The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
47 巻, 10 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • Sparfloxacinを中心として
    山口 恵三, 戸塚 恭一, 河野 茂, 副島 林造
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1241-1258
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • ラタモキセフナトリウム
    熊澤 浄一, 品川 長夫
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1259-1266
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 硫酸アルベカシン
    林 泉, 井上 松久
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1267-1274
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • ロキシスロマイシン
    二木 芳人, 玉置 淳
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1275-1282
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 藤井 良知, 岩田 敏, 佐藤 吉壮, 寺島 周, 目黒 英典, 砂川 慶介, 武内 可尚, 青山 辰夫, 秋田 博伸, 横田 隆夫, 中村 ...
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1283-1298
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    マクロライド系抗生物質Clarithromycinの新剤形であるドライシロップ剤について小児科領域における体内動態および臨床的検討並びにその服用性について観察し, 以下の成績を得た。
    1. 吸収・排泄試験成績
    10%ドライシロップ剤を用い5mg/kg, 10mg/kg (以下投与量は総て力価表示) の単回経口投与による体内動態を検討した。5mg/kg12例及び10mg/kgl例の投与時のCmaxはそれぞれ 2.26±0.42μg/ml, 3.23μg/ml, Tmaxは1.6±0.1時間, 2.0時間, T1/2は3.89±052時間, 2.06時間, AUC (0~∝) は13.48±1.93μg・hr/ml, 13.84μg・hr/mlであった。尿中濃度は5mg/kg投与は2~4時間, 10mg/kg投与は0~2時間で最高濃度を示し, 投与後6時間までの累積尿中排泄率は5mg/kg投与で25.8±3.9%, 10mg/kg投与で20.7%であった。2. 臨床試験成績
    総症例数は169例で, 除外・脱落を除いた150例を臨床効果解析対象例とした。投与方法は既承認製剤の承認用量である1日10~15mg/kg, 2~3回に分け経口投与でなされた。臨床効果は原因菌判明例A群90例では有効率98.9%, 原因菌不明例B群60例では96.7%であり, A群とB 群を合わせた有効率は98.0%であった。
    細菌学的効果はA群の血清診断によるものを除き検出菌の経過を追跡できた65株中54株 (88.5%) に除菌効果が認められた。
    3日間以上続けた先行化学療法剤が無効であった19例のうち有効以上の症例は18例 (94.7%) であり, また先行化学療法で消失しなかった菌の消失率は75.0%であった。
    3. 副作用・臨床検査値異常副作用は安全性解析対象例169例のうち, 嘔吐, 下痢, あまいの症状が4例 (2.4%) に認められたが, 特に問題となる所見は認められなかった。臨床検査値の異常変動は, 好酸球増多7例, GPT上昇3例に認められたが, 特に留意すべき異常所見はなく, 異常値と関連すると思われる臨床症状を呈した症例は認められなかった。
    4. 服用性
    服用性は解析対象例168例のうち, 「非常に飲みやすい」18例 (10.7%), 「飲みやすい」107例 (63.7%) で「飲みやすい」以上が74.4%, 「普通」39例 (23.2%), 「飲みにくい」2例 (1.2%) で甚だ優れた易服用性を示した。
    以上の成績から, 本ドライシロップ剤は現在の承認用量である1日体重1kg当たり10~15mgを1日2~3回に分け経口投与により, 小児市中感染症に対して有効でかっ服用性に優れた薬剤であると考えられる。
  • MRSA の増加を背景に
    島田 馨, 工藤 翔二, 林 泉, 宍戸 春美, 福地 義之助, 鈴木 光, 折津 愈, 中田 紘一郎, 佐野 靖之, 後藤 元, 村井 容 ...
