The Japanese Journal of Antibiotics
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29 巻, 9 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 秋吉 正豊, 矢野 三郎, 池田 剛
    1976 年 29 巻 9 号 p. 771-782
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Spectinomycinは, 次のような化学構造をもつており, アミノサイクリトール系抗生物質に属しているが, 化学構造および抗菌作用序はStretomcin (SM) およびKanamcin (KM) 等とは多少異なつている1)。
    Spectinomycinのヒト聴器に対する影響は, すでにNOVAK et al.(1974) 2) によつて報告されており, 8g/day, 21日間筋肉内注射では, 聴器に対する障割作用はみとめられていない。
    今回われわれは,臨床投与予定量の10倍量および20倍量の1回投与, および臨床投与予定量の2倍量の4週間投与をそれぞれモルモットについておこない, 聴器に対する影響を20KHzから500Hzまでの周波数範囲における周波数別耳介反射試験による聴覚検査と, 実験終了後における内耳および腎, 肝の病理組織学的検索をおこなったので, これらの結果について報告したい。
  • 中山 一誠, 岩井 重富, 川辺 隆道, 坂田 育弘, 村田 郁夫, 大橋 満, 水足 裕子, 石山 俊次
    1976 年 29 巻 9 号 p. 783-788
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminocyclitol系抗生物質であるSpoctinomycinについて, 2, 3の検討をおこなった(Fig.1)。本剤は, アップジョン中央研究所において1961年に開発され, 本剤の硫酸塩に関しては, すでに1965年におこなわれた第12回日本化学療法学会東日本支部総会において, 検討された。今回我々は, スペクチノマイシン塩酸塩について, 抗菌スペクトラム, 臨床分離株に対するMICおよび血中濃度, 尿中排泄, 臓器内分布および生体内代謝について検討した。
  • 大槻 雅子
    1976 年 29 巻 9 号 p. 789-800
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    淋菌に対するSpectinomycinとPenicillin Gの抗菌作用を検討した。臨床分離淋菌に対する感受性は, Penicillin Gでは0.011~6.25μg/mlと幅広い範囲に分布を示し, 耐性菌もみとめられたが, Spoctinomycinでは3.13~12.5μg/mlに分布を示し, 約60%は6.25μg/mlの感受性を示し, Penicillin G耐性菌にも良好な感受性を示した。感受性相関は全くみとめられなかつた。
    ブイヨン培地を用いた両薬剤の殺菌作用の検討では,Spoctinomycin 12.5μg/ml以上の添加によつて短時間内に著明な殺菌作用をみとめたが, Penicillin Gでは, 濃度に応じBactericidalまたはBacteriostaticな作用をみとめた。また, Penicillin GとSpectinomycinの併用についても検討をおこなつたところ, 両剤間に協力作用がみとめられ, 同時添加において最も著明な協力効果を観察することができた。
    次に, これら両剤の抗菌作用像について走査電子顕微鏡による立体的な形態観察を行つた結果, Spectinomycin 6.25μg/mlの作用では, その形態にはほとんど変化がみとめられなかつたが, 62.5μg/mlの作用で菌体表層のあれや, 突起様構造物や突起用構造が遊離したような像を観察することができた。Ponicillin G 0.19μg/ml作用では, 1時間作用時に分裂阻害像が観察され, 時間の経過とともに菌体の膨化や溶菌像を観察でき, 1.9μg/ml作用では, これらの膨化, 溶菌像が早い時期に観察することができた。
  • マウス・ラットの新生仔生後発育に及ぼす影響
    松崎 明紀, 阿久津 貞夫, 島村 達夫, 吉田 昭雄
    1976 年 29 巻 9 号 p. 801-811
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Fusaric acidは, 1934年に藪田等1) によつて微生物の生産する抗菌性物質として発表され, その後, 日高, 永津, 梅沢等2, 3) によつてDopamineβ-hydroxylaseの阻害作用が見出され, その酵素阻割機構および降圧作用に関する研究がなされてきた。著者等は,すでにFusaric acidのCa塩(以下FA-Caと略す)について, DDB4系マウスおよびWistar系ラットを用い, 妊娠時経口投与による胎仔に及ぼす影響について検討し, その催奇形性のないことを報告した4)。今回, 前述のマウスおよびラットを用い妊娠時経口投与による新生仔生後発育に及ぼす影響について検討したので, その成績を報告する。
  • Cefatrizine大量投与時のマウス・ラットの胎仔および新生仔の発育に及ぼす影響
    松崎 明紀, 阿久津 貞夫, 島村 達夫, 本多 秀雄
    1976 年 29 巻 9 号 p. 812-825
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいセラァロスポリン系経口抗生物質であるCofatrizine (以下S-640Pと略す) について, 著者等はすでにその催奇形性に関して第1, 2報で催奇形性のないことを譲告した1,2)。
    今回, DDB4系マウスおよびWistar系ラットを用い, さらに大量のS-640Pの経口投与をおこない, 胎仔に及ぼす影響および出生後の新生仔の発育に及ぼす影響について検討したので乳その成績を報告する。
  • 安部 史紀, 坪崎 正寿, 佃中 建志, 加藤 仁紀, 吉岡 修, 松田 明
    1976 年 29 巻 9 号 p. 826-833
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ブレオマイシンを油中に懸濁させた新剤型の油性ブレオマイシン (油性BLMと略す) について, その局所内滞留性, リンパ指向性について検討した。
  • 安部 史紀, 一町田 裕子, 山下 巧, 山口 志保子, 吉岡 修, 松田 明
    1976 年 29 巻 9 号 p. 834-840
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    油性ブレオマイシン (以下油性BLMと略す) は, ブレオマイシンをゴマ油中に分散懸濁させた新剤型である。前報に述べだように, 従来のブレオマイシンに比較して, 組織内滞留煙およびリンパ指向性を特徴とする。今回我我は, 油性BLMを用い, マウスEHRLICH癌およびWHT扁平上皮癌の治療実験をおこなつたので報告する。
  • 横田 正幸, 小滝 益三, 小枝 武美, 佐藤 喜一, 秋吉 正豊
    1976 年 29 巻 9 号 p. 841-849
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    複合トローチ明治は, 硫酸ララジオマイシン (以下FRM) および塩酸グラミシジンS (以下GRMN) を主剤としたトローチ剤で, 両者の相加作用によつてグラム陰性菌, 陽性菌を含む広範囲の病原菌に対し抗菌作用を示し, 口腔・咽喉頭および上気道粘膜感染症に対する有効性が報告されている1~11)。
    FRMは, Fig.1に示した構造式をちつアミノ配糖体系抗生物質であるが, 従来からアミノ配糖体系抗生物質はいずれも程度の差はあるものの聴覚器障害をもつことが報告されている12~49)。これらの点から, 今回, 著者等は, 雄性モルモットを用い, FRMとGRMN混合末を経口 (p.o.) 投与し, 聴覚器への影響について耳介反射域値の変動および蝸牛の病理組織学的検索によつて検討した。さらに, 投与経路による差についても検討するため, FRMを皮下 (s.c.) 投与した。その結果, いくつかの知見を得たので, 以下報告する。
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