The Japanese Journal of Antibiotics
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43 巻, 5 号
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  • 藤田 信一, 殿畑 晶子
    1990 年 43 巻 5 号 p. 757-760
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Methicillin (DMPPC) 耐性Staphylococcus aureus (MRSA) 50株とDMPPC感性S.aureus (MSSA) 50株に対するCefuzonam (CZON), Flomoxef (FMOX), Imipenem (IPM) 及びMinocycline (MINO) の抗菌力をMUELLER-HINTON (MH) 培地 (BBL, Difco) の違いを中心に検討した。MH培地の違いにより最小発育阻止濃度 (MIC) が4倍以上変動していた菌株はCZONが16株 (MRSA14株, MSSA2株) と最も多く, 次いでFMOXのMRSA12株, IPMのMRSA5株, MINOの7株 (MRSA5株, MSSA2株) であつた。いずれの薬剤もDifco社製のMH培地の方がBBL社製よりMIC値は低かつた。MSSAに対しては4薬剤の抗菌力に著明な差は認められなかつたが, MRSAに対しては差がみられ, MINOの抗菌力が最も優れていた。
  • 林 泉, 大沼 菊夫, 蓮池 美樹, 石井 智徳
    1990 年 43 巻 5 号 p. 761-767
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftibuten (CETB, 7432-S) の急性気管支炎に対する有効性, 安全性の検討を行つた。
    対象は当院 (いわき市立総合磐城共立病院) 呼吸器科外来を訪れた, 成人男性10例, 女性10例, 計20例の急性気管支炎患者である。
    CETBの1日投与量は300mg, 分3, 18例, 600mg, 分3, 2例で, 投与期間は3日間1例, 7日間16例, 10日間1例, 14日間2例であった。
    本剤投与前, 喀疾から分離された起炎菌は11株あり, 治療により11株すべてが消失したが, 投与後出現菌としてStreptococcus pyogenes が1株あつた。除菌率は100% (11株/11株) であった。
    臨床効果は著効3例, 有効17例で, 有効率は100% (20例/20例) であつた。
    副作用及び臨床検査値に異常を示したものはなかった。
  • 渡辺 彰, 大泉 耕太郎, 本宮 雅吉, 吉田 司, 伊藤 利治, 金山 広海, 斉藤 純一, 中井 祐之, 佐藤 和男
    1990 年 43 巻 5 号 p. 768-778
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新セフェム系抗生物質Ceftibuten (CETB) の200mg capsuleを用いて慢性気道感染症の急性増悪に対する臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した。肺結核二次感染1例, 気管支喘息二次感染2例, 慢性気管支炎急性増悪1例, 肺気腫二次感染3例, 肺線維症二次感染1例, 気管支拡張症二次感染9例及び急性肺炎3例の計20例に対して本剤の200mg capsuleを1日2回 (15例) あるいは3回 (5例), 3-14日間 (平均10.6日間) 投与し, 著効3例, 有効11例, やや有効3例, 無効3例で, 有効以上の有効率70.0%という成績を得た。喀痰からグラム陽性球菌8株, グラム陰性桿菌10株の併せて18株を分離し, CETBの投与により効果判定可能の15株中8株が消失した。Pseudomonas aeruginosa 3株はいずれも消失しなかつた。臨床的副作用は全例に認めず, 好酸球数増多を2例, GPTの上昇を1例に認め, いずれも軽度で一過性であるが本剤の投与に起因するものと考えられた。以上から, 本剤は慢性気道感染症に対して有用であり, 第1次選択薬剤としての位置を占めると考えられた。
  • 水谷 修太郎, 西村 和郎, 吉村 一宏, 三好 進, 岩尾 典夫, 東本 順三, 塩田 憲三
    1990 年 43 巻 5 号 p. 779-789
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    24例の複雑性尿路感染症に対して, 1日に0.4gのCeftibuten (以下CETBと略) を, 5日間, 朝夕食後に分2内服投与した。副作用のために投与を中止した症例は無かつた。不適格の1例を除いて, 単独感染群16例及び複数菌感染群7例のうち, 9例に著効, 6例に有効, そして8例に無効を認め, 65%の総合有効率を示した。膿尿に対しては23例中11例に消失, 3例に改善を認め, 残りの9例は不変であつた。