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1299-1304
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私共は Methicgllin-resistant Staphyhococcus aureus (MRSA) を含む重症感染症に対する治療法として臨床的に有用性の高い Flomoxef+Fosfomycin 併用療法 (FF療法) を難治性呼吸器感染症に対する Empgric therapy として用いる有用性について, Multicenter trialの形式で臨床的に検討した。今回のFF療法全体の有効率は69.2%であった。呼吸器感染症の大半を占める「肺炎・肺膿瘍」では, 有効率70.0%であり, 既報での「肺炎・肺膿瘍」に対するFMOX単独Empiric therapyの有効率56.7%とは統計学的に有意差 (X2検定でP=0.09) が認あられた。起炎菌としてMRSAが分離された8例中, 菌交代を含む消失例が3例 (37.5%) と消失率は低いものの, MRSAへ菌交代した症例はなかった。呼吸器感染症に対するEmpiric therapyとしてのFF療法の臨床的有用性は高いと結論される。
  • 那須 勝, 後藤 陽一郎, 山崎 透, 原 耕平, 河野 茂, 古賀 宏延, 賀来 満夫, 朝野 和典, 大坪 孝和, 前崎 繁文, 田中 ...
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1305-1317
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    MRSAが起炎菌と考えられた内科領域の感染症28例を対象とし, Netilmicgn (NTL) とMinocycline (MINO) の時間差併用効果について臨床的検討を行った。
    1. 投与法は, 1回NTL100mg投与開始2時間後にMINO100mg投与を1日2回朝夕行った。
    2. MRSAに対する細菌学的効果は, 26例中消失16例, 減少1例, 不変9例, 菌交代2例で消失率は61.5% (16/26) であった。
    3. 臨床効果は敗血症2例, 肺炎16例, 慢性気管支炎8例で検討し, 著効4例, 有効15例, やや有効6例, 無効1例で有効率は73.1% (19/26) であった。
    4. 委員会判定による総合臨床効果は, 有効19例, やや有効5例, 無効2例で有効率は73.1% (19/26) であった。長期臥床例15例は53.3%, 非臥床例11例は100%の有効率で両者に有意差が認められた (P<0.05)。
    5. MRSAのコアグラーゼ型別はII型が23例, III型が3例で, 総合臨床効果の有効率はそれぞれ73.9% (17/23), 66.7% (2/3) であった。
    6. 他剤無効例16例の総合臨床効果は7596 (12/16) であった。
    7. 副作用は発疹・そう痒感が1例で発現率は3.6% (1/28) であった。
    8. 臨床検査値異常は16例 (57.1%) に見られた。内訳は肝機能異常14例, 腎機能異常3例, 好酸球上昇3例, その他尿所見, 電解質異常, プロトロンビン時間延長, 各1例であった。また, 長期臥床例は16例中12例 (75%), 非臥床例では12例中4例 (33.3%) に見られたが, いずれも一過性で重篤なものは見られなかった。以上の成績から, MRSA感染症に対し, NTLとMINO の時間差併用療法は有用性の高い治療法と考えられた。
  • 澤江 義郎, 仁保 喜之, 岡村 孝, 村川 昌弘, 豊嶋 崇徳, 藤崎 智明, 池田 景, 小鶴 三男, 鵜池 直邦, 勝野 誠, 高比良 ...
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1318-1328
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    造血器疾患に併発した感染症125例に対し, Imipenem/Cilastatinsodium (IPM/CS) の1日投与量が29/29で, 投与回数を4回分割投与 (QID) と2回分割投与 (BID) の2群に封筒法で群別して治療を行い, その有用性を比較検討して以下の結果を得た。
    1. 造血器疾患の内訳はBID群がANLL25例, ALL6例, NHL2例などで, QID群はそれぞれ27例, 7例, 13例などであった。
    2. 細菌感染症別の症例数およびIPM/CSの有効率はBID群で敗血症11例54.5%, 敗血症疑い28例63.0%, 肺炎9例50.0%で, 全体では57例61.8%であった。一方, QID群では敗血症7例66.7%, 敗血症疑い27例76.0%, 肺炎14例35.7%で, 全体では58例61.1%であり, BIDとQIDの有効率に有意差は認められなかった。
    3. 細菌学的にはBIDで22株, QIDで21株の分離菌が得られ, IPM/csによる消失率はそれぞれ100%, 66.7%であった。
    4. 副作用はBIDに8例, QIDに3例, 臨床検査値異常はBIDに9例, QIDに6例に認められたが, いずれも本剤投与中止または終了後に消失した。
    以上により造血器疾患に併発した重症細菌感染症に対するIPM/CSの1日量の分割投与法は BIDとQIDにおいて有用性に差はなかった。
  • 品川 長夫, 水野 章, 真下 啓二, 由良 二郎, 石川 周, 平田 公一, 傳野 隆一, 向谷 充宏, 石引 久彌, 相川 直樹, 田熊 ...
