小児期におけるCefiximeについての吸収, 排泄を検討すると共に, 薬動力学的解析を加えた。
1. 食事の影響をみた学童6例の同一症例における3mg/kg食前30分と食後30分服用後の検討では, 前者のT
max.は3.33±0.42時間, C
maxは1.03±0.17μg/ml, T 1/2は2.31±0.26時間, 尿中回収率 (0~12時間) は15.3±2.2%で, 後者はそれぞれ4.00±0.52時間, 0.90±0.09μg/ml, 3.11±0.21時間, 11.3±1.6%であつた。食前投与の方が若干T
maxが早く得られ, 高いC
maxを示し, 尿中回収率も高い値が得られたが, 両投与方法の問に有意差は認められなかつた。
2. 用量依存性をみた学童5例の同一症例における3mg/kgと6mg/kg食後30分服用後の検討では, 前者のC
maxは1.01±0.26μg/ml, AUCは5.86±1.13μg・hr/ml, 後者ではそれぞれ1.76±0.29μg/ml, 12.54±1.77μg・hr/mlであり, 両者の間にはC
max, AUC共に明らかなDoseresponseが認められた。
又, 乳児7例及び3例における3mg/kg, 6mg/kg食後30分服用後の検討では, 前者のC
maxは2.45±0.26μg/ml, AUCは33.50±7.62μg・hr/ml, 後者では各々4.42±0.98μg/ml, 66.85±25.19μg・hr/mlであり, 両者の問にはC
max, AUC共にDose responseが認められた。
3. 年齢による差異をみた学童11例, 幼児5例, 乳児7例における3mg/kg食後30分服用後の検討では, T
maxは学童, 幼児, 乳児でそれぞれ3.82±0.33時間, 5.20±0.49時間, 5.43±0.37痔間であり, 学童で明らかに早く得られる傾向があつた。又, C
maxについてはそれぞれ0.95±).12μg/ml, 0.56±0.06μg/ml, 2.45±0.26μg/mlで, 乳児が最も高く, 次いで学童, 幼児の順であつた。更に, T 1/2についてはそれぞれ2.85±0.18時間, 3.94±0.96時間, 6.72±1.31時間であり, 乳児において明らかに長い傾向が認められた。又, AUC, 尿中回収率についても乳児で明らかに大きい値が得られる傾向があつた。
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