The Japanese Journal of Antibiotics
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35 巻, 8 号
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  • 渡辺 一功, 日比野 順子, 池本 秀雄
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1907-1910
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいアミノ配糖体系抗生物質Netilmicimを呼吸器感染症5例 (びまん性汎細気管支炎2例, 気管支拡張症2例, 気管支喘息法気道感染を伴うもの1例) 法投与して, 臨床的検討を行つた。投与方法は全例筋注で, 1回投与量は100mg, 1日2回である。
    臨床効果は有効3例, やや有効1例, 無効1例であり, 細菌学的法は2例の緑膿菌は除菌不能であつたが, 1例のセラチアは除菌できた。
    自・他覚的な副作用はなく, 臨床検査成績からもとく法異常所見は認められなかつた。1例で本剤投与前後法聴力検査を施行したが, 異常所見は認めていない。本剤の注射部位の疼痛にも全例耐えることができた。
    Netilmicinは米国Schering社で開発された新しいアミノ配糖体系抗生剤であり, Sisomicins1位のアミノ基をエチル化してえられた半合成物質で単一成分からなり, その構造式はFig.1法示すとおりである。Netilmicinの特徴は, 抗菌力の面では3位アミノ基のアセチル化や2〃, 位水酸基のアデニル化などによる不活化法たいして抵抗性を示し, これらの不活化酵素法よるGentamicin耐性株法すぐれた抗菌活性を示すことであり, また毒性の面ではGentamicim法比較して聴器毒性や腎毒性が弱いとされていることである1, 2)。
    我々は5例の呼吸器感染症法本剤を使用したので, その成績を報告する。
  • 大嶋 一徳, 中野 陽典, 上田 進久, 奥村 尭, 河原 勉, 篠 憲二, 伊藤 篤, 冨田 和義, 赤木 愛彦, 木村 正治, 山口 晃 ...
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1911-1917
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    米国シェリソグ社で開発されたNetilmicinは, 新しいアミノグリコシド系抗生剤で, Sisomicin (SISO) の1位のアミノ基をエチル化して得られる半合成品で, 製剤は硫酸塩であり, 化学構造式はFig.1法示したとおりである。分子式はC21H41N5O7・5/2H2SO4で分子量は720.8である。
    本剤はStaphylococcus aureus, Escherichia coli などの強毒菌だけではなく, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaのような弱毒菌法対しても強い抗菌力を示し1), しかもGentamicin (GM) 耐性菌法も有効であるとされている2, 3)。また, 他のアミノグリコシド系抗生物質と比較して腎毒性, 耳毒性が少ないと報告されている4, 5, 6)。
    今回われわれは術後合併症法Netilmicinを用いたので, その臨床効果を中心法報告する。
  • 緑膿菌法ついて
    村橋 勲, 本田 幹彦, 前田 節夫, 高崎 悦司
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1919-1924
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Netilmicin は米国シェリング社で開発されたAminoglycoside剤であり, Sisomicims1位のAmino基をEthyl化して得られる半合成物質で, 単一成分である。従来のAminoglycoside剤に比べて, 抗菌作用法おける耐性Patternに特異性があり, また腎毒性, 聴器毒性が少ないと報告1, 2, 3) されている。
    今回, 我々はPseudomonasaeruginosaに対するNetilmicinの基礎的・臨床的検討を行つたので, 以下にその成績を報告する。
  • 斉藤 功
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1925-1933
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Netilmicinは米国シェリング社の開発したアミノ配糖体系抗生剤であり, Sisomicinの1位のアミノ基をエチル化してえられる半合成物質で, 単一成分である (Fig.1)。
    本剤は従来の抗緑膿菌作用をもつアミノ配糖体系抗生剤と比較すると, 抗菌作用法おける耐性パターンの特異性1) と腎毒性と聴器毒性2, 3) が少ないなどの特長を有している。
    耐性パターンでは, 特に3位のアミノ基のAcetylationおよび2位の水酸基のAdenylation, Phospholylationによる不活化に対して抵抗力に示す点法興味がある。
    本剤を尿路感染症に使用し, その臨床効果を中心法検討したので報告する。
  • 小酒井 望, 森 三樹雄, 設楽 正登, 工藤 美保子, 森本 まり
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1934-1944
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    臨床において分離された黄色ブドウ球菌を全国的な規模で収集する機会を得て, 各種抗生物質に対する感受性試験を実施した。
    1980年の分離菌株数は587株, 1981年は700株である。
    MIC値25μg/ml以上の株を耐性菌とした場合, Ampicillin (ABPC) とCefazolin (CEZ) の耐性菌の分離頻度は, 年次的な増大が認められた。
