The Japanese Journal of Antibiotics
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41 巻, 6 号
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  • 斎藤 篤
    1988 年 41 巻 6 号 p. 613-622
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Carumonam (CRMN) は, 武田薬品工業 (株) が世界ではじめて細菌から発見した単環性β-Lactam系抗生物質Sulfazecin1) の基本骨格を種々化学修飾することによつて得られた新しい注射用抗生物質である2, 3)。
    構造式はFig. 1に示すとおりである。この単環性β-Lactam系抗生物質はPenicillin系, Cephem系と区別するためMonobactam系と呼ばれ, その一つにスクイブ社のAztreOnam (AZT) がある。
    CRMNはPseudomonas aeruginosaを含むグラム陰性菌に対して既存のβ-Lactam系注射剤より強い抗菌力を示し, 又, 毒性試験, 一般薬理試験4), 臨床第一相試験5) などにより, その安全性が確認され, 臨床的な有用性が期待されたので, 1983年11月から研究会 (世話人岐阜大学泌尿器科西浦常雄, 東京慈恵会医科大学第2内科斎藤篤) が組織され, 基礎並びに臨床に関する広範な検討がなされた。その検討成績は, 第33回日本化学療法学会西日本支部総会新薬シンポジウムにおいて発表された6)。ここでは, それ以降の研究成績も含めて本剤の概要について述べる。
  • 高橋 愛樹, 桜井 修, 石田 康男, 岡 寿士, 渡辺 糺, 成原 健太郎, 鈴木 快輔
    1988 年 41 巻 6 号 p. 623-630
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpiramide (CPM) はブドウ球菌属, 腸球菌, 緑膿菌, 嫌気性菌であるバクテロイデス属に広範に抗菌力を示し, クレブシエラ属, 大腸菌を含めた腸内細菌群にも抗菌力を示すCephalosにporin系抗生物質である。消化管手術時に検出される主たる細菌に抗菌力を有するCPMの血清中濃度及び大腸組織内移行濃度を大腸癌症例において測定した。昭和60年12月から昭和62年3月までの間に入院, 大腸手術を受けた18例を対象とした。CPM1g投与11例, 29投与7例であつた。CPM1g投与後の血清中濃度は投与後25分~2時間20分で81. 56-212. 6μg/mlの問に分布し, 大腸組織内濃度は14. 17-66. 95μg/gの間に分布し, 組織/血清の濃度比は0. 08-0. 49, 0. 24±0. 05(平均±S. E.)であつた。CPM2g投与後の血清中濃度は投与後1時間10分-3時間50分で128. 4-253. 5μg/mlの間に分布し, 組織内濃度は投与後1時間10分-5時間15分で48. 3-116. 5μg/gの間に分布し, 組織/血清濃度比は1時間10分-3時間5分で0. 21-0. 55, 平均0. 42±0. 05であつた。すなわち, 組織移行濃度については, 2g投与が1g投与の倍以上の移行を示した。又, CPM2g投与の場合, 測定したすべての時間にわたって, ほぼすべての適応菌種の報告されている臨床分離株に対するMIC80をクリアしていた。 従つて, 術後の感染予防には, 血清中濃度, 組織移行濃度の成績から本剤は有効であり, 2g投与が有用であることが示唆された。
  • 濃度ディスク感受性結果の4カテゴリー評価システムとその定量的利用の意義
    植手 玄洋, 松尾 清光, 植手 鉄男
    1988 年 41 巻 6 号 p. 631-640
