The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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30 巻, 1 号
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  • 小野 尚子, 大槻 雅子, 中沢 昭三
    1977 年 30 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしく注射用Clindamycinとして開発されたClindamycin-2。phosphateについて, Clindamycinを比較薬剤として細菌学的評価をおこなつた。Clindamycin-2-phosphateの抗菌力は, かなり弱いが, Clindamycin-2-phosphateが生体内で代謝されて生じるClindamycinは, グラム陽性菌, 陰性球菌に抗菌スペクトラムをもち, 抗菌力も優れていた。抗菌力に及ぼす諸因子の影響では, 培地pHによつて抗菌力に変動をうけ, アルカリ性側で抗菌力が増強し, 接種菌量の影響では菌量による抗菌力の変動はあまりみられなかつた。マウス実験的感染症における治療効果では, Clindamycin-2-phosphateのin vitro抗菌力がClindamycinにくらべ劣つていたのに反し, マウスin vivo抗菌力は, Clindamycinとほぼ同程度の治療効果が得られた。
  • 熊田 徹平, 多賀谷 茂, 渡辺 晴雄, 清水 喜八郎
    1977 年 30 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin (以下CLDMと略す) は, 経口剤として広く用いられているが, その静注剤を使用したので, 成績を報告する。
    CLDMは, グラム陽性球菌, マイコプラズマ感染症に用いられるが, 近年, 嫌気性菌に有効なことが知られ1, 2), 特に静注使用は重症な嫌気性菌感染症に適応があると考えられる3, 4) 。
    われわれは, 嫌気性菌による細菌性心内膜炎および化膿性胸膜炎の2症例に本剤を使用した。
  • 小林 章男, 佐藤 重明, 伊藤 達雄, 内海 武彦, 菊池 典雄, 今野 暁男
    1977 年 30 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    嫌気性菌の培養方法が開発され普及されるにしたがい1, 8, 29), 臨床材料から無芽胞嫌気性菌はかなり高頻度に分離されるようになつた2, 3, 6, 29) 。しかし, この菌はしばしば他の嫌気性菌や好気性菌を伴なつて分離され2, 8), その病原性が不明であるばあいも非常に多い。この菌が純培養状に検出され, 病原的意義の明らかな症例は必ずしも多くはない。これら無芽胞嫌気性菌のなかで, かなりの比率を占めるBacteroides fragilis26) は, 現在病院で頻用されているペニシリン系, セファロスポリン系, およびアミノグリコシッド系抗生剤に多くの株が耐性であり2, 8, 23, 26), 治療上1つの落し穴となつている。
    この菌にクリンダマイシンが有効であることは, すでに多く試験管内5, 10, 13, 14, 16, 30) および臨床的6, 12~17) に証明されている。われわれも, 臨床的効果をみとめ報告したが7), 今回はおもに, 注射用のリン酸クリンダマイシンを重症無芽胞グラム陰性嫌気性菌感染症に投与したので, その臨床成績について報告する。
  • 真下 啓明, 国井 乙彦, 深谷 一太, 木村 幹男, 小松 喬
    1977 年 30 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 一功, 泉 昭, 小松 勝彦, 森 健, 池本 秀雄
    1977 年 30 巻 1 号 p. 27-29
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Streptomyces lincolnensisの産生するLincomycinの誘導体であるClindamycin (7-chloro-lincomycin) は, 広い抗菌スペクトルと強い抗菌作用をもつことが知られ, 広く臨床に供されているが, 今回Clindamycinの新らしい誘導体であるClindamycin-2-phosphateを使用する機会をえたので, 僅か3例ではあるが報告する。
    本剤の化学名は7 (S)-Chloro-7-deoxylincomycin-2-phosphateで, 分子式はC18H34O8N2SCIP, 分子量は504.97, 水にやや難溶の白色粉末であり, 構造式はFig.1のとおりである。
  • 富岡 一, 小林 芳夫
