The Japanese Journal of Antibiotics
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31 巻, 7 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • Gentamicin耐性菌に対する臨床効果
    紺屋 博暉, 黒田 治朗, 岩尾 典夫, 森田 勝
    1978 年 31 巻 7 号 p. 341-345
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アミカシン似下AMKと略記) は, カナマイシンから誘導されたアミノ配糖体抗生物質であり, 講造式はFig.1に示すとおりである。AMKは, すでによく知られているアミノ配糖体抗生物質を不活化する9種類の酵素に対し, 8種類に抵抗盤をもっ抗生物質で, ほとんど他のアミノ配熔体抗生物質ど交叉耐性がみとめられ毒い1, 2)。
    本邦においで, すでに多くの報告がなされているが3)う今回, 我々はGM耐性菌による脊損膀胱における慢性複雑性尿路感染症に使用する機会を得たので, ここに報告する。
  • 伊藤 亜司
    1978 年 31 巻 7 号 p. 346-352
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amikacin (以下AMKと略記) は, ・Gentamicin不活化酵素, Tobramycin不活化酵素等, アミノ配糖体抗生物質不活化酵素9窟類のうち8慮類に抵抗性を示すbこのため, 漁MX嘔ヒ他のアミノ配糖体抗生物質とほとんど交叉耐性がみとゆられない特性をもつ抗生物質であるということができる。
    すでに, 著者は重症呼吸器感染症に, AMKを使用した成績を得て報告したが), 今回, GM耐性菌を原因菌とす幡重症呼吸器感染症に対して, AMK瀞奏効したと考えられる肺化膿症, 膿胸合併1例, 肺化膿症1例, 膿胸1例および肺炎, 1例の計4症例を経験したので, ここに報告する。
  • 金沢 裕
    1978 年 31 巻 7 号 p. 353-358
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoxit加 (CFX) は, 米国Merck Sharp & Dohme Research Laboratories (米国メルク煙) によつて開発され, Cephem環7-α 位にメトキシ基をもつことで従来のCephalosporin C系と異なり, その化学構造の新規性からCephamycin系抗生剤とされた最初のもので, Fig.1の構造式を示す。
    従来のCephalosporin剤にくらべ, 強いβ-Lactamase抵抗性が得られ1, 2), Serratia, インドール陽性Proteus, Bacteroides fragilis, β-Lactam環系抗生剤耐性E.coliなどに有効とされている3, 4)。今回, 内科領域にお吋る感染症に対して, CFXを投与し, その臨床効果を検討したので報告する。
  • 長 和彦, 滝本 昌俊, 吉岡 一, 南部 春生
    1978 年 31 巻 7 号 p. 359-362
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今日, 臨床的に用いられる合成ペニシリンは, グラム陰性桿菌に有効な広スペクトル性のものであつても, Klebsiellaや緑膿菌に対しては, 抑制濃度が高く, これらの菌種に対してMICの低い合成ペニシリンの出現が望まれていた。ところが, 最近合成されたPC-904は, Klebsiella pneumoniaeに対するMICは0.39~3.13μg/ml, Pseudomonas aeruginosaに対しては0.2~3.13μg/mlと, 辱いずれも著るしく低く, これは従来の合成ペニシリンにはみられない特徴と思われる。しかし反面, 蛋白結合率が高いことなど, 今後に検討しなければならない点もある1)。
    この論文の目的は, 私たちがおこなつた薬物動態, および臨床投与の結果に分析を加え, この合成ペニシリンの評価に資することである。
  • 青山 隆蔵, 永田 紀四郎, 泉 幸雄, 工藤 真生, 佐藤 征
    1978 年 31 巻 7 号 p. 363-365
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PC-904は, 住友化学工業株式会社が新らたに開発した注射用半合成ペニシリンである。構造式は, 次のとおりで, 以下の特徴をもつとされる。
    蛋白結合率は高いが, その結合は可逆的である。主に肝胆道系から排泄され, また, 尿中排泄率は約20%である。抗菌スペクトルは, グラム陰性桿菌では, とくに緑膿菌に有効であり, Serratiaにも有効とされ, グラム陽性菌では, ブドウ球菌にも有効であるとされる。
    私達は今回, 本剤を13例の小児疾患に使用する機会を得たので, その臨床成績を中心に報告する。
  • 南里 清一郎, 砂川 慶介, 原 典良, 市橋 保雄, 広岡 幸祐, 井関 幹郎
    1978 年 31 巻 7 号 p. 366-370
