The Japanese Journal of Antibiotics
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33 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • ラットにおけるKW-1062とGentamicinの光学顕微鏡および電子顕微鏡検査による腎毒性比較試験
    原 卓司, 西川 智, 宮崎 英治, 大黒 友路
    1980 年 33 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    KW-1062は, 奈良ら1-2) によつて発見された新規アミノ配糖体抗生物質である。すでに筆者らは, KW-1062の腎毒性は, 薬効, 構造の類似したGentamicin (GM) よりもかなり弱いことを報告4, 5) した。今回, さらに, 低用量を追加し, 光学的および電子顕微鏡による観察で毒性発現最小用量を把握し, 両薬剤の毒性の差を, より詳細に検討したので報告する。
  • 南谷 幹夫, 早矢仕 治邦, 当真 隆則, 小島 敏昌, 佐橋 佳郎, 寺尾 俊雄
    1980 年 33 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmetazoleは, 三共株式会社で開発された注射用の新合成セファマイシン系抗生物質で, グラム陰性菌やβ-Lactamase産生菌にすぐれた抗菌作用を示し1~3), 右に示す構造をもつ。
    Cefmetazoleをマウス, ラツト, イヌに投与したばあい, 糞便中への移行量がかなり多い4)。Cefkmetazoleのラット, ウサギ, イヌにおける胆汁排泄率も, Cefhzolin, Cephaloridine, Cefbxitinより大きい4)。これに対して, Cefmetazoleを健康成人に投与したPhaseI試験では, 投与量の大部分が尿中に回収され5), 小動物での排泄パターンとはかなり異なることを示唆した。しかし, 臨床面では, CefmetazoLeの胆のう炎6~10), 胆道感染症11~13), 急性腸炎8) に対する有効例が報告された。さらに, 総胆管癌患者14), 胆石症患者 (胆摘術時) 15), 総胆管結石症患者 (胆管ドレナージ施行時) 16~18), 総胆管閉塞患者 (PTCドレナージ施行時) 19), 外胆道痕造設患者11) などから採取された胆汁の測定によつて, Cefmetazoleのヒト胆汁中への移行性も確認された。一方, 小児科領域でも, 急性腸炎に対する有効例が報告され20), Cofmetazoleの腸管内への移行性が推測された。成人のばあいは, 胆汁排泄の検討から腸管内への移行量の口安が得られるが, 小児患者ではその種の検討はおこなわれていないため, Cefmetazoleの糞便中濃度を測定することによつて, Cefmetazole腸管内移行性を検討した。
  • 小野田 洋一
    1980 年 33 巻 1 号 p. 18-28
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    梅毒の抗生剤による内服治療法は, その抗生剤のもつ作用機序から, 梅毒Treponema pallidumを死滅させるか, 静菌的作用によつて細菌数の増殖を阻害させるようにするかの2法がある。多くの内服抗生剤は, 1回の服用後, 有効血中濃度の持続時間は6時間程度であり, Penicillin系, Tetracycline (TC) 系および多くのMacrolide系抗生物質はこれに該当し, 服用は毎6時間におこなわなければならない。これらの薬剤を長期間にわたつて時間を守つて服薬することは, 患者にとつて重い負担であるばかりでなく, 長期間投与が必要な駆梅療法期間中には服薬忘れなど, 内服治療の不成功につながることもおこりうる。
    Tetracycline系薬剤は, 梅毒Treponema pallidumに対して静菌的または殺菌的作用をあらわすことが動物実験により知られている1)。
    ヒトの梅毒治療に要するTCの1日必要量は, 有効血中濃度から逆算して, 19であり, 有効血中濃度を持続させながら4週間前後服用を続けさせるのを1コースとし, 休薬期間をおいて年間数コースおこなわねばならない。
    Doxycycline (DOTC) は, TCの誘導体であるが, 本剤の100~200mgはTCの19またはそれ以上の力価に相当する抗菌力をもつとされている。1日投与量は, TC薬剤の1/5~1/10となり, 投与量が少ないことは, 副作用の発現も軽減されることが予想される。また, 有効血中濃度が長時間持続することから, 1日1~2回の服用ですむ利点があり, 長期連用を可能とした。
    著者は以前に比較的短期間の観察であつたが, DOTCを投与して梅毒患者の治療をおこない, その結果が良好であることを報告したが2, 3), 今回これらの症例に加え, 長期間観察のできた症例についてその評価をおこなつたので報告する。
  • Beagle犬における慢性毒性
    伊藤 公一, 半田 淳, 森 道広, 江面 光, 熊谷 睦美, 鈴木 厚子, 中林 弥生, 入江 幸夫, 宮本 浩吉, 坪崎 正寿, 松田 ...