    1977 年 30 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    化学療法剤の進歩とともに, Escherichia coli, Klebsiella, Pseudomonas aeruginosa 等のグラム陰性桿菌 (GNR) 感染症が注目されている。
    同時に, 嫌気性のBacteroides fragilis感染症の重要性が指摘され, 臨床材料からの検出率の増加が指摘されている1) 。慶応病院においても, 同様の傾向がみとめられ, 1972年からはB.fragilis敗血症例も経験されるようになった2) 。このB.fragilisは, 一般的にいわれているGNRとは薬剤感受性パターンが具なり, Aminoglycoside系抗生剤, Cephalosporin系抗生剤に耐性で, かつPenicillin系抗生剤に対する感受性も低く, Macrolide系抗生剤, Tetracycline (TC) 系抗生剤, Lincomycin (LCM), Clindamycin (CLDM), Chloramphenicol (CP) 系抗生剤に感受性がみられる3, 4) 。なかでもCLDMの抗菌力が最も優れている3, 4, 5) 。しかし同時に, CLDMとAminoglycoside系を併用することによつて, Gentamicin (GM), Amikacin (AMK) 等のP.aeruginosa, E. coli等に対する抗菌力が低下するとの報告もあり6, 7, 8), 混合感染症治療時のCLDMの投与方法に問題をなげかけている。また, Tetracycline系抗生剤に対する耐性株の出現も指摘されており, B.fragilis感染症に対する対策は, 未だ解決されていない多くの問題が残されている。
    そこで今回は, B.fragilis感染症の研究の一環として, B.fragilisの臨床材料からの検出状況, 各種抗生剤に対する年度別耐性率, 病巣由来別耐性率を検討し, さらにCLDMとGM, LCMとGMのP.aeruginosa, E. coli, Klebsiellaに対するin vitroにおける併用効果を検討し, また, 静注用CLDMを使用する機会を得たので, 使用治験をあわせて報告する。
  • 中川 圭一, 渡辺 健太郎, 可部 順三郎, 木原 令夫
    1977 年 30 巻 1 号 p. 36-38
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin-2-phosphate (CLDM-Pと略す) は, すでに市販されているClindamycin (Dalacin) の注射剤で, 筋注または静注で投与すると, 体内で分解されClindamycin (CLDMと略す) となる。CLDMは, Lincomycin (LCMと略す) と同様, グラム陽性球菌1), および嫌気性菌2) にすぐれた抗菌力を示すことが知られている。
    われわれは, CLDM-Pを10例の呼吸器感染症に投与するとともに, CLDM-P600mg筋注時の血中濃度および尿中排泄率を測定したので, これらの成績について報告する。
  • 藤森 一平, 島田 佐仲, 小泉 宏
    1977 年 30 巻 1 号 p. 39-41
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用クリンダマイシン (Clindamycin-2-phosphate) は, 新らしい半合成抗生剤で, 生体内で分解されてClindamycinとなり, 抗菌作用を示すとされている。我々は, 各種感染症にこの薬剤を使用したので報告する。
  • 沢江 義郎, 滝井 昌英
    1977 年 30 巻 1 号 p. 42-50
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin (CLDM) は, Lincomycin (LCM) の誘導体として登場し, グラム陽性球菌およびグラム陰性球菌, さらにマイコプラスマや嫌気性菌などに優れた抗菌力をもつており, 日常診療にひろく使用されている1, 2)。しかし, LCMと異なり, これまでは内服剤だけしかなく, 注射剤の開発が望まれていた。
    そこで, Clindamycin-2-phosphate (以下CLDM-Pと略) が静脈内および筋肉内投与が可能なものとして開発された。CLDM-Pそのものの抗菌力はCLDMにくらべてかなり劣るが, 血中で分解されてCLDMとなり, CLDMと同等の抗菌力が得られるといわれている3) 。
    われわれは, CLDM-Pの点滴静注時および筋注時の血中濃度をCLDMとして測定するとともに, 肺炎症例に使用し, その臨床効果を検討したので報告する。
  • 今岡 誠, 宇塚 良夫, 野口 行雄, 渡辺 貴和雄, 松本 慶蔵
