The Japanese Journal of Antibiotics
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44 巻, 6 号
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  • 石岡 伸一, 山木戸 英人, 印鑰 恭輔, 長谷川 健司, 山木戸 道郎, 赤川 高明, 桑原 正雄, 小泊 好幸, 川本 雅英, 有田 浩 ...
    1991 年 44 巻 6 号 p. 605-613
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症に対するCeftriaxone (CTRX) 2g1日1回投与の有効性と安全性を検討し, 併せて喀痰中濃度を測定し, 以下の成績を得た。
    1.呼吸器感染症29例に対する本剤の臨床検討では, 著明改善7例, 改善13例, やや改善8例, 不変1例で, 改善率は69.0%であった。
    2.3例においてCTRX2930分点滴静注後の血中, 喀痰中及び尿中濃度を, Tota1濃度及びFree体濃度に分けて測定した。特に喀痰中のTotal濃度のピーク値は2.6~7.8μg/mlであり, 投与12~24時間後も高い喀痰中濃度を示し, 本剤の濃度持続性が示された。
  • 由良 二郎, 品川 長夫, 石川 周, 真下 啓二, 木下 博明, 森本 健, 酒井 克治, 水野 章, 石川 雅一, 鈴木 達也, 渡辺 ...
    1991 年 44 巻 6 号 p. 614-624
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいピリドンカルボン酸系合成抗菌剤であるFleroxacin (FLRX) について, 主として, 肛門周囲膿瘍, 熱傷・外傷・手術創などの二次感染, 乳腺炎・乳輪炎に対する200mgあるいは300mg1日1回投与での臨床効果及び安全性の検討を行い, 以下の結論を得た。
    疾患の内訳は肛門周囲膿瘍11例, 熱傷・外傷・手術創などの二次感染8例, 乳腺炎・乳輪炎6例, 蜂巣炎, 感染性粉瘤各1例であり, 臨床効果は著効14例, 有効9例, やや有効4例で有効率85.2%であった。病巣からの分離菌は22例から好気性グラム陽性菌14株, グラム陰性菌12株, 嫌気性菌6株が分離され, 消失26株, 存続2株, 不明4株であり, 菌消失率は92.9%であった。
    副作用は食欲減退・悪心を1例, 臨床検査値の異常変動はGPTの上昇及びBUNの上昇を各1例認あたが, いずれも軽度であった。
    FLRXは1日1回服用することで外科領域感染症に対して十分な効果が得られ, 有用な薬剤と考えられる。
  • 松田 静治, 清水 哲也, 長 南薫, 佐藤 和雄, 水口 弘司, 八神 喜昭, 岡田 弘二, 平林 光司, 出口 浩一
    1991 年 44 巻 6 号 p. 625-634
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系経口抗菌剤Fleroxacin (FLRX) の産婦人科領域感染症に対する臨床的検討を試みた。
    1.総投与症例数は114例でうち105例について有効性の検討を行つた。疾患の内訳は, 子宮内感染38例, 子宮付属器炎28例, 外性器感染29例, その他 (腟断端炎, 腹壁膿瘍, 骨盤死腔炎, クラミジア子宮頸管炎, 産褥乳腺炎) 10例であった。投与量は200mg又は300mg1日1回とした。
    2.有効率は子宮内感染37例/38例 (97.4%), 子宮付属器炎26例/28例 (92.9%), 外性器感染29例/29例 (100%) 及びその他10例/10例 (100%) であった。
    3.分離菌別細菌学的効果は単独菌感染のグラム陽性菌23例/23例 (100%), グラム陰性菌11例/13例 (84.6%), 嫌気性菌8例/9例 (88.9%) であり, 複数菌感染では15例/19例 (78.9%) であった。
    4.副作用は胃腸障害・下痢, 下痢各1例, 不眠2例が, 臨床検査値異常は好酸球増多, GOT・GPT上昇各1例がみられた。
    以上の成績から, FLRXは産婦人科領域感染症に対して有用な薬剤と考えられた。
  • 川崎 平八郎
    1991 年 44 巻 6 号 p. 635-642
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児の体位向上に伴う薬物動態の変化と投与量についてMonobactam系の抗生剤であるAztreonam (AZT) をモデル.として検討した。その結果6歳以下を低年齢児群7歳以上を高年齢児群として分ける必要性を述べた。高年齢児群ではAZTをモデルとした薬物動態は,“Open, 1inear, two-compartment model”に従う。一方, 低年齢児群では“One-compartment kineticmode1”で薬物動態を表示できることを述べた。又, 非線形最小二乗法により解析した結果, 低年齢児群と高年齢児群とでは, その薬物動態に関するパラメータ値が異なり, 従つて両者を個別に取り扱う必要性を述べた。AZTの投与量と年齢層との関係は高年齢児群では低年齢児群の “perkg量” の“60%”の投与量で低年齢児群の血中濃度 (Cmax) に相当した。
  • 玉手 健一, 千石 一雄, 石川 睦男, 清水 哲也, 芳賀 宏光, 長谷川 天洙, 高田 久士, 牟禮 一秀, 川村 光弘, 鳥居 豊, ...