    細菌尿に対しては14例が陰性化, 4例が菌交代, そして5例が不変であつた。分離した菌株のうち, Pseudomonas sp.を除いたグラム陰性菌の24株に対する本剤のMICを検討したところ, CETBはCefiximeやLomenoxacinよりも抗菌活性がやや劣る値であるが, Cefaclorよりも良好な値を得た。自覚的副作用は1例も認められなかつた。臨床検査値の異常変動としては, 1例にGOT, GPT並びにAl-Pの一過性の上昇を認め, 本剤と関連があるかもしれないと判断した
  • 目黒 英典, 阿部 敏明, 牛島 廣治, 野中 千鶴, 篠崎 立彦, 藤井 良知
    1990 年 43 巻 5 号 p. 790-798
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるフルオロキノロン系薬剤Nornoxacinに関する検討を行い, 以下の結果を得た。
    1.臨床的には25例のHaemophilus influenzae, Pseudomonas aeruginosa, Escherichia coli, Campylobacter jejuni, Staphylococcus aureus 等による感染症に対して88.0%の有効率であった。
    2.50mg錠内服後の血清中濃度のCm。.は平均0.35μg/mlで, 100mg錠では0.48μg/mlであった。血清中半減期は2.4時間であつた。
    3.副作用, 臨床検査値異常は1例も認められず, 特に関節障害について注意深く観察したがそれを示唆する副作用は認められなかった。
  • 中澤 進, 新納 憲司, 佐藤 肇, 成田 章, 松本 貴美子, 中澤 進一, 鈴木 博之, 中西 好子
    1990 年 43 巻 5 号 p. 799-807
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我が国, 初のフルオロキノロン系薬剤Norfloxacinを小児領域に使用し, その安全性と有効性について慎重な検討を行い, 以下の成績を得た。
    1.血清中濃度及び尿中排泄については, 3.2mg/kg, 3.7mg/kg, 5.4mg/kg各1例の内服投与により検討した。血清中濃度のピーク値は2-4時間値で3.2mg/kg投与では, 4時間目で0.70μg/ml, 3.7mg/kg, 5.4mg/kg投与では2時間目で各々0.18μg/ml, 0.64μg/mlであり, T1/2は, 2.5-2.9時間であった。尿中排泄率は0-6時間までに7.1-30.7%の排泄を認めた。
    2.Staphylococcus aureus, Escherichia coli, Salmonella sp., Vibrio parahaemolyticus, 各々30株に対する本剤のMICはS.aureusでは0.39-25μg/mlに分布しAmpicillinに類似していた。E.coliでは大半が≤0.10μg/mlにあり, Salmonella sp.では≤0.20μg/mlで検査したいずれの薬剤より抗菌活性が強かった。V.parahaemolyticusに対するMICは≤0.10μg/mlであった。
    3.有症者30例 (サルモネラ腸炎7例, カンピロバクター腸炎7例, その他の腸炎5例, 細菌性赤痢1例, 急性尿路感染症8例, 皮膚軟部組織感染症2例) につき治療効果の検討を行った結果, 著効24例, 有効4例で有効率は93.3%であった。
    4.30症例から分離された各種病原菌に対する本剤の除菌率は,75.9%で, 他剤無効症例もあった。特にサルモネラ菌に対しては有効であった。
    5.33症例につき副作用の検討を行ったが1例も認められず, 臨床検査値異常も特記すべきものはなく, 本剤の有効性並びに安全性を認めることができた。
  • 豊永 義清, 小泉 満男, 今井 祐之, 坂口 直哉, 杉田 守正, 福島 よし子, 山崎 美喜雄
    1990 年 43 巻 5 号 p. 808-825
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるNorfloxacin (NFLX) の基礎的・臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1.Staphylococcus aureusに対するNFLXのMIC80は3.13μg/mlで, Nalidixic acid (NA), Amoxicillin (AMPC), Cefaclor (CCL), Erythromycin (EM), Fosfomycin (FOM) より活性が高く, それらの薬剤に耐性の菌に対しても活性を示した。