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    住友化学工業株式会社において新らしく合成された注射用ペニシリンPC-904 (AmpicillinのAmino基に4-Hydroxy-3-carboxyl-1, 5-naphthyridineを導入したもの) について, 小児科領域における, 基礎的ならびに臨床的検討をおこなつたのでここに報告する。基礎的検討としては, 血中濃度, 尿中排泄率, 血圧の変動等に関しておこない, 臨床的には, 6例の尿路感染症, 3例のサル。モネラ腸炎に投与し, その効果を検討した。
  • 中沢 進, 佐藤 肇, 藤井 尚道, 新納 憲司, 小島 碩哉, 近岡 秀次郎, 岡 秀, 平間 裕一, 成田 章, 田中 英, 入野 泰一
    1978 年 31 巻 7 号 p. 371-382
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PC-904は, 本邦で開発されたAmpicillinの新誘導体であり (Fig.1), その抗菌性は広く, Pseudomonas, Proteus, Klebsiella, Escherichia coli, その他のグラム陰性桿菌類に対して強い抗菌性を発揮するとともに, グラム陰・陽性球菌類に対する抗菌性もCarbenicillin, Sulbenicillin等に比較して遙かに強い特徴をもつている1)。本剤は, 筋注も可能であるが, 局所刺激作用が強いために, Oneshot静注, 点滴静注が臨床的な使用上の本流とされている。
    私等も今回, 本剤の静注を主体として小児科領域における検討をおこなつてきたので, 以下, 今日までの概況について報告する。
  • 南谷 幹夫, 八森 啓
    1978 年 31 巻 7 号 p. 383-388
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PC-904は住友化学工業株式会社によつて新らしく合成された注射用ペニシリンで, その構造はAmpicillinのAmino基に4-Hydroxy-3-carboxyl-1, 5-naphthyridineを導入している。
    抗菌力は, 緑膿菌をはじめ多くのグラム陰性菌に強く作用し, グラム陽性菌にもCarbonicillin (CBPC) と同程度以上の抗菌力がみとめられている。しかし, Ponicillinaseに抵抗力なく, in vitroの抗菌力は接種菌量に影響されるという。本剤の特徴として, 胆道系によく移行することがあげられるが, 胆汁中に出たPC-904は, 腸管内でβ-Lactam環が開かれて速やかに不活化される。
    また, ヒト血清蛋白との結合は, 90%以上と高率であり, その結合は可逆的である。安全性は, 他のペニシリンと同程度の成績が得られている。以上の結果から, 第1相, 第2相試験が完了し, 成人に対する基礎的検討, 臨床的治験がまとめられ, 第25回日本化学療法学会総会で発表され, 有効率は, 内科系63.6%, 外科系72.4%, 副作用出現率16.6%が得られた。
    今回, 小児科領域で本剤を治験する機会を与えられたので, 各種疾患に対する治療成績を発表する。
  • 堀 誠, 河野 三郎, 橋本 文久, 黒須 義宇, 豊永 義清
    1978 年 31 巻 7 号 p. 389-394
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PC-904は, AmpicillinのAmino基に4-Hydroxy-3-carboxy1-1, 5-napllthyridineを導入した新らしい合成ペニシリンである。本剤の抗菌力は, 緑膿菌をはじめとする多くのグラム陰性菌に有効であるとともに, グラム陽性菌に対してもCarbenicillin (CBPC) と同程度, またはそれ以上の効力を示すが, Penicillinaseに抵抗力がなく, そのin vitroの抗菌力は, 接種菌量の影響をうけ, 抗菌作用では殺菌作用が比較的弱いのが特徴といわれるまた。本剤は肝臓への移行がよいので, 胆汁中に高濃度に排泄され, ヒトのばあい, 尿中への排泄は25~30%といわれる。胆汁内の薬剤は, 腸管内でβ-Lactam環が開かれて不活化され, その物質の腸管からの再吸収はほとんどみとめられず, ヒト血清蛋白との結合率は98%であり, その結合は可逆的であるという1)。
    このような性質をもつことから, 本剤の対象疾患が主として緑膿菌をはじめとしてグラム陰性菌感染症にあると思われ, 私たちも小児のグラム陰性菌感染症を主とする疾患に使用する機会を得, 同時に本剤投与後の血中濃度の推移について多少の成績をみたので, その経験を報告する。
  • 川村 正彦, 魚住 君枝子, 牧 貴子, 田内 貴生, 高嶋 芳樹
    1978 年 31 巻 7 号 p. 395-400
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    半合成ペニシリンPC-904は, AmpicillinのAmino基に4-Hydroxy-3-carboxy1-1, 5-naphthyridineを導入した注射用広範囲ペニシリンである。特徴的なことは, 緑膿菌, 変形菌に作用することで, このほか多くのグラム陰性菌に強い抗菌力を示し, グラム陽性菌にもCarbenicillin (CBPC) と同程度かそれ以上の効力をもつことが報告されている1)。
    PC-904の吸収, 排泄をみると, 肝臓への移行がよく, 胆汁中に高濃度に排泄され, 腸管へ排泄されると不活性となり, 腸管からの再吸収はない。腎臓から尿中への排泄も良好で, 25~30%とみなされている1)。