    1991 年 44 巻 6 号 p. 643-651
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    産婦人科周産期領域の感染症におけるFlomoxef (FMOX, 6315-S) の有用性について基礎的, 臨床的検討を行い以下の結果を得たので報告する。
    1.FMOX1g One shot静注12例と1g1時間点滴静注9例における母体血, 濟帯血及び羊水中の移行濃度を比較し, One shot静注の方が優れた移行濃度が得られた。
    2.約1~6時間における母体血, 臍帯血, 羊水中の移行濃度はいずれも承認された大部分の細菌に対してMIC80を上回っており, 周産期感染症に対する有効性が裏付けられた。
    3.周産期感染症23E例に対し本剤を投与し, 著効5例, 有効17例, 無効1例で有効率は95.7%を示し, 細菌学的検索による菌消失率は100%であった。又, 副作用は軽度の下痢が1例で他に臨床検査値異常も認められず, 本剤の高い有用性が示された。
  • 経胎盤移行動態を中心として
    牧野田 知, 鶴田 浩之, 岩城 雅範, 根岸 広明, 花谷 馨, 田中 俊誠, 藤本 征一郎
    1991 年 44 巻 6 号 p. 652-658
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (FMOX) の周産期領域における有用性並びに安全性を検討するに際して, 本剤が胎盤を経由して胎児・羊水等へ移行する経胎盤移行動態を知るたあ, 妊娠36週以降の妊婦30例についてFMOX 1gを30分で点滴静注し, 母体血中濃度・臍帯血中濃度, 羊水・乳汁・母体髄液への移行濃度及び尿中排泄率について検討し, Two-compartment open mode1により解析し, 以下の結果を得た。
    1.母体血, 臍帯動脈血及び羊水中に高いFMOX濃度が得られ, Cmaxはそれぞれ48.0μg/ml, 10.99μg/ml, 10.20μg/mlであった。
    2.母体の尿中排泄率は6時間までで65.4%であった。
    3.初乳中濃度は3μg/ml以下, 髄液中濃度は0.20μg/ml以下であった。
    4.母体及び新生児における副作用は認められなかった。
    以上からFMOXは良好な経胎盤移行を示し, 周産期感染症に有用な薬剤と考えられた。
  • 岩城 雅範, 牧野田 知, 根岸 広明, 花谷 馨, 田中 俊誠, 藤本 征一郎
    1991 年 44 巻 6 号 p. 659-661
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (FMOX) を周産期感染症14症例に使用し, 総合臨床効果判定で著効6例 (42.9%), 有効8例 (57.1%) と全例有効以上の成績が得られ, 母体及び新生児に対する副作用は1例もみられず, FMOXが周産期感染症に極あて有効な薬剤であることが示された。
  • 千村 哲朗, 森崎 伸之, 舟山 達
    1991 年 44 巻 6 号 p. 662-668
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    周産期における各種感染症に対し, Flomoxef (FMOX, 6315-S) の有効性と安全性に関し, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1.投与対象は子宮内感染症 (n=16), 骨盤内感染 (n=2), 尿路感染 (n=4), その他 (n=3) の計25例である.FMOX投与法は, 2~4g/日の3~15日間 (総投与量6~60g) を点滴静注, 静注及びその併用によつた。
    2.臨床効果は著効4例/25例 (16%), 有効20例/25例 (80%), 無効1例/25例 (4%) で有効率は96%であつた。細菌学的効果では, 菌消失率は14例/16例 (87.5%) を示し, 菌交代は3例に認められた。分離菌別臨床効果は16例/16例 (100%) を示した。
    3.本剤投与による自他覚的副作用及び臨床検査値の異常は認められなかつた。
    以上から, FMOXの周産期感染症に対する優れた臨床効果と安全性が示唆された。
  • 松田 静治, 平山 博章, 王 欣輝
    1991 年 44 巻 6 号 p. 669-673
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxefの基礎的, 臨床的検討を婦人科周産期領域において実施し以下の成績を得た。