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1. 本研究においてはセファマンドール (CMD) の血中有効濃度を得るための投与量設定, 評価へのディスク感受性結果の定量的利用の吟味, 検討を行つた. 1濃度8mm直径-30μgCMD含有ディスク(昭和薬品化工)の阻止円の大きさの定量的評価, すなわちMIC値の推定について, MIC実測値と比較しその信頼性を究明した。
    2. 昭和60年1月から6月に至る間に北野病院 (大阪市) において臨床材料から分離された細菌246株に対するCMDのMIC実測値からするとStaphylococcus aureusは分離株の89%が6. 25μg/ml以下で, 71%の菌株が3. 13μg/ml以下で発育が阻止された. Staphylococcus epidermidisは分離株の87%が3. 13μg/ml以下で発育が阻止された。分離されたEnterococcus faecalis全株に対するMICは50μg/ml以上であつた。Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilisなどは90%以上の分離菌株がCMD濃度3. 13μg/ml以下で発育が阻止された. Proteus vulgarisは分離株の67%が6. 25μg/ml以下で, 47%が1. 56μg/ml以下で発育が阻止された。Serratia marcescensは分離株の7%が3. 13-6. 25μg/mlの間で発育が阻止されたにすぎない。Enterobacter aerogenesは分離株の69%が3. 13μg/ml以下で発育が阻止された。分離された緑膿菌全株に対するMICは200μg/ml以上であつた。
    3. 高度Methicillin-resistant S. aureus (MRSA)(MIC > 30μg/ml)12株中10株に, 15μg/ml以下の濃度でCMDは抗菌力を示した。このCMDの抗菌力はセファロチン, セフォチアム, セブメタゾルよりもMRSAに対して強力であることを示していた。
    4. ディスク感受性結果は阻止円の大きさから(+++),(++),(+),(-) と分類された。(+++)は阻止円直径23mm以上, MIC3μg/ml以下,(++)は阻止円直径16~< 23mm, MIC> 3-15μg/ml,(+) は阻止円直径10~< 16mm, MIC> 15-60μg/ml,(-) は阻止円10mm未満, MIC> 60μg/mlにBreak pointsを設定し, ディスク感受性結果の分類と実測MIC値を比較するとMIC値とよい相関関係がみられた。ディスク結果からCMDのMIC概値推定の信頼性は高く, 4分類法によるFalse positiveは1. 6%で False negativeは4. 5%であった. 故に, ディスク結果を定量的に利用し, 投与量設定, 評価に役立たせることは可能である. ml以下のCMDの濃度で発育が阻止された。しかし, Serratia, P. aeruginosaへの抗菌力は弱く, 無効の菌株が多かつた。諸家の報告するとおりであった.
  • 千村 哲朗, 森崎 伸之, 松尾 正城
    1988 年 41 巻 6 号 p. 641-645
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cephalosporin系抗生物質の一つで近年新しく開発されたCeftriaxone (CTRX) を産婦人科領域の各種感染症7例に投与し, 以下の成績を得た。
    1. 子宮内感染3例, 附属器感染1例, 骨盤内感染1例, 外性器感染2例を対象とし, CTRX2gX1/日 (総投与量6-20g) を点滴静注投与した.
    2. 臨床効果では, 全例に有効性を認め, 本剤投与時の臨床検査値の異常, 自他覚的副作用も認められなかった。
    CTRXの2gX1/日投与法は, 臨床上極めて使用しやすい投与法であり, 且つ本剤の特性から十分な臨床効果が期待できる。
  • 藤井 良知, 篠崎 立彦, 目黒 英典, 有益 修, 吉岡 一, 藤田 晃三, 坂田 宏, 丸山 静男, 我妻 義則, 福島 直樹, 高瀬 ...