    我々は本剤を重症, 難治性の感染症に使用する機会を得たので, その知見を報告する。
  • 岩井 直一, 佐々木 明, 二村 淳子, 宮津 光伸, 鈴木 千鶴子, 川村 正彦, 牧 貴子, 田内 宜生
    1978 年 31 巻 7 号 p. 401-418
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PC-904は, 住友化学工業 (株) で新らしく合成された半合成ペニシリンである。広域スペクトルをもち, グラム陰性菌, グラム陽性菌共に作用する。ことに, Pseudomonas aeruginosaをはじめとするグラム陰性菌には強い抗菌力をもつ。従来のペニシリン系製剤と同様に, ペニシリナーゼには抵抗力がなく, in vitroの抗菌力は, 接種菌量の影響をうけるといわれている。肝臓, 腎臓への移行がよく, とくに胆汁中に高濃度で排泄される1)。
    以上のような特徴をもつPC-904を小児科領域て検討したので, 吸収, 排泄および, 臨床成績について報告する。
  • 西村 忠史, 小谷 泰, 高島 俊夫, 広松 憲二
    1978 年 31 巻 7 号 p. 419-426
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今日, 小児細菌感染症に対する合成Penicillin系薬剤の使用頻度は, きわめて高い。とりわけ, 広域抗菌スペクトラムをもつAmpicillin (ABPC), またPseudomonas aeruginosaなどグラム陰性菌に有効なCarbenicillin (CBPC) の使用は, 最近の感染症治療において優先して使用されている。
    このたび, 住友化学工業株式会社でABPCのAmino基に4-Hydroxy-3-carboxyl-1, 5-naphthyridineを導入したPC-904は, グラム陽性菌に対してはCBPCと同程度またはそれ以上の抗菌力をもち, グラム陰性桿菌に対しては, 従来のPenicillin系薬剤にくらべ, より強い抗菌力を示すといわれる1)。また, 本剤の吸収, 排泄, さらに毒性試験においても, 他のPenicillin系薬剤とほとんど変わらぬことが報告されている2)。
    グラム陰性桿菌感染症の難治性に伴ない, その臨床, 治療面で多くの問題が生じている3)今日, 本剤に対する治療効果の期待も大きい。
    そこで今回, 著者らは, 本剤の小児科領域における基礎的および臨床的検討をおこなつたのでその成績について述べる。
  • 本廣 孝, 阪田 保隆, 西山 亨, 中島 哲也, 横地 一興, 石本 耕治, 富永 薫, 山下 文雄
    1978 年 31 巻 7 号 p. 427-436
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗緑膿菌製剤として現在使用されているPenicillin系薬剤にはCarbenicillin (CBPC) およびSulbenicillin (SBPC) があるが, 両者ともにPseudomonas aeruginosaにたいする抗菌力はそれほど強くはなく, 重症感染症にはアミノ配糖体系製剤の併用療法がおこなわれているが, アミノ配糖体系薬剤は筋注製剤であり, 筋注剤よりすぐれた薬剤の出現がのぞまれていたところ, 住友化学工業株式会社でAmpicillinのAmino基に4-Hvdrox V-3-carboxyl-1, 5-naphthyridineを導入したFig.1の化学構造をもっPC-904が開発された。
    本剤はPs.aeruginosaをはじめとする多くのグラム陰性菌にすぐれた抗菌力をもち, グラム陽性菌にもCBPCと同程度かそれ以上で, 肝臓への移行がよいことから胆汁中へ高濃度に排泄される特徴1)をもち, その有用性が1977年の第25回日本化学療法学会総会新薬シンポジウム2)で論じられた。
    私たちは, 本剤を1977年2月から1977年11月の10カ月間に当科および関連病院に入院した各種細菌感染症および細菌感染が疑われた患児に使用し, その臨床効果および副作用を検討したのでその成績を報告する。
  • 小林 裕, 森川 嘉郎, 春田 恒和, 藤原 徹, 富澤 貞造, 中村 凱次, 丸山 繁, 小西 行郎, 小西 薫, 本家 一也, 林 修平 ...
    1978 年 31 巻 7 号 p. 437-455
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PC-90Uは, 年友化学工業株式会社において, Ampicillin (ABPC) のAmino基に4 -Hydroxy-3-carboxyl-1, 5-naphthyridineを導入して, 新らしく合成された広域PCで, Pseudomonas aeruginosaをはじめとするグラム陰性菌に強い抗菌力をもち, グラム陽性菌にも有効で, きわめて抗菌域が広い。
    本剤は昭和51年1月から成人における検討が開始され, 52年6月の日本化学療法学会総会においてその評価がおこなわれた1)。小児科領域においては, 成人での1年間の成績から, 安全性に問題はなく, 検討に値する効果をもつと思われたので, 昭和52年初めから検討が開始された。われわれもその1員として基礎的討をお, 臨床的検こない, 多少の知見を得たので報告する。
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