
41N
5O
12・2H
2O・2H
2SO
4, 分子量は787.8である。
本物質は, グラム陽性菌, 陰性菌に抗菌スペクトラムをもち, Gentamicin耐性緑膿菌にも有効であるといわれている。また, 本物質のマウスに対する急性毒性LD
50は, s. c. で2,951mg/kg, i. P. で1,585~2,512mg/kg, i. v.で323mg/kgを示すといわれている。
今回私どもは, Butirosin sulfateに関する細菌学的評価を構造類似の既知Kanamycin (KM), Gentamicin (GM) を比較薬剤としておこない, 2, 3の知見を得たので報告する。
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