Cephalexin (CEX) は, 多くの製薬会社から発売されている薬剤で, ペニシリン系のAmpicillinおよびAmoxycillinなどの経口剤とともに臨床上, 各種の細菌感染症に用いられているが, 乱用気味の傾向にあるといつても過言ではない現状である。
本剤は, 空腹時内服後に血中濃度は1時間, 食後服用で2~3時間後にピークに達するが, 6~8時閥後にはほとんど消失1, 2)することから, 1日4回の投与が必要である。このさい, すくなくとも1回は就寝中に内服が必要であり, 通園, 通学児では, 保育園, 幼稚園または学校, 成人では勤務先に薬剤をもつて行かねばならない不便さから, 内服時間が守られていないことが少なくないと思われる。これらを考慮して, 塩野義製薬で開発された薬剤が, 持続性CEX (S-6437) である。
本剤は, CEXの胃溶顆粒と腸溶顆粒の2剤型が混合されたもので, 顆粒剤とカプセル剤があり, その特徴は, 長時間血中濃度が持続するといわれている3, 4)。
私たちは, S-6437顆粒と同剤に含有されている腸溶顆粒を小児に投与し, その血中濃度および尿中濃度, 回収率を測定し, CEXの適応疾患である尿路感染症児に本剤を投与し, 臨床効果, 副作用について検討したので, その成績を報告する。
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