    接種菌量108CFU/mlでみると, CEZの耐性菌は1981年の分離菌株で12.3%に認められた。Cefmetazole (CMZ) では1981年の分離菌株中わずかに6%であつた。
    臨床分離菌株の各種抗生物質に対する感受性試験は, 1病院の成績または狭い地域での成績の報告は数多くみられるが, 全国規模での成績ならびに年次推移を検討した成績はほとんど発表されていないのが現状である。
    我々は, β-Lactam抗生物質に対する黄色ブドウ球菌の耐性菌が近年増加傾向にある事実を報告しているが1, 2),
    今回, 全国規模において黄色ブドウ球菌を収集する機会を得たので, 各種抗生物質に対する感受性試験を実施した。本報告では, 1980年及び1981年に分離された黄色ブドウ球菌の成績について報告するが, 1977年の成績3) とも併せて比較検討を試みた。
  • 山根 繁, 多胡 秀信, 依田 有八郎
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1945-1950
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    セノメタゾール (CMZ, セフメタゾン (R)) は1972年三共株式会社で開発されたCephamycin系に属する抗生剤で図1に示すような構造式を有し, セファロスポリン酸の7位にメトキシ基を有するため, βーLactamaseに抵抗性が強い。
    細菌学的特長としては, 耐性大腸菌を含むβ一Lactamase産生菌に対し強い抗菌力を示し, 従来のセファロスポリン系抗生剤, ペニシリン系抗生剤に無効な細菌類にも抗菌力1) を示す。
    本剤は, 筋注あるいは静注により高い血中濃度が得られ, その半減期は約60分である。
    体内では代謝を受けず活性型のまま尿中から排泄され, また毒性も低い1)。
    われわれは上記の特長を有するCMZについて, 整形外科領域における骨・関節感染症に対する有用性の検討を行い, 結果を得たので以下に報告する。
  • 土光 文夫
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1951-1956
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmetazole (CMZ) は新しいCephamycin系の抗生物質で, 既にPhase III研究で, 本剤の産婦人科領域における成績についても研究発表されている4-6, 8, 11, 13)。
    そして本剤はβ-Lactamaseに対して強い抵抗性があり, 従来のCephalosporin系及びPenicillin系薬剤に耐性のグラム陰性桿菌や, 嫌気性菌感染に対しても有効なことが認められている。しかし, これらの報告は症例数が少ないので, 更に基礎的研究としての本剤静注による血清中濃度及び婦人性器組織内移行濃度を検討し, 併せて臨床的に産婦人科感染症にも使用したのでここに報告する。
  • 洲脇 正雄, 柏 尚裕, 野原 望
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1957-1960
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmetazole (CMZ) は三共株式会社が1972年に開発したCephamycin系薬剤で, すでに第25回日本化学療法学会西日本支部総会新薬シンポジウム1) などで検討され, 各科領域での感染症に対して臨床使用されている。本剤の細菌学的特徴は耐性大腸菌を含むβ-Lactamase産生菌に対して強い抗菌力を有し, 従来のCephalosporin系, Penicillin系が無効なIndole (+) Pnteus, Sentiaなどのグラム陰性菌に対しても抗菌力を持ち, さらにグラム陽性菌にも抗菌スペクトルを有する広域性にある。
    今回, 著者らはグラム陽性菌 (特にStaphylococcus aureus, Staphylococus epidemidis) が主たる感染症起炎菌である2) 皮膚科領域につき本剤の基礎的検討を行つたのでその成績を報告する。
  • 田島 惇, 大見 嘉郎, 増田 宏昭, 牛山 知巳, 藤井 一彦, 畑 昌宏, 太田 信隆, 鈴木 和雄, 藤田 公生, 阿曽 佳郎
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1961-1966
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    浜松医科大学泌尿器科外来患者疾患集計1) によると, 外来受診患者の疾患頻度の最も高いのは, 尿路性器感染症であり, 泌尿器科領域における感染症への適切な対応の重要性がうかがわれる。また, 高齢者や免疫機能, 腎機能の低下している患者に抗生物質を投与する2) ことは, われわれ泌尿器科医にとつて決して珍しいことではない。以上述べたことからも, 臨床効果がすぐれ, 安全域の広い抗生物質の開発が期待されている。
    最近新たに開発, 発売されたセファマイシン系抗生物質Cefmetazolesodium (CMZ) を, 浜松医科大学泌尿器科外来および入院患者に使用し, 臨床効果, 副作用について検討を加えたので発表する。
  • 奥村 修造, 出口 隆志, 中溝 喜博
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1967-1976
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    7-N-(p. Hydroxyphenyl)-mitomycin C (KW2083) は, Fig.1に示すように, Mitomycin Cの7位のアミノ基にP-HydroxyphenylがついたMitomycin C誘導体である。本薬物はマウスのLymphocytic leukemia P388腹水型を用いた実験系において, Mitomycin Cよりはるかに強い抗腫瘍活性をもつ薬物としてスクリー二ングされ1, 2), 骨髄毒性も軽減されている3)。
