The Japanese Journal of Antibiotics
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29 巻, 3 号
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  • 小酒井 望, 小栗 豊子
    1976 年 29 巻 3 号 p. 229-237
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gentamicinは, 最初に出現した抗緑膿菌性アミノグリコシッド剤として, 緑膿菌感染症に推奨されている。しかし, 本剤は緑膿菌ばかりでなく, 他のグラム陰性桿菌, とくに多数の常用化学療法剤に耐性 (いわゆる多剤耐性) のグラム陰性桿菌にも強い抗菌力をもち, まだ本剤耐性菌が少ないところから, これらの菌による感染症に有用と考えられる。
    私どもは最近, 臨床材料から分離した主要病原細菌の本剤に対する感受性を測定し, 同時に他のアミノグリコシッド剤およびその他の常用抗生物質に対する感受性をも測定し, 抗菌力からみた本剤の有用性を検討した。
  • 上田 泰, 松本 文夫, 斎藤 篤, 嶋田 甚五郎, 小林 千鶴子, 大森 雅久, 柴 孝也, 山路 武久, 三枝 幹文, 井原 裕宣
    1976 年 29 巻 3 号 p. 238-246
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gentamicinがわが国で臨床使用されたのは今から約10年前であり, 本剤はそのすぐれた抗菌力によつて広く用いられている。しかし, 近年Gentamicin耐性菌の出現とその増加が報告され, 本剤に対する再検討の必要性が生じてきた。今回われわれは, Gentamicinの抗菌力, 吸収排泄, ラットの腎に対する影響および臨床効果について, ここ数年間さらに検討したので, その成績をのべる。
  • 岡本 緩子, 大久保 滉, 右馬 文彦, 上田 良弘
    1976 年 29 巻 3 号 p. 247-255
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近時, Aminoglycoside系抗生剤の開発が進み, 1963年WEINSTFINら1) によつてGentamicin (以下GMと略す) が発表されて以来, 種々類似の抗生剤が開発され, また開発中である。
    新らしいAminoglycoside系抗生剤が開発されるたびに, GMが比較対照薬剤として用いられているが, 我が国におけるGMの使用状況は, 諸外国におけるそれと異なり, 現在なおPseudomonasおよびProteusによる敗血症, 尿路感染症および中耳炎の治療に主として用いられている。今回我々は, GMの広域抗菌スペクトラムからみてこれらの疾患に限らず, 内科領域において対象となしうる感染症 (原因菌もPseudomonas, Proteusに限らず, グラム陰性桿菌および陽性菌による感染症) のGMによる治療を試みたので, ここに報告する。
  • 中沢 進, 佐藤 肇, 渡辺 修, 藤井 尚道, 平間 裕一, 岡 秀, 近岡 秀次郎
    1976 年 29 巻 3 号 p. 256-263
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gentamicin (GM) は, 各種グラム陰性桿菌類ならびにブドウ球菌等に対して強い抗菌性をもつ広域抗生剤の1つであるが, 現在この種起因菌による疾患の治療に使用され優れた成績の報告が多数にみられる1)。私等も, 各種小児疾患に使用し, その臨床効果に著明なもののあることを報告しておいた2)。また, 私等が関係している日本化学療法学会母子化学療法研究会において本邦小児に対する本剤の適正使用量について検討し, その成果について報告してきた3)。
    本剤は, 他のAminoglycoside系抗生剤と同様に, 使用に当つては第8脳神経および腎に対する副作用に注意すべきであるが, 本邦小児科領域でのこの方面の報告は意外に少ないように思われる。
    現在, 本剤の保健診療上許可されている範囲は非常に限定されているようであるが, 今回私等はこの範囲を越えた使用法を各種小児疾患の治療に応用し, GMの小児科領域における再検討をおこなつてみたので, 以下今回までの臨床成績を中心として報告したいと思う。
  • 石山 俊次, 中山 一誠, 岩本 英男, 岩井 重富, 鷹取 睦美, 川辺 隆道, 坂田 育弘, 大橋 満, 村田 郁夫, 杉山 博昭
    1976 年 29 巻 3 号 p. 264-272
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gentamicin (GM) の基礎的, 臨床的研究に関しては, すでに報告している1) が, 今回は, 再検討という意味を含めて, 基礎的, 臨床的に検討を試みた。最近外科病巣から分離された各種病原菌について, GMおよびその他の抗生剤に対する感受性を測定し, 血中濃度および尿中排泄については, あらたに60mg筋注したばあいについて測定をおこなつた (前報告では40mgおよび80mg筋注について測定した)。
