The Japanese Journal of Antibiotics
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29 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 小酒井 望, 小栗 豊子
    1976 年 29 巻 2 号 p. 159-166
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Haemophilus属, とくにインフルエンザ菌 (H. influenzae) は, 髄膜炎, 中耳炎等の原因菌として重要で, また慢性気管炎, そのほか, 慢性呼吸器疾患から高率に検出され, これら呼吸器疾患の症状の悪化に密接な関係のあることは周知の事実である。インフルエンザ菌は一般のグラム陰性桿菌に有効な抗生物質に感性で, とくにAmpicillin (AB-PC) が強い抗菌力をもつところから, 本剤がインフルエンザ菌感染症に愛用されている。しかし最近, 英国1), 米国2) 等で本剤耐性のインフルエンザ菌が検出されるようになつた。
    私ども3) は, 1968~1969年に臨床材料, とくに喀痰, 咽頭粘液からのインフルエンザ菌および他のHaemophilus属の検出率およびそれらHaemophilus属の常用化学療法剤感受性を報告したが, わが国においては, インフルエンザ菌, その他Haemophilus属の薬剤感受性に関する報告は少なない。今回私どもは, 1975年前半に各種臨床材料から分離したHaemophilus属の薬剤感受性を測定し, 感受性の現況とその推移を検討したので報告する。
  • 石神 襄次, 三田 俊彦, 片岡 頌雄, 宮崎 重, 金田 州弘, 大西 真尚, 古川 玄教, 黒田 守, 広岡 九兵衛, 末光 浩, 富岡 ...
    1976 年 29 巻 2 号 p. 167-177
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Pipemidic acid (以下PPAと略) 1) は大日本製薬総合研究所において新らしく開発された抗菌性化学物質である。本剤は, 図1のような構造をもつPyridopyrimidine誘導体の1っであり, 現在すでに尿路感染症治療剤として広く使用されているPiromidicacid (以下PAと略) 2, 3) およびNalidixic acid (以下NAと略) と類似しているが, これらの薬剤にくらべ, いくつかの特徴をもつとされている。本剤は, 抗菌作用の面で緑膿菌や変形菌にも有効であり, PAおよびNA耐性菌にも抗菌力をもち, 動物実験におけるグラム陰性菌感染症にすぐれた効果を示し, その作用はCephalexin, Ampicillin, Carbenicillinなどの抗生物質より強いといわれる4)。また, 本剤は, 経口投与によつて消化管からよく吸収され, 体内でほとんど代謝をうけることはなく, 大部分が主として尿中に排泄されるといわれている5)。
    今回, われわれは本剤の尿路感染症に対する有効性, 安全性を評価する目的で, 類似薬剤でかつ現在広く臨床的に使用されているPAを対照薬剤として二重盲検法によつて, 両薬剤の治療効果, および副作用について比較検討した。
  • 金沢 裕, 倉又 利夫
    1976 年 29 巻 2 号 p. 178-183
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいMacrolide系抗生剤の1つであるMidecamycin1) について, 臨床検査としてのディスク法による感受性測定法を検討したので報告する。
    Midocamycinのように, 新らしく出現した薬剤の臨床的な感性, 耐性に相当する最小発育阻止濃度MIC値の基準は全く不明で, 多くの起因菌について得たMIC値と薬剤投与による臨床効果との集計の上に, 将来定められるべきものであり, したがつて適当に規定された実験条件でのMICを推定することが臨床的感受性検査の目的と考えられる。この目的に沿うように, われわれは, 単一ディスク (Single-disc) を用いるMIC測定を含めた化学療法剤の感受性測定についてたびたび報告してきた2幻5)。今回は, Midecamycinについても本法が適用されるかについて検討した。
  • 佐藤 肇, 中沢 進, 近岡 秀次郎, 山口 剛
    1976 年 29 巻 2 号 p. 184-188
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新経口Cephalosporin系製剤S-640P (Cefatrizine, CFT)(万有製薬) は, 従来一般臨床的に使用されているこの種製剤Cephalexin (CEX) と比較して, その抗菌性がグラム陽性菌では2~4倍, グラム陰性菌では4~8倍優れており, 吸収後も代謝されず, 活性抗菌性がよく諸臓器に分布し, また低毒性であることも動物実験上証明されている1-3)。Cephalosporin系製剤に対して狸紅熱の原因菌であるβ-Streptococcusは感性であり, CEXを使用しての治療成績も狸紅熱研究会その他からの報告からその優秀性がみとめられている4, 5)。