    2.Escherichia coliに対するNFLXのMIC80は≤0.05μg/mlで, NA, AMPC, CCL, EM, FOMより活性が高かつた。
    3.NFLXの1.5-2.4mg/kg, 2.5-3.4mg/kg投与群の平均の最高血清中濃度はそれぞれ0.32μg/ml (1時間後), 0.38μg/ml (2時間後) で半減期はそれぞれ1.7-4.0時間, 2.2-2.9時間, AUCは平均値で1.54±0.52μg・hr/ml, 2.02±0.93μg・hr/mlであつた。尿中回収率は6-8時間までに11.6-46.9%, 13.8-35.4%であつた。
    4.臨床的検討は細菌性肺炎8例, 化膿性扁桃炎3例, 細菌性腸炎3例, 尿路感染症19例, 化膿性耳下腺炎1例の計34例について行い, 著効28例, 有効5例, やや有効1例で有効以上の有効率は97.1%であった。
    5.細菌学的検討では消失率96.8% (30株/31株) とCamnpylobacter jejuniの1株以外すべて除菌され優れた成績であつた。
    6.投与量は4.5-21.4mg/kg/日であり, 尿路感染症の1例が1日2回投与であつた以外は3回投与であった。
    7.副作用は1例も認められなかつた。臨床検査値異常は1例に好酸球の軽度の上昇を認めた。
    以上の結果からNFLXは小児感染症に対して有効且つ安全な薬剤であると考えられた。
  • 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 秋田 博伸, 砂川 慶介
    1990 年 43 巻 5 号 p. 826-836
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Norfloxacin (NFLX, AM-715) は杏林製薬で開発されたフルオロキノロン系薬剤である。
    我々は今回, 小児科領域における本剤投与時の基礎的, 臨床的検討を行つて以下の結果を得た。
    1.NFLXの抗菌力では, グラム陰性桿菌ではEscherichia coli, Salmonella sp., Klebsiellasp., Enterobacter sp., Pseudomonas aeruginosaに対して良好なMIC値が得られた。グラム陽性球菌ではグラム陰性桿菌に比べ若干MIC値は高くなるが, 従来のキノロン系薬剤よりはるかに抗菌力は増強していた。Campylobacter jejuniに対するMIC値も≤0.05-0.78μg/mlと良好な値であった。
    2.血中濃度の検討では2例ではあるが, ピーク値は共に0.49μg/mlであった。
    尿中回収率については, それぞれ13.7%, 21.5%であつた。
    3.臨床的効果では, 検討し得た37例中著効25例, 有効9例であり, 有効率92%と高い値を示した。細菌学的効果では, 87%と高い起炎菌の消失率を示した。
    4.副作用, 検査値異常では好酸球増加を1例に認めただけであつた。
    以上, NFLXの基礎的, 臨床的検討から, 本剤は小児科領域の感染症に対して有効且つ安全な薬剤であると考えられた。
  • 南谷 幹夫, 八森 啓, 金田 一孝
    1990 年 43 巻 5 号 p. 837-841
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    カンピロバクター腸炎5例, サルモネラ腸炎4例, 細菌性赤痢3例, 急性腸炎1例, 計13症例にピリドンカルボン酸系抗菌剤Norfloxacin (NFLX) を投与し有効性と安全性の検討を行つた。
    臨床効果は臨床症状を認めなかつた症例を除いて全例有効であり, 細菌学的効果は12例, 14株の内Campylobacter jejuni 1株に減少がみられた以外すべて消失 (除菌率92.9%) した。
    副作用は認められず, 又, 臨床検査値異常も認められなかつた。
    以上の成績から, NFLXは腸管感染症に有用な薬剤と考えられた
  • 久野 邦義, 小川 昭正, 中尾 吉邦, 早川 文雄, 安藤 嘉浩, 鬼頭 修
    1990 年 43 巻 5 号 p. 842-851
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン系合成抗菌剤であるNorfloxacinの臨床的検討を行い, 下記の結果を得た。