    また, ラットに20mg/kgの割合に筋注したときの臓器内濃度を検討した (前報告では40mg/kgについて測定した)。臨床的には, 外科感染症20例にGMを使用し, 臨床効果, 検出菌および副作用などを検討した。
  • 藤本 幹夫, 上田 隆美, 平尾 智, 酒井 克治
    1976 年 29 巻 3 号 p. 273-282
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    広域抗菌スペクトラムをもち, かつグラム陰性桿菌に対して強い抗菌力を示す抗生剤としてGentamicin (以下GM) がWEINSTEINら1) によつて報告されて以来, これによる治験例がすでに数多く発表されている。しかし, 本邦では, 本剤は主として緑膿菌感染症にもちいられており, その他の感染症に対する臨床成績の報告は, まだ多くはない。それで,以下には, 種々の細菌による外科的感染症に対するGMの効果を検討した結果を報告する。
  • 石井 哲也, 横山 隆, 岸 大三郎, 中井 志郎, 杉原 英樹, 古本 福市
    1976 年 29 巻 3 号 p. 283-290
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1963年, WEINSTEINら1) がGentamicin (以下GMと略す) を発表して以来, 米国を始め諸外国では, GMは各種感染症の治療に用いられ, 多くの治験報告がなされている。
    我が国においては, 尿路感染症以外の領域の治験報告は未だ多くない現状である。したがつて, 今回我々は, 当外科教室において治療をおこなつた感染症の中から, GMの治験症例を選び報告する。
  • 主として複雑性尿路感染症を対象としたGentamicin注の使用経験について
    水戸部 勝幸, 丹田 均, 青山 龍生, 丸田 浩, 古屋 聖児, 西尾 彰, 木村 正一, 藤田 征隆, 宮本 慎一, 生垣 舜二, 塚本 ...
    1976 年 29 巻 3 号 p. 291-298
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1963年WEINSTEINら1) によつて発表されたAminoglycoside系抗生剤Gentamicin (以下, GMと略す) は, 抗菌作用が広域ではあるが, 我国では主としてPseudomonasおよびProteusによる感染症の治療に用いられている。
    近来, 種々の抗生剤が開発されており, なかでも合成ペニシリン製剤およびセファロスポリン系の薬剤は, グラム陽性菌に対してばかりでなく各種グラム陰性菌に対しても抗菌作用をもち, 毒性が低いことから, 現在種々の感染症に対して広く用いられている。反面, これらの抗生剤に対する耐性菌も数多く発見され, 難治性感染症に対する適当な抗生剤の選択は, 患者の予後に対して, 重要な問題となつている。
    Aminoglycoside系抗生剤は, GMも含めて, 未変化のままで高濃度が尿路系から排泄されることから, 尿路感染症には広く用いられている。
    現在GMは, PseudomonasおよびProteusによる感染症に主として用いられているが, 前述のように, 各種抗生剤に耐性をもつ病原菌の発現もみられるので, GMをPseudomonasおよびProteusによる感染症に限らず, 主として難治性尿路感染症に使用した治療経験について,ここに記載する。
  • 河村 信夫, 大越 正秋, 斎藤 豊一, 生亀 芳雄, 小川 秀弥
    1976 年 29 巻 3 号 p. 299-302
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ゲソタミシンは, Pseudomonas, Proteusに有効な薬剤として広く知られているが, その他の菌についても適応があり, また現に欧米諸国では広く他の種の菌の感染にも, 術後の感染防止にも使われている。
    今回我々は,Pseudomonas, Proteusも含み, 各種の菌の感染症にゲソタミシンを使用してみた。その効果について報告する。
  • 藤村 宣夫, 福川 徳三
    1976 年 29 巻 3 号 p. 303-308
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gentamicin (以下GMと略す) は, 米国Schering社のWEINSTEINら1) によつて1962-1963年にかけて研究開発されたMicromonospora purpureaから産生される抗生物質であり, 本邦においては, Pseudomonas, Proteusによる感染症を主体に臨床に供されてきた。
    しかし, 近年, 多剤耐性菌の増加にともなつて, Pseudomonas, Proteus以外の菌による感染症に対してもGMの投与を必要とする症例をしばしば経験するようになつた。
    そこで, われわれは最近, 尿路感染症にGMを使用した症例について検討を加えてみた。
