The Japanese Journal of Antibiotics
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33 巻, 8 号
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  • R. W. JAMES, P.F. WADSWORTH, H. CHESTERMAN, S.A. BALL, S.K. MAJEED, R. ...
    1980 年 33 巻 8 号 p. 749-757
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Dibekacin sulphate (DKB), a new aminoglycoside antibiotic developed on the theory of bacterial resistance, was given by intravenous injection to groups of female Beagle dogs at dosages of2.5, 5.0, 10.0or25.0mg/kg/day for13weeks.Physiological saline was given as a control.Some dogs given5.0or10.0mg/kg/day were retained undosed for a further5weeks in order to assess recovery.Premature deaths from acute renal tubular nephrosis occurred in dogs given25.0and10.0mg/kg/day.Dogs which survived treatment at10.0 mg/kg/day showed marked elevation of circulating urea and creatinine concentrations after4weeks'treatment but thereafter the increases became less obvious. Varying degrees of renal cortical tubular dilatation, basophilia, degeneration or necrosis were seen in the kidneys of all dogs examined after13weeks treatment although no clinical impairment of renal function was detectable at dosages up to 5.0 mg/kg/day. These changes had essentially regressed in dogs examined5weeks after the last dose of DKB at5.0mg/kg/day.All the adverse clinical and histological effects noted, following any dose level of DKB tested, could be attributed to renal changes.
  • 井沢 豊春, 手島 建夫, 平野 富男, 蝦名 昭男, 今野 淳
    1980 年 33 巻 8 号 p. 758-766
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症では, 各種抗生物質の投与にもかかわらず, 胸部レ線所見はもとより, 自他覚症状が増悪をっづけ, 特に発熱が持続し, 患者の消耗が甚しく, 治療に困惑するばあいがある。起炎菌の同定も容易でない。すでに各種の抗生剤が使用されて, 検出される菌は, Klebsiella pneumoniaeであったり, α-Streptococciであったり, 嫌気性菌であつたり, 雑多である。
    私共は, Cefmetazole (CMz, CS-1170) 使用後, 他剤使用後にくらべて, 菌交代現象または菌交代症の原因菌としてのKlebsiella pneumoniaeの検出率がきわめて低率で, これはこれまでの種々の抗生剤療法の経験からすると, むしろ特異的な現象として注目し, 報告したが1), この臨床経験は, in vitroの抗菌作用からも充分に裏づけ出来る所見である2御4)。
    本稿は, 種々の抗生剤療法で効果がみられず, 検出菌が, Klebsiella pneumoniaeや判然と同定が不可能なきわめて重篤な呼吸器感染症に, CMZの大量療法 (1日109以上) を試みて良好な成績を得たので, その概要の報告である。
  • 中名生 宏, 今井 克明, 平岡 聖樹, 長谷川 嘉成
    1980 年 33 巻 8 号 p. 767-772
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefadroxil (BL-S578) は, Cephalexin (CEX) 噸似した構造をもつ新らしい経・セファ・スポリン剤である。