    今回, 著者らは14Cで標識したKW2083を主として用いて, ラヅトおよび1部イヌにおける吸収・生体内分布, 排泄および薬物速度論的検討を行なつたので報告する。
  • 複雑性・難治性感染症患者由来株を用いた成績
    出口 浩一
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1977-1986
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    著者は, 1981年9月に発行された本誌上において1), 黄色ブドウ球菌のセフェム系剤に対する耐性菌, そして緑膿菌, 変形菌などの各種グラム陰性桿菌, および黄色ブドウ球菌のアミノ配糖体剤に対する耐性菌の増加傾向を指摘した。このたび, 複雑性・難治性感染症患者臨床分離株を用いて, これら複雑性・難治性感染症に対して比較的使用頻度の高いアミノ配糖体, β-Lactam系およびボスホマイシンに対する薬剤感受性を検討したので以下報告する。
  • 富士 匡, 播磨 一雄, 有山 重美, 前谷 昇, 永富 裕二, 川嶋 正雄, 相部 剛, 天野 秀雄, 浅上 文雄, 五嶋 武, 河村 奨 ...
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1987-1992
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    胆道感染症に対する抗生剤の効果判定は臨床医家にとつて, 必ずしも容易ではなく, また, その多くの治験報告は資料不十分なようであり, それだけ胆道感染症に関する問題も数多いといえる。
    既に各種感染症に対するCefbxitin sodium (以下CFX, マーキシン注射用) の臨床的効果が報告されてきた。
    今回, 胆道感染症および閉塞性黄疸症例を対象としてCFXの感染治療効果と感染予防効果をみたので, その成績を報告する。
  • 加藤 文雄, 宮崎 貞二, 伊藤 邦成, 岡村 博道, 冬賀 秀一
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1993-1997
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, Cefoxitin (マーキシン注射用, 以下CFX) を整形外科領域の術後感染予防に使用して, 臨床的効果, 安全性等に関して検討したので, ここに報告する。
    CFXは, 米国メルク社がStreptomyces lactamduransが産生するCephamycin Cの誘導体として最初に開発したCephamycin系抗生物質である。本剤は各種細菌が産生するβ-ラクタマーゼに対してきわめて安定であり, その抗菌範囲も広く, その効果は殺菌的である1-7)。
  • 井上 顕信, 出口 隆志
    1982 年 35 巻 8 号 p. 1998-2004
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Spiramycin (以下SPM) はStreptomyces ambofacieesが産生する1) Macrolide系属する抗生物質であり, Fig.1に示す化学構造式を有する。SPMは主としてグラム陽性菌に有効であり2), またマイコプラズマに対して強い抗菌力を示すことが知られている3~5)。SPMは他のMacrolide系抗生物質に比較して抗菌力が劣るにもかかわらずin vivoにおける治療効果が優れている6) ことが認められ, 3, 4位をアセチル化したAcetylspiramycin (以下ASPM) はさらにin vivoでの実験的感染症7), 血中での持続性に優れている8~10) ことが報告されている。
    本報では主として血中でのSPM-IおよびASPMの挙動を放射性標識体 (14C-PM, 8H-ASPM) を用いてしらべ, さらに薬動力学的パラメーターを算出することにより上述したin vivoにおける優れた治療効果との相関を明らかにすることを試みた。
  • 岩尾 典夫, 梶川 次郎, 西本 直光, 三好 進, 水谷 修太郎
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2005-2014
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗菌剤の効果は, 発売後次第に低下する傾向があり, 細菌の耐性獲得がその主な原因であるとされている1)。発売当初のPivmecillinam (メリシン錠®, 武田薬品, 以下PMPCと略す) に関する臨床評価のなかで, 他剤耐性菌に対して有効率が高かつたのは, 新薬として当然であると述べた考察がある2)。
    PMPC発売後3年を経過した時点で, 我々は三度び, 初回報告3) とほぼ同様式の治験を施行して, 効果を検討したので, その結果を報告する。
  • 妙中 信之
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2015-2021
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    大阪大学集中治療部 (ICU) では, 開心術後症例や心筋硬塞など心肺危機にある患者の他, 機械的人工呼吸を要する重症肺炎や, 腹膜炎に由来する敗血症などの重症感染症患者を収容している。これらの重症感染症患者は, 当ICUの年間収容者数約250名のうち約15%を占め, その予後はきわめて不良1) となつている。従つて, ICUにおける感染対策は重要な課題と考えられる。
    新しく開発されたセファロスポリン系抗生物質Cefmenoxime (CMX, SCE-1365) は広い抗菌スペクトルを有しており, われわれのICUで, 起炎菌として特に問題1) となつているグラム陰性桿菌に対しても, 従来のセファロスポリン系抗生物質よりも強い抗菌活性を有することが報告されている2)。
    今回, このCMXを臨床使用する機会を得たので報告する。
  • 本廣 孝, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤本 保, 西山 亨, 中島 哲也, 石本 耕治, 富永 薫 ...