  • 熊沢 浄一, 中牟田 誠一, 稗田 定, 武居 哲朗, 百瀬 俊郎
    1976 年 29 巻 3 号 p. 309-317
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gentamicin (以下GMと略す) が尿路感染症を含め各種感染症に有用であることは, すでに広く知られている。われわれは, 1959年以来, 尿路分離菌の菌種とその化学療法剤感受性について報告してきたが, GMに対しては, Enterococcusなどを除くと, 最も高い感受性率を示しており, 感受性検査成績からみると, 切り札的存在であると述べている10, 11, 14)。
    実際の臨床面においても, この感受性検査成績を基にして, 難治性複雑性症例に対して頻用してきた。しかし最近, GM耐性菌がやや増加してきているとの報告もあり1, 2, 8, 17, 18), この時点でGMの臨床効果を再検討するのは有意義なことと思われる。
  • 近藤 捷嘉, 平野 学, 鎌田 日出男, 新島 端夫
    1976 年 29 巻 3 号 p. 318-324
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gentamicin (以下GMと略す) は, グラム陽性球菌, グラム陰性桿菌いずれにも強い抗菌力をもつアミノ配糖体系抗生剤であり, すでに多くの報告がみられる。著者らは, さきに種々の尿路感染症, 特に耐性株を含む大腸菌感染症を中心にGMの効果を検討し報告している1)。今回は, なにかの基礎疾患をもつ複雑性尿路感染症を中心として, 特にPseudomonas感染症に対しGMを投与した症例について報告する。
  • 二宮 敬宇, 甲畑 俊郎, 今村 博務, 望月 泉, 渡辺 邦友, 上野 一恵, 鈴木 祥一郎
    1976 年 29 巻 3 号 p. 325-331
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Tinidazole (1-[2-(Ethylsulfbny1)]-2-methy1-5-nitroimidazole) は, 新らしく開発された抗原虫剤である。本剤は, Trichonasに対しMetronidazoleより強い抗原虫作用をもつと報告されている1, 2, 3)。本剤と同じImidazole系のMetronidazoleが嫌気性菌に対して強い抗菌力をもつことは, 上野によつて初めてIn vitro, In vivoにおいて報告された4, 5)。これ以後, Metronidazoleの嫌気性菌に対する抗菌作用に関する多くの検討がなされ, 現在では, 本剤は嫌気性菌による感染症に対する最も有効な化学療法剤の1つとして評価されている6, 7, 8)。Tinidazoleもまた, 嫌気性菌に対してMetronidazoleと同様に強い抗菌作用をみとめたので報告する。
  • 堀内 信宏, 大河原 紀代, 阿武 義人, 服部 幸夫, 佐藤 賢士, 徳久 隆成, 野瀬 善光, 林 宏海, 藤川 栄吉, 柳原 照生, ...
    1976 年 29 巻 3 号 p. 332-339
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amoxicillin (α-Amino-p-hydroxybenzyl penicillin) は, Fig. 1のような構造をもつ経口用の広範囲スペクトルの合成ペニシリンである (以下AMPCと略す)。抗菌スペクトルおよび抗菌力は, ほとんどAmpicillinと同程度であるが, 経口投与時の吸収率が高く, 血中濃度は同量のAmpicillinの2~3倍に達する1, 2, 3, 4)。同時に, 吸収は食餌によつて大きく左右されることがないのも特徴だとされている5)。
    今回, われわれは, 呼吸器感染症30例に対して協和醸酵から供与されたAmoxicillinを使用して薬剤の臨床効果と副作用について検討を加えたので報告する。
  • 沢木 修二, 北村 馨, 佐藤 靖, 高橋 誠
    1976 年 29 巻 3 号 p. 340-343
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科領域の各種感染症では, ブドウ球菌が最も多く検出されることはよく知られているが, 近年その耐性菌増加が治療上の問題となつている。
    今日広く使用されている合成ペニシリンAmpicillin (AB-PC) は, 耐性ブドウ球菌 (Penicillinase産生菌) には無効である。今回われわれは, 耳鼻咽喉科領域における急性感染症に対しAB-PCに比較して, 耐性ブドウ球菌用合成ペニシリンであるCloxacillin (MCI-PC) とAB-PCとの合剤レクトシリン (1対1の合剤) が治療効果において勝つているか否かを検討したので報告する。
  • 1976 年 29 巻 3 号 p. 302-
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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