    1. 当科臨床分離株に対するMICを測定し, グラム陽性菌, グラム陰性菌に優れたMICを示した。特に, Escherichia coli, Salmonella sp., Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosa, Haemophilus influenzae, Campylobacter jejuni に対してはNalidixic acid, Amoxicillin, Cefaclor, Erythromycin, Fosfomycinに比較して最も優れた抗菌力を示した。
    2.17例の小児期細菌感染症 (腸炎11例, 尿路感染症4例, 扁桃炎1例, 皮膚化膿症1例) に本剤3.1-16.7mg/kg/日を3回に分けて6-14日間経口投与し, 94.1%の有効率を得た。細菌学的には58.8%の有効率を示した。
    3.副作用はなかつたが, 臨床検査値では好酸球の軽度の上昇が1例に認められた。
  • 庵原 俊昭, 川口 寛, 伊藤 正寛, 神谷 齊, 櫻井 實
    1990 年 43 巻 5 号 p. 852-859
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    3歳から14歳の小児16例に, Norfloxacin (NFLX) 5.2-17.2mg/kg/日を3-24日間投与し, NFLXの小児感染症に対する有効性及び安全性につき検討した。対象疾患は呼吸器感染症6例, 尿路感染症8例, 腸管感染症2例であった。有効率は93.8%, 除菌率は92.9%であった。副作用は認めなかった。以上の検討から, NFLXは3歳以上の小児感染症に使用し得る抗菌薬であるという結果を得た。
  • 西村 忠史, 田吹 和雄, 青木 繁幸, 高木 道生
    1990 年 43 巻 5 号 p. 860-871
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    キノロン系合成抗菌剤Nornoxacin (NFLX, AM-715) の小児科領域における基礎的並びに臨床的検討を行い, 下記の成績を得た。
    基礎的検討として, NFLXの血清中濃度及び尿中排泄率を測定した。NFLX1.7mg/kgを空腹時に投与した場合, 濃度ピークは投与後1時間にあり0.16μg/mlで, 半減期は2.5時間, 8時間までの尿中排泄率は14.5%であった。NFLX2.4mg/kgの投与では, 濃度ピークは投与後2時間の0.69μg/mlで, 半減期は1.8時間, 6時間までの尿中排泄率は29.1%であった。一方, NFLX3.2mg/kg及び4.4mg/kg2例と4.8mg/kg1例, 計3例の投与の平均では, 濃度ピークはいずれも投与後1時間にあり各々0.81μg/mlと平均1.17±0.48μg/mlで, 半減期は各々2.7時間と平均3.0±0.5時間, 8時間までの尿中排泄率は, 各々28.4%及び平均38.5±13.0%であった。
    臨床的検討は扁桃炎5例, 気管支炎1例, 腸炎14例, 尿路感染症10例, 亀頭包皮炎1例・膿痂疹1例, 膿疸症1例の計33例について行い, 臨床効果は著効14例, 有効15例, やや有効2例, 無効2例で, 有効以上は計29例で87.9%の有効率であった。又, 細菌学的効果はStaphylococcus aureus 1例, Streptococcus pyogenes 1例, Haemophilus influenzae 1例, Salmonella sp. 3例, Campylobacter jejuni 6例, Escherichia coli 5例, 及びEnterococcusfaecalisProteus mirabilis, Pseudomonas aeruginosaStaphylococcus haemolyticus, E.faecalisP.aeruginosaの混合感染例各々1例の計20例につき検討し, H.infuenzaeの1例とC.jejuniの1例以外は全例菌消失をみた。
    副作用は臨床症状・所見及び検査所見の異常について検討したが, いずれも特記すべき異常所見は認めなかった。なお, 関節障害時に異常値を示すカテプシンD活性, 血清ムコ蛋白 (ASPROGP), 尿中ムコ多糖, Al-P活性, Al-P電気泳動でも本剤によると思われる変化は認められなかった。
  • 春田 恒和, 黒木 茂一, 大倉 完悦, 小林 裕
    1990 年 43 巻 5 号 p. 872-876
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Norfloxacinの臨床使用成績を検討し, 以下の結論を得た。
    1.10名5疾患に本剤1日7.0-14.8mg/kgを3回に分け, 6-8日間投与した。
    対象疾患は扁桃炎, 咽頭炎, 気管支炎各1例, カンピロバクター腸炎4例, 起炎菌不明大腸炎3例で, 臨床効果は著効8例, 有効1例, やや有効1例で有効率90.0%, 細菌学的効果は起炎菌を検出し追跡できた9株のうち, 消失6株, 不変3株で消失率は66.7%であった。