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2022-2033
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    百日咳の化学療法はMacrolide系薬剤 (MLs) が一般に使用され, 中でもErythromycin (EM) が優れた抗菌力を有することから第1選択剤とされている。
    新しく明治製菓株式会社で開発されたMLsのMidecamycin acetate (MOM) はMidecamycin (MDM) の誘導体で, Fig.1の構造式を有し, Bordetella pertussisに対し1.56μg/mlのMICを示し1), EM, MDMよりは劣る1, 2) が, 菌種によつては生体内で優れた抗菌作用を有する1) と述ベられている。また, 生体内代謝についての研究ではMb-12, Mb-2, Mb-6, Mb-9aなどの抗菌力をもつた代謝物が存在する1) ことが判明している。
    そこで私たちは, 本剤を小児に投与し, 血清中濃度, 尿中代謝物および回収率を測定するとともに百日咳に対する臨床効果および副作用を検討したのでその成績を報告する。
  • イヌ, ウサギ及びラットにおける点滴静注, One shot静注及び筋
    松本 浩良, 落合 謙介, 中島 彰, 松崎 明紀
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2034-2046
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    硫酸Amikacin (以下Amikacinと略す) は1976年8月に製造許可された抗生物輩で, 筋注用製剤として広く臨床に使用されている。その吸収, 排泄については, 既に多くの報告がみられるが1, 2, 8) 回今著者等はAmikacinの点滴静注時の吸収, 排泄について, ウサギ及びイヌを用い筋注時, One shot静注時との比較を行つた。また, ウサギとラヅトを用い点滴静注とOne shot静注時の生体内分布の比較を行つた。以下の結果が得られたので報告する。本実験は1976年11月から1977年3月の間に行われた。
  • 急性毒性及びウサギにおける亜急性毒性
    中村 浩一, 阿久津 貞夫, 松本 浩良, 佐村 恵治, 中田 義禮, 浅野 昌子, 平田 明保, 石川 久芳, 松崎 明紀
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2048-2067
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amikacin sulfate (以下Amikacinと略す) はKanamycinAの誘導体で現在筋注用として広ぐ臨床に使用されている。著者らはすでにAmikacinの筋注および皮下注による毒性について報告した6-9) が, 今回はラット, ウサギ及びイヌを用いた点滴静注時の急性毒性についてOne shot静注との比較を行い, またウサギにおける36日間の点滴静注による亜急性毒性について検討したので報告する。本実験は1976年11月から1977年5月の間に行われた。
  • イヌにおける静脈内注射による亜急性毒性
    阿久津 貞夫, 佐村 恵治, 嶋村 達夫, 松本 浩良, 福嶋 雄二, 浅野 昌子, 小松 啓孝, 松崎 明紀
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2069-2099
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amikacin sultate (以下Amikacinと略す) の毒性について, ラットの皮下注による30日間, 180日間の毒性及びイヌの筋注による30日, 180日間の毒性等を報告した1-4)。また, ウサギでの筋注時の亜急性毒性が報告されている5-6)。また著者等は第1報において, 1回静注及び点滴静注による急性毒性及びウサギにおける点滴静注による亜急性毒性について報告した7)。今回はイヌ (Beaglo) を用いて, Amikacinの点滴静注をやる代りに毎日1時間間隔で2回, 38日間に亘る連続投与を行い, その亜急性毒性について検討したので報告する。本実験は1976年11月から1977年6月の間に行われた。
  • ラットにおける妊娠前及び妊娠初期腹腔内投与実験Seg.1
    阿久津 貞夫, 加藤 誠, 川名 研一, 嶋村 達夫, 福嶋 雄二, 松崎 明紀
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2100-2110