    1980 年 33 巻 1 号 p. 29-72
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    油性ブレオマイシン (以下油性肌Mと略す) は, 主として扁平上皮癌の治療に用いられているブレオマイシンをゴマ油中に分散懸濁し, 局注での局所組織内滞留性および筋注での血中濃度, リンパ管内濃度の持続性の可能性などを考慮してつくられた新製剤である。
    宮本ら1) は, すでに雄性ビーグル犬の亜急性毒性について報告した。今回, 著者らは油性BLMを雄性ビーグル犬に180回連続筋肉内投与した慢性毒性を, ブレオマイシン水溶液 (以下水性BLMと略す) と比較し, その毒性の差異を検討し, さらに5週間の休薬による回復性についても検討したので報告する。
  • 山口 正志, 高橋 俊子, 磯山 恵一, 城之内 治美, 塙 弘道, 柳沢 尚義, 山田 耕一郎, 石川 昭, 富田 純正
    1980 年 33 巻 1 号 p. 73-81
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftezole sodium (CTZ) は, Cefazolin sodium (CEZ) の類縁化合物として合成され, 本邦において研究開発された新らしいCephalosporin系抗生物質である。
    その化学構造式は, 下記のとおりで1), 臨床的に静脈内, 筋肉内投与によつて用いられる2)。
    今回著者らは, 小児感染症におけるCeftezole (Falomesin‘中外’CTZ) の静脈内投与による治療効果について検討をおこなう機会を得, 多少の知見を得たのでここに報告する。
  • 白岩 康夫, 高橋 美郎, 小林 正人, 藤村 誠, 竹内 睦男, 今村 巌, 横山 純, 穂積 彰一, 新井 元凱, 平井 庸夫, 宮田 ...
    1980 年 33 巻 1 号 p. 82-86
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    内服用の新合成ペニシリンPivmecillinamは, 1972年LUND1) らによつて開発されたもので, 6位の側鎖が既存のペニシリンがもっAcyl結合でなく, Amidino結合になつている点, 新らしさがある(Fig.1)。消化管からの吸収がよく, 各臓器への移行も良好で, 経ロ投与によつて生体内で速やかにEsteraseの作用をうけ, pivalicacidとMecillinamのHydroxymethyl esterに加水分解され, 次いでMecillinamとFormaldehydeに自然分解して抗菌力を示すとされている2)。
    グラム陰性桿菌に強い抗菌力を示し, 特に大腸菌および肺炎桿菌に対してはAmpicillin (ABPC) よりもすぐれた抗菌力を発する。また, ABPC耐性菌にも抗菌力をもつ。
    最近われわれは, 急性単純性膀胱炎に対してPivmecillimamを投与し, その治療効果と副作用について検討を加える機会を得た。ここに結果を報告する。
  • 猿渡 勝彦, 餅田 親子, 伊折 文秋, 林 愛, 那須 勝
    1980 年 33 巻 1 号 p. 87-96
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    β-Lactam系抗生剤またはアミノ配糖体抗生剤等の新らしい薬剤の開発が最近盛んであり, 特にCephalosporin系薬剤においては, 含β-Lactamaseに抵抗満で, すぐれた抗菌力をもつ薬剤が開発され, 比較検討されている。これらの新薬とは別に, 現在広く用いられている抗生剤を選びだし, 日常感染症の起炎菌としてよく遭遇する主な菌種について, これらの薬剤の抗菌力を検討したので,その成績を報告成る。
    今回, 対象とした菌種は, Cephalosporin系薬剤にある程度感受満をもつものである。
  • 1980 年 33 巻 1 号 p. 97-109
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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