    2.副作用及び臨床検査値異常は1例も認められなかった。
    3.以上の成績から, 本剤は6歳以上の小児細菌性感染症に対し, 有用な合成抗菌剤であると考えられた。
  • 石川 純一, 松浦 俊人, 永井 宏尚, 貴田 嘉一, 松田 博, 村瀬 光春
    1990 年 43 巻 5 号 p. 877-883
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系合成抗菌剤Nornoxacin (NFLX) について小児における有効性と安全性を明らかにする目的で体内動態, 臨床的有効性, 細菌学的効果, 副作用, 試験管内抗菌力について検討し, 以下の結果を得た。
    1.NFLX100mgを経口投与した時の血清中濃度のピークは投与2時間後に認められた。半減期は2例での検討で4.2時間, 2.6時間であった。
    2.尿路感染症10例, 腸管感染症4例の計14例でNFLX7.1-15.0mg/kg/日の経口投与による臨床的有効率は100% (14例/14例) であった。
    3.細菌学的効果では尿路感染症では全例起因菌は消失したが, Campylobacterjejuniによる腸管感染症において1例が不変のままであり, 消失率は92.9% (13株/14株) であった。
    4.臨床分離菌株における抗菌力の検討では, グラム陰性桿菌や, Staphylococcus aureusに対するMICはCefaclor, Amoxicillin, Nalidixicacid, Fosfomycin, Erythromycinに比べNFLXは明らかに優れていた。
    5.副作用は1例に口渇を認めた。臨床検査所見では1例に好酸球増多を認めたが, いずれも軽度であり投薬を継続しえた。
    以上の結果から, NFLXは小児の尿路感染症, 腸管感染症において有効且つ安全な薬剤と考えられた。
  • 森田 英雄, 友田 隆士, 荒木 久美子, 倉繁 隆信, 西林 洋平, 松本 健治, 厨子 徳子
    1990 年 43 巻 5 号 p. 884-889
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    児科領域におけるNornoxacin (NFLX) 錠の臨床的効果, 安全性を検討し, 下記の成績を得た。
    1.臨床成績検討は尿路感染症12例, 急性気管支炎2例の計14例を対象に行つた。NFLX錠1.7-5.4mg/kg, 1日2-3回投与にて3-15日間投与し著効8例, 有効5例で有効率93%の成績であった。
    2.副作用症状はふらっきを1例, 嘔吐を1例で認めた。臨床検査所見では好酸球増多を2例, GOT軽度上昇1例で認めた。
    以上からNFLXは小児感染症の治療に有用な薬剤と考えられた。
  • 岡田 要, 香美 祥二
    1990 年 43 巻 5 号 p. 890-894
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Nornoxacin (NFLX, AM-715) を小児の感染症18例に使用し, 臨床的検討を行つた。
    対象は3歳10カ月から14歳4カ月までの男児5例, 女児13例で, 投与量は5.2-17.9mg/kg/日, 投与期間は4-14日間であった。
    臨床効果は著効1例, 有効16例, 判定不能1例で, 有効率は100%であつた。
    本剤投与による副作用及び検査成績異常は認められなかった。
  • 岡田 隆滋, 古川 正強
    1990 年 43 巻 5 号 p. 895-900
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Nornoxacin (NFLX) を細菌性腸炎7例, 気管支炎4例, 肺炎1例, 化膿性リンパ節炎3例, 蜂窩織炎1例, 皮下膿瘍1例, 尿路感染症1例の計18例に使用した。
    投与量は5.6-18.8mg/kg/日で1日3-4分割にて投与した。
    その起炎菌はCampylobacter jejuni 3例, Salmonella typhimurium 1例, Staphylococcusaureus 2例, Haemophilus influenzae 1例で11例は起炎菌不明であった。
    S. aureus の1株以外は本剤使用後いずれも菌消失し, 細菌学的効果を認めた。
    臨床効果は著効8例, 有効8例, 無効2例で有効率88.9%の成績を得た。
    副作用並びに臨床検査値異常はだれひとり認めなかつた。
    以上の結果からNFLXは小児科領域の感染症治療に有用な薬剤と考えられた。
  • 本廣 孝, 吉永 陽一郎, 津村 直幹, 沖 真一郎, 佐々木 宏和, 荒巻 雅史, 織田 慶子, 川上 晃, 古賀 達彦, 島田 康, 冨 ...