    1988 年 41 巻 6 号 p. 646-662
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児感染症に対するRokitamycln (RKM) ドライシロップの有用性を検討し, 以下の成績を得た。
    1. 小児新鮮病巣分離株に対するRKMの耐性菌分離頻度は, Staphylococcus aureus 68株中4. 4%, Streptococcus pneumoniae48株中4. 2%と低率であり, Streptococcus pyogenes 96株については耐性菌は認められなかつた。
    2. 小児での低~無酸症例は53例中2例, 3. 77%に認められた。
    3. 小児にRKMドライシロップを5, 10mg/kg及び15mg/kg空腹時単回経口投与による血漿中濃度のピーク値は, それぞれ0. 25, 0. 55, 0. 74μg/mlであり, T1/2(β)は2. 18, 1. 97時間及び2. 00時間であった. 0-6時間の尿中回収率は, それぞれ1. 21, 1. 38%及び2. 23%と低値であつた。
    4. 臨床検討は急性肺炎, Mycoplasma肺炎及び扁桃炎等を中心に実施され, 原因菌判明症例379例では, 著効186例, 有効144例, やや有効24例, 無効20例, 不明5例, 有効率88. 2%の成績であつた。 菌不明例を含めた全例598例についても, 著効247例, 有効269例, やや有効42例, 無効35例, 不明5例, 有効率87. 0%の成績が得られた。
    5. Chlamydia感染症はキャリァー1例を含む12例で検討され, 又, Campylobacter腸炎は36例で検討され, いずれも有効の成績が得られた. Mycoplasma肺炎は66例で, 著効33例, 有効27例, 有効率90. 9%であった。
    6. 本剤の至適投与量は20-40mg/kgと考えられた。しかし, S. pyogenes感染症の咽頭除菌を必要とする場合にだけ40mg/kg前後の投与量が必要と思われる。
    7. 副作用は622例で検討され, 9例, 1. 45%に認められた。発疹の1例以外はすべて消化器症状であり, いずれも軽度であつた。
    臨床検査値異常は455例のうち, 好酸球増多19例, 肝酵素異常8例などがみられたが, いずれも一過性で軽度なものであつた。
  • 坂田 宏, 梯 仁志, 室野 晃一, 藤田 晃三, 吉岡 一, 佐々木 暢彦, 森 善樹, 丸山 静男
    1988 年 41 巻 6 号 p. 663-672
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児の呼吸器感染症25例にRokitamycinのドライシロップを投与し臨床効果と副作用を, 更に5例において薬物動態を検討した。1. 有効率は79. 2%であつた。溶連菌感染症に対しては2例とも除菌ができなかった。
    2. 重篤な副作用は認めず, 検査値の異常としてGOT, GPTの増加が2例, 好酸球の増加が3例にみられた。
    3. 最高血漿中濃度は投与後05-1時間にあり, 5mg/kg投与で平均0. 15μg/ml, 10mg/kg投与で平均0. 67μg/mlであつた。
    4. 投与後6時間までの尿中回収率は5mg/kg投与で平均0. 76%. 10mg/kg投与で平均124%であった。
    5. 尿中の代謝産物はLeucomycin A7とLeucomycin Vとで約90%を占めていた。
  • 河内 暁一, 佐藤 雄一, 木村 滋, 米坂 勧, 横山 碓, 大西 彬, 飛鳥 徳久, 岡本 忠篤, 武部 幸侃, 対島 徳武, 松村 千 ...
    1988 年 41 巻 6 号 p. 673-685
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質Rokltamycin (RKM, TMS-19-Q)を小児急性感染症に用い臨床検討を行った。
    投与68例中62例で効果判定がなされ有効率は82. 3%であつた。疾患別では咽頭炎7例(85. 7%, 6例/7例), 気管支炎4例(25. 0%, 1例/4例), 扁桃炎9例(100%, 9例/9例), マイコプラズマ肺炎13例(100%, 13例/13例), 溶連菌感染症13例 (92. 3%, 12例/13例), 肺炎14例 (57. 1%, 8例/14例), 百日咳1例(100%, 1例/1例), クラミジア肺炎1例(100%, 1例/1例)であった。
    副作用は1例にじんま疹, 臨床検査値異常は3例に認められたが重篤なものはなかった. テオフィリン併用例で血中濃度に影響を与えなかった。
  • 目黒 英典, 有益 修, 白石 裕昭, 杉江 信之, 角田 修, 足立 秀子, 篠崎 立彦, 藤井 良知, 阿部 敏明
    1988 年 41 巻 6 号 p. 686-695
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    19例の小児でRokitamycin (RKM) ドライシロップを臨床的にあるいは薬物動態的に検討した。Mycoplasma pneumoniaeあるいはChiamydia trachomatisによる胃腸炎には良好な効果が認められた。しかし, Streptoccus pyogenesによる急性咽頭炎やHaemophilus influenzaeによる肺炎に対する効果は悪かつた。RKMの血中濃度は従来のMacrolide系抗生物質より良いようであったが, 個体差が大きかつた。下痢以外に特記すべき副作用は認められなかった。
  • 佐藤 肇, 成田 章, 松本 貴美子, 中澤 進一, 鈴木 博之, 中西 好子, 中澤 進, 近岡 秀次郎, 小井土 玲子, 神垣 昌人, ...