    1977 年 30 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Macrolide系抗生物質に抗菌力その他の生物学的活性がきわめて類似するLincomycin (LCM) は, Erythromycin (EM), Oleandomycin (OM), Leucomycin (LM), Spiramycin (SPM) などの従来のMacrolide系抗生物質と同様, 血中濃度は低いが, 臓器内濃度, ことに肺内濃度が高い点から, 呼吸器感染症に多用されている。抗菌力の点からもLCMは, Macrolide系抗生物質と同様, 肺炎球菌, 連鎖球菌に対して優れた抗菌力をもつばかりでなく, LM, SPMのGroupとともに, 病原ブドウ球菌に対し, やや特異的な抗菌力をもつ点が注目されて来た。経口用Clindamycinは, すでにUpjohn研究所が, Lincomycinの置換体として7-Chlorolincomycinの形で開発し, その呼吸器感染症に対する有用性に関しては, 私共も報告しているとおりである1, 2)。このたび同研究所によって注射用Clindamycin (Clindamycin-2-phosphate) が開発され, 日本Upjohn社から本剤の提供を受けたので, 経口用Clindamycinと対比しながら, その基礎的および臨床的検討をおこない, 有意の成績を得たので報告する。
  • 中沢 進, 佐藤 肇, 新納 憲司, 藤井 尚道, 小島 碩哉, 平間 裕一, 新井 蔵吉
    1977 年 30 巻 1 号 p. 59-68
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Lincomycin (LCM) の誘導体であるClindamycin (CLDM) は, グラム陰・陽性球菌類およびHaemophilus菌属に対し強い抗菌性をもち, その作用機序は蛋白合成阻害であることが証明されている。CLDMのLCMに比較して優位な点は, 抗菌性, 良好な吸収性, 投与後の生体内での活性態度の面であり, 数段優れた諸点が報告されている1~4) 。
    今回, 筋注, 静注の可能なClindamycin-2-phosphate (以下CLDM-ph.と略記) が入手された機会に, 小児科領域における一連の検討をおこなつてみたので, 以下今日までの概況について報告したいと思う。
    本剤は, 投与後活性の状態で諸臓器に移行することが報告され, その移行順位は肺>肝>腎>脾>筋>血液とされているので, 今回の治療対象は主として呼吸器感染症としてみた。
  • 石引 久弥, 村山 信篤, 細田 洋一郎, 勝本 慶一郎, 高見 博
    1977 年 30 巻 1 号 p. 69-75
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin-2-phosphate (以下CLDM-phos.) は, Lincomycin (以下LCM) の半合成誘導体Clindamycinの燐酸塩で, 非経口投与を目的に開発された新らしい抗生物質である。本剤は, 投与後, 生体内で加水分解され, CLDMとして作用するので, その抗菌作用はCLDMと同じく, グラム陽性球菌とともに嫌気性菌による外科的感染症に対する臨床効果が期待しうることがすでに報告1~3) されている。
    我々は, 日本アップジョン (株) から提供をうけたCLDM-phos. を外科的感染症に使用するとともに, 投与上の問題となりうる点をも検討したので報告する。
  • 白羽 弥右衛門, 酒井 克治, 藤本 幹夫, 上田 隆美, 平尾 智, 川畑 徳幸, 土居 進, 沢田 晃, 政田 明徳
    1977 年 30 巻 1 号 p. 76-81
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin-2-phosphato [7 (S)-Chloro-7-deoxylincomycin-2-phosphate] は, Fig.1のような構造式をもち, 生体内で分解されるとClindamycinになつて抗菌力を発揮する新製剤で, 経口投与剤としてすでに広く用いられているClindamycinの注射用製剤といえる。Clindamycinは, もともとLincomycinの誘導体であるが, 前者は後者にくらべて4~8倍強い抗菌力を示すといわれているほか1, 2), とくに2, 3の嫌気性菌に対しても好気性菌に対すると同様な強い抗菌力をもっことが確められている2, 3) 。私どもは今回, 本剤を外科領域で試用する機会をえてその臨床効果を検討したので, ここに報告する。
  • 岩沢 武彦
    1977 年 30 巻 1 号 p. 82-93