    1990 年 43 巻 5 号 p. 901-917
    発行日: 1990/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Norfloxacin (NFLX) の新しく製剤化された50mg力価錠か既存の100mg力価錠を8歳9カ月から12歳5カ月の小児12例に1-4錠 (1.5-6.1mg/kg) を食前30分に経口投与し, 血清中, 尿中のNFLX濃度及び回収率の測定を実施し, 細菌性赤痢患児から分離されたShigella sonnei 128株に対するNFLX他10剤, 計11薬剤の接種菌量106CFU/mlにおける薬剤感受性試験を行った。又, 細菌性赤痢42例にNFLXの50mg力価錠を1日量として3錠(平均8.3mg/kg)を分3で, いずれの症例も5日間食後に投与, 尿路感染症4例に対しても同じ錠剤を1日量として2錠から3錠 (平均6.7mg/kg) を分2か分3で平均4日間食後に投与し, その臨床効果, 細菌学的効果をみると共に副作用及び臨床検査値への影響を検討したところ, 次のような結果を得た。
    1.12例の体重当りの投与量を1.5-2.8, 3.1-4.7, 5.2-6.1mg/kgの3群に分けてみると各々5, 2, 5例に分散し, 3投与量群の血清中濃度の平均は各々投与4時間後, 投与2時間後, 投与1時間後が最高濃度で, それぞれ0.27μg/ml, 0.64μg/ml, 1.51μg/mlを示した。3投与量群のPharmacokineticparameterを各々平均でみるとTmaxはそれぞれ3.0時間, 3.0時間, 1.2時間, Cmaxは各々0.32μg/ml, 0.78μg/ml, 1.56μg/ml, 半減期はそれぞれ2.2時間, 2.4時間, 2.3時間, AUCは各々1.65μg・hr/ml, 3.98μg・hr/ml, 6.06μg・hr/mlで3投与量群間にDose responseが認められた。
    2.1.5-2.8, 3.1-4.7, 5.2-6.1mg/kgの3投与量群における尿中濃度の平均はそれぞれ投与後2-4時間が最も高い濃度で, 各々45.8μg/ml, 109.2μg/ml, 215.1μg/mlを示し, 投与後8時間までの平均回収率はそれぞれ18.3%, 24.5%, 28.7%であった。
    3. S. sonnei 128株の薬剤感受性試験ではNFLXのMICは0.78μg/mlの株が最も多く65株, 次いで0.39μg/mlの株が56株で, この両者で94.5%を占め, 耐性菌は認められず, 抗菌力はColistinに次ぎ, Ofloxacinに類似, Enoxacinより良好で, 他の7剤より優れた。
    4.臨床効果は細菌性赤痢では21例に判定でき, 有効以上の有効率は95.2%と優れ, 尿路感染症では4例中1例が脱落し, 3例に判定でき, いずれも有効以上であった。
    5.細菌学的効果は細菌性赤痢では42例のすべてで判定でき消失40例, 持続排菌2例で, 消失率は95.2%であったが, 菌陰性化した40例中7例17.5%に再排菌がみられた。尿路感染症4例中臨床効果の判定ができず脱落した症例を除外した3例で判定でき, Escherichiacoli 3株はすべて消失した。
    6.脱落症例1例を加えた46例で副作用を観察したが出現例はなく, 臨床検査値で異常を示した症例はなかった。
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