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminoglyooside系抗生物質であるAmikacimsulfateについて, 著者らはすでに, マウス, ラツト及びウサギの器官形成期に皮下, または筋肉内投与した場合, 及びラットの周産期及び授乳期に皮下投与した場合の何れにおいても催奇形性のないことを報告した1-3)。今回, Amikacin sulfateをラヅトの妊娠前及び妊娠初期に腹腔内投与し, 生殖能力及び次世代に及ぼす影響について検討したので報告する。本実験は1981年1月から1981年6月の間に行われた。
  • 伊藤 亜司
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2111-2125
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 感染症の起炎菌はグラム陰性桿菌が増加しており, 特に, 重篤な原疾患を有する重症感染症においては宿主側の要因などもからみ合い, krseNomnasSerratiaなど宿主腸内細菌叢由来の多剤耐性弱毒菌によるものが顕著である。この変貌は基礎疾患を有する難治性呼吸器感染症においてもうかがわれ, 検出菌に占める分離頻度も増加している現況である1)。最近, これら弱毒菌に対しても抗菌スペクトラムを有するCephalosPorin系・Cephamycin系およびPenicillin系抗生物質が種々開発されているが, 殺菌力の強さ, 組織移行などを考慮するならば, アミノ配糖体抗生物質 (AGs) は有用性の高い薬剤であり, 今後とも広く臨床に供されると考えられる。筆者はAGsであるAmikacin (以下AMKと略記) を重症呼吸器感染症に使用する機会を得, 既に報告しているが2, 3), 諸家の報告にもみられるように, これら弱毒菌による感染症に対し優れた成績であつた4-7)。
    従来, AGsは主に筋肉内投与により汎用されているが, これは筋肉内投与により血中へ速やかに移行し, 良好な腎排泄を示すこと, また, 副作用を考慮するためと思われる。しかし, 重症感染症で1日数回の投与が必要な患者, 出血傾向のある血液疾患患者およびるい痩患者など筋肉内投与が困難な場合, また, 筋肉内投与にはよる局所部位の筋組織障害, 疼痛などにより繰り返し投与することが問題となつてきている現在, 副作用を勘案した経静脈的投与法の早期確立が望まれている。
    今回, 筆者は呼吸器感染症を対象にAMK点滴静注による血中動態ならびに有効性・安全性について検討し, 若干の知見を得たのでここに報告する。
  • 頓宮 廉正, 安治 敏樹, 福田 富男, 板野 一男, 稲臣 成一
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2126-2130
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年条虫症の駆虫にアミノグリコシド系抗生物質の一種である硫酸パロモマイシンを用いて有効な事が認められ広節裂, 頭条虫症についてはWITTNER and TANOWlTZ (1971) 1), 金沢 (1971, 1977) 2, 3), TANowlTzandWITTNER (1973) 4), 石田ら (1975) 5), 大鶴ら (1975) 6), 吉村ら (1975-978, 1976) 7-9), 大島 (1976) 10), 吉田ら (1979) 11), 鈴木・大鶴 (1980) 12) によつて報告されている。又, 一方条虫体に対する影響に関しては今井ら (1981) 13) が小形条虫を用いて虫体の運動性, 体表の微細構造をin vitroで観察し, 報告している。しかし, 人から駆虫した虫体の体表構造への影響を電子顕磯レベルで勢した報告がないそこで著者らは硫酸パロモマイシンで駆虫した広節裂頭条虫の体表の変化を走査型と透過型の電子顕微鏡で観察して報告する。
  • 丸野 廣, 宮沢 亘, 田原 佳子, 宮崎 素子, 木下 敏子, 篠塚 輝治
    1982 年 35 巻 8 号 p. 2131-2136
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    原発性非定型肺炎の大部分を占めるといわれるマイコプラズマ肺炎は, 4年ごとの周期をもつて流行することが知られている。
    1本邦に於ても昭和49年から51年および54年から55年にかけて全国的な流行があり, 各地から詳細な報告がなされている一方で, これら流行年以外でもかなりの症例の発生があることも指摘されている1-8)。
    今回, われわれは昭和56年3月から同年12月の間に本院小児科外来に通院もしくは入院した呼吸器感染症のうち, マイコプラズマ肺炎と診断され得た16例を含む原発性非定型肺炎31例について, Acetylspiramycin (以下, ASPMと略す) の内服による臨床効果を検討したのでここに報告する。
  • 1982 年 35 巻 8 号 p. 2137-2138
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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