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近の耳鼻咽喉科領域における感染症は, 口腔鼻咽頭にみられる常在菌以外に病原菌として耐性ブドウ球菌, レンサ球菌, クレブシエラ, 緑膿菌などが検出され, 化学療法上問題視されてきた。しかし, これら上気道感染症にみられる病原菌以外には, マイコプラズマ, 嫌気性菌, ウィルス, 真菌なども重要な感染菌として見逃せず, 生体宿主側の感染防禦能の低下でグラム陰性桿菌を含めた病原菌の台頭によつていわゆるOpportunistic infectionを招くばあいが少なくない。
    さきに, 米国Upjohn社の研究陣は, 強力な抗グラム陽性球菌性抗生物質としてLincomycinの7位OH基をClで置換してえられた経口用製剤のClindamycin capsuleとClindamycin palmitate dry syrupを発表し, ブドウ球菌を始めとするグラム陽性球菌性感染症に対してきわめて高い治療効果をあげてきたことは周知の事実である。
    Clindamyein-2-phosphateは, 化学名を7 (S)-Chloro-7-deoxylincomycin-2-phosphateと称し, その物理化学的性状は, 白色結晶性で175℃ で分解され, 弱アルカリおよび弱酸性溶液でよく溶解し, 安定性はきわめて高く, 毒性はきわめて少ないといわれる。Clindamycin-2-phosphateの化学構造式は, Fig. 1に示したとおりであり, その分子式はC18H34O8N2SCLPで表わされ, 分子量は504.97と算定されている。
    なお, Clindamycin-2-phosphateは, Upjohn社でグラム陽性球菌性感染症に対して臨床応用のさいの注射用製剤として筋注, 点滴静注用として開発され, 新製品として登場をみたものである。
    著者は, 今回, 耳鼻咽喉科領域においてClindamycin-2-phosphateに関して, その血中濃度および臓器組織内移行などの基礎的検討をおこなうと同時に, 当科領域における代表的な急性感染症に対して筋注療法によつて良好な結果をえたので, その成績の概要を報告する。
  • 三辺 武右衛門, 村上 温子, 小林 恵子, 徐 慶一郎, 稲福 盛栄
    1977 年 30 巻 1 号 p. 94-99
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Macrolide系類似抗生物質であるClindamyciu1) は, Lincomycin (LCM) の7位のOHをClで置換した誘導体である。Clindamycin-2-phospate似下CLDM-2-phos. と略す) は, Clindamycinの誘導体の1つで, その化学構造式は, Fig. 1のようである。本剤そのものは, ほとんど抗菌作用をしめさないが, 体内で加水分解されてClindamycinとなり, 抗菌作用を示す。その抗菌スペクトラムは, 正CMと同じであるが, 抗菌力はLCMより数倍高いと報告されている。その作用機序は, 細菌の核酸合成を阻害しない条件下で蛋白合成を阻害するといわれている。
    著者らは, CLDM-2-phos.2~4) について基礎的検討をおこない, 耳鼻咽喉感染症の治療に応用し, みるべき成績を収めたので報告する。
  • 大石 正夫, 西塚 憲次, 本山 まり子, 小川 武
    1977 年 30 巻 1 号 p. 100-106
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin-2-phosphate (以下, CLDM-2-P) は, Clindamycin hydrochlorideの注射用製剤として開発された抗生剤である。それ自体ではほとんど抗菌力を示さず, 体内で加水分解されてClindamycin (以下, CLDM) となり, 抗菌作用を発揮することが知られている。CLDMの抗菌スペクトルは, Lincomycin (以下, LCM) と同様で, グラム陽性球菌および耐性菌に作用するが, 抗菌力はLCMの数倍強力であリ1), 吸収, 排泄にもすぐれている。今回私共は, CLDM-2-Pの眼感染症に対する臨床応用のための基礎的ならびに臨床的検討を加えたもので, 以下にその成績を報告する。
  • 徳田 久弥, 葉田 野博, 萱場 忠一郎
    1977 年 30 巻 1 号 p. 107-110
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin-2-phosphateは, Clindamycinの誘導体で, よく水に溶け, それ自体では抗菌作用を示さないが, 加水分解を受けると, Clindamycin (CLDM) となり, 抗菌作用を示すとされ, その抗菌スペクトラムは, Lincomycinと同様であるが, その抗菌力はLCMの4~8倍強いとされている。
    我々は今回, 注射用Clindamycin-2-phosphateの有用性を眼科領域に関して検討したので, その成績をここに報告する。
  • 松本 茂男, 金子 修, 牧野 典子, 三輪 欣二, 高橋 久