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1329-1343
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1980年7月より1993年6月の間の9大学病院およびその関連施設における急性化膿性腹膜炎よりの分離菌とその薬剤感受性の変遷について検討した。一次性腹膜炎では684株が分離されたが, Escherichia coli (28%) の分離頻度がもっとも高く, 次いでBactmides fragilis group (17%), グラム陽性嫌気性菌 (16%), Entemoccus spp.(9%), Klebsiella spp.(8%) などであった。E. coliに対しては, Aztreonam (AZT), Carmonam (CRMN), Cefmenoxime (CMX), Ceftazidime (CAZ), Cefuzonam (CZON), Latamoxef (LMOX), Cefotiam (CTM), Imipenem (IPM) などの抗菌力が優れていた。B. fragilis groupに対しては, IPM, Minocycline (MINO), Clindamycin (CLDM), Flomoxef (FMOX), Cefmetazole (CMZ), Ofloxacin (0FLX), Piperacillin (PIPC) などの抗菌力が優れていた。術後腹膜炎では287株が分離されたが, Enterococcus spp.(20%) の分離頻度がもっとも高く, 次いでPseudomonas spp.(14%), メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) を中心とするStaphylococcus spp.(13%), E. coli (9%), Klebsiella spp.(8%), Entero bacter spp.(8%) などであった。Pseudomonas spp. に対してはNorfloxacin (NFLX), OFLX, IPM, CAZ, CRMN, AZT, Cefozopran (CZOP), Cefusulodin (CFS), MRSAに対してはVancomycin ( VCM), Arbekacin (ABK) の抗菌力が優れていた。MRSAを含む黄色ブドウ球菌を除き年次的な耐性菌の出現はみられなかった。
  • 小原 康治, 福田 秀行, 中原 英臣, L. E. BRYAN
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1344-1347
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    緑膿菌から抽出したリポポリサッカライド (LPS) のポリアクリルアミドゲル電気泳動での特有のラダーパターンが, PAS染色, 再過ヨウ素酸酸化および銀染色の複合法により鮮明に染色されることを示した。従って, グラム陰性菌におけるLPS変化を詳細に解析するために, この新染色法は大変有用であると結論した。また, 本法によってRプラスミド支配の膜不透過型薬剤耐性緑膿菌のLPSについて感受性緑膿菌株のラダーパターンと比較した処, 全く変化していないことが分かり, この抗生物質高度耐性化機構にはLPSが関与していないことが明らかとなった。
  • 西田 幸一, 新留 香二, 橋本 真知子, 大槻 雅子, 西野 武志
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1348-1362
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいβ-lactamase阻害剤であるTazobactam (TAZ) とPiperacillin (PIPC) を1:4に配合したTAZ/PIPCとTobramycin (TOB), Netilmicin (NTL), Ciprofloxacin (CPFX), Minocycline (MINO), Fosfomycin (FOM) およびCefoperazone (CPZ) のPseudomonas aeruginosa, Serratia marcescensおよびMethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) に対するin vitro併用効果を検討した。すべての菌種薬剤との組み合わせにおいてTAZ/PIPCは相乗または部分的相乗作用を示し, 拮抗作用は認められなかった。特に, P. aeruginosaにおいてはTOB, NTLとの組み合わせで, S. marcescensおよびMRSAに対してはFOMとの組み合わせにおいて55~86% の株でFractional inhibitory concentration (FIC) indexが0.5以下の値を示し, 相乗作用は顕著であった。また, 増殖曲線に対する影響および形態観察からも併用効果が確認された。
