The Japanese Journal of Antibiotics
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30 巻, 6 号
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  • 鈴木 宗司, 小松 信彦
    1977 年 30 巻 6 号 p. 355-361
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    担子菌Schizophyllum communeの産生する粘性多糖Schizophyllan (以下SPGと略) は, その化学構造がβ-1, 3結合を主鎖とし, β-1, 6結合の側鎖をもっ単純グルカンである1,2)。小松ら3~11)は, その生物活性について研究をおこない, SPGは同種皮下移植腫瘍に対する抗腫瘍作用3), 急性および慢性の実験的感染症に対する非特異的防御作用4~8), マクロファージ, そのほか, 網内系の活性化作用4,9,10), マクロファージ遊走阻止の増強11) など, 多彩な諸活性を示すことをみいだし, SPGの作用は主として細胞性免疫の活性化にあると考えられている。
    著者らは, 前報12) において, SPGを超音波処理してえた低粘度SPG (以下SPG-Sと略)を用い, CUNNINGHAM法18) による溶血プラクテストによって, T-B細胞依存系抗原 (ヒツジ赤血球) を投与したさいのマウスの免疫グロブリン産生系に対する作用を検討した。その結果, SPGまたはSPG-Sには免疫グロブリン産生細胞数をも増加させる作用のあることが明らかにされた。
    今回, 著者らは, ハプテン型抗原 (塩化ピクリル) を用いたマウスの遅延型皮膚反応14~16) を指標として, 細胞性免疫におよぼすSPG-Sの効果について検討したので, その知見をここに報告する。
  • 橋本 惟, 市川 俊司, 小嶋 哲夫
    1977 年 30 巻 6 号 p. 362-385
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    KW-1062は, Micromonospora sagamiensisによつて産生されるAminoglycoside系抗生物質で, Fig.1のような構造をもった物質の硫酸塩である。Gentamicinと類似の広領域の病原菌に有効で, Gentamicinにくらべ, 毒性の弱いことが特徴とされている1)。KW-1062の薬理学的性質を明らかにし, 副作用を検索する目的で, 中枢神経系, 循環器系, 平滑筋系, 骨格筋系, 腎機能およびその他の作用について検討したので報告する。
  • 急性毒性 (マウス, ラット, イヌ) およびラットにおける亜急性, 慢性毒性試験
    原 卓司, 小山 薫, 宮崎 英治, 大黒 友路, 清水 源昭
    1977 年 30 巻 6 号 p. 386-407
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    KW-1062は, 協和醗酵工業株式会社, 東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離きれたMicromono-spora sagamiensisによつて生産される新規アミノ配糖体抗生物質である。その構造は,Gentamicinに近似している。KW-1062の抗菌スペクトラムは, グラム陽性, 陰性菌と広域であり, 特に緑膿菌, 変形菌, 肺炎桿菌, セラチァ等グラム陰菌桿菌に強い抗菌力を示す。Gentamicinの1成分であるC1aを不活化する6'-N-アセチル化酵素を生産する菌に対して, KW-1062は, 強い抗菌活性を示すことも報告されている1)。著者らは, 本物質の安全性研究の一環として, マウス, ラット, イヌによる急性毒性, ラット筋肉内投与による30日間の亜急性毒性, 180日間の慢性毒性試験を実施したので, 報告する。
  • イヌにおける亜急性, 慢性毒性試験
    原 卓司, 小山 薫, 宮崎 英治, 大黒 友路, 清水 源昭
    1977 年 30 巻 6 号 p. 408-422
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    KW-1062は, 協和醗酵工業株式会社東京研究所奈良ら1~8)によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sagamiensisによつて生産される新規アミノ配糖体抗生物質である。すでに筆者らは, 本物質の安全性に関する研究の一環としてマウス, ラット, イヌによる急性毒性, ラットによる亜急性, 慢性毒性試験について報告4)したが, さらにイヌによる亜急性, 慢性毒性試験を実施したので, 報告する。
  • イヌの亜急性毒性試験における最大安全量の検討
    原 卓司, 小山 薫, 宮崎 英治, 大黒 友路, 清水 源昭
    1977 年 30 巻 6 号 p. 423-431
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいアミノ配糖体系抗生物質KW-1062のイヌでの亜急性, 慢性毒性試験については, 前報1) で報告したが, 亜急性毒性試験 (25, 63, 100, 156mg/kg) の25mg/kgにおいても, 軽度ながら腎臓の尿細管の障害がみとめられ, 同試験の最大安全量が未定であつた。今回, 4, 10mg/kgの低用量を設定し, 同試験の最大安全量を検討したので報告する。
  • ラットによる妊娠前および妊娠初期投与, マウス, ラット, ウサギによる胎仔の器官形成期投与, ラットによる周産期および授乳期投与試験
    原 卓司, 今村 敏, 宮崎 英治, 大黒 友路
    1977 年 30 巻 6 号 p. 432-449
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    KW-1062は, 協和醗酵工業株式会社, 東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sagamiensisによつて生産される新規アミノ配糖体抗生物質である。その構造は, Gentamicinに近似している。KW-1062の抗菌スペクトラムは, グラム陽性, 陰性菌と広域であり, 特に緑膿菌, 変形菌, 肺炎桿菌, セラチア等のグラム陰性桿菌に強い抗菌性を示す。Gentamicinの1成分であるC1aを不活化する6'-N-アセチル化酵素を生産する菌に対して, KW-1062は良い抗菌性を示すことも報告されている1)。
    著者らは, 本物質の生殖に及ぼす影響に関する試験として, ラットによる妊娠前および妊娠初期投与試験 (以下Seg. 1と略す), マウス, ラット, ウサギによる器官形成期投与試験 (以下Seg. 2と略す) およびラットによる周産期および授乳期投与試験 (以下Seg. 3と略す) を実施したので, その成績を報告する。
  • 羽田 囘
    1977 年 30 巻 6 号 p. 450-458
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症に対する化学療法剤の有効性の一指標として, 化学療法剤投与時の肺病巣肉濃度が拳げられるが. 炎症巣の抗生剤を直接測定できないので, 臨床的には喀痰内抗生剤濃度から肺病巣内濃度を推定することが最も容易であると考えられる。しかし, 呼吸器感染症の化学療法にさいして, 喀痰内抗生剤濃度に関する検討は充分におこなわれていないのが現状である。
    このたび, 呼吸器感染症の化学療法にさいして, AM-PC, AB-PCの全身および局所投与では, 喀痰内濃度がどの程度維持されるのかを経時的に観察するとともに, 血中濃度との関連についても検討したので, 以下に報告する。
  • 心カテ検査時の血中濃度について
    砂川 慶介, 原 典良, 南里 清一郎, 宮崎 勇, 郡 建男, 小佐野 満, 市橋 保雄
    1977 年 30 巻 6 号 p. 459-464
    発行日: 1977/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    重症感染症の治療にさいして, 抗生物質の選択は重要な問題であり, 加えてその抗生物質の投与量をできるだけ少なく, また有効に使用すべきことが注目され, 抗生物質の血中濃度を, 目標とする, 菌のMICの数倍以上のかなり大量にして, これを, 1~2時間は持続させるという考え方になつた。この考え方から, 抗生物質1~2時間点滴静注法が検討され, 応用されつつあるが, 小児科の領域では, まだ, 血中濃度およびその持続時間の報告は少ないようである。
    我々は, 比較的毒性が低く, かつ広域スペクトラムをもつ抗生物質として現在広く利用されているセファロシン(以下CETと略す)を選び, この薬剤の血中濃度および持続時間を測定し, 検討をおこなつたので, ここに報告する。
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