    私等はすでに小児急性感染症6種類, 計47例を本剤の内服を主体として治療し, 大半の症例に満足すべき成績の得られたことを報告してきた6)。今回, 狸紅熱を本剤のDry syrupで治療し一連の成果が得られたので, 今同までの概況について以下報告したいと思う。
  • 伊藤 健次郎, 伊沢 清, 田中 豊, 小暮 一弘, 斎藤 孝, 豊田 俊明
    1976 年 29 巻 2 号 p. 189-196
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    This paper describes briefly the results obtained with AMPC(Pasetocin®)administered by oral route to 21 patients with infection of the respiratory tract.
    1. There was no difference in therapeutic effect on infection of the respiratory tract between daily dosages of 1,000mg and 750mg(the former was orally given in 4 divided doses every 6 hours a day and the latter in 3 divided doses after meal).The response of the patients to AMPC was remarkable or satisfactory. 2. Acute aggravation symptoms associated with chronic infection of the respiratory tract showed similar improvement to single acuto infection of the respiratory tract. 3. The patients presenting acute aggravation symptoms received treatment for chronic stage consisting of consecutive oral administration of AMPC(500-750mg a day)and their prognosis was favorable.Side effects attributable to prolonged treatment were not noted. 4. The incidence of side effects can be reduced largely by rejecting from AMPC therapy the patients who are hypersensitive to drugs including penicillins.
  • 東 文生
    1976 年 29 巻 2 号 p. 197-200
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科領域の細菌感染症に対して, 経口用合成ペニシリン製剤の使用は, その副作用が比較的少いために賞用されている。
    今回, Ampicillin (以下, ABPCと略す) と同様, 広範囲の抗菌スペクトルおよび抗菌力をもち, 経口投与時にすぐれた吸収性があり, ABPCと同量の内服によつて約2倍の血中濃度が得られるといわれているAmoxicillin (以下, AMPCと略す) が英国Beecham社研究所で開発された。
    本剤の構造式は, 図1に示すとおりで, ABPCのBenzene核のpara位に水酸基を導入したもので, 白色粉末, 酸に安定である。今回, 本剤を協和醗酵工業から提供を受け, 耳鼻咽喉科領域における細菌感染症患者に試用する機会を得たので, その臨床成績の大要を報告する。
  • 附: 物理化学的性質
    山下 喬, 螺良 英郎, 福田 友昭
    1976 年 29 巻 2 号 p. 201-206
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    OE-7 (主成分はステアリン酸エリスロマイシン) の基礎的研究として,物理化学的性質の検討,および人による血中濃度,尿中排泄量の測定をおこない,次の成績を得た。
    1) OE-7は顆粒剤に腸溶性皮膜をコーティングし, さらに胃溶性の硬カプセル剤としたものである。
    2) OE-7カプセル内容物 (顆粒) の耐酸性は良好で, しかも腸溶性はすぐれたものである。
    3) OE-7を成人健康者に内服させたところ, 従来のステアリン酸エリスロマイシンカプセルと比較し, 比較的個体差の少ない血中濃度が得られた。
    4) OE-7の平均血中濃度は, 従来のステアリン酸エリスロマイシンカプセルと比較し, 高く, しかも有効濃度の持続性に優れていた。
  • 1976 年 29 巻 2 号 p. 207-218
    発行日: 1976/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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