  • VancomycinとCeftazidime併用療法に関する考察
    松岡 喜美子, 永冨 由美子, 今西 啓子, 松原 正樹, 中西 功, 渡辺 洋敏
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1363-1368
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    大阪府立病院臨床検査科における過去約10年間の検査結果より次の検討を行った。
    1. Methicillin-resistant Staphylococcus aums (MRSA) 検出の年次推移において, 1983, 1984 年にMRSAはS. aureus分離症例の50%以上に検出されたが, 院内感染対策並びに抗MRSA剤の導入により激減し, 1988年以降は約10%程度となった。この間, 広城スペクトルセフェム剤等の使用制限は特に行わなかった。
    2. S. aureusと同時または菌交代として分離されたブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌 (非発酵菌) あるいは酵母菌は, MSSA分離症例に比しMRSA分離症例で高頻度にみられ, 非発酵菌のうち70~80%がPseudomonas aeruginosaであった。
    3. MRSAはVancomycin (VCM) に薬剤感受性が最も高く, 次いでArbekacin, Rifampicin で良好であった。同時分離された非発酵菌はOnfloxacin, Netilmicin, Ceftazidime (CAZ) に感受性が高かった。以上より, MRSA感染における非発酵菌への菌交代や日和見感染の予防には VCMとCAZによる併用投与が有効と考えられた。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次, 田中 節子, 中根 豊, 福本 寅雄
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1369-1378
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1993年11月~1994年2月に, 当所において検出した外来患者由来新鮮臨床分離株に対する Cefditoren (CDTR) の抗菌活性を知る目的で, 対照薬剤を加えた最小発育阻止濃度 (MiC) を測定して, 以下の結果を得た。
    1. Staphylococcus aureus subsp. aureus, Streptococcus pyogenes. Streptococcus pneumoniaeに対するCDTRの強い抗菌活性が認められた。なかでもBenzylpenicillin-insensitiveorresistant S. pneumoniaeに対するCDTRのMiCは, 対照薬剤も含あて最も低い方に分布していた。
    2. Haemophilus influenzae. Momxella subgenus Branhamella catazrhalis, Escherichia coli. k. lebsiella spp. に対するCDTRの抗菌活性は強く, CEPs耐性E. coliに対するCDTRのMICは大部分の対照薬剤に比較して低い方に分布していた。
    3. 上記に該当する菌種はCommunity-aquired infectionにおける主な起炎菌であることから, CDTRは外来を受診する感染症に対する有用性が期待できる。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次, 田中 節子, 中根 豊, 福本 寅雄
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1379-1400
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1993年2月~1994年1月に, 当所において検出した臨床分離多数株に対するNew quinolones (NQ) の抗菌活性を知るために, 1993年12月現在で上市されている大部分のNQを用いた最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 以下の結果を得た。
    1. グラム陽性菌に対するNQ 8薬剤の抗菌活性には, 薬剤間に差が認められた。すなわち, そこにおけるMIC分布には人きな違いがあり, NQ耐性Staphylococcus spp. の割合にも差があった。これらのことから, 今後においてはNQ耐性グラム陽性菌の耐性機序に関する研究の強化と, グラム陽性菌に対するNQ薬剤間の抗菌力の違いを, 臨床の場でも検討することが大切である。