    本剤は, CEXと同程度の広範囲な抗菌スペクトラムをもつが, 血中濃度の持続性および吸収にさいし, 食事による影響を受けにくい特徴をもつている1~4)。本剤の基礎および臨床評価において, 投与後の血清, その他体液試料における抗菌活性の正確な測定は, 重要な意義をもつものと考えられる。
    体液濃度測定にあたつて最適な方法を検討するとともに, 体液内での安定性および尿中活性代謝産物についても検討したので報告する。
  • 中名生 宏, 今井 克明, 平岡 聖樹, 長谷川 嘉成
    1980 年 33 巻 8 号 p. 773-777
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ペニシリン, セファロスポリン類の血清蛋白との結合に関しては, 多くの研究がなされている1~4)。結合率の測定法としては, 平衡透析法, 限外炉過法, 超遠心法およびゲル炉過法などがあり, 我が国でも五味ら5) によつて平衡透析法と超遠心法, 西田ら6, りによつて限外炉過法を用いた測定結果が報告されて以来, 新らしい抗生物質を中心に多くの報告がなされている8~10)。しかし, 同一薬剤の測定結果であつても, 測定法の相違によつて2, 3, 7, 11, 12), また同一測定法のばあいでも, 結合率算出式の相違によつて8, 11), 大きな差違を示す報告も少なくない。
    我々は, 新経ロセファロスポリン抗生物質Cefhdroxilと既存の同系抗生物質Cephalexin, CephalothinおよびCefazolinについて, 平衡透析法および限外炉過法によつて血清蛋白との結合率を測定し, また結合率算出式に関して検討を加えたので報告する。
  • 絶食時および非絶食時
    中名生 宏, 今井 克明, 平岡 聖樹, 長谷川 嘉成
    1980 年 33 巻 8 号 p. 778-781
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefadroxilは, 半合成セファロスポリン系抗生物質で, 化学的にはCephalexinの芳香環パラ位に水酸基をもち, 溶液中酸性領域において安定な薬物である1)。抗菌力的には, Cephalexinと同程度と考えられるが, 臨床的にCefadroxilは, Cephalexinに比較し, 血清中濃度の持続性があり, 血清中濃度曲線下面積が大きく, 生物学的利用率が高いこと, およびCephalexinよりも食事の影響がより少ないという観点から, すぐれた経口投与薬剤であると考えられている2, 8)。経口的に投与される抗生物質の食事による影響に関して数多くの報告がみられるが4, 5), 臨床上, 食事条件および生体内動態の個体差等, 動物実験より以上に血中濃度を支配する要因が多いため, その判断を困難にしているものと思われる。
    今回我々は, Cefadroxilの食事による血清中濃度への影響に関する基礎検討として, Ratを用いて薬動力学の立場からCephalexinを対照に, Cefadroxilの絶食時および非絶食時における生体内動態を解析し, 多少の知見を得たので報告する。
  • 山路 邦彦, 杉山 陽子, 青河 寛次, 皆川 正雄, 柄川 二郎
    1980 年 33 巻 8 号 p. 782-793
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    国産の有力なCephalosporin系抗生物質であるCefoperazone (CPZ) の臨床評価} こついては, その抗菌スペクトルおよびその感受性に相応した優れた多くの臨床成績がみられるが, その多くは2.0g/day以上の投与量による症例である1)。このDosage scheduleは, 重症難治感染を指標として設定されたものであり, その抗菌作用からみて, 必ずしも重篤ではないが, 本剤適応となるような臨床例には, これよりも低量による有用性が推測される。
    そこで, Daily dose 1.0gにおけるCPZの臨床価値を検討するため, ヒトにおける吸収, 排泄および臨床成績を追求したので報告する。
  • 小牧 久美子, 滝田 清水, 益子 仁, 松枝 依子, 藤井 良知
    1980 年 33 巻 8 号 p. 794-798
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    緑膿菌に対する抗菌性の強いPiperacillinの側鎖をCepllalosporin核に導入して, 抗菌領域を拡大する目的から見出されたCefbperazone (CPZ) 1) は, いわゆる第5群のCEPs2) に属する広領域注射用CEPs剤のはじまりとして紹介された。
    成人領域の臨床試験はすでに終了して, その安全性と有効性が確認されたユ) ので, 必要な幼若動物の毒性試験と薬物代謝試験などで安全性をみた上で, 小児科領域の研究会が組織され, 臨床試験が開始された。
    その結果は, 昭和54年度12月の第27回日本化学療法学会西日本支部総会で発表3) したが, ここではその成績のうち当教室で経験したものについて述べる。
  • 青山 隆蔵, 黒沼 忠由樹, 永田 紀四郎, 泉 幸雄
    1980 年 33 巻 8 号 p. 799-802
