The Japanese Journal of Antibiotics
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31 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 渡辺 邦友, 小林 とよ子, 今村 偉務, 望月 泉, 江崎 孝行, 甲畑 俊郎, 二宮 敬宇, 上野 一恵, 鈴木 祥一郎
    1978 年 31 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1978/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ampicillinは, Isoxazolyl系の半合成ペニシリンであるDicloxacillinの併用によつて, 抗菌力の増強がみとめられることが, Escherichia coli, Enterobacter aerogenes, Proteus morganiiなどの好気性菌で確認されている1) 。それは, Isoxazolyl系の半合成ペニシリンのβ-Lactamase阻害剤としての役割を利用したものであるという。
    著者らは, 嫌気性菌の中で臨床材料から最もしばしば分離され, β-Lactamase活性をもつていることが知られているBacteroides fragilisについて, AmpicillinとDicloxacillinの併用効果がみとめられるかどうかin vitroで検討した。
  • 鈴木 仁, 加藤 一夫, 弓削田 英知, 佐藤 康次
    1978 年 31 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 1978/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amoxicillin (以下AM-PCと略す) は, 英国Beecham社研究所において開発された経口用半合成ペニシリンで, その化学構造はAmpicillin (以下AB-PCと略す) のベンゼン核のパラ位に水酸基を導入したものであり, 経口投与できわめてよく吸収され, AM-PCの血中濃度は, 食後の内服でもAB-PCより影響をうけにくいとされている1, 2) 。
    この度, 私達は本剤の小児用錠剤 (Amoxicillin錠50mg (力価) /T) を15例の小児尿路感染症に使用する機会を得たので, その治療成績をここに報告する。
  • 片岡 二郎, 津田 俊彦, 若林 芳久
    1978 年 31 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 1978/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    現在s急性白血疽の寛解導入療法は, SKIPPERら1) に始まる抗白血病剤の多剤併用療法が最もよく用いられ, その高い寛解率は急性自血病の治療法としてきわめて高く評価されている。しかし, この多剤併用療法による寛解導入療法は造血機能を一時的に強く抑制し, その結果, 血小板減少症がもたらす出血死と穎粒球減少症がもたらす重症慮染症による死亡という2っの問題が提示されるようになつた2) 。血小板減少症に対する補助療法としては最近, 血小板輸血の技術が発達し, 出血死は著るしい減少傾向にあるがS}, 一方, 重症感染症に対する対策としては, 大量の広域抗生物質の投与がおこなわれ, その成果を収めつつあるが, 広域抗生物質の大量投与は, 細菌の薬剤耐性を生じさせるために, 常に新らしい抗生物質の開発が要求されている。事実, 新らしく開発された抗生物質の出現時期に一致して急性自血病の寛解期間は著るしく延長したことが報告されている3) 。また最近, 新らしい抗生物質の開発と大量投与によつて急性白血病に随伴する重症感染症の起因菌ほ, グラム陰性の弱毒菌または真菌が主体を占めるようになつてきた。合成ペニシリンの1つであるOxacillin-Ampicilrin (Broadcillin, Fig.1) はこういう要求に応じて作成されたグラム陰性および陽性菌に対する抗菌力をもつ抗生物質であると考えられている。
    我々は最近, 急性白血病寛解導入療法時に本剤の大量投与を試みたので, その結果を検討し, ここに職告する。
  • 大泉 耕太郎, 渡辺 彰, 今野 淳, 林 泉, 川守田 淳, 長井 弘策, 工藤 進三, 栗田 健吉, 海塩 毅一
    1978 年 31 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 1978/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ブリストル万有研究所で開発されたAmikacinは, Kanamycinの2-Deoxystreptamine部分の1位のアミノ基にL (-)-γ-Amino-α-hydroxybqtyric acidをつけた半合成アミノ配糖体系挽生物質である。Amikacinの特徴は, Kanamycinを燐酸化またはアデニル化することによつでKanamycin耐性を示す菌株にも抗菌作用を示す点にある1) 。本剤は, Enterobacteriaceae群 (Escherichia coli, Klebsiella, Proteus, Serratia) およびPseudomonasなど, グラム陰性桿菌に対して, 人体投与時に得られる血中濃度の範囲内で発育阻止作用をもっという2) 。
    私共は, 前回の報告3) において, 本剤の結核菌蓄よび一般細菌に対する試験管内抗菌作用を検討するとともに, 呼吸器感染症13例, 尿路感染症1例にAmikacinを投与し, 著劫2, 有効6と良好な成績を得た。
    今回, さらに適応を拡大し, 肺癌2次感染などの難治感染症を含む呼吸器感染症34例および重篤疾患に合併した尿路感染症3例の計37例にAmikacinを投与し, 臨床効果を観察したのでその成績を報告する。
  • 泉川 欣一, 堤 恒雄, 石崎 暁, 中富 昌夫, 那須 勝, 原 耕平
    1978 年 31 巻 1 号 p. 24-26
    発行日: 1978/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ビクシリンSは, アンピシリンナトリウムおよびクロキサシリンナトリウムを1対1に配合した合成ペニシリン複合剤で, 従来から臨床的には, 内服剤, 筋注剤として使用されている。本剤は, グラム陽性菌およびグラム陰性菌に殺菌的に作用し, 他の抗生物質に耐性を示すブドウ球菌にもすぐれた抗菌力を示す複合剤である。
    今回, 私達は呼吸器感染症に対して, 注射用ビクシリンSの点滴静注使用を試みたので, その成績を報告する。
  • 二重盲検法によるCephalexinとの比較成績
    大沢 武彦, 河合 富一, 莫谷 福吉, 津田 利信, 浜崎 好成, 前田 寛, 紺野 昌俊, 西野 武志
    1978 年 31 巻 1 号 p. 27-42
    発行日: 1978/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    S-6436は, 塩野義製薬で開発された持続性Cephalexin製剤である。これは, 胃溶性Cephalexin顆粒30%と腸溶性Cephalexin顆粒70%を混合することによつて血中濃度を長く持続させることを意図したものであり, 従来のCephalexin (以下CEX) よりも投与回数が少なくてすむことから, 特に外来患者にとつて服薬の煩雑さを減らすことができると考えられる1) 。上田泰ら2) および真下啓明ら3) によると, CEXは1日4回服用する必要があるのに対して, このS-6436は1日2回の服用でよく, 分服回数を半減できると考えられる。
    昨今, CEXは, 発病後治療によつて軽快し, その後通勤・通学しながらなお治療を要する軽症・中等症の感染症患者に特に盛用されているが, S-6436を用いれば, 朝・夕食後の1日2回の投与でよいため, 昼用の薬剤を持ち歩く必要がなく, また, そのために服薬が確実になることも考えられる。有効性および安全性においてCEXと同等であれば, こめ分服回数が少なくてよいという便利性において持続性Cephalexinが優れることになり, 本剤の有用性がみとめられることになる。
    このような意味において, 今回我々は成人の急性咽頭炎および急性扁桃炎に対してCEXを対照薬とした二重盲検試験をおこない, S-6436の有効性, 安全性について検討したのでその成績を載告する。
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