The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
31 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 出口 浩一
    1978 年 31 巻 4 号 p. 183-190
    発行日: 1978/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    腹膜炎および婦人科領域の感染症の多くは, 嫌気性菌が占める割合が高く, また好気性菌と嫌気性菌の混合感染も多い1-5)。
    今回, 私は主として腹膜炎症状をともなう患者の腹腔内から穿刺して採取した腹水 (膿汁を含む) と, 婦人性器分泌物 (子宮周囲採取物を含む) から分離した好気性菌と, 嫌気性菌の分離頻度をまとめ, 代表的な由来株を用いてMIC (最小発育阻止濃度) を測定したので以下報告する。
  • 猪狩 淳, 小酒井 望, 小栗 豊子, 吉村 千秋
    1978 年 31 巻 4 号 p. 191-199
    発行日: 1978/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Acinetobacter calcoaceticus (以下Ac.calcoaceticus) は, ブドウ糖非醗酵グラム陰性桿菌の1っで, 広く自然界に分布しており, しばしば健康人からも分離される1, 2)。Acinetobacterは, 以前は, 糖を酸化により分解するものをHerellea vaginicola, Bacterium anitratum, Achromobacter anitratusなどと呼び, 糖を分解しないものをMima polymorpha, Moraxella lwoffiなどと呼んだが, International Committee on Systematic BacteriologyのMoraxella小委員会はAc.calcoaceticusだけとし, 糖分解性のAc.anitratusと非糖分解性のAc.lwofffiの両者を含ませることを提案した。
    最近, Ac.calcoaceticusによる各種感染症が多数報告され, Opportunistic infectionとして注目されてきており, 多くの抗生剤に耐性であることが指摘されている3, 4, 5)。
    今回, 私共は臨床各科から中検へ提出された臨床材料から分離されたAc.calcoaceticusに関して臨床細菌学的に検討した。
  • 宮井 啓国
    1978 年 31 巻 4 号 p. 200-204
    発行日: 1978/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    このたびAmpicillin (ABPC) とDicloxacillin (MDIPC) を2: 1の比率で配合した複合広範囲抗生物質であるCombipenix (東洋酸造株式会社) を各種の尿路感染症に使用する機会を得たので, その成績を報告する。
    ABPCは, Penicillinase感性のため, 黄色ブドウ球菌では耐性菌の出現率が高く, Klebsiella, Enterobecterや一部のProteusには無効であるが, これら耐性菌はβ-Lactamaseを産生してPonicillinを加水分解して不活化, することが知られている。Combipenixは, MDIPCのもつβ-Lactamase活性阻害作用を利用し, ABPCと併用することによって, 抗菌スペクトラムの拡大ばかりでなく抗菌力の増大をも期待した製剤といえる。
  • 桑原 正雄, 定常 照枝, 渡辺 隆, 松尾 吉恭
    1978 年 31 巻 4 号 p. 205-210
    発行日: 1978/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    哺乳動物の腸管に存在する腸球菌は, 弱毒性菌であるとともに, 人の尿路系・胆道系感染症, 亜急性細菌性心内膜炎および食中毒などの起炎菌の1つとしても知られている。近年の弱毒性菌感染症増加の一要因として, その多くが各種抗生剤に対して耐性を示すことがあげられているが, 本菌についても同様の傾向があり, この点, 近縁の各群連鎖球菌とは態度を具にしている。
    著者らは, 臨床材料からの腸球菌の分離状況を調査するとともに, 分離された腸球菌を5菌種に種別し, それらの各種抗生剤に対する感受性を検討した。
  • 猪狩 淳, 小酒井 望, 小栗 豊子, 掛川 ひとみ
    1978 年 31 巻 4 号 p. 211-217
    発行日: 1978/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Achromobacter xylosoxidansは, 1971年藪内らによつて, 慢性中耳炎患者の耳漏から分離された7株に対して命名, 報告された1)。本菌は, 周毛鞭毛性の, キシロースから酸を産生するブドウ糖非醗酵性のグラム陰性桿菌である。その後, 本菌は痰2), 髄液3)からも分離され, ブドウ糖非醗酵グラム陰性桿菌の中でも分離頻度の高いものの1つとされている。しかし, 本菌による感染症例, 病原性に関する報告は数少ない3, 4, 5)。
    最近, 順天堂大学病院中検でも, 臨床材料から, Ach. xylosoxidansが分離される件数が増加傾向にあるごとをみとめており6), 本菌に関して, 臨床細菌学の立場から検討を加えることは, 本菌による感染症およびその予防に意義のあることと考える。
    以下, 私共のおこなったAch. xylosoxidansについての臨床細菌学的検討成績を報告する。
  • 斎藤 譲, 甲賀 正聡
    1978 年 31 巻 4 号 p. 218-224
    発行日: 1978/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amoxicillin (以下AMPC) は, Ampicillin (以下ABPC) 類似の広範囲抗菌スペクトルをもつ経口用ペニシリン剤で, 本邦においては1973年の第21回日本化学療法学会総会1)でシンポジウムにとりあげられ多くの基礎的・臨床的成績が報告されている。
    本剤の特徴は, 経口投与時の吸収がすぐれる点であり, たとえば同量のABPCを投与したばあいに比較すると, 約2倍の高い血中濃度が得られるという。
    小児科領域の諸種感染症に対する本剤の臨床的検討は, 吉岡2), 中沢3), 本廣4), 西村5), 小林のらによって, カプセル剤および細粒について実施されている。
    さて, 日常診療において適切な抗生物質をどのように選択するかは重要な課題であるが, その選択基準として, 一般的には抗菌スペクトルが広く殺菌的で, 副作用が少ないことがあげられる。その他に, 小児科の特殊性として服用しやすさ (味, 臭気, 大きさ, 量) も無視できない要因である。
    今回, この点を考慮したAMPC錠の小児感染症に対する臨床効果を検討する機会を得たので, その成績を報告する。
  • 市橋 治雄, 渡辺 言夫
    1978 年 31 巻 4 号 p. 225-227
    発行日: 1978/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top