    1.周産期における母体血を中心に臍帯血中及び羊水中移行濃度を測定した所, 静注の4例, 及び30分点滴静注20例ではいずれの組織への移行も良好であつた。すなわち, 母体血移行は健康成人の成績と同様であり, 臍帯血中及び羊水中濃度のそれぞれ最高濃度は点滴静注時に12.0μg/ml, 12.05μg/mlであった。又, いずれの投与方法にても投与後2時間で羊水濃度が高い結果を得た。
    2.臨床的には, 前期破水の感染予防例の1例を含む合計4例について検討したが, 産褥乳腺炎1例, 産褥子宮内感染2例はいずれも有効であった。
    なお, 検討した4例では何ら副作用などの所見はみられなかった。
    3.上記の基礎的, 臨床的検討から本剤は産婦人科周産期領域の感染症に1回1~2gを1日2回投与にて臨床効果が得られるものと考えられた。
  • 長 南薫, 福永 完吾, 國井 勝昭, 小林 寅哲
    1991 年 44 巻 6 号 p. 674-682
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (FMOX) について周産期における検討を行い, 以下の結果を得た。
    1.羊水中における FMOX の抗菌力を Methicillin-sensitive Staphylococcus aureus, Methicillinresistant S. aureus, Escherichia coli感受性株, 耐性株で検討したが, 明らかに羊水中でのFMOXの殺菌効果の増強がみられた。
    2.FMOX 1g静注後の臍帯血清, 羊水中濃度を32例について測定した。臍帯血清中では投与後15分で最高値14.8μg/mlを示し以後経時的に減少した。羊水中の濃度は投与後3時間で14.3μg/mlを示したが減少のカーブはゆるやかであった.FMOX 2gでも同様の検討を行ったが用量依存性が認められた。
    3. 周産期感染症14例に対し, 1回1g, 1日2回静注又は点滴静注し, 著効1例, 有効13例で有効率100%の臨床効果, 消失率81.8%の細菌学的効果を認め, 副作用, 臨床検査値異常はなかった。
  • 伊藤 邦彦, 三鴨 廣繁, 玉舍 輝彦, 山田 新尚, 早崎 源基
    1991 年 44 巻 6 号 p. 683-688
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    周産期感染症に対するFlomoxef (以下FMOXと略す) の基礎的・臨床的研究を行い, 以下の結果を得たので報告する。
    1.FMOX 1gを静注又は点滴静注し, 母体血清, 臍帯動脈血清, 臍帯静脈血清, 羊水中FMOX濃度を測定した。この結果, 周産期感染症に対する有効性を期待するに充分な移行濃度が得られた。
    2.産褥子宮内感染1例, 絨毛羊膜炎4例, 絨毛羊膜炎と子宮内胎児感染合併例1例, 感染予防1例に対する臨床効果は, 全例が有効であった。副作用, 臨床検査値異常については, なんら異常を認あなかった。
  • 山元 貴雄, 保田 仁介, 岡田 弘二, 岩破 一博
    1991 年 44 巻 6 号 p. 689-696
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    産婦人科周産期領域におけるFlomoxef (FMOX) の基礎的及び臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1.FMOX 1g静注後の母体血清中, 臍帯血清中及び羊水中濃度を測定した。
    母体血清中濃度は投与後16分で41.9μg/mlを示し, 以後経時的に減少し, 投与後5時間19分で1.36μg/mlを示した。
    臍帯血清中濃度は投与後16分で17.5μg/mlを示し, 以後経時的に減少し, 投与後約3時間で母体血清中濃度を上回り, 投与後5時間19分で2.88μg/mlを示した。
    羊水中濃度は投与後16分で0.31μg/mlを示し, 投与後約3時間で7.85~15.8μg/mlと最高値に達し, 以後漸減する傾向がみられた。
    2.産婦人科周産期感染症17例にFMOX 1回1~2g, 1日2回, 5~7日間点滴静注し, 本剤の有効性と安全性の検討を行った。
    臨床効果は著効7例, 有効10例と全例有効以上の満足すべき成績であった。
    自他覚的副作用は全例において認あられなかった。臨床検査値異常としてGPTの軽度上昇が1例に, GOT・GPTの軽度上昇が1例に認められたが, 7日後と18日後にはそれぞれ正常値に復した。
    以上の成績から, FMOXは産婦人科周産期領域において有用性の高い薬剤であると判断した。
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