    1988 年 41 巻 6 号 p. 696-711
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児用Rokitamycin(RKM)drysyrupを使用しての一連の検討を行い以下の成績をおさめることができた。
    1. RKMは最近分離したStreptococcus pyogenesに対しJosamycin (JM), Midecamycin (MDM), Erythromycin, Lincomycinに比較して高度耐性株が少なかつた。又, 他種Macrolide系抗生物質耐性株に対し抗菌性であった。
    2. 最近分離したStaphylococcus aureus, Streptocococcus agalactiae, G群 Streptococcus, Stapyogenes, Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeに対してMidecamyclnacetate, JMより強い抗菌力を示した。10-15mg/kg内服時血漿中濃度のPeakは30分値が多く0. 07-0. 77μg/ml, 6時間目には測定不能例が多くT1/2は1. 2-2. 6時間であった。6時間までの尿中排泄率は1. 26-1. 74%であった。
    3. 急性上, 下気道感染症, カンピロバクター腸炎等を主体とした52例を治療し, 1日投与量約20~40mg/kg, 4-14日間の使用によって有効率は88. 5%であつた。
    4. 患者から分離した7菌種43株の除菌率は81. 4%であつた。
    5. 4-14日間の内服によつて肝, 腎機能, 一般血液検査に異常成績はみられなかつた。副作用は胃部不快感1例を認めただけであった。
  • 廣澤 浩, 石川 尉子, 高橋 慎太郎, 松田 博雄, 市橋 治雄
    1988 年 41 巻 6 号 p. 712-719
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新マクロライド系抗生物質Rokitamycinの小児科領域における有用性を検討した。
    1. 症例数は除外例1例を除き27例, 年齢は7カ月~9歳11カ月にわたり, 男児14例, 女児13例であった。
    2. 1目投与量は19.2~41.1mg/kgで, 1日3回の空腹時経口投与とし, 総投与量は22.2~500.0mg/kgにわたつた。投与期間は2~15日間であつた。
    3. 疾患別症例数はAcute pharyngitis 9例, Acute bronchitis 15例, Pneumonia, Purulent lymphadenitis, Campylobacter enteritis各1例であった。
    4. 臨床効果は22例が有効以上で, 81.5%の有効率であつた。Acute pharyngitis 88.9%, Acute bronchitis 80.0%, Purulent lymphadenitis, Campylobacter enteritisは100%の有効率で, やや有効と判定したPneumoniaは咽頭培養でHaemophilus influenzaeが分離され, 感受性はDisk法においてNegativeであつた。
    5. 細菌学的効果は起炎菌と推定された26株のうち, 消失9株, 減少5株, 不変7株, 不明5株で, 42.9%の消失率であつた。
    6. 本剤投与中及び投与中止後に副作用及び臨床検査値異常を認めたものはなく, 本剤の服薬拒否例もなかった。
    本剤は小児科領域感染症に対する有効性・安全性が高く, 有用性の高い薬剤であると思われた。
  • 豊永 義清, 杉田 守正, 城 宏輔, 高橋 孝行, 渡辺 よし子, 堀 誠
    1988 年 41 巻 6 号 p. 720-738
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Rokitamycin (RKM, TMS-19-Q) について基礎的・臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    1. 抗菌力
    Staphylococcus aureus (Methicillin感性株50株, Methicillin耐性株50株), Haemophilus influenzae18株, Campylobacter jejuni50株, に対し, RKMの抗菌力をJosamycin (JM), Midecamycin (MDM), Erythromycin (EM), Cefaclor (CCL)(又はAmpicillin (ABPC)) と比較検討した。