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefbperazone (CPZ) は, 本邦で新らしく開発されたCephalosporin系抗生物質である。その特長は, グラム陽性菌および陰性菌に対して, 広範囲な抗菌スペクトラムをもち, 特にグラム陰性菌のうちPseudomonas aeruginosa, Enterobacter, Indole陽性Proteusに対して, 従来のCephalosporin剤より優れていることである。蛋白結合率は, 87%と高く, 胆汁中への移行が良好で, 体内でほとんど代謝をうけず, 尿中および胆汁中へ排泄される1)。
    今回, 我々は, 本剤を小児感染症10例に使用する機会を得たので, その臨床成績を報告する。
  • 中沢 進, 佐藤 肇, 新納 憲司, 中沢 進一, 鈴木 博之, 岩崎 章宣, 近岡 秀次郎, 岡 秀, 平間 裕一, 成田 章
    1980 年 33 巻 8 号 p. 803-819
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefbperazone (CPZ) は, 新らしく本邦で開発されたCephalosporin (CEP) 系抗生剤であり, 従来のこの種の製剤に比較して, 抗菌性の面でFbeudomonas, Enterobacter, Indole陽性Proteus, Serratia marcescens, Haemophilus influenzae等CPZに対して感性であり, その他の抗菌性は類似しているがCEP系製剤としては, 最も進歩した特徴をもつている。
    本剤は筋注, 静注が可能であり, 注射後, 抗菌性はよく諸臓器に移行し, 成人に使用した成績から高い治療効果と安全性がみとめられ, その成果については, 第27回日本化学療法学会総会 (昭和54年6月, 福岡) において報告されている1)。今回, 小児科領域における本剤の基礎的, 臨床的検討をおこない, 一連の成績が得られたので, 以下, 今日までの概況について報告する。
  • 豊永 義清, 黒須 義宇, 吉川 博幸, 高橋 孝行, 熊谷 公明, 堀 誠
    1980 年 33 巻 8 号 p. 820-840
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近の7-Aminocephalosporanic acid (7-ACA) 誘導体の合成研究の成果は日をみはるものがあり, 次々と新らしい抗生物質が開発され, 臨床的にも高い評価を得ている。
    現在使用されているCephalosporin C系抗生物質は広域スペクトルであり, その作用は殺菌的で, 毒性もきわめて低いなどの利点をもち, 臨床的に小児科領域でも広く使用されている。しかし, 近年, β-Lactamase産生株の存在が知られるようになり, 臨床上, 無視し得ないものとなつてきた1)。そのため, 従来のCephalosporill C系抗生物質の利点をもちながら, β-Lactamaseに対して安定な薬剤の開発が望まれてきた。こうした背景から, 7-ACAの7位のAmino基をα-(4-Ethyl-2, 3dioxo-1-piperazinecarboxamido)-α-(4hydroxyphenyl) acetic acidでAcyl化し, 3位はMethylthiotetrazole基を導入したCefoperazone (CPZ) が開発された。そうすることで, 本剤は臨床上特に問題となるグラム陰性桿菌に対してすぐれた抗菌力を示すほか, 注日すべきことは, 従来のCephalosporin C系薬剤では抗菌力がみとめられなかったPseudomonas aeruginosa, Enterobacter, Indole陽性ProteusおよびSerratia marcescensなどに対しても, かなりの有効性がみとめられるようになった。今回我々は, CPZを使用する機会を得たので, 本剤について抗菌力, 血中, 尿中濃度, 髄液移行率などの基礎的研究奪おこなうとともに, 各種細菌感染症に使用したので, それらの成績について報告する。
  • 山ロ 英明, 西川 和夫, 小川 昭正, 久野 邦義, 近藤 銈造
    1980 年 33 巻 8 号 p. 841-851
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoperazone (CPZ) は, 本邦で開発された注射用セファロスポリン系抗生物質である。Fig.1の構造をもち, グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して, 広範なスペクトラムをもち, 特にグラム陰性菌のうちPseudomonas, EnterobacterおよびIndole陽性ProteusではCefazolin (CEZ), Cephalothin (CET) に優つており, 各種細菌産生のβ。Lactamaseに強ぃ抵抗を示すとぃわれる1)。また, 殺菌作用をもち, 蛋白結合率は高く, 筋注, 静注によつて高い血中濃度が得られ, ほとんど代謝されずに尿中および胆汁中に高濃度に排泄されるといわれている1)。
    今回, 我々は, 本剤を小児科領域の細菌感染症に使用する機会を得たので, その臨床成績および副作用について, 多少の基礎的事項とともに報告する。
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