    1977 年 30 巻 1 号 p. 111-113
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    膿皮症の多くは, ブドウ球菌および連鎖球菌によるもので, その他に大腸菌によるものも外陰, 肛囲の膿瘍としてみとめられるが, ブドウ球菌によるものが主体を占めている。その意味でブドウ球菌に対して有効なスペクトルをもっ抗生物質が治療薬として主導的役割を演ずるものであるが, Lincomycinは, すでに長年にわたつて使用されて来た準マクロライド系抗生物質であり, その誘導体として開発されたClindamycinは, 膿皮症に対してLincomycin以上に有効であることが
    in vitroおよびin vivoで証明されている1) 。
    今回その注射用の製剤を日本アップジョン社から提供をうけて, 多少の治験を得たので報告する。
  • 荒田 次郎, 山本 康生, 洲脇 正雄, 野原 望
    1977 年 30 巻 1 号 p. 114-116
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我国におけるClindamycin (CLDM) の内服薬としての検討は, 1969年に終わり1), その後広く臨床応用されている。
    Clindamycin-2-phoshateは, 注射用Clindamycinとして開発されたものである。1つの薬剤が, 経口, 注射と両経路で投与可能なことは便利なことである。
    この度, Clindamycin-2-ph0sphateについて皮膚科的検討をする機会をもったので, 以下に報告することとする。
  • 岩沢 武彦
    1977 年 30 巻 1 号 p. 117-120
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 星野 弘弼, 大西 康, 行木 紘一
    1977 年 30 巻 1 号 p. 121-123
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Six patients with biliary tract infections who came to our hospital were administered 1.5g (potency) per day of amoxicillin, a synthetic penicillin for oral use, to examine its clinical effects. The results were as follows.
    1) Out of six patients with biliary tract infections, amoxicillin proved to be effective in four patients, ineffective in one patient, and unknown in one patient.
    2) Oral administration of amoxicillin gave the same success in treatment as injection of other synthetic penicillin preparations in mild cases with the exception of acute deterioration of chronic with subjective symptoms such as nausea and vomiting.
    3) No noteworthy side effects were observed in any cases examined this time.
  • 坂口 浩
    1977 年 30 巻 1 号 p. 124-127
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amoxicillin (以下AMPCと略す) は, 1963年英国ピーチャム社研究所において開発された最新の経口用広域合成ペニシリン製剤である。その化学構造は, Ampicillin (以下ABPCと略す) と類似しており, ABPCとほぼ同等の抗菌力, 抗菌スペクトラムをもっている。また, AMPCは, ABPCにくらべて吸収の点で優れており, みBPCと同量の内服によって約2倍の血中濃度が得られることを, その大きな特徴としている。
    私は, 今回, 本剤を協和醸酵工業KK (販売名: パセトシン) かち提供を受け, 泌尿器科領域における感染症および検査後の感染予防に, AMPC1日量1,000mg (力価) を4回に分割経口投与し, その臨床成績について検討をおこなったので報告する。
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