    S. aureusに対する5薬剤はすべて幅広いMIC分布を示したが, RKMが若干優れており, 感受性株に対する各薬剤のMIC80は, RKM 1.56μg/mlに対し JM, MDM, EMは12.5, 12.5, 6.25μg/mlであり, CCLは3.13μg/mlであつた。同様にMethicillin-resistant S. aureusに対しては, 100μg/ml以上の耐性株の出現はMLsではRKM, JM, MDM, EMはそれぞれ18%, 26%, 34%, 48%でありRKMが最も低かつた。感受性ピークもそれぞれ0.78, 0.78, 1.56,>100μg/mlであり, RKMが優れており, EMへの耐性化傾向を明瞭に映していた。CCLは感受性ピークが12.5μg/mlと高いが, 100μg/ml以上の高度耐性株は6%と少なかつた。
    H. influenzaeに対しては, RKMは0.78~12.5μg/mlに分布しており,EMより1管程度劣り, CCLとほぼ同様, JM, MDMより2管程度優れた成績を示した。
    C. jejuniに対するRKMのMIC分布は0.10~12.5μg/mlと幅広いが, そのMICピークは0.20μg/mlであり, EMとほぼ同様の累積曲線を示し, 他の3剤より2~3管優れていた。
    2. 吸収, 排泄RKMドライシロップ剤5mg/kg 2例, 10mg/kg 7例, 15mg/kg 2例, 20mg/kg 1例について検討した。血漿中濃度ピークは投与量依存性を認めず, それぞれ0.16~0.23, 0.29~0.91, 0.35~0.46, 0.53μg/mlであり, 10mg/kg投与量まででは4時間値は測定下限のものが多く, 15mg/kg以上では3例中2例に6時間値を測定でき, 0.07~0.09μg/mlを示していた。6時間までの尿中回収率は0.19~3.31%であつた。
    3. 臨床成績
    マイコプラズマ肺炎17例, 細菌性肺炎7例, 気管支炎3例 (含む扁桃炎合併1例), 扁桃炎, 咽頭炎13例, 猩紅熱, 溶連菌感染症9例, 百目咳, クラミジア感染症, 腸炎 (クレブシェラ), キャンピロバクター腸炎それぞれ1例の計53例に対する臨床効果は著効37例, 有効11例, やや有効1例, 無効4例で, 有効率90.6%であつた。1日投与量は27.3~40.0mg/kgであり, 1例を除きすべて3回投与であつた。細菌学的には19例に菌の検出を認めたが, そのうち菌の消失をみたものは16例であつた。
  • 山下 直哉, 老川 忠雄, 小佐野 満
    1988 年 41 巻 6 号 p. 739-744
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Rokitamycin (RKM, TMS-19-Q) ドライシロヅプの体内動態及び臨床的検討を行い次のような結果を得た。
    1.5mg/kg, 10mg/kg, 15mg/kgのそれぞれ1回経口投与では, 血中最高濃度は投与後30分 (1時間2例) にあった。しかし血中濃度にはかなりのひらきがみられ, 吸収が良好な例ではRKMが適応になる起炎菌に対して十分な濃度に達した。
    2. 臨床的検討ではマイコプラズマ肺炎2例, クラミジア感染症2例, 溶連菌性扁桃炎1例の5例全例で臨床効果は有効以上の成績であった。
    服薬拒否は無く, 副作用も認められなかつた。
  • 砂川 慶介, 石塚 祐吾, 斎藤 伸夫
    1988 年 41 巻 6 号 p. 745-754
    発行日: 1988/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児感染症29例にRokitamycin (RKM) ドライシロップを21.4~44.4mg/kg/日経口投与して以下の結果を得た。
    1. 効果判定の可能であつた24例の臨床効果は扁桃炎, 喉頭炎5例中著効2例, 有効3例, 気管支炎8例中著効3例, 有効5例, 気管支肺炎6例中著効3例, 有効2例, やや有効1例, オーム病3例中著効2例, 有効1例, カンピロバクター腸炎2例中著効2例で有効率は95.8%であった。
    2. 細菌学的効果はStreptococcus pyogenes 2株中減少1株, 不変1株, Streptococcus pneumoniae 1株及びStaphlococcus aureus 2株はいずれも消失, Haemophilus influenzae 5株中消失2株, 不変3株, Campylobacter 2株はいずれも消失であった。
    3. 本剤が投与された27例のうち副作用としては下痢, 腹痛, 食欲不振が各1例にみられた。一部の症例で行つた血液検査では1例で血小板数が27.6×104から78.2×104と増加した他には検査値異常は認められなかつた。
    以上の結果からRKMドライシロップは小児の感染治療に対して有効性, 安全性の高い薬剤であると考えられた。
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