    2. グラム陰性菌に対するNQ8薬剤のMlc分布にも違いが認められたが, NQ耐性グラム陰性菌においてはMICがより高くなる薬剤と, ある段階の濃度を越えるMICは示さないもののNQ感性株に比較すると高い方のMIcを示す薬剤があるが, そこにおけるMlC値の耐性側へのシフトは8薬剤がほぼ平行していた。これにより, NQ耐性グラム陰性菌の大部分はNQ 8薬剤に共通の耐性株と考えられた。
    3. 供試株には新たなNQ耐性菌が認められた。Haemophilus influenzae及びNeisseria gonorrhoeaeがそれである。そこにおける割合は前者は1割弱であるが, 後者は2割程度である。
    4. 対照としてMICを測定したAmpicillin (ABPC), Cefaclor (CCL) の結果からは, Benzyl-penicillin (PCG)-insensitive Streptococcuspneumoniae (PISP) 又はPCG-resistant S. pneumoniae (PRSP), 及びCEPs耐性Escherichia coliの増加が示唆された。
  • 内田 勝久, 山口 英世
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1401-1406
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Trichophyton mentagrophytesを実験的に感染させてモルモットの足底部皮膚に作成した足白癬モデルを用い, Terbinafine (TBF) を4週間連続経口投与を行った場合の治療効果を, 治療後の局所皮膚組織の培養陽性率および培養試験における集落面積から算出した集落形成単位 (CFU) の総数を指標として検討した。その結果, TBF 12.5mg/kg/日投与群は完全治癒に至り, TBF 3.13mg/kg/日投与でも, 対照薬として用いたGriseofulvin 12.5mg/kg/日投与を有意に上回る有効性を示した。
  • 内田 勝久, 工藤 道誠, 山口 英世
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1407-1412
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Trichophyton mentagrophytesをモルモットの足底部皮膚に実験的に感染させて作成した足白癬モデルを用い, Terbinfine (TBF) および対照薬Butenfine (BTF) の1%クリーム製剤を2週間または4週間連続局所投与を行った場合の治療効果を, 治療終了後の局所皮膚組織の菌陰性化を指標として検討した。さらに治療終了後再感染の起こらない環境において飼育し, 治療終了日から2, 4および8週間後に局所皮膚組織の培養試験を行い, 白癬の再発が見られるかを検討した。
    TBFの真菌学的治療効果はBTFと同等またはそれ以上であり, 前者では2週間投与, 後者では4週間投与により局所皮膚組織の完全な菌の陰性化が得られた。
    治療後の白癬の再発は, TBF治療群では8週間後の時点まで全く認あられなかったのに対して, BTF治療群では4週間後までは見られなかったものの8週間後に至り足底部の10例中2例において培養が陽性化した。これらの実験成績から, TBFは治療効果および再発予防効果の両面でBTFを上回る効力を示した。
  • 封筒法を用いた多施設共同研究
    内藤 和行, 村手 隆, 堀田 知光, 齋藤 英彦, 浜島 信之, 直江 知樹, 小椋 美知則, 有吉 寛, 田中 正夫, 小寺 良尚, 平 ...
    1994 年 47 巻 10 号 p. 1413-1420
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    血液疾患を基礎疾患として持ち, 臨床的真菌症が強く疑われる患者を対象に, Flucytosine (5-FC)(100mg/kg/day) 単独群 [A法] と5-FC (50mg/kg/day)+Fluconazole (FLCZ)(100mg/day) 併用群[B法]を封筒法で割り振り, 臨床的有用性を検討した。また, あわせて血中β-D-グルカンとD-アラビニトールを測定し, 治療効果との相関を検討した。
    集積された60例のうち有効性評価対象例59例 (A法29例, B法30例), 安全性評価対象例60 例 (A法30例, B法30例) であった。
    臨床効果はA法では有効率が65.5%, B法では60.0%であり両群間に統計学的に有意な差は認められなかった。また, 臨床効果に影響を与えると考えられる因子についても層別評価を行ったが, 両群間に有意な差は認められなかった。
    副作用はA法に嘔気が1例, B法に心窩部痛が1例認あられ, 検査値異常はB法に軽度の肝機能異常が2例認あられた。
    血中β-D-グルカン量の治療前後の推移が臨床効果とよく相関する事が示唆された。
feedback
Top